がっこうぐらし! 難易度ナイトメアで真・全員生存RTA   作:ランディー55

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ろくげんめ! しんじつ!

 パァン!!!

 

 うるさっ!? な、なんだ今の!?

 

 唐突に耳に飛び込んできた空気を引き裂くような爆音に叩き起こされる。

 音の原因を探る為、音が鳴っている外を確認しようと寝起きの頭でカーテンの中に入り窓を見た。

 するとそこには一つの“塊”に対し両手で銃をぶっぱなしている鳳条がいた。

 驚きのあまり言葉も出ない。

 

「先輩どうしたんですか…、てかなんなんですかこの音…」

 

 胡桃がカーテンを捲って中に入ってくる。

 あの“塊”を胡桃に見せるのはどうかと思い、止めようとするも時は既に遅く胡桃は窓の外を眺めていた。

 

「なに…あれ…」

 

 “塊”を見た胡桃は驚きと怯えが合わさったような表情でそう言葉を溢した。

 しかし無理もない、誰だってあの“塊”を見ればそうなるだろう。

 

 …“かれら”が集まり、一つの存在になっているのだから。

 

 その触手を振り回す“塊”に対し遠距離から正確に銃を撃っている鳳条だが、こちらの存在には気づいて……いるようで、一瞬こっちを見た後“塊”を指差すように大きく腕を降ってジェスチャーをした。

 恐らく銃を使っている理由を説明したいんだろうが…、そうじゃねえだろ…

 

「なんだ騒がしいな…」

 

 流石にこんな目覚まし時計を使われれば嫌でも起きるようで、皆もなんだなんだと起きはじめた。

 やはり気になるのか各々カーテンを覗こうとするのを胡桃と止めていると違和感に気づいた。

 佐倉先生がいない。

 先に起きていたとかではなく、本当にいない。

 皆に聞いても知らないと言う。

 

 鳳条なら何か知ってそうだが、本人が帰ってくるのを待つ訳にもいかない。

 なので俺が直接下まで降りて聞きに行こうかどうか悩んでいると、丁度銃声が鳴り止んだ。

 皆には待つように言い、俺はシャベルを持って階段を下りた。

 すると道中、銃声とは違う騒音が聞こえたのでそこに向かうと何故か鳳条がいた。

 

「おいどうしたんだ!?」

 

「“アレ”の触手に部屋に投げ込まれましてね…」

 

「いやそうだけどそうじゃなくてだな…今なにがおきてるんだ!?」

 

「お話したいのは山々なんですが…今ここで長話なんてしてられませんし、まずは先生を呼びに行かないといけません」

 

「そうだよ先生もどうしたんだ!?」

 

「地下にいます。私は()()を呼びに行くので葛城さんは先に戻っておいて下さい」

 

 鳳条はそう言うと「すぐ戻るので!」と言って走り去っていった。

 

「地下ってなんだよ…しかも二人ってどう言う事だ…?」

 

 色々気になるが今気にしてもどうにもならないので大人しく上に帰る事にした。

 上に戻って事情を話していると、鳳条が先生を連れて帰って来た。

 …後、何故かスーツの女性も連れて。

 

 話によると、スーツの女性こと神山先生はこの学校の地下室に隠れていたらしい。

 しかもこの事態は全て想定済みで、学校の設備が豊富なのもそれが原因だからだそう。

 「緊急避難マニュアル」なる物まで出して鳳条は丁寧に説明した。

 

 なお、あの“塊”はよく分からないが敵対してくるので取り敢えず殺しただそう。

 よく倒せたな…

 

「なんだよ…なんだよそれ…

 生物兵器だぁ…? ふざけてんのかよ…!?」

 

「だからこそここまでガチガチの設備があるんでしょう、もし漏洩しても大丈夫なように」

 

 鳳条は動揺する柚村に対し、まるで日常会話のように淡々と己の考察を話した。

 

「…なあ、なんでお前はそんなに冷静なんだ?」

 

「さっきも経緯を説明した通り、私は先生と昔から知ってましたから。

 それに慌てても良いことはありません」

 

「………」

 

 ここまで冷静に返されると一週回って冷静になってくる。

 でも確かにその通りだ。

 しかしなんでそう簡単に納得できる? 最初から知ってたみたいな……

 ……いやまさか…本当になにか知ってるんじゃないのか?

 “かれら”は勿論、あの“塊”を一人で倒すとか異常なまでに強いし、法律とか何故か妙に詳しかったりするし…

 思えば皆、ほとんど鳳条の言う通りに行動して……

 

 ………いや、なにを考えてるんだ俺は。

 本人も言ってたじゃないか、グアムで親の知り合いに習ったって。

 それに丈槍の話から考察するに鳳条はエリートの家系だ。

 実際妙な季節に親の都合で転校している。

 法律も、将来会社の経営に関わる仕事をさせたいから親が習わせたとかあっても不思議じゃない。

 合理的な思考なのもそれが原因だろう。

 

 確かに鳳条は本人が主張するほど“普通”ではない。

 しかしどこまで行っても鳳条は高校生だ。

 最初から全てを知って学校に潜伏していた特殊部隊員だとか、どう考えてもあり得ない。

 漫画じゃないんだから。

 

「……どうかしましたか? 葛城さん」

 

「――いや、なんでもない。

 これからどうするべきなのか一人で考えこんでしまってた、悪い」

 

「でも実際そうよね、これからどうするべきなのか…

 もう今日で二週間なのに、人が出すような音は今まで聞こえないんでしょ? 佐倉先生…」

 

「えぇ…。神山先生は地下でなにか…この事態の証拠とかそう言う物は…」

 

「……一応探してみたけど、残念ながらなにも」

 

「……………」

 

「………いっそ、直接見に行きましょうか?」

 

「…直接? お前まさか…」

 

「まさかですよ葛城さん、駐屯地や警察署に直接行って確かめるんです」

 

「いや…正気かお前?

 外には“かれら”が山ほどいる、それにここで待とうって言い出したのはお前だぞ?」

 

「確かに言い出したのは私です。

 ですがあの時はまだ2日目だったので「待つ」方針でよかったんです。

 しかし今は違います、流石に二週間たってもなにもないのはおかしいでしょう」

 

「…救助うんぬん以前に、これが広まりすぎて自衛隊はおろか最悪国がなくなってるかもと?」

 

「そう言う事です」

 

「しかしじゃあメンバーはどうする? まさか全員で駐屯地まで行って「匿って下さい」なんて、とてもじゃないができないぞ?

 それに南が今……」

 

 視線を部屋の隅で腹を押さえてぐったりしている南に向ける。

 

「え? あ? ちゃ、ちゃんと話は聞いてる…よ…」

 

「…これなら保健室も見とくべきやったな…」

 

「いや…あの…、気持ちはありがたいけど…そこまでしなくても別に…」

 

「……本当ですか? それならいいんですが、キツいならちゃんと言って下さいね?

 何度でも説明しますけど、薬は購買部にあった市販品を棚に入れてあります。

 使うならちゃんと適量を判断して使って下さい」

 

「あ…あぁ…分かってる。

 そんな医者みたいなことまでしなくても大丈夫だから……」

 

「てんくんのお母さんはお医者さんだし、てんくん自身も詳しいからちゃんと言ってね?」

 

「ホントお前なんでもできるな…」

 

 南はそう言って寝袋の中にもぞもぞと芋虫みたいに入っていった。

 さらっと丈槍がとんでもない事を言ったがこの際はいいだろう。

 

「…ともかくどうするんだ? 今日は雨らしいが…」

 

「明日晴れていれば行きましょう、駐屯地には私がバイクで行って来ます。

 時間があれば警察署や市役所も見に行った方が良さそうですね」

 

「…一人でか?」

 

「さすがにあぶないよ~、私も行く!」

 

「……ええんか?」

 

「てんくんとバイクで大阪まで行ったんだし大丈夫だよ!」

 

「………否定は許さんって顔やな、わぁったよ」

 

「じゃあ俺らは留守か?」

 

「そうですね……

 ――あ、ショッピングモールにでも行ってみませんか?」

 

「……ショッピングモール?」

 

「他にも人がいるかもしれません。

 日用品とかも無限に沸いて出てくる訳ではないですし、調達した方がいいでしょう。

 後娯楽としてアナログのパーティーゲームとか…」

 

「それいいね!」

 

「…後数学ドリルとか」

 

「それはいらないね」

 

「やれちゃんと」

 

「うぃ…」

 

「……とまぁ纏めると、二週間なにもないのはおかしいので私と由紀で駐屯地や警察署、市役所を見に行く。

 他の人は車でも使ってショッピングモールに日用品を探しに行く。

 ショッピングモールに行く人のメンバーは未定。

 

 こんな所ですが…、どうします? 先生方?」

 

「私からは特に…と言うか全部纏められたし…

 聞いてなかったけど、学園生活部って鳳条さんが部長なの?」

 

「あいや…部長は一応由紀です」

 

「一応じゃないよ! ちゃんと部長だよ!」

 

「まぁそれは置いといてや。

 話を進めると大抵私に任されるので、最終的にこうなってるだけです。

 先生が纏めてくれてもいいはずなんですけど…先生が口を挟む前に終わってると言うか…」

 

「…私…先生なのに…」

 

「まあ…ドンマイ」

 

 佐倉先生の肩を胡桃がポンポンと叩いた。

 

「まぁでも…それが一番早いし…分かりやすく説明してくれるからな……」

 

 寝袋の中から南の声が聞こえる。

 それに蓮見も柚村に飲み物を渡しながら首を縦に振って同意した。

 

 これに関しては本当にその通りだ。

 皆鳳条の言う通りにするのは、今の課題や求められる答え、必要としてる物の存在を明確に表し端的に表現して纏めあげ非常に分かりやすく説明し、とれる対策を明確に提示するから。

 そしてその対策は現状一番確実だと皆思うし、実際そうだからだ。

 

 それに本人が今みたいに提案やら意見やらを積極的にして、鳳条が話の流れを決めていくってのもあるだろう。

 だからってさすがに鳳条に丸投げするのもどうかと思うが、口を挟む必要がないほど本人が優秀なんで結果こうなるって所か。

 だから皆、最終的に鳳条に話をフるんだろう。

 

 そして操られてるんじゃないかってぐらい鳳条の指示に従う。

 事実、それが一番確実だから。

 

「じゃあもうなにもないし、他は特になし…と。それぞれ解散で」

 

「それなら私、るーちゃんと日用品の確認をしてくるわね」

 

「あ、若狭さんちょっと待って下さい、まだ地下室にあるんです」

 

「でも今から持ってくるだなんて…」

 

「今まで隠されていた専用のエレベーターが直通してるのですぐにでも行けます。

 私と葛城さんで纏めて全部持ってくるので確認をお願いします。

 その間は既存の物を数えておいてください」

 

「早速仕事か…」

 

 鳳条と一緒にエレベーターで地下室に向かい、段ボールに詰められた日用品や非常食をもって上がるを繰り返す。

 終わる頃には昼になっていた。

 それに今思えば朝はなにも食べていない、道理で腹が減る訳だ。

 

 昼飯は神山先生が開けて中途半端に数を減らした段ボールの中に入っているアルファ化米から好きな味をそれぞれ選び、他にも肉の缶詰めにそろそろヤバそうな野菜で仕上げた。

 最近は乾パンや栄養剤とかでなんとかごまかし、まともな食事ができるのは晩飯ぐらいだったからこれはありがたい。

 その乾パンも人数が多いからすぐになくなるからな…

 

 しかもデザートにケーキの缶詰まで出てきた。

 非常食ってこんな物まであるんだな…

 …しかしこれだけなんか妙に数が少なくないか?

 

「…神山先生…」

 

「…触れないで…ください…」

 

 体重計に乗っている神山先生がそう呟いた。

 

 ………気のせいだと言う事にしておこう。

 

 昼飯も食べ終わったので再び作業を再開。

 午前中にほとんど持って上がっていたようで思いの外すぐに終わった。

 まだ地下室に用事はあるが一旦休憩と言う事で、少し早いがおやつ時。

 若狭が入れてくれたお茶を飲みながらクッキーつまんでを休息をとる。

 休息が終わると、俺と鳳条は再びエレベーターに乗って地下室へと向かった。

 

「一番の問題…か」

 

「ええ。パッとでしか見てないので、私にも正直なにがあるのかも分かりません」

 

 核シェルターの中にガチガチの武器庫まで置いてあるとか、一体なにを想定してたんだか…

 

「でも…なんで俺を呼んだんだ? 銃なんて俺はゲームぐらいしか知らないぞ? 雑用か?」

 

「ショッピングモールに行く時、あのシャベルだけでは不安です」

 

「……俺に銃を持ってショッピングモール探索してこいと?」

 

「はい。使い方はちゃんと教えます」

 

「しかし…」

 

「シャベルで“かれら”を刺し殺すより、銃を使う方が精神的負担も軽いでしょう?

 それに銃は基本、誰でも扱えるように作られてる物です。

 使うだけなら軍人みたいな訓練はいりません」

 

「………」

 

 渋々だが、正論なので首を縦に振って納得した。

 すると同時にエレベーターが地下室に着き、アナウンスと共に扉が開いた。

 鳳条の後を追って武器庫まで歩く。

 掃除もしたし換気扇も回しているが、まだあの“塊”が撒き散らしたらしい血液の匂いがうっすらする。

 

「ここが…」

 

 武器庫に着いた。

 強いて言うなら棚が多いぐらいで、中は思ったより普通の部屋だった。

 他に壁際に本格的な作業机が置かれているが、道具類とかは見当たらない。

 

「さて…なにがあるやら…」

 

 少しニヤニヤした鳳条が棚を開けて中身を次々と出していく。

 俺もそれを手伝い、中身は全て地面に並べた。

 そこから鳳条が厳選し、整備道具等を纏めて一つの棚に収納して整理整頓し銃だけを残した。

 弾も同様、一つの棚に纏めて収納する。

 床に残ったのは銃本体が入った箱だけだ。

 

「これで全部…か。棚の大きさの割にはあんまり入ってないんだな。

 まぁギチギチに詰められてても怖いけども…」

 

 俺は胡座をかいて地面に座る。

 

「…それで、なにかいいのはあるのか?」

 

「えぇ…十分なぐらいですよ…、フフフ…!」

 

 妙にテンションが高い鳳条が、「Honey Badger」と書かれた細長い長方形の箱を開ける。

 すると中からは砂のような色をしたアサルトライフル? が出てきた。

 何故か側面には「Q」とデカデカと書いてある。

 

「これは?」

 

「ハニーバジャー…、300AACブラックアウト弾を使う消音PDWです」

 

「PD…え?」

 

「別にそこは気にしなくていいです、重要なのは消音って所です。

 完全に音が消える訳ではありませんが、それでも十分すぎるほど静かになります。

 この状況にぴったりですよ」

 

「お、おぉ…そうか…

 でも確かに朝は凄い音だったもんな」

 

「タマは……よし、どうぞ」

 

「…え? これ俺が使うのか?」

 

「えぇ。取り敢えず持ってみて下さい」

 

 鳳条がハニーバジャーを手渡してきた。

 思いの外、ずっしりしていて重い。

 体感3kgぐらいだ。

 

 言われた通りに構え、頬を食い込ませて先端の棒にピントを合わせる形で穴を覗く。

 ゲームだと簡単だが、実際にやるとピントを合わせるのに結構時間が掛かる。

 どうも慣れが必要なようだ。

 

「どうですか?」

 

「特に違和感はとかはないけどもサイトがやりにくいな…、できればスコープとかつけてくれないか?」

 

「後で調整しておきます。他に問題は?」

 

「いやこんなの初めて触ったからなんとも言えんよ…

 でもあれだな、今は大丈夫だがずっとやってると疲れるな…これ…」

 

 例え3kgのダンベルだったとしてもずっと持っていれば誰でも疲れる。

 それに俺は「走る」のがメインなので、腕はそんなに鍛えていない。

 人並み以上にはやってるつもりだが、それでも疲れる物は疲れる。

 実際、流石に疲れてきた。

 

「……もう下ろしてもいいよな?」

 

「? 別にそんな事私に聞かなくても、好きに下ろしてもらっていいですよ?」

 

「いやずっとしなくちゃいけないのかと思って…」

 

「あぁすいません、言葉が足りませんでした」

 

 ハニーバジャーを地面に下ろし、箱に入れた。

 

「で、ハニーバジャーを俺が使うのは分かったがお前はどうする?

 腕前を考えてもハニーバジャーはお前が持ってる方がいいんじゃないのか?」

 

「いえ、私はこれで十分です」

 

 そう言って鳳条は「H&K MARK23」と書かれた箱を開けた。

 

「それは?」

 

「ヘッケラー&コッホ、マーク23。特殊部隊向けのピストルです」

 

 中から出てきたのはかなりの大型拳銃だった。

 しかし鳳条が持ってる分には普通のサイズに見える。

 

「拳銃の方が強いからってか?」

 

「あーいえ、拳銃が強いのはゲームの世界ぐらいです」

 

「え、そうなのか?」

 

「実際はアサルトライフルの方が遥かに強いです。

 ゲームとしてバランスを取ると拳銃を強くした方が面白いからそうなってるんです」

 

「へぇー…

 …って、それならそのマーク23? も弱いんじゃないのか?」

 

「弱いですね、余裕でハニーバジャーより弱いです」

 

「いやそんなので大丈夫なのか?」

 

「ちゃんと頭狙えば殺せますし、アサルトライフルは最悪TKB-072-1を使います」

 

 TKB-072-1、あの無稼働なんたらとか言っていたアサルトライフルの正式名称だそうだ。

 動くのも驚きだが、それ以上に名前が気になる。

 なんつぅ名前だ…今時中学生でもこんな名前つけないぞ…

 

 ただ鳳条によるとTKB-072-1はソ連の試作アサルトライフルらしい。

 なら日本語の語呂合わせとか考えてるはずないし、試作品だから適当に空いた番号でもつけたらこうなったんだろう。

 

 しかしだとするとなぜそんな試作品がここにあるのかと言う話だが、これは如月と言う会社が作ったかららしい。

 鳳条は実験用に製造した後役目が終わり、まだ使えるから備えでこの学校に飾られていたんじゃないかと予想している。

 

 …ただ、そう説明されてもどうしも俺の頭に残るんだ。

 

 ……鳳条の名前にTKB-072-1……

 …流石に狙ってない…よな?

 

 普通に考えてそんな訳ないのだが、その…なんと言うか…

 

 ――って今はそんな事考えてる場合じゃない。

 

「まあとにかく俺はハニーバジャーを、お前はマーク23を使うって訳でいいんだな?」

 

「はい」

 

「なら余ったのはどうする?

 俺は分からんがお前は箱で中身も分かるんだろ? なにかいい物はないのか?

 箱が小さいから全部拳銃だとは思うが…」

 

「あるにはあるんですが…うーん…

 普通の銃なので音がうるさいんですよね…、それでよければあるんですけど…

 

 …いやぁ…どうしたモンかなぁ…、グロック19が1丁にM36系が4丁やからなぁ…!

 なぜかまだ1丁あったAF-2011は問題外として…」

 

 鳳条はそう言って正座を崩して胡座をかき、頭をポリポリ掻いて唸る。

 そして暫く悩んだ末、「Glock19」と書かれた箱を持って立ち上がり机に置いた。

 ハニーバジャーも拾い上げ机に置く。

 

「後は私がやるので、葛城さんは先に上に戻って下さい。

 3時半には用意を済ませて戻ります」

 

「あぁ、分かった。でもその前に一ついいか?」

 

「なんですか?」

 

「その問題外とか言ってたAF-2011ってなんなんだ?」

 

「………」

 

 鳳条は無言で箱を開けた。

 中から出てきたのはいたって普通…の……

 

「……え?」

 

「これ…使いたいですか?」

 

「あ、いや…別に…

 じ、じゃあ先にもっどってるぞ?」

 

「はい」

 

 …なんだったんだ…アレ? 銃が2つくっついてたぞ…

 

 無駄にインパクトのある見た目の銃が脳裏に焼き付いたまま俺は上に戻った。

 多分、あれは一生忘れないだろう。

 


 

[ハニーバジャー]

 アサルトライフルみたいな見た目だが分類上はPDW、[MP5SD]の代替を狙っていた。

 その性質故に登場した時は注目されていたのだが、製作者が会社をクビになり開発が凍結。

 その後この製作者も関わった[MCX]と言う代物が登場し、各国に採用されていった事で実質下位互換扱いになってしまった。

 しかし製作者はまだ諦めていないそうで、新しく会社を立ち上げてハニーバジャーを売り出している。

 

 作中の個体はQ Honey Badger SD。

 

[H&K MARK23]

 アメリカの特殊部隊の要件に完璧なまでに答えた傑作拳銃。

 要件を上回るほどの悪条件でも問題なく作動するほど頑丈かつ精度もよい。

 …が、デカイし重い、そして高いと言う理由であんまり使われる事はなかった。

 

 作中の個体は標準仕様。

 

[グロック19]

 グロック17を切り詰めコンパクトにした物。

 元となったグロック17は、登場当初イロモノ扱いだったのだが徐々に性能が評価され、今では取り敢えずグロックと言ったぐらに王道的存在になった。

 ちなみにだが、なぜ“17”と名付けられたのかはよく分かっていない。

 

 作中の個体は標準使用のgen5。

 

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