ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記   作:KAZ1421

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本編続きです。


今回、あるキャラの過去をこちらで創作しました。


ご理解の程よろしくお願いします。


VS ポケモン協会⑧

 

ポケモン協会の副会長、シモンの暴走を止める為にジムリーダー試験会場に来たレッド達。 自身の悪行を全て白日の下に晒された彼は部下にレックウザを操作させ、サトシ達諸共排除しようと実行する。

 

 

ブレインとの戦いでブイはエーフィへと進化を果たし、外でのレックウザとの戦いもクライマックスを迎える。

 

 

 

 

 

 

 

イエローに支えられながらレッドはブイが進化した瞬間を見る。

 

 

「進化…したのか!」

 

 

レッドは喜びながら進化したブイを見ている中、フーディンがエーフィに“くさむすび”を繰り出す。

 

“くさむすび”でエーフィに進化したブイを攻撃しようとしたのだ。

 

謂わば地面からの奇襲だ。

 

 

 

それに対してブイは二股になっている尻尾を揺らし、“くさむすび”を完璧なタイミングで回避する。

 

 

まるで、()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「! もしかして、」

 

 

レッドはブイの動きを見て、ポケモン図鑑を開き確認する。

 

 

 

 

 

 

 

エーフィ たいようポケモン。

 

『空気の 流れを 読みとることで これからの 天気や 相手の 動きなどを すべて 当ててしまう。』

 

『認めた トレーナーには 極めて 忠実。トレーナーを 危険から 守る ために 予知能力が 発達したと いわれている。』

 

 

 

「予知能力! やっぱりあのフーディンと同じで予知能力があるのか!」

 

 

レッドは先程のブイの動きを見てブイにはフーディンと同じで予知能力があるのではないかと考え図鑑を見たが、予想通りの様だ。

 

そしてその言葉を聞いたイエローは考える。

 

 

「(未来予知、メガシンカしたフーディンと同じなら動きの読み合いになるけど、僕たちはブイの考えが全部分かる訳じゃない。 でも、僕の『トキワの力』を通してブイの考えを見れば!!)」

 

 

イエローはこの状況を良くする為、覚悟を決める。

 

 

「──レッドさん! 僕の『トキワの力』でブイの予知した光景を伝えます!」

 

「え!? それじゃイエローが危険だ。 『トキワの力』を限界まで使う事になればどうなるか。」

 

「今のこの状況はブイの予知能力が攻略の鍵になると思うんです。 メガシンカしたフーディンの動きをブイで予想します。 これなら予知の読み合いになってトレーナーがいないフーディンが不利になる筈です。」

 

 

イエローは自身の考えをレッドに伝える。

 

 

「……分かった。 でもイエロー、無理はするなよ。」

 

 

レッドは覚悟を決めたイエローを見てその作戦の通りに動く事にする。

 

 

 

 

「いけ、フッシー! “つるのムチ”!」

 

 

レッドはまだ無事なフッシーを繰り出し、“つるのムチ”をフーディンに繰り出す。

 

当然、その動きを予知していたフーディンはその攻撃を回避──

 

 

「! ()()()!!」

 

 

出来なかった。

 

フーディンの予知して回避する動きをブイは予知して、イエローはその光景を『トキワの力』で見る。 

 

そしてフーディンの回避先をレッドに伝え、レッドとフッシーはその指示の通りに“つるのムチ”を動かす。

 

 

フーディンは予知とは違う動きに対応出来ず、“つるのムチ”の攻撃を受けてしまう。

 

 

「“はっぱカッター”!」

 

 

レッドは“つるのムチ”で体勢が崩れた状況を逃さず、“はっぱカッター”で追撃する。

 

フーディンはその攻撃をサイコパワーの予知でどうにか回避する。

 

 

しかし、その攻撃は当然ブイも読んでいた。

 

 

「“サイコキネシス”!」

 

 

イエローの指示でブイは予知した場所に“サイコキネシス”を繰り出し、フーディンを攻撃する。

 

“サイコフィールド”でサイコパワーが上がった状態での“サイコキネシス”の威力に流石のフーディンも大きなダメージを受ける。

 

 

 

 

現在の状況を見てブレインは苛つきながらモンスターボールに手を掛ける。

 

 

「(まさか、イーブイがエーフィに進化するとは! 厄介なガキ共だ本当に!! だが、“かなしばり”を使えるポケモンがもういないと思っている今が好機!)」

 

 

“かなしばり”が使えるポケモン諸共攻撃した“ワイドフォース”で“かなしばり” は使えないとレッドとイエローは考えているが、ブレインは自身のポケモン、スリープで再び“かなしばり”戦法を行おうとする。

 

 

 

──その瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「!? 『マンタイン』だと!」

 

 

ブレインはマンタインの“とびはねる”を咄嗟に回避する。

 

回避したマンタインの背中に2人の人物がいた。

 

1人は白衣を纏った女性、そしてもう1人は。

 

 

()()()()()、“どろかけ”!」

 

 

キューを手に持ち、帽子とゴーグルを身につけた少年だ。

 

ウソたろうの攻撃をブレインはスリープで防御する。

 

 

「お姉さん、ここはオレに任せてトゲたろうと機械の破壊を頼むぜ!!」

 

「ええ。」

 

 

ゴールドの言葉に頷きながらヤナセはトゲたろうと共にレックウザを操っている機械に向かう。

 

 

「また貴様か、クソガキ!!」

 

「うっせぇ! またてめえを倒してこの戦いを終わらせてやるぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空を足場に移動しながらルカリオとネギガナイトはレックウザに攻撃する。

 

 

「ルカリオ、“はどうだん”! ネギガナイト、“ぶんまわし”!」

 

 

ルカリオの“はどうだん”がレックウザに命中し、その隙を狙ってネギガナイトがレックウザに近づき“ぶんまわし”を繰り出し攻撃する。

 

 

攻撃を受けたレックウザは“りゅうせいぐん”を放つ。

 

 

「ちっ、アブソル、“かまいたち”!」

 

「トドゼルガ、“ふぶき”!」

 

「ジュペッタ、“シャドーボール”!」

 

「ボーマンダ、“はかいこうせん”!」

 

 

“りゅうせいぐん”をホウエン四天王の4人と

 

 

「ヤミラミ、“パワージェム”!」

 

「ヤドラン、“サイコキネシス”!」

 

「クチート、“ラスターカノン”!」

 

 

流星の民の3人が一つずつ攻撃して被害を食い止める。

 

 

「メタグロス、“コメットパンチ”!」

 

「ボーマンダ、“ハイパーボイス”!」

 

 

“りゅうせいぐん”を放ったばかりのレックウザにダイゴとヒガナが攻撃を行い命中する。

 

これだけの攻撃だ。 如何にレックウザとはいえ相当なダメージの筈なのだが。

 

 

「! まだ暴れるのか!!」

 

 

ダイゴはレックウザがまた攻撃して来るのを見て驚く。

 

その様子を見ていたサトシはレックウザが大きなダメージを受けているにも関わらず暴れる理由に気付く。

 

 

「! そういう事か!! 許せない。」

 

「──サトシ、何か分かったの?」

 

 

ヒガナはサトシに気付いた事は何かを質問する。

 

 

「あのレックウザ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

「!」

 

 

サトシの言葉にヒガナは龍神様を見る。 サトシ達の攻撃で身体が傷だらけではあるが一切鎮まる気配が無い。

 

おそらくサトシの言う通り、今のレックウザは死ぬまで暴れる事になるだろう。

 

 

「このままレックウザを攻撃して動けなくすれば良いって思っていたけど、それ程の怪我をしても今のレックウザはずっと攻撃すると思う!!」

 

「……だとすればやはり、レックウザを操っている人物を捕えるしかないか。」

 

 

サトシの言葉を聞き、ダイゴはこの戦いを終わらせるにはレックウザを操っている人物をどうにかするしかないと結論する。

 

 

「(だとすればこの戦いは施設にいるレッド君達に託すしか無い。)」

 

 

これ以上レックウザを傷付ける訳にはいけないが、攻撃されるが故に対応しなければならない。

 

ダイゴは施設にいるレッド達を信じ、戦闘を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラッキーの“とっておき”と、ライボルトの“かみなり”が激突。

 

このバトルの勝者は──。

 

 

「…シモン、ワシの勝ちじゃな。」

 

 

ジムリーダーのテッセンだ。

 

 

「……まだだ。 まだレックウザはこちらの手の中。 例えわしが負けてもアレさえそして『コレ』があればまだ勝機は──。」

 

 

 

シモンがそう言いながら再び逃げようとする。 

 

 

「また逃げようとするなんて、往生際が悪いんじゃないの? おじさま。」

 

 

シモンの目の前にブルーとシルバーが立ち塞がり。

 

 

「もうあんたに逃げ場はないって事だ。」

 

 

別の場所からグリーンとクリスが現る。

 

シモンには完全に逃げ道はない。

 

 

「それがレックウザをメガシンカさせている機械か。 それを破壊させてもらうぞ。」

 

「……この研究の素晴らしさを理解しようともしない愚か者共め!!」

 

 

そう言いながらシモンは懐から機械を取り出す。

 

 

 

「こうなれば、貴様ら全員道連れにしてくれる!!」

 

 

そう言いながらシモンはこの場所の自爆スイッチを押そうとするその瞬間。

 

地面からサンドパンが現れてシモンが持っていた自爆スイッチを“どろぼう”で盗む。

 

 

「!? このポケモンはまさか!」

 

 

シモンはそう言いながらその人物がいる場所へ視線を向ける。

 

 

「──ヒルデ、貴様!!」

 

「……シモン様。」

 

 

サンドパンのトレーナー、ヒルデがいたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「スリープ、“サイコキネシス”!」

 

「ウソたろう、“いわおとし”! マンたろう、“みずでっぽう”!」

 

 

ブレインとゴールドのポケモン達が戦闘を繰り広げていたが、ブレインは戦う度に正気を失っていく。

 

 

「このクソガキが! 私の目的の邪魔をするな!!」

 

「てめえの目的なんか知るか!! オレたちがてめえをぶっ飛ばす!!」

 

 

ゴールドはブレインを挑発しながら戦闘をする。 本来のブレインならばこんな挑発は通用しない。

 

だが、“翆色の宝球”の影響で怒りやすくなっている今のブレインには

 

 

「ならガキ、おまえから始末してやる! スリープ、“サイコキネシス”!!」

 

 

とても有効な手段だ。

 

ブレインは怒りのままに目の前のマンたろうとウソたろうに攻撃をする事を指示する。

 

 

「(よし。 こっちに意識が向いてるぜ。)」

 

 

そしてそれがゴールドの目的だった。

 

 

「(今だ!) エーたろう!!」

 

 

突然ブレインの後ろからエーたろうがやって来て“翆色の宝球”を“はたきおとす”!

 

 

「! このザコが!! スリープ、早く取り返せ!!」

 

 

 

ブレインは“翆色の宝球”を奪われたことでエーたろうに憎しみを抱きながら叫ぶ。

 

故にスリープへの指示が疎かになってしまったのだ。

 

目の前にウソたろうとマンたろうがいるにも関わらずそのような指示をすれば隙が生まれるのは明確の筈なのに。

 

 

「“バブルこうせん”! “いわおとし”!」

 

 

マンたろうとウソたろうの技がスリープに命中し、スリープは戦闘不能となったのだった。

 

 

 

 

道中にいるポケモン達をトゲたろうが倒しながら、ヤナセはレックウザを操る機械に続く扉を開けてゴールドのトゲたろうと共に機械へ近づく。

 

 

「よし、入れた! 急いでこの機械を止めなきゃ。」

 

 

彼女は機械を操作して止めようとするが、機械はコントロールを受け付けない。

 

 

「……仕方ないわね。 トゲたろうだっけ? 機械のあの部分を壊して欲しいの。 良いかしら?」

 

 

この機械の作成者の1人でもあったヤナセは何処を破壊すれば機能が止まるのかを知っていた為、その場所を破壊する様にトゲたろうに頼む。

 

トゲたろうはそれを了承し、機械を破壊するのだった。

 

 

それは丁度、ブレインが“翆色の宝球”をエーたろうに奪われた時と同時だった。

 

 

 

 

 

 

 

「プテ、“げんしのちから”!! フッシー、“つるのムチ”!!」

 

 

レッドはメガフーディンに対して攻撃を指示する。

 

フーディンはサイコパワーで予知しつつ回避するも、

 

 

「上です!!」

 

 

予知でフーディンの動きを読んだブイの考えをイエローが伝え、フッシーは“つるのムチ”をフーディンの巻き付けて拘束する。

 

 

メガシンカしたフーディンのサイコパワーは予知すらできる程の強大なパワーだ。 しかしその代償に筋力さえもが失った状態だ。

 

 

故に、フッシーの“つるのムチ”の拘束を筋力で解く事は不可能!

 

 

「“はかいこうせん”!!」

 

 

チャンスとレッドは判断し、プテの“はかいこうせん”をフーディンに放つ。

 

如何に予知をしても()()()()()()()()()()()()()

 

フーディンはプテの“はかいこうせん”が直撃。 大きなダメージとなる。

 

 

「──!」

 

 

フーディンは最後の抵抗で“ワイドフォース”を繰り出そうとする。

 

 

「! レッドさん!!  あの攻撃です!!」

 

「!」

 

 

全体攻撃ならば回避は難しいと判断したのだろう。 攻撃は放たれレッド達に襲い掛かる。

 

 

 

 

しかし、それがレッド達に命中する事はなかった。

 

 

「(今!)」

 

 

レッドとイエローがその直前。 懐から『ある物』を取り出してフーディンの攻撃を受け止め、攻撃を反射したのだ。

 

 

 

 

そう、鏡を使ってフーディンの攻撃を防ぎ、反射させたのだ。

 

 

 

 

反射した自身の攻撃を受けて今度こそメガシンカを解除させてフーディンは倒れる。

 

 

 

 

「…ふう。 流石はメガシンカしたポケモン、手強かった。 サトシ の世界のロケット団に感謝だな。」

 

 

以前戦った経験とサトシの世界のロケット団達からの情報からエスパータイプを中心に戦っていると分かり、ナツメとの戦いでサトシが鏡で反射させた事を思い出し、ブレインと戦った場合を想定して全員が所持していたのだ。

 

 

「さてと、大丈夫か─── イエロー?」

 

 

レッドがイエローを見ると疲れていながら()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

レッドさん!! どうしてあの時鏡を使わないで僕を庇ったんですか!!

 

「うっ。」

 

 

 

イエローの言葉にレッドはたじろぐ。

 

レッドは全員が鏡を持っていたにも関わらず、それを使う事はなくイエローを“ワイドフォース”から庇った。

 

イエローはその事に怒っているのだ。

 

 

「もう少し自分の事を大切にしてください!!」

 

 

イエローの言葉にレッドは言い辛そうに話す。

 

 

「ご、ごめんイエロー。 あの時、イエローは後ろのポケモン達に精一杯で気付いていなかったみたいだから、フーディンの攻撃がイエローに当たるって思ったら頭が真っ白になって、気付いたら庇ってたんだ。 あはは。」

 

「────。」

 

 

真剣に怒っていたイエローはその言葉を聞き、何も言えなくなってしまった。

 

それはつまり、自分のピンチにレッドは身体が咄嗟に動いたというのが庇った理由だった。

 

つまりそれほど自分を守りたかったのだと知り、怒りと同じく嬉しさも込み上げて来たからだ。

 

 

「──レッドさん。もうあんな事はしないでください。」

 

「──ああ。 ごめんな、イエロー。」

 

 

レッドはそうイエローに謝罪をし、この戦いはレッドとイエローの勝利となったのだった。

 

 

 

 

こうしてレッド、イエロー、ゴールドの3人によってレックウザを操る手段が抑えられた事でレックウザの動きも鈍くなり、その情報も通信機を通して全員に伝わる。

 

 

だが、

 

 

「! 巨石や“翠色の宝玉”のコントロールが無くなったのにまだ()()()()!!」

 

 

 

レックウザの怒りは治っていなかったのだ。

 

 

「……元々抱いていた怒りがあったから今も暴れているのか。」

 

 

レックウザはシガナが死んだ事で抱いていた怒りが今回の件で露わになり、今でも動いているのだ。 身体がボロボロになろうとも巨石の影響で大きくなった強い憎しみがレックウザを動かしている。

 

 

「……ヒガナ。 シガナってどんな人だったんだ?」

 

「こんな時に何? 今は龍神様を「今だからだよ。」!」

 

 

サトシは自身の考えをヒガナに話す。

 

 

「あれ程の怒りを持っていても、巨石で操られるまで()()()()()()()()()()()()()()。 きっと、それには理由があると思うんだよ。」

 

「………。」

 

 

ヒガナはサトシの言葉を聞いて理解する。 レックウザの怒りと憎しみは今見ての通りだ。 だが、巨石で怒りと憎しみの感情に呑まれるまでは()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

今のレックウザはその抑える理由を怒りと憎しみで忘れている状態。

 

それを思い出せたいと考えてサトシはヒガナに質問したのだと。

 

 

「シガナは、この世界の事を好きだって言ってた。 だから『伝承者』なっても喜んで───!!」

 

 

ヒガナはシガナの事説明していたその時、ある出来事を思い出す。

 

 

 

「……そっか、何で私は『あの事』を忘れてしまったんだろう。」

 

 

 

 

 

 

─── 過去 ───

 

 

『後悔してないよ。』

 

『どうして!? 生きて帰って来る事はできないんだよ!!』

 

 

ヒガナは『伝承者』になった事を後悔していないのかと質問し、シガナの返事に怒りを抱く。

 

 

星に落ちて来る隕石に対してメガシンカした龍神様に“ガリュウテンセイ”を放ってもらう。 それが『伝承者』の役目ではあるが、共に宇宙に上がる『伝承者』は命を落とす。

 

そんな役目を任されて後悔はないと返答したシガナに怒りを抱いたのだ。

 

 

『簡単だよヒガナ。 私はこの世界が大好きなの。 自然もポケモンも人も全部が好きなんだ。 そんなみんなを守れるのって嬉しいんだよ。』

 

『でも私は!! シガナが死んだら───。』

 

 

そう泣きそうになっているヒガナ憎しみシガナは言う。

 

 

『……ありがとうヒガナ。 確かに死にたくはないよ。 でも、この役目を他の人に任せるのもしたくないの。』

 

『………。』

 

 

黙るしかないヒガナにシガナは言う。

 

 

『ねえ、ヒガナ。 これから辛い事をお願いするけど聞いてくれる?』

 

『……何?』

 

 

 

ヒガナの頷きにシガナは言う。

 

 

 

『龍神様にも話したんだけど、もし『伝承者』の役目を果たさないといけない時が来て、私が死んだとしても怒りや憎しみのまま暴れたり、傷付ける事はしないで欲しいんだ。』

 

『……どうして?』

 

 

ヒガナの質問にシガナは答える。

 

 

『だって私はこの世界が大好きだから。 ヒガナやみんながいるこの世界が。』

 

 

──約束ね。

 

 

 

 

 

 

─── 現在 ───

 

 

 

ヒガナは過去にあった約束を思い出したと同時に理解する。

 

あの時、シガナが死ぬ直前。 口を開けて何かを話していたが聞き取れなかった。

 

だがシガナは自分にこう言ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『約束、忘れないでね。』と。

 

 

シガナは守ろうとした人々に殺されながらも恨んではいなかったのだ。

 

そしておそらく、龍神様はその約束をずっと守っていたのだと。

 

 

 

 

「──私はバカだ。 想像力が全く足りなかった。」

 

 

ヒガナはそう自身に言い、決意する。

 

 

「サトシ、チャンプ。 お願いがある。」

 

「ん?」

 

「何だい?」

 

 

サトシ、ピカチュウ、ダイゴはヒガナの頼みを聞く。

 

 

「私はこれから龍神様に向かう。 だから、援護して欲しい。 必ず龍神様を止めるから。」

 

「……自信があるんだね?」

 

 

ダイゴの言葉にヒガナは頷く。

 

 

「分かった。 君がレックウザに近づける様に援護する。 メタグロス、“こうそくいどう”!」

 

「ピカチュウ、メタグロスに乗って“エレキネット”でレックウザを翻弄するんだ!!」

 

 

サトシとダイゴはレックウザに向かうヒガナの為にレックウザを撹乱する。

 

 

「…お願い、ボーマンダ。 私を龍神様の所に。」

 

 

メガボーマンダはヒガナの言葉に“コク”と頷き、レックウザに近づく。

 

 

レックウザは周りにいるポケモンたちを一掃する為に、“りゅうせいぐん”を放つ。

 

 

その攻撃に四天王や流星の民達は対処するが、

 

 

「! しまった、“りゅうせいぐん”が!」

 

 

一つのりゅうせいが、施設に落ちてしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「貴様、わしを裏切るのか!!」

 

 

シモンはヒルデにそう怒りを露わにする。

 

 

「……いえ、裏切るつもりはありません。 ですが、死のうと言うのなら絶対に止めます。」

 

 

そうヒルデはシモンに言いながら近づく。

 

 

「わしにはこの研究しかない。 この研究が無く位ならば死を選ぶ!! それを貴様の様な裏切り者が邪魔をするか!! 貴様など仲間にするべきではなかった!!」

 

「……どう言われても構いません。 いや、構わないよ。でも、私はシモン様に──()()()()()()()()()()()()()()!!

 

 

その言葉にシモンはいや、全員が驚く。

 

そしてシモンは気づく。 ヒルデがしている薔薇の髪留めに。

 

 

「──まさか。」

 

 

その瞬間、レックウザのりゅうせいが天上を破壊し、瓦礫がシモンに落ちて来る。

 

 

「! お父さん!!」

 

 

ヒルデがシモンの娘だと言う事実に驚いていた為、それに気付いたのは彼女だけだった。

 

 

ヒルデ、いや、ルージュはシモンを押して、

 

 

その後すぐに瓦礫が彼女に落ちる。

 

 

 

「───ルージュ?」

 

 

シモンが起き上がり見た光景は

 

 

 

 

 

瓦礫の下敷きになり、血が出ている自身の子供だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒガナは龍神様に近づく。 伝えなければならない事がある。

 

何故ならこれはシガナとの約束を果たす為だ。

 

 

 

「龍神様!!」

 

 

ヒガナがレックウザの顔の前で止まる。

 

 

 

 

その瞬間、怒りに任せていたレックウザの尻尾がヒガナの腹を突き刺す。

 

 

「! ヒガナ!!」

 

「ピカチュウ!!」

 

 

その光景を見てサトシとピカチュウは叫ぶ。 だがヒガナはサトシ達に対して静止する様に手を出す。

 

衝撃を受けた事で血を吐きながらも、その目は死んでいない。

 

成さねばならない事があるからだ。

 

 

 

「ゴフッ、 ……龍神様。 シガナとの……約束を忘れないで…下さい。」

 

 

ヒガナは“はかいこうせん”を放とうとしている龍神様に言葉を伝える。

 

これは絶対に伝えなければならないからだ。

 

 

 

「シガナは…この世界を愛して……いました。 ゴフッ、…龍神様がこうして人やポケモンを、傷付ける事を…望んでいません。」

 

 

レックウザが“はかいこうせん”を放ったその時にヒガナの言葉がレックウザに届く。

 

 

そして思い出す。 自身が今まで暴れなかったのはシガナとの約束を自身が死んだとしても怒りや憎しみで誰かを傷付けないでほしいという願いを。

 

 

 

 

ボーマンダは間一髪、“はかいこうせん”から庇う事ができたが、攻撃を受けてメガシンカが解除され、ヒガナと共に落ちていく。

 

 

「ヒガナ!!」

 

 

サトシがカイリューで救おうとしたその時、

 

 

「ギャアアス!」

 

 

レックウザがヒガナを自身の頭に、ボーマンダを尻尾で絡める事で救ったのだ。

 

 

「! レックウザがヒガナを助けた?」

 

 

その光景を見てダイゴは確信する。

 

 

この戦いが終わった事を。

 

 




以上いかがでしたでしょうか?

次回、ポケモン協会編エピローグです。


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