八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第八十話「A組 VS B組 けっぱれ一佳」

 

 

 

 

「八百万とは、一回決着付けときたいなぁって思ってたけど、何で雪花までいるかなぁ」

「そこは、チーム分けした先生に文句言ってちょうだいな」

 

 二回戦、B組は私、拳藤一佳·小森希乃子·黒色支配·吹出漫我。A組は、八木雪花·八百万百·葉隠透·常闇踏陰。正直言わせて、何故雪花と八百万を同じチームにした!?

 状況に合わせて、何でも用意出来て指揮能力も高い八百万。ガチガチのオールラウンダー処か、文字通り一人軍隊で一騎当千な雪花。それに加えて、ダークシャドウと常闇の強力なコンビに、透明な葉隠を警戒しながらとか。

 そして、何よりも厄介なのは、一緒に放課後自主連してるから、私らの手の内が全部雪花に筒抜けって事。

 

「だからって、白旗上げて降参なんて出来ない。みんな、やるよ!!」

 

 

 

「え、えげつねぇ」

「流石に、相手が悪すぎだぁな」

「お前の彼女、容赦無さすぎ」

「けっ、訓練で容赦してどうすんだよ、雑魚モブが」

「雪花を相手にするってそういう事だからな」

 

 巨大スクリーンに映る光景に、数人を除いてドン引きしている。それは何故か、画面の向こうの景色が"真っ白"だからである。

 

「雪像を禁止しただけでは足りなかったか」

「後、人質や民間人も居る設定もいるな」

「娘が申し訳ない」

「担任の想定不足ですから、謝る事じゃないですよ」

 

 スクリーンの向こう、戦場となっている運動場を見やる。ここからでも分かる位、荒れに荒れた猛吹雪。積雪1m越え、かの八甲田もかくやである。

 

 

「ゆ~きやこんこん、あ~られやこんこん、降っても降ってもずんずん積もる~」

「「「「···」」」」ガクガクブルブル

「あの···雪花さんがすみません」

「黒色、今度は一対一で雌雄を決しよう」

「降参···する?」

「「「「」」」」コクコクコクコク

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「······」

「何さ、焦凍。かっくんの出番何だから、言いたい事あるなら早くして」

「···お前がやり過ぎたせいで、引き分けだった」

「知らんがな」

 

 毎回それでは、他の者の訓練にならんとお叱りを受けた私。三回戦を引き分けで終えて戻ってきた焦凍が、私に不満げな表情を向けてきた。

 希乃子と黒色君を無力化出来るし、寒さで凍えりゃ声出せんし満足に動けん。戦わずしてヴィラン確保出来りゃ上等でしょうが。それで、焦凍が広範囲氷ぶっぱとか禁止になった所で、私の知ったこっちゃない。つか、鉄哲君とガチンコ殴り合いで負けてたろうが。近接鍛え直してこい、だわ。

 

「さぁやっちゃえ、かっくん!!もし負けたら、当分無しだかんなー!!」

「···何を?」

「お茶子~、そりゃ当然、セッンブっ」

「まだ昼間よ、雪花ちゃん。大人しく、応援していましょうね」

「···はい、梅雨ちゃんママ」

 

 梅雨ちゃんの大きな掌で口を塞がれ座らされた。負けたら、胸も使わせてやんないからな、かっくん。

 

 

「ぶえっくし!!」

「···風邪か?爆豪」

「ちげぇよ(また、雪花が変な事考えてんだろ)」ズズッ

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「あの口悪嫉妬激重爆発男が···素晴らしいじゃないか」

「お疲れ様、切奈」

「爆豪達に完璧にやられちゃった、柔造。物間~~ごめんなァ、引き分けにも持ち込めなくなっちゃった」

 

 一分けを挟んで四連敗。一回戦は、俺の初見殺しが嵌まったからだけど、それ以降は、突出した個の力に圧し負けたという印象。一分けも、轟が全力を発揮出来なかった上でと考えると、実質負けみたいなもんか。

 

「やっぱ、緑谷がうらめしいよね。パワーはピカ一だし、小回りの効くスピードもある。何なら、最近遠距離攻撃も編み出したって聞くし」

「緑谷を優先的に潰す、問題はどうやってだけど···俺の洗脳は、前に自力で解かれた事を考えると、余り期待は出来ないかもしれない」

 

 あの頃よりも、洗脳の精度や強度は上がっているとはいえ、緑谷には何らかの洗脳耐性的なものがあると考えていた方がいい。少なくとも、緑谷と追いかけっこする奴が必要か。

 

「この中で一番機動力があるのは、捕縛布で立体起動出来る心操君ね」

「そうなるか。俺が出来る限り緑谷を引き付けて、その間に数の利を生かして残りの三人を捕獲する。これが、このメンバーでのベターか?」

「いや、最初の緑谷君への囮は僕がするよ。心操君には、他にやって貰いたい事があるからね、ゴニョゴニョ」

「···分かった、必ず成し遂げる」

 

 

「お疲れ、かっちゃん!」

「次はテメェの番だ、出久。あの人から、でっけぇもん貰っといて、無様な戦い方すんじゃねぇぞ」

「···うん、分かってる。オールマイトに、安心して引退して貰えるように」

「···けっ、負けんじゃねぇぞ」

 

 僕の胸を軽くどついて、八木さん所に向かうかっちゃん。オールマイトが引退宣言をした日、かっちゃんは僕に言った。

 

『俺は、誰にも負けねぇNo.1になって、オールマイトの平和を越えた平和を作ってやる』

 

 いつだって、かっちゃんは越えていく事を目標にしている。僕だって、もうオールマイトみたいになりたいだけじゃ駄目なんだ。よく言ってるじゃないか、"更に向こうへ、Plus Ultra"だって。

 

「デク君、もう行くよー!」

「あ、うん、お茶子さん」

 

 見ていて下さい、オールマイト。僕がいるって、胸を張って貴方に言える自分になりますから。そう気合いを入れた時に、グローブの下で、OFAが怪しく光を放っていた事に、僕は気付かなかった。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

  小話「二回戦後の拳藤」

 

 

「ごめん、手も足も出なかった」

「何を言ってるんだい、拳藤。君はこの手で、皆を守っていたじゃないか」

 

 八百万に出して貰った、超絶暖か毛布を被った一佳が、物間の前に戻ってきた。物間は優しい口調で、個性で大きくして、三人を吹雪から守っていた一佳の手をそっと、自身の手で包み込んだ。

 

「こんなになっても、仲間を意地でも守り通そうとする君の気高さに、僕は尊敬の意を表するよ。でも、次からは君自身も大切にしてほしい。君が傷ついていくのを、ただ見ているしか出来なかった事が、とても苦しかったよ」

「うひっ!え、あ、あ、え···」

「さぁ、宍田君!!健闘してきた我らが仲間を、存分に暖めてあげるのだ!!」

「任されましたぞ!物間氏!!今の私の毛は、羽毛よりも暖かですぞーー!!」

「宍田、暖か~」

「溶けちゃいそうノコ~」

「(こ、こ、小森さんのが、あ、あ、当たってる)」

「···」ブシュー

 

 

「柔造審査員、何点でしょうか」

「宍田を呼ぶ前にもう一押し欲しかった、八点。切奈評論家の評価点は?」

「物間の言葉が、B組の仲間としてじゃなくなったら、一発で陥落かな。もう、グラッグラのボロッボロだと思う」

「何やってるの、あんたら」

「恥ずかしくて心操君と目を合わせられない柳さん、もう復活した?」

「あんたも、同じ位グラッグラのボロッボロだものね。シンパシー感じちゃった?」

「感じてないし、グラッグラでもボロッボロでもない!」

「さっき、俺の事呼んだ?」

「呼んでないから!!ほら、作戦会議するよ!!」

「···グラッグラのボロッボロというか、後は心操君に食べられるの待ち?」

「···多分、今は心操君好みに味付けられ中なんじゃない?こう、注文の多い料理店的な」

「今どこら辺?」

「そろそろ、塩を揉み込むんじゃない?」

「猟犬は?」

「扉の向こうに押し込むのしか居ません」

「ありゃりゃ」

 

 

 

 




···自分で作っておいて何だけど、こういうシチュだと雪花さんチートや~。
 早く対抗戦終わらせて、那歩島で(恋愛的な意味で)ライジングさせたり、クリスマスで性夜させたりしたいんじゃあ~。
 因みに、歴代継承者の扱いに困って筆が鈍り中。

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