彼のことが大大大大大好きな100人の彼女達とその彼氏を隣で見てる普通の友人 作:ヘルメットのお兄さん
前回のあらすじ。俺は羽々里さん宅の風呂に恋太郎と入っていた。
「うわっ! すっげぇ広いじゃねぇか!!」
「俺もびっくりしたよ、皆の反応からして相当広いとは思っていたけど……」
「銭湯を二人占めしてる気分だな……所で恋太郎、なんでタオル巻いてんだ? 俺とお前しか居ないのに」
「友次郎も巻け、羽香里と羽々里さんの事だし……盗撮用のカメラ仕掛けてたり、「お背中流します」とか言って急に来たりするかもしれないからちゃんと巻かないと」
「……成程、そういや昔覗見も何度か入ってこようとした事あるし……ちょっとタオル取って来る」
◇
一方その頃、ピンク達。
「な……何が覗きよ、馬鹿じゃないのこの万年発情期親子が……それに覗見ちゃんまで……」
「私、兄ぃの下半身見た事無いんです。上半身は時々見れるんですけど下半身だけは何度突撃してもかわされて、人生で一度も見た事無いんです」
「な……」
予想外の反応に唐音はのけ反り
「────―よく考えたら楠莉もおちんちんなんて見た事無いのだ! 楠莉も恋太郎のおちんちん見てみたいのだ!」
「なっ……!?」
比較的純朴そうな相手まで陥落され
「来るべき初夜に備え相手の肉体を分析しておくのは合理的」
合理性を求めて堕ちた彼女達に唐音は────
「あッあんた達に先越されるのが悔しいだけで別にあいつの体に興味何かないんだからねっ!! 」
勝手に敗けに来た。
そうしてこの世で最も下心のあるアベンジャーズが結成されたその時、まだ一人立ち向かう者がいた。
『“やめたまえ!! ”“てめぇらの主様を失望させることになっても構わねぇんだな? あぁ~ん? ”』
「よく聞いて好本静。バレさえしなければ理論上被害者は出ない」
『でもぅ……でもぅ……オイラぁ……』
「大丈夫です。……羽香里さん」
「はい覗見さん」
覗見はそう言うと同じ身長である筈の静を軽々と持ち上げ、羽香里の用意した毛布にくるんでいく。
そして器用に縄で縛ると。
「巻き寿静さんの完成です」
「~~~~っ!!」
ばたばたと暴れるが静は完全に拘束されてしまった。
「では皆さん、行きましょう────
◇
作戦その1、扉からこっそり。
「至極シンプルな作戦です、こっそり扉を開けましょう」
「あまり大人数で行くとバレる可能性が上がる、人数を絞った方が良い」
「では、くじで決めましょう」
そして、公平なるくじの結果
「っしゃぁッ!!」
「では、私と羽香里さんで行きましょう」
覗見と羽香里になった。
「うぐぐ……手前を選んでれば……ッ」
「はい、これカメラ。……二人とも、頑張って」
いざ、風呂場の前。脱衣所に辿り着いた二人はある物を発見する。
「ハッ……! こ、ここここれは恋太郎君の……パ、パパパン──―」
「そっちは兄ぃのです」
「あっぶね」
「なんで投げ捨てるんですか!?」
「ご、ごめんなさいつい……」
『あ゛あ゛ぁ~~……気持ちい~~~』
ピタリ、と二人の動きが止まった。僅かだが二人の会話が聞こえて来たのだ。
『友次郎────―凄い────―』
『────―お前だって────―』
「くっ……ここからだとよく聞き取れません……」
「もっと近づきましょう!」
にじりにじりと扉に近づく二人は段々と恋太郎達の声が聞こえてくる。
『────―凄く硬いな……お前の────―』
『何言ってんだ、お前のだって────―』
「に……兄ぃと恋太郎さん……一体何を……っ!?」
『うわ……そんなに大きく────―』
「ぶはぁっ!?」
「は……羽香里さんっ……!!」
脳のキャパシティが限界に達した羽香里は鼻血を出して倒れてしまった。
『うん……? なんか脱衣所が騒がしいな────―』
「っ不味い……羽香里さん起きてください……!」
「あばばばばばばばば」
「駄目……故障してる。……失礼しますっ柔らか……っ」
結局、成果は得られず二人は脱衣所から撤退した。
◇
俺は湯船に浸かると思わず息を長く吐いてしまう、ずっと家ではシャワーで済ませていたからか湯船に浸かるのは久々だった。
頭にタオルを乗せてまどろんでいると恋太郎が俺をじっと見ていた。
「なんだよ恋太郎、お前は入らねぇのか?」
「入るけど……友次郎また腹筋凄い事になってないか?」
「ふっ、楠莉先輩の薬のお陰でいくらでも成長できるぜ」
「まごう事なきドーピングでは……?」
「それにお前だって鍛え始めたんだろ? 薄っすらだが腹筋が見えて来てるぞ」
「そ、そうか?」
俺は湯船からあがると恋太郎の腹筋を軽く叩いた。
「何すんだよ!」
「始めたばっかりにしては悪くない筋肉だな? 今度久しぶりにウチのジムでも来るか?」
「友次郎のお父さんが経営してるジムか……あそこは苦手なんだよな……」
恋太郎は反撃とばかりに俺の腹筋を叩いて来る。
「わかってたけど、凄く硬いな……お前の腹筋。鋼鉄みたいだ」
「何言ってんだ、お前のだって鍛えれば俺みたいになれる。そうすれば皆を100人乗せても大丈夫だ!」
俺は自慢げに筋肉に力を入れると更に体が膨らむ。
「うわ……そんなに大きくなれるのか?」
その時、ガタガタと脱衣所の方がにわかに騒がしくなってきた。
「うん……? 脱衣所の方が騒がしいな……」
◇
「あ……危なかった……」
「それなら次の作戦よ」
羽々里が取り出したのは頑丈そうなロープだった。
「これで窓から覗きましょう」
「あ! じゃあ楠莉がやりたいのだ!」
◇
身体を洗っている恋太郎、ふと彼は窓の方に目を向けると───
人の影がこちらを覗いていた。
「うあ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁ!? 」
「うぉぉぐへぁっ!?」
驚き悲鳴をあげた恋太郎に驚いた友次郎は足を滑らし頭から浴槽に落下した。
「いったぁ………………な、なんだよ急に!?」
「ま……まままま窓に……!!!!」
「窓ぉ? ……何も居ないぞ」
「ふぇ……?」
恋太郎は恐る恐る窓を見るがそこには何もいなかった。
「は……はは、そうだよな? ここは二階だしハットリくんでもない限り……」
そこまで言ってから恋太郎は友次郎を見た。
「……」
「何だよ今度は」
「いや……なんでも……」
友次郎なら出来ると思ったが何も言わなかった。
「それよりさっさと体洗えよ、いつまで泡纏ってるつもりだ?」
「これはコンプライアンス対策で……」
「ここ文字しかねぇから大丈夫だよ」
これ以上何も起こらないだろうと落ち着くことの出来た恋太郎はさあ体を洗おうとシャワーに手を掛けると
────ドンドンドンドン!!!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃぃぃ!!!!!! 」
突然のラップ音に恋太郎は悲鳴を上げながら謝り始めた。
「ななななんだ!?」
「ゆゆゆゆ友次郎俺を置いていくなぁぁぁ!!!!?」
慌てて友次郎も腰にタオルを巻き扉から出て確認しようと向かう、
その瞬間、風呂場に向かって突如こちらに向かって転がって来る何かが現れた。
「あぶねっ!?」
咄嗟に跳んで避けたがその何かは転がったまま浴槽に飛び込んでいった。
浴槽から飛び出して来たのは髪の長い人の形をした────―
「ミア゛ャァァァァオボヂュッ!!!! 」
「……って、静ちゃんじゃねぇか」
「ふぅぅうえぇぇ……」
「え……?静ちゃん!?だ、大丈夫!? でも良かったてっきり俺は────―」
びしょ濡れになり、泣きながら起き上がってきた静に恋太郎は支えようと体を起こすと
「あっ馬鹿お前タオル────―」
その場、一瞬だけ静寂が流れると
「あ、倒れた」
「静ちゃん!!!!」
恋太郎は気絶した静を抱き上げると急いで風呂場から出た途端、
「ん?」
「恋太郎君ッ!?」
「皆……これは一体……?」
「い、いえ……これは……皆でかくれんぼをしてましてっ!」
羽香里達がそれぞれ言い訳を述べようとした時、
「おい恋太郎! せめてちゃんと拭いてから────―覗見?」
「な、何ですか兄ぃ……?」
「……俺に敬語を使うという事は何か隠してるな?」
「べ、別に覗きとかしてませ────―」
後ろの羽香里達が全員額を押さえていた。
◇
こうして彼女達は恋太郎のキツイお説教を受け、覗見は友次郎から一週間の接触禁止令を出されたそうな。