彼のことが大大大大大好きな100人の彼女達とその彼氏を隣で見てる普通の友人   作:ヘルメットのお兄さん

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親友が彼女が出来る度に俺に報告しに来やがる

「じゃあ、紹介するね。こちら俺の彼女の花園羽香里さんと院田唐音さん」

 

 放課後の屋上、何故か俺は屋上に呼び出されて恋太郎の彼女を紹介されている。

 

「それでこちらが俺の友達の隣野 友次郎」

 

「あー……よろしくお二人さん」

 

「よろしくお願いします」

 

「よろしく……」

 

「なあ恋太郎、なんで俺呼び出されたん?」

 

「一昨日言ったじゃないか、俺の彼女を紹介したいって」

 

「彼女達からしたら急に知らん奴紹介されてもしょうがないだろ」

 

「隣野さんは何かスポーツをやられているんですか? 随分がっしりとした体付きをしてますけど……」

 

 俺は現在ブレザーを一枚脱いでシャツだけになっている、屋上に呼び出される前はずっと逆立ち腕立て伏せをしていたので汗ばむ事が無いようにしていたのだ。

 

「友次郎は趣味が筋トレで、一日8時間は何かしら運動しているんだ」

 

ワンパンマンか

 

「筋トレはいいぞ、心身ともに健康になれる」

 

「あんた……随分濃い友達がいるのね……」

 

「俺と恋太郎は昔から家が隣でな、所謂幼馴染って奴だよ」

 

「(恋太郎と幼馴染……)」

 

「(恋太郎君の幼馴染……という事は恋太郎君のあ~んなことやこ~んなことを知っている……!?)」

 

 なんかカチッとスイッチが入ったみたいな音がしたと思ったら、花園さんがこちらに詰め寄ってきた。

 

「あの、恋太郎君はどんな食べ物が好きなんですか?」

 

「食べ物? あいつは何でも食うけど、そうだな……卵料理なんかは特に美味そうに食べるけどちょっ近いっ」

 

「恋太郎君の好きな色は? 好きな香りはなんですか? お風呂は何処から洗いますか?」

 

「ま、待て待て近いって……! そんなに近づくと────―」

 

 俺は尋問の如く詰め寄って来る花園さんから離れると怯える様に声を出す。

 

恋太郎に殺されりゅっ……

 

俺を何だと思っているんだ

 

 ◇

 

 それから、俺は残りの質問を恋太郎にキラーパスし屋上から二階の窓まで飛び降りると廊下を散歩する事にした。

 

「ふぅ……焦った、あのままいったら何が起きるかわかったもんじゃないし、何か起きたら恋太郎の為に腹を切らないといけない所だった。俺の腹筋は刃物如きに負ける気は無いけど

 

 とりあえず鞄に忍ばせていたダンベルで腕を鍛えていると突然化学室で大きな音が鳴った。

 

「!?」

 

 何かあったのかと慌てて飛び込むと、そこには小豆色の髪をした白衣の小さな少女が────―

 

目からビームを出したまま滅茶苦茶に転げ回っていた

 

「うわああああああ!!!」

 

「うおあああぁぁあぶねっ!?」

 

 思わずビームを避けると触れた床が黒々と焦げていた、危なすぎる。

 

「あ!? そこに誰かいるのだあああ!?」

 

「うわ喋った!?」

 

「そこにある薬を取って欲しいのだ!!」

 

「く、薬って……これか!?」

 

 俺は振り回されるビームを潜り抜け置いてある試験官を手に取ると

 

「シュ──ート!!」

 

「むぐぅっ!?」

 

 少女の口に投げ入れた。

 

 ◇

 

「助かったのだ……」

 

「一体何があったら目からビームが出るんだ……」

 

「とにかくありがとうなのだ! 楠莉は薬膳 楠莉、ここ化学部部長の三年生なのだ!」

 

「あぁ、俺は隣野 友次郎……って先輩!?」

 

 全然見えない……というか小学生にすら見える……

 

「あれか、所謂美魔女って奴か」

 

「違うのだ、楠莉は『不老不死になる薬』を開発してるんだけど、その失敗作のせいで8歳に戻っているだけなのだ」

 

「待て待て待て、なんだその情報量」

 

 8歳だけど三年生で? 不老不死になろうとしたけど失敗した? 

 

「??????」

 

「まあゆーじろうも飲んでみればわかるのだ、今手元に『不老不死の薬』は無いけど────―」

 

「あってたまるかそんな簡単に」

 

「じゃじゃーん! 『口からビームが出る薬』なのだ!」

 

目からビームの親戚か

 

「なんでそんなもん作ってんだ!?」

 

「何って……楠莉は薬が好きなだけだが?」

 

「だめだ話通じねぇ! ……それで、飲むとどうなるんだ」

 

「ナッパみたいに口からビームが出せるようになるのだ!」

 

「ちょっとカッコイイ様な気はするな」

 

「ただし副作用として口の中が反動で爛れるのだ」

 

試したの?

 

 ◇

 

 どうしよう、この偽幼女を放っておくととんでもない事件が起きる気がする、ここは穏便に収める方が

 

「じゃあこれはどうなのだ? 友次郎ムキムキだから……『筋肉が成長するくす』りっ」

 

「あ、意外と美味いな」

 

「ノータイムで取られたのだ」

 

 当たり前だろう、筋肉が育つならば毒だろうが薬だろうが試すに限る。

 

 飲んだ瞬間、体が燃える様に熱くなり肉体に変化を感じられた。

 

「おお……! これで筋肉が成長を────―」

 

「あ、確かにそれは筋肉を成長させるけど鍛えないでいると段々と萎んでいくのだ」

 

俺の筋肉が風船に

 

 俺はすぐさま重りを増やすと窓ガラスを突き破りながらグラウンドに飛び出す。

 

うおおおお帰ってこい俺の筋肉ぅぅぅぅ

 

「あ! 効果は2時間なのだ!!!」

 

 ◇

 

「ぜぇ……はぁ……やっと切れた……」

 

 とんだ劇物を掴まされた……だがおかげで2時間全力タイヤ引きをした俺の筋肉は更なる成長を遂げることが出来た、それはあの先輩に感謝をしないといけないな。

 

 グラウンドから化学室に帰って来ると楠莉先輩はまだ薬を作っていた。

 

「あ! ゆーじろう! 大丈夫だったのだ!?」

 

 俺に気が付くととてとてとこちらへ走り心配してくれているようだ。

 

「大丈夫だ、お陰で俺はまた強くなれた」

 

「すげーのだ……普通は筋肉が萎むスピードの方が速いから鍛えきれない筈なのに」

 

「俺そんなもん飲まされてたの?」

 

「だからここで戻せるように『打ち消しの薬』を作っていたんだけど、いらなくなっちゃったのだ」

 

 ああ、俺の事を心配してくれていたのかこの先輩は、こういう優しい所は恋太郎みたいに────―

 

 直感、俺の脳内が何かを察した。

 

「お? どうしたのだ、しっこか?」

 

「……あ、いやなんでもない。俺はこの後用事あるから出るけど、また良かったらさっきの薬作ってくれ」

 

薬中なのだ……!? 

 

 ◇

 

 裏庭のベンチ、俺は空気椅子で座りながら考えていた。

 

「(ほぼ感覚だけど……あの先輩は多分運命の人だ、恋太郎の。すげーな恋太郎、もう何が凄いのかわかんないけどスゲーな恋太郎)」

 

「あれ……友次郎?」

 

 噂をすれば恋太郎がやってきた、しかし彼女二人を引き連れていると思ったら一人で、そして見たことの無い本を持って来ていた。

 

「ああ恋太郎、どうしたんだその本?」

 

「これは図書室で貸して貰ったんだ、これから読もうと思ってて」

 

「そうか、まさか図書室でも出会ったりしたか? なーんて」

 

「…………………………」

 

「────―マジかお前」

 

 図書室には行っていないがどうせ恋太郎の事だ、二人の為に本を探していたら偶然図書委員と出会ってそこでビビーンしたんだろう。

 

「所で友次郎、なんかまたガタイが良くなってないか?」

 

「あぁ、これは色々あって」

 

「色々あったらそんなハルクみたいに………………?」

 

 ◇

 

 次の日、俺は恋太郎のいる教室に向かうと窓から恋太郎が青髪の少女と何か会話……会話? をしているのが見えた。

 

 チラリと見えた顔はあどけない小動物の様で、なるほどあれは恋太郎の運命の人だと一目でわかった。

 

「お? ゆーじろうなのだ、元気か?」

 

「あ、楠莉先輩。なんで一年の教室に?」

 

「筋肉が成長する薬また作ったからあげるのだ」

 

「マジか、ありがとう! いやああれを飲んでから欲しくてたまらなくて」

 

「やっぱり薬中なのだ……?」

 

 ◇

 

 それから放課後、楠莉先輩から貰った薬で二時間バーベルを背負いながらうさぎ跳びを終えると恋太郎の運命の人を見る為図書室に向かう事にした。

 

「図書委員の腕章をつけていたからいる筈だけど……」

 

 いた、高い所にある本を取ろうと必死に背伸びをしていて可愛らしいという言葉が似合うようだった。

 

 あ、こっちに気が付いた……凄い怯えている。

 

「あの……」

 

「!!」

 

 目に涙まで溜められたら流石に傷つくかもしれない、どうしよう、恋太郎呼んで俺を殴ってもらおうかな。俺が勝つけど

 

「あ、好本さ……」

 

 等と考えていたら丁度恋太郎が図書室に入ってきた、そして俺を見て怯えている好本さんを見て

 

友次郎? 

 

「よし、誤解だが一回殴ってくふぐぉっ」

 

 的確に内臓を抉るボディブロー……やるじゃない。

 

 崩れ落ちた俺を見て慌てる好本さんに恋太郎は優しく宥める。

 

「好本さん、ハンカチが落ちていたんだけど君のかなって思って渡しに来たんだ」

 

「!!? 、??」

 

 好本さんは手で何か動作をすると恋太郎はそれを理解しているようだった。

 

「ああ大丈夫、あいつは俺の打撃は効かないから」

 

「まあまあ効いたんだが……」

 

 その後、恋太郎はすぐにどこかに行ってしまい図書室には俺と好本さんのみが残される事となった。

 

「えっと……ごめん、好本さんだっけ?」

 

「?」

 

「恋太郎は俺の友達でな、あいつと話していた君がどんな人か気になって来たんだが怖がらせちゃったな」

 

 好本さんは首を振る、そんな事は無いと言っているようで俺を安心させようとしているようだった。

 

「俺は隣野 友次郎、そうだな……恋太郎の事で知りたい事があったら聞いてくれ。あいつが許す範囲なら教えるよ」

 

 ◇

 

 それから四日後、恋太郎から呼び出しがあったので屋上に向かうと好本さんと花園さん、院田さんが恋太郎と座っていた。

 

「で? 何の用だ恋太郎」

 

「ちょっと待って、今あんたどこから来た?」

 

「なんか四つん這いの教頭が追いかけて来たから二階の窓から登ってきた」

 

「普通に扉使いなさいよ……」

 

「好本さん、改めて紹介するよ。友人の友次郎、でこちらが好本 静ちゃん」

 

よろしくお願いしたい所存であった

 

 なんかスマホで喋ってる……

 

「静ちゃんは愛読書のセリフで話すんだ、詳しくは『君の事が大大大大大好きな100人の彼女』第3話を読んでくれ」

 

「宣伝か?」

 

「面白いよな、ジャンプラで初回無料で全話*1読めるし」

 

宣伝か? 

 

「それで? 紹介の為に俺を呼んだのか?」

 

「いや、もう一個頼みがあって、彼女達に運動を教えてほしいんだ」

 

 どうやら今日は長くなりそうだ。

*1
となりのヤングジャンプでも読めるぞ! 

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