連日投稿です。ご注意ください。
※前回終盤(Cパート)については必要以上に暗い蛇足となりそうだったので削除しました。申し訳ありません……。
「ングッ、ングッ──キュップぃ! さぁハイター、ボクはまだまだ
「良い飲みっぷりですね、キュゥべえ! 私も負けていられません!」
「……魔獣も酒を飲むんだな」
「うん、飲むよ? まぁボクが、大体のものを食べれるように意図的な改造が施されてる『インキュベーター』だからって部分も大きいけど。他だと、ドラゴンがたまに飲んでるとこを見るかな。
──そういうキミは飲まないのかい? ドワーフは酒好きが多いとよく耳にするけれど」
「……今日は飲まん」
「警戒する必要はありませんよアイゼン。私が保証しましょう、『彼は悪い魔獣ではない』と!」
「ねぇ色々と立ち位置おかしくない?」
──『それ、私の台詞だった筈なんだけど』『馴染み過ぎてて怖い……』と、言葉にせずとも彼女の表情がそう告げていた。
「へぇ? 庇ってくれる気あったんだ、フリーレン。
「流石の私も、自己紹介で
「でも成功しただろう?」
「
『──やぁ! ボクは嘘しか吐けない種族、インキュベーターのキュゥべえ!! メスブタだよ!!!』
『『お前は何を言ってるんだ??』』
ヒンメルとアイゼンが真顔でツッコミ、フリーレンは目を逸らし、ハイターは固まっていた。
「──
「毎回ではないよ。今回のはフランメから教わったチョベリグな『とっておき』さ」
「ちょ、ちょべりぐ……?」
「
「本当か?? いや、そうかもしれないが……それでいいのか……?」
「いいとも。インパクトは大事だからね」
合理的であること自体は強ち否定できない分、
『嘘しか言わない』という発言は、一言で矛盾する『絶対的な嘘』である。これで『インキュベーター』としては
そして続く『メスブタ』という言葉は、
というのも、彼らがそれを文字通り『豚の雌』として読み取ってしまうからだ。
魔族は『騙す種族』であり、人を騙すために理解できない単語をそのまま使うことは珍しくないが……反対に、
ただしどれだけ有用であっても、フリーレンが共感性羞恥で死にたくなったのは確かなので……彼女が
「インパクト……そうだな、間違いなく人生最大級の衝撃だったよ。
「ウチの愚弟がごめん。ホントごめん。大体なんでも並以上にこなせる奴なんだけど、ギャグセンスだけは壊滅的なんだよ……」
「アレを『並以上』で片付けていいのか……?」
「あー……アウラにとって、ボクは天敵だったからね。相性だよ。この先も同じだけの働きを期待されちゃうと、少し困るかな」
アウラの『
その強みはアウラの膨大な魔力と、誰にも再現できない複雑な術式。
だがキュゥべえは、『魂』を扱う魔法の専門家である。そして本人は使ったことがないものの、彼は『契約支配』を得意とする種族である。更には、彼女の
──彼らが対峙すればどうなるかは、明白だった。
『ウソよ、ありえない……私の魔法が正面から解除されるだなんて……』
『…………』
『その上で、何よそのデタラメな魔力は……! どこから湧いて来てるの……!?』
『魂の奥底だよ。キミはよく知ってるだろう?』
『それが一時的に支配を破る、自我の力だって言うの……?
いや、待って? 待ちなさい……そうだわ理解できた! この術式を組み込めば、私の魔法はもっと高みに──!!』
『いかせるワケないでしょ』
断頭台のアウラは、最期の最期に己の作品へ新たな可能性を見出し──そこへ着手することなく、全身を切り刻まれて死に絶えた。
その無双ぶりに勇者一行は戦慄し、身構え──それが盛大な徒労に終わるのは、上記の通りだ。
「……それなんだけどさ、キュゥべえ」
「ん? どうしたんだいフリーレン」
「南の勇者がやってくれたおかげで、既に七崩賢は半壊してる。そして今日、アウラも倒した。
──でも、一番厄介な奴がまだ残ってる。キュゥべえは
「……お察しの通りだよ。その戦いがあったから、ボクは逃げれた」
「でもそれって何年も前の話だよね?」
「……」
「キュゥべえなら、もっと早く私を見つけられたよね……?」
「…………」
「……どうして来てくれなかったの?」
「……ごめん。
…………キミの足枷になっていたボクでは、キミの元へ帰っても意味が無かった」
「…………なら、私はもう大丈夫だからさ。……今度こそ、私の前から消えないで。……お願い」
「……うん。約束する」
*
「……ハイター、やっぱり僕にも酒くれ」
「おや? 『こないだ二日酔いになって痛い目を見たから暫く飲まない』のでは?」
「呑まなきゃ、やってられない」
「……アレはどう見ても『弟』だろう」
「だとしてもだよアイゼン……ッ!」
「……全く。また溺れるように呑みおって。
………………ところでハイター」
「なんですか?」
「『インキュベーター』 一応俺も存在そのものは聞いたことがある。
──アレは『悪魔』だろう? 本当に信頼していいのか」
「……そうですね。
ただその、私の感覚では……どうにも彼が、むしろ
ハイターがキュゥべえに抱く謎の感覚については、前回同様旅には関係ない『設定資料集送り』の内容となっております。