■■翼の幼馴染み   作:語り部

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ようやっと続きができた。
羽川翼とかいうバケモノの内情とかむず過ぎるねん。

なので粗があっても許してほしい。


羽川翼の独白

 私の幼馴染。

お節介焼きで、不思議な友人。

 

 天野翔くんの話をさせてもらうね。

 

 と言っても彼の天野姓は孤児院の人が付けたものだから、私も彼が私を下の名前で呼ぶのと同じ様に下の名前で呼び合っている。

 

 私は自分語りや他人語りがどうにも苦手だ。理由は前者は私に語るべき自分なんてものがないことに起因し、後者は自分以外の人の人生を自分の尺度で語ることなどできないから。

 ただ、彼とはこの私が形成される頃からの付き合いであるから、よく観察することが出来たし、遠慮する必要も感じることのない存在だから、彼のことを語る事なら出来る。

 

 幼稚園来の付き合いでその頃の私は姓が著しく切り替わり続け、現在の羽川に落ち着いたのだが、いちいち姓で呼ぶ必要もないだろうという、幼稚園児にしては真っ当な意見をいわれ名で呼び合う関係となった。

 その頃は直接よく遊ぶ相手ではなかったし、本当に名前を呼び合うだけの関係だった。

 

 関係が始まったと言えるのは、小学生に上がってから。

 あの子は図書室や図書館なんかで良く見かけて、読んでる本の情報交換を持ちかけてきた。

 あの子が好んで読む本は、児童用小説であったり、娯楽的な探し絵本であったり、ゲームの攻略本やTRPGのルールブックのような遊びに溢れたものだった。もちろん私も探し絵本であの子と共に遊んだり、TRPGのルールブックを貸してもらって、()()()()()()()あの子や“友達”と遊んだりしたこともあったっけ。

 

 

 彼は、誰とでも仲が良いようで、その実どこか一線を引いていた。どんな愚痴にも相談にも、乗っていたけれど、深入りはせず聞いてくれるだけでアドバイスも所感もない。

 いや、合いの手として『なるほど』や『うんうん』などの理解を示す発言はあるが、相手の考えを肯定も否定もせず受け入れるように聴いてくれるだけ。

 それは心地が良いものであるからだろう、彼はみんなの心の拠り所のような止まり木的な存在であった。

 

 ふと彼は何でもないように尋ねてきた。「何のためにそんな猫を被っているのか」と。

 

 何を問われているのかということについては、聞き返すまでもない。私のこの生き方について、正しく(まちがわず)にいることは何のためなのか。誰かにアピールしたいからなのか。それは疲れないか。苦しくないのか。

 

 そんなニュアンスが感じ取れた。その質問は重くも軽くもないぽっと口から出た世間話のような一説であるはずなのに。なぜだか私は心の中を土足で踏み荒らされたような気分になりながらも、平然を装って当たり前を口にした。

 

「みんなのためだよ、でも別に猫なんて被ってないけれどね」

 

 それから、それから……であったように思う。私も翔に愚痴や疲れや弱音を吐くようになったのは。

 だって、翔は私を心配してくれていた。

 初めてのことだった。

 

 初めてのことだったのだ。

 

 私を見てくれた。

 等身大の羽川翼を認めてくれた。であるならば遠慮する方が失礼だ。

 

 私は正しく(まちがわず)ありたいけれど、清く正しくあることと息抜きを全くしないことは別の話だ。

 翔と散歩している際にゲーセンで格ゲーをして10割コンボを叩きこんだり、カラオケで流行りの曲や学校で習うような曲を歌ったり、図書館でお互いの好きな本を隣に座って読んだりした。

 

 それらは私を癒してくれた。(から)に近い私の情緒や感情を柔らかく育んでくれた。礼を言うのはなんだか違うような気がしたし、いまさら言うのは気恥ずかしいので今のところは告げる予定はない。

 

 きっとそんなことを言えば、あの子は、彼は、翔は可笑しいように笑ってから意地悪くこう告げてくるに違いない。

 

「そんなこと言う性質(タチ)じゃねえだろ、疲れてるのか?」

 

 故に、私の心に秘めるのです。これは恋かもしれないけれど、あるいは本来家族へ向ける情なのかもしれないけれど。

 

 私はただ、翔と今の関係を続けられるのであれば、それでいい。




なお、この羽川さんは制服以外の私服や私物を天野氏のアパートの一室に置かせてもらってたりするぞ。
あとたまーにお泊りとかするぞ。あ、Hなことは何もないです。
主に天野氏が所持しているゲーム機でRPGをやることが目的らしいです。
ちょっと天野氏のシャツを借りたり、懐いているような様子が見られますが、
天野氏以外には見せてないし、羽川家からとても近いので噂になったりはしません。

あと天野氏が羽川さんに「知らなかった、お前は何でも知ってるな」とか言ったら
「ふふ、勉強不足だねえ。努力が足りないぞぉ?」という煽りが入ります。

上記を原作主人公さまが知った折には、怒り狂ってマジで絶縁を考えられたとか大喧嘩になったとか。
それに際して、なんか仲裁が入って血涙を流した男がいたとかいなかったとか。

補足解説)
前回主人公は以下のような発言をしました。
>俺にはそんな誰かのためとか、自分のこと以外にリソースを割こうとは思わないし、自分の事で精一杯だ。

上記について、今回の話を聞いて他の人にリソース割いてるじゃんと思った読者もいるでしょう。
しかし、彼としては、話をされたから聞いただけ程度の認識で特に何もしてないらしいですね。


さてと、次書くとしたら春休みからかな。
気が向き次第執筆するかもしれません。
しないかもしれません。

猫のようにのんびりとお待ちいただけますと幸いです。
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