「──フランメ。そうか、キミが」
「白々しいな。何をさも『初対面です』って
「……? 初対面、だろう?」
「テメェとは、な。だが
「それはもしかして、『同族間で思考を共有する魔法』のことを言っているのかい? だとしたらご生憎様。
「──ハッ。テメェらも嘘を学習したんだな。
「…………魔族?」
──どうやら彼女は、本当に以前ボクの同族に会ったことがあるらしい。父の言っていた『我々の特性』をよく知っている。
でも、
「訂正してくれ。
コレに関しては、『勘違いも甚だしい』としか言いようがない。『羽が生えてるヤツは全部鳥。だから
「あり得ないな。お前ら魔族に『親子の情』なんてものは存在しない。特に
「…………らしいね。でも残念。それが
ボクは
彼女はそれを危なげなく受け止め、一瞥し──目を剥いた。
流石に『大魔法使い』を自称するだけあって、彼女はこの一瞬で『石』の正体に気付いたらしい。
「────そんな、まさか。お前、本当に……」
「──フランメ。ボクはキミの『憎しみ』が、『殺意』が、痛いほどよく解るよ。ボクの父を殺したのは、魔族だからね」
「……ッ」
「これでもまだボクが信用できないなら、ボクを魔族の同類だと言うのなら、その宝石を砕くといい。キミ一人説得できないなら、ここで生き残ってもどうせ先は長くない」
「…………お前といい、そこのエルフといい、『正々堂々真っ向勝負』が好きな奴の気持ちは分からんね」
そう言うと彼女は、ボクの
「──邪魔したな。どこへなりと、二人で好きなとこへ行けばいいさ」
「…………うん。さようならだ、フランメ」
「おう、じゃあな──」
──と、そこまで言ったところで……彼女は何かに気付いたのか、不意に立ち止まった。
「そういやお前達、名前は?」
…………そういえば、名乗っていなかったか。
「フリーレン」
「…………キュゥべえ」
「「──なんて??」」
「〜〜っ。だから、『キュゥべえ』だよ! 種族名の『インキュベーター』をそのままもじった『キュゥべえ』が、ボクの名前さ!!」
キュップぃ、この羞恥心だけで明日までお腹一杯だね!!!
…………こればかりは、本気で父をうらめしく思っている。
「あー……その、なんだ。強く生きろよ、キュゥべえ」
「うるさい噛むぞひっかくぞ」
「ハッハッハ、それは恐ろしいな! ひ弱な人間はさっさと退散することにしよう!!」
そうしてフランメは、朗らかに笑って背を向けて──。
「……ひ弱? 何を言ってるんだ、フランメ。
「────何?」
去り際にフリーレンが発した言葉に反応して、フランメは振り返った。
「どうしてそう思った、フリーレン」
「……? なんとなく」
「…………予定変更」
彼女はそのまま、ボク達の方へ戻ってきて──宣言した。
「フリーレン。
コレが、ボクとフリーレンの──長過ぎる旅の始まり。その記憶。