ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記   作:KAZ1421

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本編続きです。



タイトルから……分かりますよね?





運命の日

 

─── ???? ───

 

ある場所で2人の男性が部屋に入る。

 

部屋の中には2人、男性の老人と秘書のような女性がいた。

部屋に入った2人はお辞儀をしながら報告をする。

 

 

 

「ただいま戻りました、シモン様。 此度は私の至らぬせいで迷惑をかけました。」

 

 

ブレインの言葉にシモンは答える。

 

 

「…いや、いい。 結果的だが、国際警察が動いている事も分かった。 そしてこちらの情報が漏れていた事もな。」

 

 

シモンはそのまま女性───『ヒルデ』に聞く。

 

 

「それで、()()()()()はどうなった? ヒルデ。」

 

「…申し訳ありません。 後一歩という所まで追い詰めたのですが、空中にあったダミーの気球を囮に使われ逃げられました。 おそらく、地中から出て海に逃げたのかと。」

 

 

ヒルデは逃してしまった3人組(ロケット団)の事をそう報告する。

 

 

「だが、これで情報が漏れることは無くなった。 ブレイン、奴等はこれからどう動くと思う?」

 

 

シモンの質問にブレインは自身の考えを語る。

 

 

「……おそらくシモン様も考えている通り、明日行われるであろうジムリーダー試験に介入するかと。 私を救い出したのも()()()()の最終調整のためですよね?」

 

「そうだ。 奴等が介入するとしたらジムリーダー試験の時だろう。

故に試験場所をあの場所にするだけでなく、こちらの手の者を複数周辺に配置する。」

 

「…オレ達もそこに配置されんのか?」

 

 

ナイヤは自身の疑問を投げかけるとシモンは首を横に振る。

 

 

「いや、お前たちにはわしの護衛を任せたい。 最悪の場合、会長諸共始末するからな。」

 

 

今自分がこの立場にいるのは皮肉にも『巨石』のおかげだ。

これが発見されなければ、自分達は既にこのポケモン協会から責任を取るという形で表向きは辞任という事となり、現会長がポケモン協会を掌握していただろう。

 

故にこのチャンスを逃すつもりは無い。 自分の考えが正しいのだと証明する機会は今だけなのだ。

 

 

「「「…全てはシモン様の計画の為に。」」」

 

 

シモンの言葉に3人は頭を下げてそう答える。

 

 

 

 

─── ウツギ研究所 ───

 

ウツギ研究所のある一室にてウツギ博士が連絡を受けて話していた。

 

 

「…そうか、分かった。 君たちも気をつけて。」

 

 

ウツギ博士は通信を切り、すぐにゴールドとクリスの母親へ伝える。

 

 

「奥さん方、()()()()()()()()()()()を所時しておりませんか?」

 

 

ウツギ博士からの言葉に2人は困惑しながらも否定する。 するとウツギ博士は安心した素ぶりをした後、“それは良かった。”と言葉を口にする。

 

 

「ウツギ博士、そのアクセサリー、最近流行している物ですよね? それがどうしましたか? 」

 

 

オーキドの孫であり、グリーンの姉であるナナミはその様子に疑問を持ち質問する。 ウツギ博士は少し考えた後、言い辛そうに話す。

 

 

「……実はこのアクセサリーには、取り付けた人間やポケモンを巨石の力で()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

『!?』

 

 

その言葉に全員が驚愕する。

 

 

「馬鹿な!? そんな非人道的な物が一般に売られているだと!?」

 

 

ハヤテはその言葉を聞いて愕然とするしかなかった。

 

 

「ああ、実はヒワダジムが何者かに襲われた際にこのアクセサリーを取り付けていた人物全員がジムリーダーや国際警察を襲うという事態になったんだ。 その原因がこのアクセサリーだとサトシ君の協力で判明した。」

 

 

ガンテツの家でサトシは気絶しているジムトレーナーが身につけている装飾品から巨石の力を感知。 その結果この装飾品がシバやロケット団達を操った物だと判明したのだ。

 

 

「……こんな事、警察のオレが思ってはいけないとは分かっているけど、少し四天王達の気持ちが理解出来ました。」

 

 

この件で皮肉だが、ハヤトは四天王達の気持ちを理解する。

 

この様な非道をポケモン協会側がしているなら人間がポケモンの敵と認識しても可笑しく無い。

 

 

「……だとしても、ワシらは彼等とは別のやり方で戦わなければならん。 『四天王』のやり方をワシらは否定したのじゃから。」

 

「はい。」

 

 

オーキド博士の言葉にハヤトは頷く。 

 

 

「…ジムリーダー試験は明日、結局センリという人物が何処にいるのかは分からなかったし、あのサトシ君の世界のロケット団にも連絡は繋がらなかった。 でも幸いマサキ君のおかげで試験を行う場所は既に分かっている状態だ。 明日ダイゴさん達とサトシ君達の動けるメンバーでその周辺で待機。 そこでセンリと接触するしかないな。」

 

「ああ、その事はすでにダイゴさんやサトシ君達に伝えています。 当然、奴等の邪魔もあるものと考えられます。」

 

 

ウツギ博士の言葉に全員が彼等の無事を祈る。 自分たちはゴールドとクリスの家族の護衛。 カントーではイエロー等の知り合いの護衛をカントーのジムリーダー達が行っている状態だ。

 

 

「…今回もレッド達に任せるしか出来んか。」

 

 

マサキはレッド達の無事を祈る事しか出来ない今の状況に歯痒い思いを抱きながら、祈るのであった。

 

 

 

 

 

 

─── アクア号 ───

 

 

その頃、ジョウト地方のある海上で多くのロケット団員がアクア号に乗船していた。

 

 

「…マチス様、そしてナツメ様。 我々を救出して頂きありがとうございます。」

 

 

彼等はヒワダジムで拘束されていたロケット団員達だ。

 

ヒワダジムでの騒動で逃げ出したは良いものの、途方に暮れていた時にナツメがアクア号まで案内してくれたのだ。

 

 

「構わねえさ。 ナツメから連絡を貰って回収しに来たし、オレたちの事は既にポケモン協会のに知られて動く事は出来ねえ。精々お前らを()()()()()()()に送る事しか出来ねえからな。」

 

 

自分たちは動いていないとポケモン協会に思わせる為にロケット団として動く事は出来ない。 

 

今こうして運んでいる事自体危険な綱渡りなのだ。

 

 

「業腹だが、今回のポケモン協会の件のケジメはレッド達に任せるしか無い。」

 

「ああ、オレらに勝ったんだ。 それぐらいやってくれねえとな。」

 

 

マサキが無事を祈っている時、皮肉にも彼らもレッド達の勝利を祈っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─── ???? ───

 

 

 

「──で集合だ。 じゃあまた。」

 

 

ダイゴは通信先のサトシ達に作戦を伝えた後、通信を切る。

 

 

「…みんな。 試験会場に行く前にコガネシティで集合する事になった。 ヒワダタウンの事を考えれば試験会場の周辺で戦闘が起こると予想できる。 皆の紹介や作戦も考えて明日の早朝に集合する。」

 

 

ダイゴの言葉に4人は同意し、戦いへの戦意を高める。

 

 

 

─── ヒワダタウン ───

 

 

翌日の早朝、外で待機していた男性『カイト』はガンテツの家から出てきた8人の少年少女達に問いかける。

 

 

「…覚悟は出来たのか?」

 

「ああ。」

 

 

カイトからの質問に答えたレッドに続いて全員が覚悟をした表情で頷く。

 

 

「…ガンテツさん、ありがとうございました。」

 

 

サトシがガンテツに感謝を伝える。

 

 

「気にするな。 お前さん達がこれからやろうとしている事を考えればこれぐらいはさせて欲しい。 …ワシら大人が本当にすまない。」

 

 

サトシ達が戦おうとしているのはポケモン協会に所属している大人達だ。

 

本来ならサトシやレッド、ゴールドの様な子供に任せるべきではない事は理解している。 故に今の素直な気持ちを言葉にした。

 

 

「気にすんな爺さん。 これはオレがやるって決めた事なんだからよ。」

 

「ガンテツさん、ハンサムさんやツクシさん達をお願いします。」

 

 

ゴールドとクリスはガンテツに自由に動けない彼等を任せる。

 

 

「もちろん。 お前さん等が安心して戦える様に看病する。」

 

「みんな頑張ってね!!」

 

 

ガンテツとその孫娘は8人に応援を送る。

 

図鑑所有者達、そしてサトシとカイトの9人はその言葉を聞いた後、それぞれ空を飛ぶポケモン(ゴールドはサトシのカイリューに乗った。)を繰り出し『コガネシティ』へと向かう。

 

 

 

 

─── コガネシティ ───

 

コガネシティ。

 

人とポケモンが行き交う発展の大都会。

 

 

レッド達はそのコガネシティのある建設中の建物をダイゴのデボンコーポレーションを通して1日借り、屋上で待機していた。

 

 

「建設中の建物内部を待ち合わせにするか。 確かに此処なら目立たずに集合出来るな。」

 

「でも本当に大丈夫なんでしょうか? 仕事をしている皆さんに迷惑が─。」

 

 

イエローはそう疑問に思うが、その疑問に答えたのはなんとブルーだった。

 

 

「今回の集合場所の事を少し調べてみたんだけど、どうやらこの建物の建設にデボンコーポレーションが投資しているって事が分かったの。 だからこそ出来た事なんでしょうね。」

 

「…なるほど、待ち合わせには打って付けって訳か。」

 

 

ブルーの言葉を聞いたシルバーは正に待ち合わせをする場所として最適な場所だと感心する。

 

 

「ああ。 だからこの場所を待ち合わせ場所にしたんだ。」

 

「! その声、ダイゴさん!」

 

 

クリスは声を聞き、それがダイゴであると認識して振り返る。

 

 

「ゴールド、クリス。 話は聞いたよ。 無事で良かった。」

 

「? ダイゴ、後ろの奴等は誰だ?」

 

 

ゴールドはダイゴの後ろにいる4人の人物の事を質問する。

 

 

「ああ、彼らは───」

 

 

とダイゴが紹介をしようとすると、

 

 

()()()()()!?

 

「ピカチュウ!?」

 

 

その前にサトシとピカチュウがそのうちの1人に驚きながら名前を言う。

 

 

「──なるほど、どうやら平行世界のわしと会った事があるようだ。」

 

 

ゲンジはサトシの反応からそう推測する。

 

 

「! す、すいません。 俺の世界のゲンジさんには色々とお世話になりましたんで。  それにしても驚きました。 『()()()()()()()()()()()()()』がいるなんて。」

 

「『ホウエン四天王』?」

 

 

サトシの言葉にイエローが疑問を持つ。 

 

四天王はワタル、キクコ、カンナ、シバの4人の事を指す言葉と認識していた為だ。

 

当然レッド達もその言葉に疑問を抱く。

 

そんなみんなの様子を見てサトシは気付く。

 

 

「あ、 そういえばこの世界には『四天王』っていうシステムは無いってオーキド博士が言っていたっけ?」

 

 

そこでサトシは自身の世界のポケモンリーグを説明する。

 

 

各地方にそれぞれポケモンリーグがあり、リーグ戦を勝ち抜いた優勝者はリーグ優勝者同士でのチャンピオンリーグの参加資格を与えられる。

 

その大会で優勝すれば四天王に挑戦する権利を得ることができる。

 

四天王制覇後にはそれぞれの地方のリーグチャンピオンとの戦いが待ち受けており、チャンピオンを倒してリーグ制覇となるという事だ。

 

 

「俺の世界でのゲンジさんはホウエン地方の四天王の1人として君臨しているんだよ。」

 

「へえ。」

 

 

サトシの説明を聞き、レッドは納得する。

 

 

「ホウエン地方の四天王とはゲンジさんとしか会ってないけど、他の3人の名前は知ってるよ。 確か、氷使いの『プリム』さん。 ゴースト使いの『フヨウ』さん。 あく使いの『カゲツ』さんの4人でチャンピオンはダイゴさんなんだ。」

 

 

サトシの言葉にダイゴは少し笑いながら言う。

 

 

「フフ、もう自己紹介は要らなそうだね。」

 

 

その言葉に全員が理解する。

 

 

「まさか、この人たちは!」

 

 

サトシが興奮しながら質問する。

 

 

「おう、オレはカゲツ。」

 

「あちしはフヨウ。」

 

「プリムと申します。」

 

 

正にサトシが話した人物達が目の前に現れたのだ。

 

 

「彼等は僕が信頼している仲間で実力もホウエン地方のポケモンリーグの上位者だ。」

 

「…もしかして、ダイゴさん含めて5人がホウエン地方で最も強い5人って事ですか?」

 

 

イエローはダイゴの言葉とサトシの平行世界の情報から此処にいる5人がホウエン地方で最も強いトレーナー達かと質問する。

 

 

()()()()()()()()()()?」

 

「! 凄い。」

 

 

ダイゴの言葉にレッドは興奮しながらそう言う。

 

他の地方とはいえトップ5の実力者が目の前に揃っている光景に興奮したのだ。

 

 

 

「それにしても平行世界でもオレたちは有名とはな。」

 

「運命を感じます。」

 

 

カゲツとプリムは平行世界でも自分達がホウエン地方で有名なトレーナーである事に驚いていた。

 

そんな中、ダイゴはある人物に目が止まる。

 

 

「! あなたがカイトさんですね?」

 

「…ああ。」

 

 

カイトは複雑な感情を出して答える。

 

今はデボンコーポレーションの内部にいたシモンの手の者の仕業と認識してはいるが、この前までは自身の土地を奪おうとした会社として認識していた社長の御曹司なのだ。

 

やはり少し、敵対心というものを持っていた。

 

そんな彼にダイゴは近づき、

 

 

「カイトさん、僕たちデボンコーポレーションが多大なご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした。」

 

「!」

 

 

頭を下げて謝罪した。

 

 

「あなたの事は国際警察からの情報で知りました。 どの様な理由があったにせよ、人生を狂わせた原因は父の会社が原因。 そしてその息子である僕の責任でもあります。 本当に申し訳ありませんでした。」

 

「……いや、今のオレは謝罪を受け取る資格はない。 きっかけは確かにそうかも知れないが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 それにアンタは何も関係ないじゃないか。 顔を上げてください。」

 

「…そう言って頂けるとは、感謝します。」

 

 

カイトの言葉にダイゴは感謝を伝える。

 

 

「それより時間が限られているんだろう? 早く話を進めてください。」

 

「…そうですね。 分かりました。」

 

 

カイトの言葉にダイゴは今回の作戦を伝える。

 

 

今回の目的は『ポケモン協会の暴走を止める事』だ。 

その為に必要なのは以下の通り。

 

巨石の危険性を伝え、これ以上の使用を阻止する事。

 

副会長のシモンの悪逆を白日の元に晒す事。

 

 

この二つだ

 

会長は巨石の危険性を一切知らない状況。 故にゴールドやクリス達の証言が重要である。

 

おそらくこれで会長は巨石の使用を禁止するだろう。

 

 

しかし、シモンに関してはその期待は一切出来ない。

 

ニビシティの殺人事件やヒワダジムの件、そして巨石の危険性を知りながらも一切伝えていない状況。

 

これらを考えれば例え会長が中止と伝えても決してやめないだろう。

最悪実力行使をする可能性が高い。

 

一応、国際警察のハンサムから受け取った逮捕状と殺人の証拠があればこちらも実力行使で抑える事が可能だ。

 

 

「だけど、これはあくまでも最終手段。 穏便に済めば問題はない──と言いたいけど、今までの事を考えれば間違いなく戦闘になる。 そしてその際に起こる()()()()()()()()()()()()4()()()()()()()()。」

 

「? 最悪の状況って?」

 

 

レッドはダイゴが言った『最悪の状況』という意味がわからず質問する。

すると驚くべき情報がきた。

 

 

「今は連絡がつながらないけど、サトシ君の世界のロケット団から今回行われる試験の場所には()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

『!?』

 

 

その言葉に全員が驚く。 そして同時に最悪の状況というのを理解する。

 

 

「…最悪、レックウザと戦う事になるって事か。」

 

 

レッドの言葉にダイゴは頷く。

 

 

「ああ、正直言って超古代ポケモンのレックウザと戦うとなれば僕とサトシ君だけでは抑える事は難しい。 それにレックウザだけでなくヒワダジムを襲った2人、そしてまだ戦力があるかも知れない状況だ。だから彼らを呼んだんだ。」

 

「…オレ達だけじゃ、レックウザとの戦いでサトシさんやダイゴの足手纏いって事っすか?」

 

 

ゴールドの質問にダイゴは答える。

 

 

「いや、君たちも実力をつけている。 だけど、シモン達が戦闘するという事は会長なども守る必要があるという事だ。」

 

「その戦力を減らしたくないし、だからと言って僕とサトシ君が協力すれば戦えるとは思うが、周りの被害を気にする余裕はない。」

 

ダイゴはそうレックウザと戦闘した場合、周辺に大きな被害が出る可能性を言う。

 

 

「その被害を限りなく少なくする為、彼らを呼んだのさ。」

 

「…分かった。」

 

 

ゴールドはダイゴの言葉に納得し頷く。

 

 

「ありがとう。 次にどの様にジムリーダー試験会場に行くかだけど、まずは周辺に待機してセンリさん達に接触して協力してもらう。 そうすれば会場までは戦闘もほとんど無く入ることが出来る。」

 

「…協力を拒否、すれ違った場合は?」

 

 

グリーンの質問にダイゴは答える。

 

 

「…あまりやりたくないけど強行突破するしかないね。多分周辺にはシモンの部下などがいると考えられるからね。」

 

「…分かった。」

 

 

グリーンは言葉を聞いて納得する。

 

 

「その後、会長と会って巨石の危険性、そしてシモンの事件に対して糾弾をする。 戦闘になった場合には会長達を守りながら戦闘する事になる。 レックウザが出てきた場合、相手は僕、ゲンジ、プリム、フヨウ、カゲツ、サトシ君の6人で対処。 他の皆はシモン達の相手を頼む。」

 

 

全員がその言葉に頷いた事を確認し、ダイゴは頷く。

 

 

「よし、これから試験会場周辺に向かう。準備は良いね?」

 

『はい!』

 

 

 

 

 

 

─── 空中 ───

 

ジムリーダー試験会場へと向かっている合計14人が、目的地が見えて来て、事前に決めていた待機場所にそれぞれ向かおうとしたその時。

 

 

「! 待ってみんな、シルバーから貰ったオレの『運命のスプーン』が別の方向を示してる。」

 

 

シルバーがナツメから受け取ったカントーの図鑑所有者達とサトシの分の『運命のスプーン』をそれぞれ全員に渡していて、レッドが持っている『運命のスプーン』が事前に決めた配置とは正反対の場所を示していた。

 

 

「! 僕のスプーンもレッドさんと同じ方向に。」

 

「俺もだ。」

 

 

レッドだけでは無くイエロー、サトシの持っているスプーンもレッドと同じ方向へ向いていたのだ。

 

 

「……オレ達のは正に決めていた配置の場所だが、お前たちだけが?」

 

「だが、このスプーンは信用出来る物だ。──ゴールド、お前もサトシと共に行け。」

 

「? シルバー?」

 

 

サトシのカイリューに乗っていたゴールドはシルバーの言葉に疑問を持つ。

 

 

「サトシと共に乗っている状況でスプーンが示した。 これはお前も共に行けと言っていると思う。」

 

「…そうね、きっとあなた達4人はそっちに向かうべきって言っている気がするわ。」

 

 

ブルーもシルバーの言葉に同意する。

 

 

「…分かった。 サトシさん、お願いします。」

 

「ああ! 行こう、3人共!」

 

 

 

サトシの言葉にレッド、イエロー、ゴールドの3人は頷き、スプーンが示す場所へと向かう。

 

 

 

─── ジョウト地方のある場所 ───

 

ジョウト地方で行われるジムリーダー試験。 その試験を受ける為、ある人物達が会場へと向かっていた。

 

 

「いよいよ今日ね、あなたがジムリーダーになる日!」

 

 

ある女性が夫だろうか? その人の腕に抱きつきながらそう言う。

 

 

「ずっと目指していた夢がかなうんだわ!!」

 

 

そんな女性に対して夫婦の知り合いらしき男性が言う。

 

 

「ま〜だ、分かりませんぞぉ。 試験は今からなんですからな。」

 

 

男性はからかう様に言う。 なぜなら、

 

 

「な〜んて失礼! ()()()に限って不合格なんてまず考えられないですな。」

 

 

男性、『オダマキ博士』は今回試験を受ける『センリ』が不合格になるのはあり得ないと信じているからだ。

 

 

「気がはやいが合格後の就任ジムがどこになるのかの方が気になるでしょう?」

 

「いいえ〜。 この人と一緒ならどこへでも!」

 

 

オダマキ博士の質問にセンリの妻はどこだとしてもついて行くと即答する。

 

 

「お〰︎〰︎ この幸せ者め!! センリよ、ぜ〜ひ、わがホウエンに来い!」

 

「フッ」

 

 

センリがオダマキ博士の言葉に笑いつつ、ある事が気になり妻に質問する。

 

 

「『()()()』はどうした?」

 

「向こうで遊んでいたわ。 フフ、見るもの全部珍しいみたい。」

 

 

そうルビーがいる方向へ指を指した。

 

 

「うちの娘も一緒かな。」

 

「もちろん! ずーっと一緒よ、とても会ったばかりとは思えないくらい仲良しよ。」

 

 

そう、オダマキ博士の言葉にセンリの妻は答える。

 

 

 

 

 

2人の少年少女が仲良く草むらを歩いていた。

 

2人は数日前に会ったばかりだったが、とてもそうは見えないほど仲が良い。

 

そんな風に歩いていると草むらから大きなポケモンが出てくる。

突然現れたポケモンに少女は驚き、少年はそのポケモンの名を言う。

 

 

「野生のボーマンダ!!」

 

 

ボーマンダはそのまま少女に向かって噛みついて来る!!

 

 

「キャアア!!」

 

「危ない!!」

 

間一髪、少女をボーマンダから抱えて連れ去る事で守った少年はボーマンダから距離を取る。

 

 

「ここにいて!!」

 

 

少年はそのまま自身のポケモンを繰り出す。

 

 

NANA(ナナ)!! COCO(ココ)!! RURU(ルル)!!」

 

 

少年、『ルビー』はポチエナのNANA、エネコのCOCO、ラルトスのRURUを繰り出し、ボーマンダを攻撃する。

 

 

「この子を守らなきゃ!!」

 

 

ルビーは女の子を守る為、全力でボーマンダを相手にする。

 

 

「ボーマンダめ、絶対倒してやる!!」

 

 

そんな戦闘を少女、『サファイア』は初めて激しいポケモンバトルを見て、その光景に恐怖を抱き始めた。

 

戦闘の最中、ボーマンダは目の前の少年が()()()()()()()()()()()()()と思い、少年を敵と見て“ドラゴンクロー”を少年に繰り出す。

 

 

「きゃあああ!?」

 

 

“ザクッ”っとルビーの頭が裂ける音と、ボーマンダの攻撃に少年は吹き飛ばされる光景を見てサファイアは恐怖で叫ぶ。

 

ルビーは攻撃を受けながらも、多少裂ける程度であった為、直ぐに体勢を立て直す。

 

 

「“ドラゴンクロー”か! なんの! 父さんから教わったバトルの腕前を見──。」

 

 

ルビーがそう叫びながら再び立ち向かおうとしたその瞬間、なんともう一体のポケモンが草むらから出て来る。

 

 

「!? なんだ、あのポケモンは!?」

 

 

ルビーは見たことの無いポケモンに驚く。その見た目はまさに恐竜。その頑丈なアゴで分厚い鉄板を紙のように噛みちぎりそうだ。

 

そのポケモンがボーマンダを援護する様に2人を攻撃しようとする──その時。

 

 

 

 

 

 

 

「プテ! “はかいこうせん”!!」

 

「カイリュー! “ドラゴンクロー”!!」

 

 

 

“はかいこうせん”が強靭なアゴを持ったポケモンに、“ドラゴンクロー”がボーマンダに命中する。

 

 

「君たち、大丈夫か!?」

 

 

そう、駆け付けたのはレッド、サトシ、イエロー、ゴールドの4人だったのだ。

 

 

 

 

 

 




以上如何でしたでしょうか?

多少駆け足気味になりましたが、ようやくここまで描きました。


ただ次回投稿後、戦闘の詳細をまとめたいので、投稿が遅れます。


こちらの実力不足で申し訳ありませんが、ご理解の程よろしくお願いします。
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