ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記 作:KAZ1421
─── 試験会場周辺 ───
少女、サファイアは突然のその光景に驚く。
先ほどのボーマンダと『あの子』が言ったポケモンとは別のポケモンが現れて襲って来たその時、空から謎の光線がそのポケモンに、同時に翼が生えた橙色の大きなポケモンが先程まで『少年』と戦っていたボーマンダに爪で攻撃をした。
そして遅れて鼠色の翼のあるポケモンと綺麗な羽を持ったポケモンがやって来た。
その3体と共に来た4人の人達の中で赤いジャケットを来た少年がこちらに近づき、
「君たち、大丈夫か!?」
自分達に近づきそうこちらを心配して来る。
だが、
サファイアが抱いている感情は“感謝”や“助かった”ではなく。
この様な恐ろしいバトルを平然と行う彼らへの『
「あ、あなた達は?」
ルビーは突然やって来た4人に疑問を投げ掛ける。
ルビーからすれば、襲って来たポケモンから自分達を助けてくれたのだが、突然やって来た不審者達でもあるからだ。
サファイアを守る為に戦っていたルビーからすれば警戒するのは当然だ。
「あー、えーと。 ちょっと此処を通っていたら戦っているのが見えて咄嗟に助けたんだ。 それよりどうして戦闘なんか。」
レッドはさすがにゴールドよりも更に幼い彼らに自分たちの事を話す訳にはいかないのでそう誤魔化しながら質問する。
「あの野生のボーマンダが突然この子を襲って来たから守ってたんだ。」
「…あのボーマンダが?」
イエローがルビーの説明を聞いてなぜこの様な事をするのか疑問に思う。
そんな中、ゴールドはカイリューに乗っていたので気付く。
2人の少年少女を見てサトシとピカチュウが
「…サトシさん。 どうかしたんッスか?」
サトシはゴールドの言葉に“ハッ” としてゴールドに言う。
「! どうしたんだ、ゴールド。」
「いや、あの子達を見てすげー驚いている様に見えたんで。」
「そっか、なんでもないよ。」
サトシはゴールドの言葉を聞き、何とも言えない表情を浮かべる。
何故なら。
「(あの女の子……やっぱり『ハルカ』に似てる。 それにあの男の子。 もしあの子がこの世界のハルカなら、もしかして……。)
サトシがかつて共に旅をした仲間そっくりの女の子を見て驚いていたからだ。そして共にいる男の子。
もし、あの子がこの世界のハルカなら──
「! 皆さん! あのポケモン達が!!」
そうサトシが考えていると、イエローが皆に注意する様に言う。
何故なら先程のボーマンダと『
そのポケモン達を見てサトシはある事に気付く。
「! 本来、ボーマンダはホウエン地方のポケモンでガチゴラスはカロス地方の
「「「!?」」」
サトシの言葉にレッド、イエロー、ゴールドの3人は更に警戒を強くする。
確かにレッドがポケモン図鑑で確認すると、ガチゴラスは化石ポケモンである事が分かる。
つまり、レッドのプテと同じく、誰かが復元したポケモンなのだ。
ガチゴラスはカロス地方では野生のポケモンとして生息している場所があるだろうがそれでもこのジョウト地方には本来存在しないはずのポケモン。
故にこの2体のポケモンはトレーナーの指示であの子達を襲った事になる。
「良く分かったね。」
そうサトシ達が警戒しているとまるで答え合わせをするかの様に1人の少女が
「誰だてめえらは!」
「…あなた達のポケモンですか?」
ゴールドとイエローの言葉に答える様に彼女は答える。
「わたしの名は『ヒガナ』。
「「「「!?」」」」
その言葉にレッド達は驚愕するしか無かった。
一方、センリ達は試験会場の中に──
入る事はまだ出来ておらず、待機していた。 その理由は。
「…それにしても、いくら試験とはいえ警備が強くないか? おかげでまだ試験会場までにまだ手続きの時間がかかるぞ。」
この試験会場の周辺が異常な警備体制で中々進む事が出来ないからだ。
「仕方ないさ、この所カントーではロケット団や確か四天王と言ったか? その様な集団が暴れていたらしいじゃないか。」
センリは隣の地方のカントーで起こった事件の影響で警備が強くなってもおかしくないと言う。
「その事件も解決した筈だろう? にも関わらずこの警備体制。まるで此処で何か戦闘が起こるみたいじゃないか。」
オダマキ博士の言葉にセンリ達も改めて考えて頷く。
幾らカントーで事件が起こったとはいえこの警備は異常過ぎる。 その事に対して疑問を持つが、同時にセンリは思う。
「…ルビー達を離れさせない方が良いかも知れないな。」
この状況は流石に異常だと考えセンリは手続きの待ち時間の間に先程ルビー達がいた場所へ向かう事を決める。
「…ルビー達を迎えに行く。 少し待っていてくれないか?」
センリの言葉に妻は頷く。
「ええ。ポケモン協会の施設だから安心と思ったけど、さっきの話を聞いて不安になったもの。 お願い。」
ルビーの母親の頼みにセンリは頷き、一度離れようとすると。
「センリ様、今手続き中ですので勝手に移動されるのは困ります。 こちらの指示に従ってください。」
ポケモン協会の職員がそうセンリを止める。
「…すまないが、息子達が外で遊んでいてね。 その迎えに行くだけだ。 すぐに戻──「いけません。」……。」
しかし、それでもポケモン協会の職員はセンリが向かうのを止める。
それでセンリは自身の妻やオダマキ博士が代わりに向かうと言っても職員は否定する。
そんな彼らの行動がこの状況の異常さを確信させる。
「…そうか、なら預けたポケモンを一度渡してくれないか? 実は試験に出すポケモンを一体間違えてしまった事に気付いたんだ。」
そうセンリは登録するという名目で預けたポケモンを受け取りたいと言う。
しかし、
「申し訳ありませんが一度登録すると変更は不可能となります。 もうしばらくお待ち下さいますようお願い致します。」
それも否定されてしまった。 その状況を見てセンリは確実に何かが起こっていると理解する。
「…すみませんが、それでも息子達が心配なんだ。 悪いが行かせてもらう。」
そうセンリが無理矢理にでも出ていこうとすると、
「では、ジムリーダー試験には
「え?」
「! 何だと!?」
当然その様な事を言われた事でルビーの母親とオダマキ博士は驚きと怒りを示す。
ただ息子を迎えに行くだけで参加出来なくなるとは横暴が過ぎると怒っても仕方ないだろう。
それに対してセンリは、
「…ああ、
『!?』
全員が驚く言葉を言う。
「確かにジムリーダーはオレの夢だが、それよりも息子が大事なんだ。不合格になるだけで息子を迎えに行けるのならば構わないさ。 さあ、ポケモンを返して欲しい。 試験に出ないのだから問題ないだろう?」
そうセンリが言いながら外へ出ようとする。 すると、
「…困りますね。 出て行っては。」
その言葉と同時に職員はポケモン『ゴースト』を繰り出し、センリに攻撃する。
「!」
センリはその攻撃を間一髪させる。 しかし、
「動かないで頂きたいですね?」
「あ、あなた。」
ルビーの母親とオダマキ博士にゴーストタイプのポケモンがまるで人質を取るかの様に近くにいた。
「…やはり、何が目的だ!!」
センリはこの行為をした人物にそう怒りながら言う。
「…せっかく穏便に済ませようとしたのですが、仕方ありません。 此処であなた達には退場願いましょう。」
『流星の民』。
ポケモン協会が主導していたレックウザ捕獲計画において、捕獲の際にレックウザと共にいたパートナーがその流星の民であったことが分かっている。
「『流星の民』って、レックウザと一緒に過ごしていたっていう民族。 その一族って事ですか?」
イエローはかつてワタルやキクコが残した映像を思い出しながらそう口にする。
その言葉を聞き、ヒガナは驚く。
「! へぇ〜、 わたし達のことを知っているんだ?」
「…目的は、ポケモン協会の施設にいるレックウザの解放か。」
レッドは今までの情報から彼らが此処に来た理由を察して言う。
この試験会場にはレックウザがいるという情報を得ているからだ。 彼ら『流星の民』が此処に来た理由として考えられるのはそれしか無い。
「その通り。 でも予想以上に周囲の警備が厳重でね、皆で戦っている時に
ヒガナがそう、ボーマンダが暴れていた理由を聞きゴールドは気付く。
「…もしかしてそのボーマンダってポケモンはこの子達を
ゴールドがそんな訳はないと考える。 どう見れば後ろにいる子供達が『敵』だと認識出来るのだろうか? 見境無しにも程がある。
そうゴールドが否定しようとするが、
「ボーマンダの傷を見てみなよ? 相当な傷だ。 正直わたしもここまでこんな子供にやられていたなんて驚いたけどね。」
4人がボーマンダの状態を再度確認すると、レッドのプテの“はかいこうせん”とは別に特に右側の方が大きなダメージを負っている事が分かる。
「って事は、その傷をこの子がやったって事か!? すげぇな。」
ゴールドはルビーの方を見ながらそう言う。 自分より幼い男の子があの凶暴そうなポケモンを追い詰めていたという事実に驚いたのだ。
「…でもここまで戦闘になったのはそのボーマンダがこの子達を襲ったからって聞いた。 って事は最初からこの子達を襲う様に指示したんじゃないのか?」
レッドの質問を聞いてヒガナは驚いた表情を浮かべるが直ぐに納得する。
「…もしかして噛み付こうとしたのかな?」
「ああ、そうだ!!」
ルビーはそうボーマンダの行動を肯定する。 するとヒガナは──、
「ああ、それはわたしのミスだ、すまなかったね。 わたしのボーマンダは多分、君たちを口で掴んで
ボーマンダには足があっても掴む手は無いから優しく噛みついて運ぼうとしたんだよ。」
「!」
その言葉にルビーは驚く。 だがよく考えてみればボーマンダ攻撃が激しくなったのは自分が攻撃した後だった気がする。
「…理由は分かりました。ヒガナさん達はこれからポケモン協会に向かうんですよね?」
「…うん、そうだよ。」
ヒガナの返事を聞き、サトシは言葉を続ける。
「なら! 「あー、残念だけど君たちの話を聞くつもりはないよ?」─え?」
サトシがこれからポケモン協会へ向かうので一緒に行こうと言う前にヒガナはその前に言葉すら否定する。
「ど、どうして…。」
サトシの疑問にヒガナは怒りの感情を露わにしながら言う。
「だって君たち、
「「「「!?」」」」
その言葉を聞いた4人はヒガナ達を見て悟る。 目の前の流星の民の末裔達は完全に戦闘姿勢に入っている事を。
「そっち側にいるなら敵だ。 デボンコーポレーションは
レッド達の話を一切聞くつもりも無くヒガナ達は攻撃し始める。
「…せっかく穏便に済ませようとしたのですが、仕方ありません。 此処であなた達には退場願いましょう。」
そう言いながらポケモン達の攻撃をセンリに放つ。
その時、同じく共にいた職員の1人がセンリの前に立ち、
「
まるでポケモンの鳴き声の様な声を発しながらその攻撃全てをオダマキ博士達を捕らえているポケモン達へ向かって反射させる!!
「何!?」
攻撃を指示した職員は突然の光景に驚いていると、
「
「しまっ…Zzzzzzzz。」
突然中に入って来た1人の職員がモロバレルを繰り出し、その職員を眠らせる。
「ふう。 間に合った様だな。」
男性の職員──『コジロウ』はどうにかなったこの状況に胸を撫で下ろす。
「! 2人共、大丈夫か!?」
突然の事で驚きはしたが、状況から彼らが味方だと判断し、ルビーの母親とオダマキ博士に駆け寄る。
「え、ええ。 大丈夫。」
「しかし、これは一体?」
オダマキ博士はこの状況に混乱するしかなかった。 当然だろう。 横柄な態度だったとはいえ、職員がいきなり自分たちを人質にセンリを襲おうとして来たのだ。
「ごめんだけど、状況についてはまずは此処から抜け出した後でね。」
するともう1人の赤い髪の女性がボールを持って部屋へ入ってくる。
「! それはオレのポケモン達か!」
その女性──『ムサシ』はセンリのポケモン達を回収して持って来たのだった。
「センリさん、こちらに来てください。 此処にいては『奴ら』がまた来ます。」
コジロウがそう言いながら3人を脱出先まで案内しようとすると、
「待ってくれ! 助けてくれた事には感謝するし、後で説明をしてくれるというのも理解した。 だがその前にルビー達を…。」
センリがそうロケット団のムサシ、コジロウに言う。
「……気持ちは分かるけど、まずはアタシ達の仲間と合流してからね?今、この周辺でそれぞれ戦いが起きているのよ。」
「そんな中、奥さんとオダマキ博士の2人を守りながら息子さんを探すのは厳しい。 それに合流しようとしている仲間はあなた達もよく知っている実力者だ。『彼』と合流してからじゃないと探す事も難しい。」
「…実力者? 一体誰なんだい?」
オダマキ博士の質問にムサシは答える。
「ホウエン地方チャンピオンの
その言葉に3人は驚愕を隠せなかった。
迫り来るボーマンダの“ドラゴンクロー”に対していち早く反応したのは何とレッドだった。
「プテ、“ドラゴンクロー”!!」
ボーマンダの攻撃をプテの攻撃が防ぎ、レッドは唖然としているサトシに言う。
「サトシ! 驚いているのも無理はないけど、今は彼女達を抑えよう! このままじゃ話も出来ない!!」
「! あ、ああ!」
レッドの言葉に“ハッ”としたサトシ達は戦闘をする事を決める。
「カイリュー、“ドラゴンクロー”!!」
「チュチュ、“10万ボルト”!」
「ニョたろう、“うずしお”!」
レッドは既にヒガナと戦闘を始めた為、他3人との戦闘をサトシ、イエロー、ゴールドの3人がする。
カイリューはヤミラミ、チュチュはヤドラン、ニョたろうはクチートに攻撃する。
「君たち、此処にいると危ないから離れるんだ! ピカチュウ、2人を頼む。」
「ピカ!」
サトシはルビーとサファイアの2人をこの戦いに巻き込まない為に離れるよう伝えると同時にピカチュウにその護衛を頼む。
あのボーマンダの傷を見れば、あの男の子が高い実力を有している事は明白でこの戦いに巻き込まなければ自力守る事が出来るだろうが、戦闘後という事でピカチュウが2人を守る事にしたのだ。
「! うん!!」
ルビーはサトシの言葉に頷き、サファイアの所へ向かい手を伸ばす。
「ボーマンダ達はあの人達に任せてボク達はここから離れ「いや!」───え?」
ルビーは伸ばした手を拒んだその子に驚くが、直ぐにその理由を知る事になる。
「…
「────。」
その子はボーマンダやあの人達の事も怖がっていたが
「プテ、“ちょうおんぱ”! ゴン、“メガトンキック”!」
レッドはボーマンダに“ちょうおんぱ”を、ガチゴラスに“メガトンキック”を指示して繰り出す。
ガチゴラスはダメージを受けるが、ボーマンダはどうにか回避をして
「“だいもんじ”!」
そのまま反撃で“だいもんじ”をレッドとプテに放つ。
レッドは回避は難しいと判断し、ボールと『ほのおのいし』を取り出す。
「ブイ、受け止めろ!!」
繰り出されたブイは直ぐにブースターとなり、特性『もらいび』で“だいもんじ”を無力化。 そして、
「“かえんほうしゃ”!!」
そのまま“かえんほうしゃ”を繰り出し、ボーマンダに命中させる。
「やるね、これ程とは思わなかったよ。」
ヒガナは目の前のトレーナーの実力が相当な物だと認め、ヒガナは右すねにつけた装具、『メガアンクレッド』を使う事を決める。
「…確かヒガナだっけ? オレ達の話を──「うるさい!」!」
レッドの言葉はヒガナの憎しみに満ちた声に遮られる。
「君たちが味方しているデボンコーポレーションは自分たちの目的の為なら人やポケモンも利用尽くす奴等の集まり! そんな彼らに味方している以上、敵だ!」
そうヒガナは言いながらメガアンクレッドのキーストーンに触れ、
「はあああああああ!!」
と叫ぶと同時にボーマンダの姿が変わっていく!!
「う、これって『メガシンカ』!?」
レッドの前にメガシンカしたボーマンダが立ち塞がるのだった。
以上、如何でしたでしょうか?
ヒガナはデボンコーポレーションやポケモン協会への憎しみでそれに味方をする人間の話は聞かない人間になっています。
(ちなみにルビーとサファイアはどう見ても巻き込まれたと分かったので謝罪していました。)
次回、メガシンカしたボーマンダとの戦闘です。
あ、ちなみにヒガナについて来た人達は原作を見た人ならポケモンで分かりますかね?
一応今回は竜神様の解放という事でついて来ました。