ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記 作:KAZ1421
今回あるポケモンゲームのネタバレを少し含みます。
ご了承の上、閲覧して頂きたく存じます。
では、本編です。
─── 試験会場 ───
試験当日、シモンはセンリを試験会場へ行かせない為に様々な手を尽くしていた。
拘束に等しい事をしたり、周辺に自身の部下を配置し、サトシ達を食い止めようとしていたのだ。
その際、戦闘の状況は常に把握し、戦況次第では護衛の一人の『ナイア』を増援として送ろうとしたのだが。
それは予想外の事があり、
何故なら、
「…話に聞いてはいたが、本当に副会長になっていたとはのう。 シモン。」
「…ああ、久しぶりだな。
ジムリーダー試験で評価をする審査員として緊急にキンセツシティのジムリーダー、テッセンがこの試験会場に来る事になったのだ。
「……あの時の事を反省して勤めていると思っていたが……その顔、やはりわしの事を恨んでいる様じゃな。」
「──何故貴様がここにいる?」
シモンの質問にテッセンは逆に質問する。
「それはわしの台詞だわい。 本来この試験会場には会長とわしらジムリーダーのいずれかが来る予定だった。 急にこの試験会場に来る事を決めたのはお前さんじゃろ。 ……なぜじゃ?」
テッセンの言葉にシモンは一瞬浮き足立つが。
「……貴様には関係ない事だ!!」
シモンはそう言葉を吐き捨てながらその場を離れる。 そんなシモンを見てテッセンは、
「(あの反応。
かつて、シモンが『∞エナジー』での開発のため、多くのポケモン達を犠牲にする事を厭わなかったあの時と──いや、それ以上の表情を浮かべていた事でテッセンは悟る。
「(…まさか、このポケモン協会で同じ研究を極秘にしているんじゃないだろうな?)」
テッセンはそうシモンを疑うが、証拠などは一切ない為、試験会場の審査員用の場所へ向かうのだった。
「(おのれ、まさか奴が来るとは縁起が悪い!!)」
シモンは自身の会社を倒産に追い込んだテッセンと会い、心の中で愚痴をする。
そんな中、
「シモン様、我々が配置した部下が全て倒されてしまいました。」
ブレインがそうシモンに報告する。
「! 今回の受験者は! 拘束しているのか!?」
「それが、拘束していた部下の中に内通者がいまして、しかもその内通者が以前『ヒルデ』と戦闘した人物達だと報告が。」
「! 馬鹿な!? 人数等確認して問題は無かった筈だ! 一体どうやって──」
「…おそらく、水中に逃げたのは彼らでは無く、
自身の部下の弱みを利用して協力させたとブレインはシモンに言う。
「…おのれ! 奴らが来るのは時間の問題か。」
「ですが、シモン様が実際に指示をしたという証拠は一切ありません。すべて『やっていない』や『知らない』等と云えば躱せるのでは?」
ブレインの言葉にシモンも頷く。
「ああ、確かな証拠は一切無いはずだ。 故に言い逃れはできる。 その後、この事を知った奴らを皆『事故』として処理すれば良い。 お前たちは研究所で
「分かっております。
一方、ある場所で。
「…大変な事になりましたな。 奥さん。」
「…ええ。」
オダマキ博士とルビーの母親が今の状況を整理しながら話す。
「まさか、ポケモン協会がここまでの事をするとは。 それに、
「…あんなに仲が良かったのに、今では全く話そうともしないわ。」
ロケット団達が連れて来てくれた子供達の現状は既に話してくれた事で把握している。
特にルビーの精神状態は不安定な状態だ。 当然だろう。
ルビーはポケモンバトルが好きであり、センリからの教えも喜んで受けている。
しかし、大好きなポケモンバトルが原因で仲が良かったサファイアとの関係が悪くなってしまった。
ポケモンバトルよりもおしゃれ等が好きなサファイアにとってはポケモンバトルは『恐怖』でしかない。
故にルビーを怖がってしまうのは必然だった。
「…それに、あの人も心配だわ。 まさかこんな事態になるなんて。」
「…奥さん、センリなら大丈夫です。 それにホウエン地方チャンピオンのダイゴもいるのです。 必ず帰って来ますよ。」
「……ええ。」
オダマキ博士の言葉にルビーの母親は頷くしか出来なかった。
テッセンが審査員用の場所へ向かうと、“イライラ”している1人の男性がいた。
「会長さん、いくら受験者が遅いとはいえ
「…テッセンか。」
会長はテッセンのオヤジギャグを聞き、呆れながらもすぐに意識は今回の受験者のセンリに向く。
「イラつくのは当然だ。 もう試験開始時刻は過ぎているのに…、受験者はまだ来ないのだ!!」
「…確かに、本当に遅いですな。」
そんな会長の言葉にテッセンも同意する。 ジムリーダーの試験という日に遅れるという最先悪い印象になる。
写真などを見たが、そのようなミスを犯す人物に見えなかったので疑問に思う。
「あと数分で失格になってしまうぞ。」
そう会長が受験者を待っていると、“バン!!”と扉がひらく。
「た、たた大変です!!」
従業員の1人の男性が慌てて入って来る。
「どうした?」
「そ、それが、今回の受験者が来ました。」
「ほう、やっとか。」
会長はようやく受験者が来た事に安堵するが、同時に疑問を持つ。
「だがその慌てよう、何かあったのか?」
テッセンの質問に男性は答える。
「実は、受験者に同行していた人物の1人が
「「!?」」
2人は今回の受験者に同行している人物が『ホウエン地方のチャンピオン』である事に驚愕する。
「……此処に奴がいるのか。」
「ピカチュウ。」
現在試験会場前にはサトシ、ダイゴ、ゴールド、クリスそしてセンリの5人がいた。
レッド達はサトシから研究所に巨石の反応がある事を聞いており、ホウエン四天王と共に何かあった場合、対処するように待機している状況だ。
ちなみにヒガナとカイトはシモンの罪を暴く切り札である為近くで姿を隠している。
「…みんな、まずは僕が説明する。 会長への巨石の危険性はみんなに任せるよ。」
サトシ、ゴールド、クリスの3人はダイゴの言葉に頷く。
そうしている内に試験会場から2人の人物が現れる。
1人は目的の人物であるポケモン協会の会長。 そして、
「!? テッセンさん?」
サトシは同じく現れたもう1人の人物に驚く。キンセツシティのジムリーダーのテッセンがいたからだ。
「? テッセンってもしかして、」
「あのキクコってばあさんが言ったシモンって野郎を止めた奴か。」
クリスとゴールドはキクコの映像で言っていたシモンの計画を止めた人物が目の前にいるという事に驚く。
だが、これは良い事だろう。 テッセンはシモンの過去を良く知っている人物。 こちらの話を信用してくれる可能性が高いのでこちらにとっては優位に働くだろう。
「センリ君! ここまで遅れた理由も気になるが、何故君がダイゴ君と
ポケモン協会の会長はセンリと共に来た同行者の中にホウエン地方チャンピオンのダイゴと平行世界の世界チャンピオンのサトシがいる理由を聞く。
「……会長さん。 遅れてしまい申し訳ありません。 その質問に答える前に一つ聞きたいことがあります。」
「? 何だね。」
センリが聞きたいことがあると聞き、会長はその内容を聞く。
「…此処に来る前、試験関係者と名乗る人物達に試験前の手続きの為に待機して欲しいとある場所へ案内されましたが、心当たりがありますか?」
「……? 何を言っているのだね。 そんな情報は一切知らないのだが?」
会長は全く聞いた事がない情報に心当たりが一切ないが、センリの雰囲気から察する。 彼は間違いなく怒っていると。
「…実はこの試験会場前に複数人の協会の職員に案内され、ある場所で
「───、な、なんだと!?」
会長はセンリが言った言葉に驚愕する。 それに追い討ちをかける様に複数の社員証を会長に渡す。
「その社員証の人達に襲われました。幸い、此処にいるダイゴさん達に助けられましたが、
センリの言葉に会長は理解する。
彼はこの事態を起こしたのが自分であると疑っているのだと!!
「ま、まさか、私がその事件に関与していると君は疑っているのか!? そんな訳がないだろう!! 私は今回の件は「分かっていますよ、会長。」!?」
会長の言葉を遮る様にダイゴは話す。
「今回の件は会長は一切関わっていない。 しかし、全く関係ないという訳でもありません。」
ダイゴの言葉に続き、サトシが話す。
「…会長さん。
「!?」
ポケモン協会の会長はサトシの言葉に驚くと同時に思い出す。
サトシは巨石の場所が分かるのだ。 当然研究所施設にある巨石の場所は分かっているだろう。
「…サトシ君、巨石は我々が厳重に保管している状態だ。 現在研究をしている状態なので心配は──。」
「
「!?」
会長はダイゴの言葉に息を詰める。
「な、何故それを!? い、いや。 それと今回の件が何の関係が──。」
「ちょっと待って欲しい。 “巨石”? “レックウザ”? さっきから何の話をしているんですかな?」
テッセンは会長等が話している用語に疑問を投げる。
「“巨石”は3ヶ月前にこのジョウトとカントーで発生した謎の裂け目から現れた物質のことです。 この物質はポケモンを強化や操る事が出来るんです。」
「ダ、ダイゴ君!!」
会長は極秘の筈の情報をテッセンに話すダイゴに非難の声を上げるが、
「いえ、会長。 今回の件はキンセツシティのジムリーダーであるあなたにも関係無い話ではありません。」
「…? ワシにも?」
テッセンは自身にも関係があるという言葉に驚く。
「ええ。 レックウザとは超古代ポケモンの伝説のポケモンであり、現在ポケモン協会が
「! そんなポケモンがこの施設にいるというのか?」
テッセンは自身が知らない情報を聞き、会長の表情を見る。
その表情からダイゴの話は嘘ではないと理解する。
「…何故そんな事を?」
「
ダイゴが答えた内容にテッセンは驚くしか無かった。
「それは…一体どういう──。」
「……ホウエン地方である2体の超古代ポケモンが目を覚ます兆候を確認したんです。 そのポケモン達の名は『カイオーガ』、『グラードン』というポケモンです。」
ダイゴはポケモン協会がレックウザをコントロールしようとする理由をテッセンに話す。
「太古の昔、カイオーガは“海の化身”、グラードンは“大地の化身”と呼ばれていて、カイオーガが海を、グラードンは陸を広げたポケモンです。 この2体は昔、互いに争ったのですが、その際世界は大規模な自然災害に見舞われましたと伝説にあります。 その争いを止めたのが『レックウザ』でした。」
「……その自然災害の規模は?」
テッセンの言葉にダイゴは答える。
「……伝説の通りならば、カイオーガが目覚めれば地上は海に沈み、グラードンが目覚めれば水はすべて干上がる。 そして2体同時ならばその両方の災害がホウエン地方、最悪の場合世界中がその災害の影響を受けるでしょう。」
「───、それほどの規模と言うのか。」
テッセンはホウエン地方が近い将来、その様な災害の見舞われるという事実に驚くしか無かった。
「その事態を阻止する為にレックウザを捕獲、コントロールする計画をこの施設で行っているんです。 ですが、今回はその計画を
「!? 何を言っているのか分かっているのか! レックウザをコントロールするのに『巨石』は必要不可欠な──「その巨石が原因です。」何?」
ダイゴの言葉に会長は驚く。 そんな会長にダイゴは巨石について話す。
「会長は巨石を使用する際の“リスク”をご存知ですか?」
「…もちろん知っているさ。 危険な力だとね。 だがそのリスクもシモン君のお陰で問題は解決だと聞いているが?」
「では、巨石の力が暴走する理由がそのポケモンの“感情”が要因である事も認識していると?」
「……感情が?」
会長は巨石が暴走する理由が“感情”だと言われ、驚く。
「…やはり知らなかった様ですね。 そのポケモンが負の感情を持っている状態で巨石を使用すれば、そのポケモンは周りすべてが敵に見え、暴走してしまいます。 ……そして、
「───ッ!」
その言葉に会長は察する。 もしダイゴの言葉の通りならば、間違いなくレックウザは暴走し、多くの被害を出す事になるだろう。 だが、
「…そんな情報は一切聞いていない。 証拠はあるのか?」
会長の言葉にサトシ、ゴールド、クリスは“やっぱり”と思うと同時に少し、目の前の人物の無知に呆れてしまう。
「何言ってんだよ! 既にオレ達は既にその事態になったんだぞ!!」
「…何?」
ゴールドの言葉に会長は驚く。
「オレのエーたろうはロケット団にやられたオレを見て怒って、その時に巨石の影響で暴走したんだ!! サトシさんが居なかったらワカバタウンは大きな被害が出ていたんだぞ!!」
「私はスリバチ山で子供を守る為に怒った事で暴れていたバンギラスに襲われました。 サトシさんがいなければ私は生きていたかどうか。」
「それに、セキチクシティのサファリゾーンではニドキングが巨石で暴走して街が壊滅の危機になったんです!」
ゴールド、クリス、サトシの言葉に会長は寝耳に水で驚くしか無かった。
「そうやらその反応、全く知らなかったみたいですね? しかし、事実です。 特にゴールド君とサファリゾーンの件はそちらに報告している筈です。」
「…バカな、そんな報告は一切聞いていな──! まさか、」
そこまで聞かれれば自ずと分かる。
誰か情報を自身に行かない様にしているという事を。
そして、自ずと会長の視線は遅れてやってきた1人の老人に向く。
「そう、これらの事態の被害や報告を揉み消し、巨石での方法を強行しようとした人物。 ───『シモン』さん。 あなたが原因ですね?」
ダイゴがそう、今回の黒幕のシモンの名を言うのだった。
「……随分と酷い言い方ですね? わしが何故そんな事をしたと言うのだ。」
「……あなたは以前、ダイキンセツホールディングスの役員をしていました。しかし、その会社のあるプロジェクトが失敗。 その結果、あなたは人が変わった様に周りに当たり散らした事で家庭崩壊した。」
ダイゴの言葉に同じプロジェクトを担っており、そのプロジェクトを中止にしたテッセンは苦い顔をする。
「…そんなあなたからすれば、この巨石での計画が失敗する事は決して許せない事です。 故に自身に不利な情報はすべて強引な手段で揉み消していた。 その内の一つがあの『ヤマブキシティでの戦い』です。」
ダイゴはサトシの世界のロケット団達が手に入れた情報を話す。
「あの時、ポケモン協会からの複数の人員が送られていた筈、しかし現場に来たのはマサキ君だけでした。 会長にはトラブルがあったなど報告していると思いますが、本当のその理由は、サトシ君がその戦いで
「な!?」
「………。」
ダイゴの言葉に会長やテッセンが驚く中、シモンはただ黙って聞いていた。
「あなたが行った事はそれだけではありません。 センリさん達の拘束、リングマの山にてゴールド君とクリス君を『巨石』で操ったロケット団で誘拐、もしくは抹殺の実行。 挙げ句の果てにはヒワダジムの襲撃など、どんな手を使ってでも巨石を使った計画に固執している。」
ダイゴが話す内容に会長とテッセンは驚くしかなかった。
「そ、それは本当なのかね!?」
「はい、少なくともゴールド君とクリス君を襲った件については調査に動いてくれた
ダイゴはそう国際警察がこの件で調査をした際に得た情報を会長に話す。
「…その人員がわしとでも?」
「正確にはあなたの指示で動いていたあなたの部下です。 とはいえ、あなたは証拠を残さない様にしているでしょうし、それらを調査していた国際警察の方はヒワダタウンのジム襲撃の時に怪我をしてしまい、此処には来れませんでしたが。」
ダイゴはシモンを見た後、会長に話す。
「会長。 この巨石でのレックウザのコントロールは中止にし、今すぐレックウザを解放するべきです。 今の怒りを持っているレックウザではジョウトとカントーに被害が出てしまいます。 ホウエン地方を救う為の研究でこのカントーとジョウトに甚大な被害を出すつもりですか?」
「………シモン君。彼らの言った事は本当なのか?」
会長が質問すると、シモンが言う。
「会長、彼らの戯言など聞く必要はありません!! 証拠は一切提示されていませんし、わしはその様な指示は一切していません。 それに彼らの言った巨石のデメリットを話さなかったのは
シモンがそう会長に弁明をしているその時、
「そうやってまた嘘の報告をするのか? 私達から竜神様を奪った様に!!」
別の所で待機していたヒガナが現れてそうシモンに言う。
「! 誰だ小娘! 急に入って来て……「わたしの名はヒガナ、『流星の民の末裔』!」 !?」
ヒガナが自身の事を話したことでシモンだけでなく、会長も驚く。
「『流星の民』!? レックウザと共に過ごしていた部族か!」
「ああ、ホウエン地方のチャンプから聞いたよ。 シモン、あんたが私らとの
「……何だって?」
会長はヒガナの言葉に驚愕する。 レックウザを捕獲する作戦をしたのはシモンによってレックウザの居場所が分かったからだったが、報告ではその際、レックウザと共に過ごしていた民族がいた事をその事件で知ったのだが、シモンが既に彼らと接触していたと彼女は言ったのだ。
「ッ! (まさか、流星の民を証言者にするとは!) な、何の事だ。 お前たちの事などあの事件までは一切知らない。」
「…『あの事件』とは何じゃ?」
一方で彼らの言う事件とは何か知らないテッセンは会長に質問をする。
「そ、それは…。」
「事件とは、レックウザを捕獲する際に起こった事件の事ですよ。ポケモン協会、そして父さんの会社、“デボンコーポレーション”が共同で行った捕獲作戦の時、レックウザのパートナーだった人間が
「!? 何だと!!!」
その言葉を聞き、テッセンは驚きを隠せなかった。 そして悟る。
「まさか、その作戦中に
テッセンの言葉にヒガナは頷く。 それを見たテッセンは会長に確認する。
「会長! ダイゴさん達が言っている事は本当なのか!?」
「……ああ。」
会長が肯定した事でその事実に驚きと失望が沸くと同時に、ダイゴ達が此処に来た理由をテッセンは理解する。
レックウザは現在自分たちに怒りの感情を持っている。 その状況で先程言った巨石でのコントロールをしようとすれば、レックウザは暴走し、多くの被害が出る事になるのは明白だ。
ホウエン地方を守ろうとして大きな被害が出ては本末転倒。 故にダイゴはそれを止めようとしているのだと理解する。
「……会長さん。 あんた達がした事を聞いて言いたい事はあるが、その可能性が高いのならその計画は中止にするべきじゃないか?」
「………。」
テッセンの言葉に会長は考える。
確かにダイゴ達の言葉の通りならば、このまま巨石でのコントロールを実行すれば大きな被害が出るだろう。 だが、
「会長! 彼らが言っているのはただの証言、
シモンはどうやら一切認めるつもりはない様だった。
「シモンさん。 どうしても認めるつもりはないですか?」
「認めるも何も知らないものは知らない! これ以上根も葉もない事を話すつもりなら出て行ってもらおうか!!」
シモンの態度にサトシ、ゴールド、クリス、そしてヒガナは怒りが込み上げて来る。
「……残念ですがそうはいきません。 シモンさん。 あなたには国際警察から『逮捕状』が出ています。」
ダイゴがそう、懐からある書類を取り出し、見せつける。
「────、逮捕状……だと?」
シモンはダイゴが見せた逮捕状を見て、確かに自身の名前が示されている事が分かる。
「な、何の罪状で捕まえるというのだ? 証拠は一切ないはずだ!!」
シモンの言葉にダイゴは答える。
「『殺人罪』ですよ。」
そう言うと同時にカイトが姿を見せる。
「シモンさん、彼の名はカイト。彼に見覚えはありませんか?」
「…? 誰だそいつは、知らんぞ。」
そう答えるシモンにカイトは答える。
「覚えてないのか? オレのお母さんとお父さんは
「な……に?」
カイトの言葉にシモンは考え、───そして顔を青ざめる。
「ま、まさか、おまえは奴らの!」
「ああ! テメェが
「!?」
シモンはカイトの話した情報に息が詰まる。 まさか、自身自ら手を下したあの事件で攻めて来るとは思わなかったのだ。
あの時、証拠などは全て処分していた筈──。
「証拠はあったんですよ。」
そう言いながらダイゴはノートPCの画面に映像を流す。
その映像には男女夫婦だろうか。 夫婦の研究者が車を運転している光景が映っていた。
『研究成果は何処へやった!! それを渡せ!!』
後ろから車で猛スピードで迫って来ながら大声を出すシモンの姿があった。
『研究はすべて捨てた!! あんなポケモン達の生態エネルギーを使う前提の研究、そんな物はあってはならない!! あなたが『流星の民』の事を一切話そうとしない事を含めてすべて会長に話す!』
同じく車に乗り、追われている夫婦の研究者はそうシモンに言う。
『───ふ、ふざけるな!!!』
そう言うと同時にシモンは車をぶつけ、その車の中は大きく揺れる。
おそらく崖から落ちて回転しているのだろう。映像を撮っているであろう機械はその衝撃で車から外へ飛び出たのか、先程まで中の様子のみだったが、今は横転し、炎が出ている映像が映し出されている。
その車の中は赤い液体に全身染まっていた2人の姿が映し出されていた。
そんな光景が少し続いた後、先程の老人が1人事を言いながらやって来る。
『…お前たちが悪いのだ。 あの研究は人類を次の段階に進化させる事ができる研究。 『∞エナジー』を使えば、死んだポケモンを生き返らせることができるのだ。 このまま研究すれば人間も死を克服する事が出来る。 永遠の命を手に入れる事が出来る。 少なくとも、カロス地方でワシは会った。
シモンはそう言いながら燃える車を見ている。
『人類の進化には犠牲が必要なのだ。 何故それが分からない!』
その後も映像のシモンは言い訳をしながらその場から立ち去り、車に乗ったのかエンジン音を響かせてどこかへと向かうのだった。
「───この、映像は。」
その映像を見た会長とテッセンは内容を理解し、シモンへと向く。
「カイト君の両親はポケモン研究の為に専用の映像機器の開発をしていた。 これはその試作品が記録していた映像です。」
ダイゴはこの映像が記録された理由を話す。
「この証拠は今までフスベシティのイブキさんが保管していました。 警察にはシモンさん、あなたの手の者が多い。 故に彼女は僕たちに託したんです。」
「…………。」
シモンはただ黙って俯いていた。
「今回、怪我で動けない国際警察に変わり、僕があなたを捕らえます。 既に国際警察には了承済みです。」
そう言いながらダイゴはシモンに近づく。
「………まさか、あの事件の証拠を掴んでいたとはな。 全くの盲点だったわい。」
シモンの言葉のテッセンと会長はこの映像に偽りはなく、ダイゴ達の証言通りであったと理解する。
「シモン。 貴様なんて事を。」
テッセンはそうシモンに言う。
「……こうなれば仕方がないか。」
シモンがそう言うと同時、“ドガッ!!”と研究施設から何かが飛び出たのだ。
「あ、あれは!!」
センリは研究施設から現れたそれに驚く。そしてサトシとヒガナがそのポケモンの名を言う。
「
「
そう、サトシ達の前に現れたのは伝説の超古代ポケモンのレックウザだったのだ。
「こうなっては仕方がない。 お前たちには消えてもらうしかないな!!」
シモンは邪悪な笑みを浮かべながらそう全員に対して言うのだった。
いかがでしたでしょうか?
ポケモンXYのある人物とシモンが出会ったという設定にしております。
彼がポケモンを管理する事を目標にしているのも、彼の理由と繋がっています。
ちなみに、本来、火、水で投稿しようと考えていましたが、投稿が遅れた理由は3月7日にて放送されたリコロイのアニポケでのギベオンがラクリウムを求めている理由が被ったからです。
ラクリウムで延命するとか未来の為とか被ったわ。 どうしようと新たな展開を考えていましたがやっぱりこのまま行こうと決めました。
設定として巨石と『∞エナジー』が同質のエネルギーとこの作品では設定しています。
ではまた次回。