八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第八十六話「嵐の中でぶん殴って」

 

 

 

 

「ブラドキング、アンタは生徒の所に。エッジショット、シンリンカムイとマウントレディを率いて北側から。マグネ、トガ、俺と一緒に南側から攻めるぞ。ミルコ」

「あ?私に命れ「暴れろ」···あっ?」

「だから、好きに暴れろ。目に入ったヴィランを、兎に角蹴り倒せ。アンタにする指示はそれだけだ」

「(ニィッ)これが終わったら付き合え。今度は、きっちりお前を酔い潰してやるよ」

「断る。いいから、さっさと行け」

「へっ、逃げんじゃねぇぞ!!」

「······トムラ君、あの人とお付き合いするのですか?」

「するか、馬鹿」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

『ナインって呼ばれてたヴィランのリーダー、その個性は恐らく気象変動系。だけど、使用には代償があるみたいで、それを何とかする為に、活真君の"細胞活性"の個性を狙ってるんだと思う。だから、必要なのは個性を使わせる事。活真君がこちらにいる以上、相手は大規模な個性使用は出来ない筈だから』

 

 

「見えた、行くぞウラビティ」

「うん、セロハン」

「行けぇ!!」

 

 私が浮かした岩達を、瀬呂君がナインに向かって放つ。

 

「邪魔だ」

 

 自分の周囲に竜巻を起こし、歩みを止めずに岩を弾き飛ばした。これで、倒せるとは思ってない。兎に角、個性を使わせて使わせて、デク君達に繋ぐんだ。

 

「俺の道を、阻むな」

「くおっ!」

「きゃあああ!」

 

 巻き起こした嵐で、逆に私達に飛ばしてきた岩に、ヘルメットが剥ぎ飛ばされる。

 

「っ!本命まであと少しだ!」

「う、うん!」

「セロハン!ウラビティ!準備出来てるぜぇ!!!」

「「グレープジュース!!」」

 

 木の杭で塞き止められている、大量の大岩と峰田君が見えた。

 

「ウラビティ、任せた」

「くぅぅううううう、Plus Ultraぁぁああああ!!!!」

 

 後は、任せたから、デク君。

 

 

 

 

『最早温存等、していられん!!!』

「くっ!本命が防がれた!!」

「雷雲!チャージズマ、お願いしますわ」

 

 大岩と峰田のもぎもぎで封印する作戦で決まって欲しかったんだけどなぁ。上空に出現した、どす黒く渦巻く分厚い雲を見上げながら、震える足に苦笑しながら思った。

 

『上鳴君、凄い酷な事を言うけど、君には、敵の使う落雷攻撃の避雷針になって欲しい』

「顔に似合わず、ひでぇ事言うよなぁ、緑谷も」

 

 でもまぁ、あの爆豪もダウンしちまう位だから、俺がやらなきゃ全滅しちまうもんな。

 

「それに···」

『頑張れ、チャージズマ』

 

 女の子に、あんな不安な顔されながら応援されたら、ビシッと決めて、安心した顔にしてやりたいよなぁ。だからよ、耳朗。そこで笑って見ててくれよな、俺の一世一代の晴れ姿をよ。

 

「よろしくお願いしまーす!!!」

 

 そして、天高く突き出した指先に、稲妻が降ってくる。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「何!!!」

 

 目の前の木っ端共や、先に陣取っている奴らに向けて放った落雷が、引き寄せられる様に一ヶ所に落ちた。く、奴らの中に、電気系の個性持ちが居たのか。

 

「新世界の神となるべき私が、ガキ共相手に···ふざけるなぁああああ」

「寝言は寝て死ねぇえ!!」

「St. Louis SMASH!!」

 

 昨日倒した筈の、強化系と爆発系の二人。何故だ、俺の落雷を諸に食らっておいて、何故動けている。

 

「俺の、邪魔を、するなぁああああ!!!!」

 

 

 

「かっちゃん!!」

「爆心地ヒーロー"ダイナマイト"だ!!吹き飛ばすぞ!デク!!」

「うん!!DETROIT SMASH !!」

 

 僕達に向かって放たれた竜巻を、僕の拳とかっちゃんの爆破で消し飛ばす。焦っているのか、個性の使い方が雑になってる。多分、もう時間がないんだ。

 

「畳み掛けろや、A.Pショット·クラスター!!」

「DERAWARE SMASH!!」

 

 相手に息をつかせるな。このまま、押し切れ。かっちゃんとなら、出来る!!

 

「はぁはぁはぁ、仕方がない。もう、後には退けんのだあああ!!!」

 

 無針注射器?!いったい、何の薬だ。

 

「う、う、うぐああああ!!!!」

 

 

「渡す時に言いましたよ、ナイン。それは、最期の最期のとっておきだと。せめて、その身と引き換えに、八木雪花の抹殺だけは果たして下さい。それが、貴方の贖罪なのだから」

 

 

「ち、何が起こってやがる」

「ダイナマイト、デク、どういう状況?!」

「八木さん!轟君!わ、分からない。何かの薬を自分に打ってから、いきなり様子がおかしくなって」

「考えんのは後だ!来るぞ!!」

「新たな···秩序ぉぉおおおおお!!!!!」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「きゃああああ!!」

「地、地震だあああ!!」

「崩れるぞーー!!」

「不味い!入り口が!!」

「砂藤君!!」

「俺が支える!!皆を奥へ!!」

 

「きょ、供給過多じゃね?」バタッ

「上鳴!!うわあああ!!」

 

「真幌ちゃん、活真君、伏せて!!」

「くっ、なりふり構わずか!」

「このままでは、島が!」

 

 

「···イッテテ、大丈夫、皆」

「うぐっ···何とか」

「暴走···してんのか」

「俺ら諸とも心中する気か、クソヴィランが」

 

 爆発的な暴風に吹き飛ばされたけど、石垣に叩き付けられたお陰で、海まで飛ばされずにすんだ。

 雷が大地を砕き、風が全てを吹き飛ばし、海は荒々しく波打つ。映画で良くある、世界終末の描写みたくなったその中心には、苦悶の絶叫をあげる親玉さん。いったい、どんなヤク決めたらそうなるんだい?

 

「取り敢えず、あの如何にも凶悪で禍々しい竜巻を、どうにかしないとね。三人とも、まだいけるよね」

「当たり前だろうが、テメェこそ、そこで大人しく見てやがれ」

「例え大丈夫じゃなくても、やらなきゃ」

「ああ、守るしか道はねぇんだ」

 

 竜巻処か、圧縮された台風。それを、私達で何とかする。お父さんだったら、皆安心して見ていられるんだろうな。だからこそ、何とか出来たら、お父さんを越える一歩になれる。

 

「行くよ!豪雪ハリケーン!!」

「赫灼熱拳 プロミネンスバーン!!」

「OFA100%!DETROIT SMASH!!!」

「ハウザーインパクト·クラスター!!!」

 

 

 

「くっ!100%が···押し戻される」

 ここで負けたら、島の人達が、活真君達が、クラスの皆が、お茶子さんが。

 

「ぶち···破れねぇ」

 弱音吐いてんじゃねぇ!!俺は、オールマイトを越える、No.1ヒーローになるんだろうが!

 

「くっ、足りねぇのか」

 こんな所で終われるかよ。俺は、No.1の息子だろ。それに、後ろには、百が居るんだ!!

 

「止め···らんない···」

 オールマイトの娘でしょ。台風位、晴らせないでどうするの。

 

 

「「「「Plus Ultraーーー!!!!」」」」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

「うおっと!大丈夫かい?リューキュウ」

『ええ、何とか。この下で、あの子達が戦ってるのね』

「だろうね、行けるかい?」

『振り落とされないで下さいね。ディナー、楽しみにしてるんですから』

「おっと、そりゃお店のランク上げとかないといけないねぇ。皆さん、そろそろ出番ですよ」

 

 

 

 




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