水鏡律季と爆乳魔女 ~ハングリー・フォー・バスト~   作:黄緑信号

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31. 爆乳魔女のあわあわ天国/水鏡律季はじめての敗北(♡♡♡)

 やはりと言うべきか、浴室も個人用とは思えないほどに豪華だった。

 裸でもわずかに汗ばむ温かさの空気を、暗めの暖色照明が照らし、ムーディーな雰囲気を醸し出している。シャワーと洗い場はなぜか二つもあり、円形の大きな浴槽にはなんとジャグジーが付いている。窓の景色は三十階の高さから街が一望できるが、住民が避難しているので灯りがほとんどついておらず、美しい夜景にはなっていない。

 

 ――だがどっちみち、景色なんか見ている暇は今の俺にはなかった。

 

 

 

「着替えっていうか……これ、ほとんど裸なんですけど……」

 

「う゛ぅぅぅぅ……まだ裸の方が恥ずかしくねぇよ、こんなの……ッ!」

 

「隠してはならんぞ螢視。今夜の主役をもてなしてやらねば♡」

 

 大きなピンク色のマットの上に、俺はどっかりとあぐらをかいていた。

 その周りを取り囲む炎夏さん、秋月先輩、レイン先生は、淫靡な雰囲気の濃い紫色をした、超ハイレグのビキニショーツを履いている。

 上はなんと、ショーツと同じ紫色のニップレスを乳首に張り付けただけ。しかもそれだけではなく――

 

「そ、そんなこと言われたって……穴開きのニップレスって、もはやなんの意味があるのかわからないんですけど。ただのエロコスプレじゃないですか」

 

「そりゃーもちろん、相手に興奮してもらうために決まっておろう」

 

「こんなので興奮する奴、ただのバカでしょ……」

 

「別にバカでも構わんよなぁ♡ こーんな絶景が見られるんじゃから……♡」

 

「ま、まったくそのとおりです……っ」

 

「……く……こいつは」 

 

 ただでさえギリギリの面積しかないニップレスの中央に穴が開いて、乳首が丸出しになっている。隠すべき場所をむしろ強調したその作りは、男を喜ばせること以外に機能がない、完全なるスケベ衣装のそれだ。

 秋月先輩はこちらを睨みつけながら、諦めて胸を隠す手をどけて、陥没乳首をさらけ出す。炎夏さんは自分も胸を隠したい欲求をこらえるかのように後ろで硬く手を組んで、恥ずかしそうに目をそらしていた。衣装を用意したレイン先生だけは涼しい顔をしながら、己の爆乳を自慢するかのように腋見せポーズをとる。

 

「――じゃあ、いきますよ」

 

「……んっ♡ ちょっと、冷たいじゃない……♡」

 

「ご、ごめんなさい」

 

 俺はラベルにフランス語が書かれた、見るからにお高いボディソープを三人の谷間に垂らす。すると爆乳魔女三人が、一斉におっぱいを両手で持ちあげて、互い違いにこすり合わせる。――六つの乳首丸出しニップレス爆乳は、みるみるうちにモコモコと泡立っていく。

 

 ――今から俺は、三人におっぱいで体を洗ってもらう。

 水着の上にタオルを巻いた俺は緊張と期待でガチガチになりながら、その様子を遠慮なくガン見していた。右にも左にも正面にもおっぱいがあるので、どこを見ても素晴らしい光景なのだ。

 

「な、なんでおれまで、こんなこと……♡ 趣味がオッサン臭いぞお前」

 

「いや、俺が提案したわけじゃないんですけどね」

 

「そのわりにはうれしそうにしてるじゃない。鼻の下伸ばしながら私たちのおっぱい見比べて……律季くんはまず、心の汚れの方を洗い流すべきだと思うけど?」

 

「にひひひ♡ たっぷりもてなしてやるからのー、律季♡ 興奮しすぎて鼻血出すでないぞ♡」

 

 自信はなかった。ポカポカする温度と浴室の湿気、そして圧倒的すぎるこの状況。ニップレス姿の爆乳魔女三人に囲まれて、既に大分頭には血が上っていた。膝を手で押さえていないと体がプルプルと震えてしまいそうだ。

 

「よし、ではいくぞ二人とも♡ おっぱい洗体、よーい♡」

 

「は、はい……じゃあ律季、足出せ」

 

「え……? こ、こうですか?」

 

 レイン先生が俺に後ろから抱き着いて、背中におっぱいをむんにゅりと広げるように押し付ける。言われるがままあぐらを解いて寝そべるような姿勢になった俺の足を二人が取って、右足首が炎夏さんの谷間に挟まれ、左足首が秋月先輩の谷間に挟まれた。

 ――そして六つのおっぱいが、一斉に動き始める。

 

「うーり♡ うーり♡ どうじゃ律季♡ かゆいところはございませんかー♡」

 

「こうやって、下から順番に洗ってあげるからね♡ だいぶ時間かかると思うけど――どうせそっちの方がいいんでしょ?」

 

「……おっぱいってすげぇんだな。足がすっぽり入って、そのまましごいて洗えちゃうとか……」

 

 ――あしが、すごくあったかくて、やわらかくて、ちょっとだけくすぐったい。

 あまりの事に俺の思考は、しばらくの間著しく遅くなった。

 

 炎夏さんと秋月先輩が俺の反応を上目遣いで見ながら、足を包む乳房を両手で挟んでズリズリと動かす。レイン先生がゆっくりと爆乳全体を俺の背中にこすりながら、おどけた声色で「むにむに♡ ぱふぱふ♡」と囁いてくる。穴開きニップレスから突き出た丸出しの生乳首が、ぷりゅぷりゅと絡みつく感触がはっきり伝わる。とてもお高い感じのボディソープの匂いと湯気が、至近距離の三人の香りと混ざり合う。

 前門の先輩爆乳、後門の先生爆乳。五感全部に訴えかけて来る年上ハーレム。おっぱいスポンジご奉仕。「う、ぁぁぁぁっ……」と、情けない声が意識せず出た。

 

「全然動かなくなっちゃったけど……胸の中で足動かしたいんでしょ? 別に我慢しなくてもいいよ」

 

「い、いえ、さすがにそれは……お二人のおっぱいを足蹴にするなんてこと、できませんよっ」

 

「……お前セクハラは容赦ないくせに、妙なところで気を遣うよな」

 

「ほんとそうなの。――あ、そうだけーちゃん、ちょっといい?」

 

「なにが? ――わわっ」

 

 炎夏さんが秋月先輩を抱き寄せ、おっぱいを合わせた。不意打ちで急接近された秋月先輩は赤面した。二人は膝の上に載せた俺の足を、四つのおっぱいで左右から挟み込んで、何度も何度も上下にしごく。

 ――『ずりゅッ♡♡ ずりゅッ♡♡ ずりゅッ♡♡』と、親友二人のおっぱい同士がこすれて泡立つ音が浴室に響く。

 

「んぅっ……炎夏(ホノー)、ちょっと、強いって……♡」

 

「え? そうかな? でもこのぐらい強くしないと洗えてる感じしないし……律季くんはどう? ちゃんと綺麗になってる感じするかな?」

 

「わ、わからないです。気持ちよすぎて、なんか足の感覚があんまり……っ」

 

「そっか。じゃあ細かい所は手洗いしてあげるね」

 

「お前はお前でいざとなるとやる気満々なのはなんなの?」

 

「あー……私も律季くんの思い通りになっちゃうのは悔しいんだけど、どうせやるからにはちゃんとしてあげたいっていうかね。――ここまで体張るんなら、気持ちよくなってくれないと損だし」

 

「損かな!? 一方的に律季が得をしてるだけだぞ」

 

 炎夏さんと秋月先輩が、俺の脛の辺りを優しくおっぱいで擦りながら、細い指を使って入念に俺の足を洗う。足指の間まで丁寧にやられるのがくすぐったいやら恥ずかしいやら。

 ――つーか、女の子のおててで素肌をさわさわされるだけでも、正直だいぶ気持ちいい。くせになりそうだ。こんな贅沢を経験してしまうと、明日以降自分で洗うのが物足りなく感じてしまいそうなのが怖い。

 

「あっ……んぅっ……ふぅぅぅっ♡♡」(炎夏(ホノー)の顔、近い……っ♡)

 

「ど、どうしたんですか先輩? そんなかわいい顔して」

 

「な、なんでもない……っ♡」(うぅぅぅ、やばい♡ さっきから炎夏(ホノー)の乳首が、おれの乳首が絡みつくみたいにっ♡)

 

 ふと、俺の足に熱い液体がかかる感触。秋月先輩の陥没乳首がそそり立って、母乳が噴き出てしまっていた。白くてにぢにぢした母乳がボディソープに混ざって粘り気が増し、ローションそのものの質感に変わっていく。

 先輩はそのことに気づいていないようだ。さっきから視線が炎夏さんの顔しか見ていない。明らかに彼女と触れ合って興奮していた。

 

(――俺の炎夏さんでエロい気持ちになられるのはちょっと腹立つけど……それ以上に、親友同士のレズ絡みがエロすぎる!! ……も、もうちょっと見ててもいいか……!!)

 

(くっ、くそっ……ダメだ! 炎夏(ホノー)でそんな気分になるなんて……洗うのに集中しないとっ)

 

「ん? あれー? ひょっとしてけーちゃん、私のおっぱいとこすれて感じちゃってる?」

 

「ギクッ!」

 

「やっぱり。さっきから母乳漏れちゃってるよね、これ♡ それとも律季くんの足をゴシゴシしてるだけで気持ちよくなっちゃったとか?」

 

「それはもっとねぇよ!! ――んぉっ♡ ちょっ……何してっ♡」

 

「泡立ちが足りなくなってきたから揉んでるだけだよ?」

 

「じゃあ乳首触らなくていいだろ……♡ ――ッ♡♡ ふぁぁぁっ♡♡」

 

「うーりうーり♡ 律季くんのまねー♡」

 

 秋月先輩の胸を触る炎夏さんは、実に楽しそうな笑みを浮かべている。この人意外にいたずら好きなんだな。昔の二人の関係性がなんとなく想像できる光景だ。

 

 

 

(……くそぉっ、恨むぞ律季……おれの幼馴染を、こんなドスケベに変えやがって……!

 ――でも……炎夏(ホノー)とこんな風に遊べるの、久しぶりだな……)

 

(……くっ、やっぱりジェラシーだな。当たり前だけど俺よりずっと、炎夏さんと仲がいい……。

 ――ああでも、この状況すごいな! 爆乳美少女二人が、あわあわで絡み合って……! ずっと見てたいぞ! 創造(クリエイション)でカメラ作れたらいいのに……!!)

 

 

 

 ――だがそれはそれとして、今俺の身体にはちょっとした危機が迫っている。ある意味ではシャレにならない事態だ。

 

(しかし……まあ……これ以上興奮すると、さすがにマズイよな……)

 

 あえて言うが――男特有の、下半身のあれだ。

 もともと半裸美女三人に囲まれるだけで相当やばかったのに、今のレズ絡みがトドメになってえらいことになってしまっている。水着の上からタオルを巻いた二重のディフェンスにもかかわらず全くごまかせていない。

 元男の秋月先輩は多分気づいている。さっきから妙に視線がこっちに来ないので、見ないようにしている可能性が高い。「ほほう、さすがに英雄の器じゃのう……♡」なんて、意味深なことを言ってくるレイン先生もいるし。炎夏さんは秋月先輩とじゃれあうのに夢中で気づいていないようだが、このままではバレるのも時間の問題だ。

 完全に気づかれる前に手を打たなくてはならない――どうする?

 

「律季、律季」

 

「!? なんですか先生」

 

「おぬしの考えていること、わかるぞ♡ まだ炎夏にはバレたくないよなぁ……♡ わしにいい考えがあるゆえ、聞くがよい♡ ――ごにょごにょごにょ……」

 

「――あの……すみません、全然わからないんですけど」

 

 文字通り「ごにょごにょ」と言われても困る。それは寝ている時の「ZZZ……」と同じ漫画的表現であって。

 ――つーか、今の状態では耳元でささやかれるだけでもだいぶヤバイ。おかげでますます追いつめられてしまった。

 

「おぉ、すまぬのう♡ それでは改めて――ごにょごにょごにょ」

 

「!! そうか、その手がありましたね。――あのすみません、二人とも」

 

「なーに?」

 

「なんだ?」

 

「膝から上は胸で洗うんじゃ体勢が難しそうなんで……その、もっと別のやり方で洗ってもらえませんか?」

 

「別のやり方って?」

 

「……あー、その、えっとですね……」

 

「二人で律季に背中を向けて、腿にお尻をこすりつけるんじゃ♡」

 

「「――ッ」」

 

 お二人の視線がますます冷たくなってしまったが、仕方ない。

 これならお尻の感触を左右の足で味わうことができて、背中やヒップの肉体美も堪能出来て、おまけに俺の下半身が危機的状況にあることもバレずにすむわけだ。レイン先生、策士である。

 

「……いやでも、尻で洗うって、どうやって? 胸でもそんなに泡立たないのに、ケツでゴシゴシしてもあんまり意味なさそうだが」

 

「ああ、かまわんかまわん。だってもとから洗体なんぞ、律季に女体の感触を味わってもらうための口実に過ぎんし」

 

「言い切ったわよこの淫行教師」

 

「しかしそうじゃのう――乳のように互いに擦り合わせるというわけにはいかんが、律季の手でたーっぷりと尻を揉みしだいてもらえば、多少は泡も出るのではないかの♡」

 

「……いや、自分でもできますよねそれ。なぜ律季に触られる必要が……」

 

「えーい、うだうだ言っとらんでさっさとそのプリケツを向けんか。螢視はついさっき尻に、手どころか顔面うずめられたであろうが。もう恐れるものもなかろう?」

 

「はいはい」

 

 炎夏さんの骨盤の広い安産型のお尻と、秋月先輩の半球が大きくて谷間が深いお尻が、それぞれ突き出される。

 俺は両手にボディソープをまぶして、左右に並ぶお揃いの紫ビキニショーツを履いた二つのデカ尻をなでくりまわした。

 

「……あっ、今思いついたけど……わしらに洗ってもらうより、律季が炎夏たちを手洗いする方が好みだったかの?」

 

「――うわ、それもかなり魅力的ですね」

 

「ふむ、ではいつかまたやろうな♡ 今度は攻守交替ということで……三人並べて、カラダの隅から隅までべたべた触り放題の洗い放題プラン……60分コースじゃ♡」

 

「おい炎夏(ホノー)。なぜかおれ達に断りもなく次回の予定が入っちゃってるぞ」

 

「レイン先生はいつもこんな感じで、勝手に予定を決めるわよ」

 

「だから、お前も逆らえってのに……」

 

 ――ずんっ!!

 ぶつくさ言いながらも、二人は素直に俺の足を尻に敷いた。その瞬間、マットに地震が起きる。降りかかってきた巨大なお肉の塊は、大して勢いがついていないにもかかわらず強烈な衝撃を伝えて来た。

 

「……っ! お、おんも……っ♥♥」

 

 やはり、胸とお尻と太ももにたっぷりとついた贅肉の重量はごまかせない。

 腕やお腹や腰はこんなにすらっとしている炎夏さんの身体が、実際に乗っかってくるとこんなにも重たいという事実。女の子にもちゃんと体重はあるんだなぁ、と謎の感動を覚える。

 

「ってちょっと待ちなさいよコラ!! 重いって言った!? 言うに事欠いて重いとぬかしおるか!!!!!?????」

 

「はい――炎夏さんと秋月先輩のお尻、すごく重いですっ。さ、最高……っ!」

 

「否定しなさいよ!! 足折るわよ、このこのっ!!」

 

 ――ばすんッ!! ばすんッ!! ばすんッ!!

 キレた炎夏さんが腰を持ち上げて、何度も何度も俺の太ももをそのデカケツでプレスする。衝撃でお肉がむっちむっちと波打った。

 M字開脚の体勢で男の足にまたがり、上下するその動きがものすごく卑猥に見えることに彼女は気づいているのだろうか。――仕返しのつもりなのだろうが、超眼福である。

 

「あ゛~、炎夏さんおっぱいおっきくて好き。お尻重たくてかわいい……♥」

 

「まだ言うかぁー!!」

 

「ま、まぁ、おれはそんなに気にしないけどさ……どうだ律季、こんな感じで動けばいいのか?」

 

 ――ぐりゅ……っ♡ ぐりゅ……っ♡ 

 秋月先輩が俺の膝の上で、腰をグラインドさせる。たぷたぷ・もちもち・しっとり質感のお尻が、少しずつこちらににじり寄ってきて、泡を塗布する感覚を広げて来る。

 

「うおおおおっ! そ、それもものすっごくエロい……!!」

 

「――きゃふぅん♡ おい律季っ、何急に胸揉んで――んぃぃっ♡ ちょっ……また、噴乳()っ♡」

 

「えっ!? まだ出るんですか!?」

 

 ついさっき搾り尽くしたと思っていた秋月先輩のミルクが、ちょっと胸を揉み込んだだけで再び勢いよく噴き出した。まだまだ中に溜まっているって感じの出方だ。

 ――これって本当は母乳じゃなくて、すごく貴重な回復魔力の塊なんだよな……? そんなものをこのスピードで体内で作り出せるって、秋月先輩もけっこう天才だったりして。

 

(搾乳プレイもはかどるし!)

 

「んぃぃッ♡ ちっ、乳首つまんで、しごかれてっ♡ これ、まずっ――ふぁぁぁぁあああぁぁぁんっ♡♡」

 

「ほほう、まだまだたっぷり出るではないか♡ ちょうどいい、たった今出て来たけーちゃん印のミルクをボディソープに混ぜて――足全体を包み込むように、太ももでこするがよい♡」

 

「あ、足全体って……こう、ですか?」

 

 炎夏さんと秋月先輩が、俺の足を太ももで挟んで、前後に動く。

 体勢が垂直になるせいで、お尻というよりも股間で摩擦する感じになった。

 

 

 

「……んくっ……く……ふっ♡」

 

「……んぅっ♡ ふぅ……ぁん♡ 君の足にこすりつけるの、気持ちいいかも……♡」

 

 

 

 二人は俺に背中を向けているから直接顔は見えないが、洗い場の鏡に映って表情が見えている。

 ――股間に走る未知の感覚に困惑しながら、口を抑えて喘ぎ声をこちらに聞かせまいとする秋月先輩の顔と、鏡越しに俺と目を合わせながらすっかり快感に身をゆだねている炎夏さんの顔が。

 

 ……ちょっとまずい絵面な気がする。

 いや、気持ちいいから全然いいんだけど。実にエロくて素晴らしい景色なんだけど…………これはもう完全に、アレなのでは………………?

 あとついでに言っておくと、泡まみれの肌と肌がこすれ合う音に交じって、なんかクチュクチュ言ってる。この妙な水音は一体なんなんだろうか。……いや、きっとただの水だ。ただの水だと思いたい。お互い泡まみれだし、何回も水で流してるから濡れてるのは当たり前だ。

 

(……でも、万が一そうじゃなかったら……これって………………………………)

 

 ――よし、やめよう。これ以上思考を進めるのはよくない気がする。

 俺は爆乳美女二人のとんでもない痴態をおとなしく眺めながら、左右のデカケツをただただ揉み続けたのだった。

 

「……密着してるからわかるが……心臓、ものすっごいドクンドクンしとるぞ♡ 目もギンギンに血走らせて……ひょっとしてのぼせてしもうたか? まだ湯に浸かってもおらんのに。

 ――もっとも、直接肌で感じる人の体温は焚き火よりもあったかいと言うし……大好きな爆乳雌たちと、これだけはだかんぼでべたべたしとったら、ゆで上がってしまうのも仕方ないことじゃがのう……♡」

 

「……♥♥♥♥」

 

 ――あー、いかん。思考が定まらなくなってきた。レイン先生の言葉が右から左に抜けていく。

 お尻に敷かれ続けてる足も本格的に感覚がなくなってきている。重みで血が止まってるとかではない。与えられ続ける快感が皮膚をマヒさせていた。

 

「にひっ♡ 律季もだいぶ出来上がってきたみたいじゃし、そろそろ締めといくかのう♡ ――炎夏、螢視、いったん離れよ。最後はわしらの体中すべてを使って、くまなく汚れを落としてやろうぞ」

 

「体中……ですか?」

 

「まあ、なんとなく想像つきますけど……」

 

「要するにこーゆーことじゃ」

 

 一時解放されて膝立ちになった俺の前で、レイン先生がマットに仰向けで寝転ぶ。

 腕を後頭部で組み、股を大きく開いた――服従を示す犬のようなポーズで。

 

 

 

「さあ、律季――おねーさんにおいで♡ なのじゃ♡」

 

 

 

 その言葉に対し抵抗する術を俺は持たない。

 開かれた足の中に誘われるように、ふらっと倒れ込んだ。迷うことなくレイン先生の胴体にしがみつき、胸板に爆乳を押し付ける。

 

「いくよ律季くん♡ 痛かったら言ってね……♡ ――あ、でも、重たいって次言ったら殴るから」

 

「こいつの場合グーパンでもご褒美になりそうな気がする」

 

 などと言いながら、炎夏さんがうつぶせになって俺の背中にのしかかってきた。

 ずっしりとした重みが体全体を包み込む。レイン先生が下で炎夏さんが上、贅沢すぎるおっぱいサンドイッチのできあがりだ。

 

「ふ、おおおおおお……!!」

 

 ――ぎゅむぅぅぅぅ~~~~~~っ♡♡

 全身が女体のぬくもりで包み込まれる。三人ともボディソープまみれでぬるぬるしているせいで、より密着感が増していた。

 

「わしらは動かんから、好きに動くがよいぞ……♡ わしらのカラダ全体をスポンジがわりにして、存分に汚れを落とすがいい♡」

 

「動けるもんなら動いてみなさい♡ 上から思いっきり体重かけて、ギッチギチに圧迫してあげるから……♡」

 

「む、ホントじゃの。炎夏が上に乗ったらちょっと苦しくなったぞ」

 

「えぇぇーっ!!?? ど、同性に言われると本気でショックなんですけど……私本当にそんな重いですか?」

 

「冗談じゃ。下にマットも敷いてあるし、なんてことはない。律季をいじめてやれ♡」

 

「り、了解です。――この悲しみを律季くんにぶつけてやるわ」

 

(やつあたり!? ――ま、まぁいいけど! 俺は幸せなだけだし……!)

 

 とはいえ、さすがにこうまでギチギチだと俺もろくに動けない。なにしろ二人とも俺よりずっと背が高いのだ。体格差のせいで抑えられている面積が大きい。横向きにサンドイッチされているし床がマットなので、足の踏ん張りもほとんど効かなかった。

 

「く……っ!」

 

 ――へこっへこっ。へこっへこっ。

 結局俺にできたことは、しがみついたレイン先生に向かってわずかに体を押し付けることだけ。身体強化(スフォルツァート)を使えばもう少し動けるが、それをやると負けな気がした。

 

「おいおい、なんじゃそれは? それがおぬしの全力か~?」

 

「さっきのかっこいい律季くんはどこへ行っちゃったの? もっとがんばりなってば」

 

「お前の今の格好って、たぶん世界の男の中で一番情けない姿だよな」

 

「うぅぅ……」

 

 レイン先生が至近距離で舐め切ったジト目を向けて来る。炎夏さんが蔑んだ声で耳元で囁く。近くに座った秋月先輩が、俺の頬をぷにぷにと指でつっついてくる。

 悔しいけど超気持ちよかった。――いやそれは嘘だ。ぶっちゃけそんなに悔しくもない。全裸美女のハーレムで全身包み込まれながらいじめられるのが、悔しいわけがない。罵倒されようが何されようが気持ちいいオンリーだ。

 

「残念ながら律季の力では、こうして腰をヘコつかせることしかできないようじゃ♡ 仕方ない、わしらが代わりに動いてやるとしよう……♡」

 

「は……?」

 

「うわ、マジですか。絶対ヤバいですよそんなの」

 

「ごめんね律季くん♡ 多分今から頭おかしくなっちゃうぐらい気持ちいいことが起こるけど……体、洗ってあげないといけないから♡」

 

「えっ――ち、ちょっ……」

 

 ――むぎゅっ♡♡ むんにっ♡♡ ずりゅっ♡♡ ずりゅっ♡♡

 レイン先生の念力で体を固定された俺に、炎夏さんが全身のお肉を激しくこすりつけてきた。

 

「!!?? っ゛~~~~~~~~♥♥!!!!」

 

「おっ♡ だいぶ効いとるようじゃぞ~♡」

 

 体中に電撃のような快感が走る。

 上から体重をかけられることでレイン先生のおっぱいやお腹へ、全身がさらに沈みこんでいく。まるで波打つ肉の海に浸かっているようだった。二人との体の境界線がなくなっていくような錯覚がする。

 

「どれ、わしも――ぺろっ♡ ちゅっ……♡」

 

「ふぉっ!?」

 

 レイン先生が組んだ腕を解いて、俺の頭を撫でながら、舌で顔面をペロペロとなめて来た。目をぴったり合わせたまま、ベロを出した淫靡な表情が視界いっぱいに迫りくる。

 

「や、やめてください。汚いですから……!」

 

「なにをっ!? わしのつばが汚いと言うか!?」

 

「そんなわけないですっ!!!!!!!! ――そうじゃなくて、顔はまだ洗ってませんから……く、ぁぁぁっ……」

 

「おぬしはそんなこと考えなくていーの♡ 黙って気持ちよくなっていればよいのじゃ♡」

 

「あ、けーちゃんもやってみる?」

 

「オッケー」

 

(なんで秋月先輩までノリノリ!?)

 

「離れる前に――それっ、こちょこちょこちょー♡」

 

「あははははっ!? な、なにして……!?」

 

「別にー? 思いついただけー♡」

 

(ほ、炎夏さんがいたずらっ子に……!)

 

 炎夏さんっぱいが斜めにずれて、間髪入れずに秋月せんぱいっぱいが空いたスペースにのしかかってくる。背中にボディソープが継ぎ足しで注がれ、四つに増えた爆乳がズリズリと動きまわった。その間もレイン先生の執拗なぺろぺろ攻撃は止まらない。

 

「おしくらまんじゅう、おされてなくなっ♡」

 

「お、おしくらまんじゅう、おされてなくな……っ♡」

 

「ほう、さすが親友同士、息ぴったりではないか」

 

「幼稚園ぶりですけどね。まぁ、その時には律季はいなかったですけど……」

 

「どれ、わしも――おされてなくなっ、おされてなくなっ♡」

 

「……♥」

 

 ――あぁ……天国だ。

 おしくらまんじゅうを小声で合唱しながら、三人のサキュバスが全身をこすりつけてくる。浴室に反響しているせいなのか、意識が朦朧とし始めているからなのか、ゴシゴシという音と三人の声がだんだん遠くなってきていた。

 

「――ていうか、あの……ちょっとすみません。もういいので、そろそろ離して……」

 

「だぁめ♡ 離さない……♡」

 

「いや、その、もう体も洗えたと思いますし……――これ以上やられると、ちょっとまずいと言いますか……っ」

 

「なにがじゃ? せっかく楽しくなってきたところではないか♡」

 

 女体の温かみを全身くまなく与えられているせいで気づくのが遅れた。本当にヤバい状況だ。頭がボーッとするとかそういう次元じゃない。受け止められる快感が限界に近付きつつある。

 

「ち、ちょっと本当に……! お願いです、10秒でいいんで止めて……」

 

「やだよ。おれや炎夏(ホノー)がそう言っても、お前全然やめてくれなかったじゃねーか♡」

 

「これはね、仕返しなのよ……♡ 私たちだけ恥ずかしい目に遭うなんて損だもん♡ たまには私が律季くんをいじめたいわ……♡ だから……」

 

 

 

 「「――絶対やめてやら(あげ)ない♡」」と声をそろえ、秋月先輩と炎夏さんがさらに動きを加速させる。

 三人の長身美女の拘束は、必死に全身をよじってもピクリともしない。

 

「いやっ、マジでこれ、シャレにならっ……あ゛ぁぁ……♥」

 

「えーい、うるさいぞ♡ 口を閉じとれ♡」

 

「――ぐむっ」

 

 レイン先生が俺の頭を掴んで、顔面を鎖骨のあたりに押し付けた。

 ――ボディソープに淡く混ざったオトナの女の体臭が、思い切り鼻腔に流れ込む。乳首丸出しのニップレスをつけた六つの爆乳が、潰れるほど強く体中を圧迫して、しつこく絡みついてくる。

 

 

 

 

 ――ぱふぱふ♡♡ たぷたぷ♡♡ ずりずり♡♡

 むにゅむにゅむにゅむにゅむにゅむにゅむにゅむにゅ~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡♡

 

 

 

 

(――あぁ、ダメだ。もう、限界――)

 

 爆乳美女三人が織り成す肉の海に、首までつかりながら――俺は、思考と我慢を放棄した。

 

 

 

「♥♥♥♥あ゛ッ♥♥♥♥」

 

 

 

 

「ん? ――ありゃ……? これは、もしや……?」

 

「おい、どうした?」

 

「? 律季くん?」

 

 今の今まで必死に抵抗していた俺が、突然ふっと脱力して体中をびくんびくんと痙攣させる。

 その瞬間炎夏さんたちは異変に気付き、俺をいじめるプレス運動を一旦ストップさせた。

 

「……おやおや、これはこれは♡ 律季おぬし、とうとうやってしまったのう……♡」

 

「――あっ、まさか……」

 

「え?」

 

 いち早くレイン先生は事態に気づき、なにやらものすごく勝ち誇った笑みを浮かべた。まぁ俺の下にいるわけだから当然分かるだろう。嫌悪感をまったく見せないのがすごいというか――なんで嫌がらないのかわからない。この人マジでなんなんだ?

 秋月先輩も一拍遅れて状況を把握したらしい。顔は見えないが冷や汗をかいているのが伝わる。もともと男だから察するのも早かった。

 俺はもうごまかす気力もない。俺はまったく秋月先輩に目を向けないまま、顎だけでこくりとうなずいた。

 

 ――決めた。今度からは炎夏さんたちにはもう少し優しくしよう。やめてって言ってもやめてもらえないのはたしかに辛い。……今日でそれが身に染みた。

 

「にひひ♡ わしらの勝ち~♡ ぶいぶい♡ 

 悪の爪(マーレブランケ)を倒す魔法使いより、わしらのおっぱいの方が強いようじゃのう♡」

 

「あっちゃ~~……まぁ、そうだよな。あんなにやったらそりゃそうか……悪いことしたかも」

 

「なになに? どうしちゃったの?」

 

「なあに、案ずるほどのことではない。――律季はちょっとだけ、幸せになってしまっただけじゃ♡ 生きながらにして天国を見てしまったかもしれんのう……♡」

 

「??? 幸せになっちゃった……? 天国?」

 

 いまだに事態を飲み込めない様子の炎夏さんだったが、ふと何かに気づいたように、すんっと鼻を鳴らす。女子だけあって匂いに敏感で、先ほどまでは無かった謎の異臭に気づいたらしい。

 そして俺の股間を隠すタオルの位置に視線をやって、目をぱちくりさせ……

 

「――あ……っ!? うそ、律季くんひょっとして……っ」

 

「……あんまり触れてやるな。多分その想像で合ってる」

 

「ッ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!! ――ごっ、ごめんなさいっ!! 私そんなつもりじゃっ……!!」

 

「だから触れてやるなって」

 

「だ、だってぇ……!!」

 

 ……炎夏さんが涙目になって謝り倒してくる。もはや何に対して謝っているのか分からない。たぶん本人も分かってないだろう。

 好きな相手にこんな姿を見せてしまった挙句、そのことで逆に謝罪されるとは……なんかもう悲しいとかそういう次元じゃなかった。ユウマさんに頼んで記憶を消してもらう事を本気で考えたが、こんなこと説明できない。彼女も女子だし。

 ――だが、今はとりあえず。

 

 

 

「――すみません、一分でいいので、出て行ってもらっていいですか……」

 

 

 

 そう言うのが精いっぱいだった。

 

 

 

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