と言う訳ではございませんが、三話……の前編になります
この話ですが、三回に別れて投稿させていただきます
てな訳で、第三話前編です
《side 蓮華》
日の登りきらない早朝4時……
肌寒さが残る(それでも冬木程ではない)早朝の階段坂を駆け上がる。
自宅マンションから強化の魔術を使い徒歩20分程に在るお寺の山門。
頂上である本堂までの100段を、本来人間では有り得ない速度で登り、そこから再度駆け下りる。
それを20セット程繰り返すのが、ボクの日課に成っている。(因みに、冬木に住んでいた頃は柳洞寺の山門で同じことをしていた)
魔法師のそれと違い、ボクは概念という曖昧な物を強化する¨強化魔術¨を付加している。
そして、強化した対象は自分の運動能力である。
そうしたアシストの恩恵により、50Km/hにも届きそうな勢いを生みだす。
ラスト一本を登り切り、若干乱れた息を整えながらタオルで汗を拭うと、ふわりと洗剤の香りが鼻孔をくすぐる。
「やあ、蓮華くん」
「お久しぶりです、謙吾さん」
山門から現れた袈裟姿のお坊さん(……の革を被った結界専門魔術師だと思っている)だった。
彼は松谷 謙吾、戒名 松楠坊謙裳という列記とした僧侶なのだが、釈仏と称して賊を(文字通り)叩きのめすような武道僧(ゲームで言う所のモンク)なのだ。
「できれば謙裳和尚と言ってほしいんだけどね」
「同じ八極門下の兄妹弟子で……しかも朝食を作ってもらってる側なのに……何を言うやら……」
「それは言わないお約束だろう?」
おどけた仕草を見せる似非和尚に、溜め息を吐きながら山門を潜り抜ける。
さてと、今日は何にしようかなぁ……
本堂脇に建てられた僧坊は、古い時代をそのまま現代に残した内装をしている。
と言うより、家屋も本堂も瓦屋根の木造建築で漆塗りで、建てられたのが200年程昔と……あの似非和尚が言っていた。
事実、ボクの得意分野である「解析」の魔術で確認したが、補修箇所を除けば建物自体は200年近く昔の物だと分かった。
そんな昭和と呼ばれた時代の残滓を感じながら朝餉の用意を終え、住み込みの修行僧と似非和尚を交え食卓を囲む。
「すまないね、朝食の用意なんかさせちゃって」
「好きでやってますから、気にしないで下さい」
笑顔で話す謙吾さんに、ニコリともせず答えるボクのやり取りに、周りの門徒達(と言っても四名だけだが)からは苦笑い……
実際の所、この人はすまないと何て思って無いんだろうけど……
「それより、一校に入学したんだねぇ
うん、その制服も似合ってるよ」
「ありがとうございます、入学の報告も兼ねて着てみました」
「いやぁ、良いねぇ……高校生活かぁ……」
どうやら和尚(笑)の思考がトリップを始めたらしい。そんな謙吾さんを無視しながら……というより、意識外に追いやり朝食を口に運ぶ。
うん……今日は絶妙の塩加減だ……
口にした鮭の出来を評価しながら、時折謙吾さんや他のお弟子さんと雑談しながら、変わらない朝の一時は過ぎるのだった。
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魔法科高校の生徒には、成績優秀者である一科生と、その補欠である二科生が居る。
この二者の違いは魔法に限らず、着用する制服にも違いがある。
一科生の制服には八枚花弁のエンブレムがあしらわれているが、二科生にはそれが無い。
それ故に、一科生を¨ブルーム¨、二科生を¨ウィード¨と区別し、差別の対象(公然としては無いとされてるが)となっていた。
そして、ボクは花無き二科生である……
登校時間(徒歩)20分程の通学路上、親しい友人も居ない(昨日、教室に行か無かったのだから当たり前だが)から駅前で待ち合わせる事も無い。
駅前を通り、校門までの道をゆっくりと歩く中、ふと生徒達の中に見たことの有る女子学生が居た。
その生徒と視線が有った瞬間、彼女の方から声を掛けて来た……そこそこ大きな声で……
「あれ?蓮華!?」
「ひ、久しぶり…エリカ」
彼女…千葉 エリカとは、中学時代の剣道大会で親しくなった間柄だった。
「去年の全国以来だから、半年位ぶり?」
「うん、エリカは相変わらず元気そうだね」
「相変わらずって何よ、相変わらずって」
わざとらしく不満げな表情をするエリカに、ボクは苦笑いを浮かべる。
「それより、立ち止まってるのもアレだし……一緒に行こうか」
「そうね、確かに人の目が……ね」
ボク達に向けられる(主だって男性の)視線に苦笑いを浮かべながら、何でも無い日常(または日溜まり)に身を委ねて歩きだす。
面倒事が無い事を、切実に願いながら……(しかし、こんな願いも半日後には木っ端微塵に粉砕されるのだが……)
スッゴい中途半端ですが最近仕事の関係で思案時間が取れて無いのでご容赦してください
中編、後編以降は原作主人公も出てくる予定です
それでは、三話中編で会いましょう