ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記   作:KAZ1421

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本編続きです。

今回で『ポケモン協会編』は幕を閉じます。



戦いの決着とその後

 

ポケモン協会副会長、『シモン』の悪業を止める為、ポケモン協会のその一派と戦ったレッド達。

 

 

戦いは遂に、レッド達の勝利で幕を下ろすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

あのポケモン協会での戦いから数日、レッド達は歩ける程度に回復したヒガナと共にセンリ達の所へ向かっていた。

 

 

「ヒガナさん、身体は大丈夫ですか?」

 

 

イエローの質問にヒガナは答える。

 

 

「うん。 こうして歩ける程度には回復したよ。 それと礼を言うよ4()()()()、私に付き添ってくれて。」

 

 

そうヒガナはレッド、サトシ、イエロー、そしてゴールドの4人に礼を言う。

 

 

「これから『あの子達』に会うんだろう? ならオレらだって無関係じゃねえ。」

 

「ああ、オレももう一度会いたいって思っていたからな。」

 

 

 

現在5人はヒガナのボーマンダと戦闘していたルビーとサファイアに会う為に向かっている。

 

理由は2人に癒えない心の傷を与えてしまった事に対しての謝罪だ。

 

 

「…ヒガナ、あの流星の民の人達は?」 

 

 

サトシはそうヒガナに質問する。

 

 

「あの3人は先に里に帰ってるよ。 みんなのおかげで龍神様と絆を結べる希望が生まれたからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

─── 過去 ───

 

 

『龍神様がヒガナを上に乗せた?』

 

 

流星の民の3人はレックウザがヒガナを助ける為とはいえ、上に乗せる事を認めた光景を見て驚愕していた。

 

『伝承者』の条件は『上に乗ることを許され、共に天駆けた経験がある』というもの。

 

故に()()()()()()()()()()ヒガナを見て驚いたのだ。

 

 

『ヒガナ! 大丈夫か!?』

 

『ピカチュウ!?』

 

 

サトシとピカチュウがレックウザの頭の上で口から血が出ているヒガナに駆け寄る。

 

 

『…ん、サトシ君か。 身体中が痛くて動けないけど、まだ意識はあるよ。 ボーマンダが庇ってくれたおかげでね。』

 

 

重症のヒガナをサトシはカイリューで抱える。

 

 

『ありがとうレックウザ。 ヒガナを助けてくれて。』

 

『ピカチュウ。』

 

 

サトシが礼を言うとレックウザは頷き、すぐに動こうとする。

 

 

『な!? レックウザまだ動くな! お前は巨石の影響で身体がボロボロなんだから!』

 

 

サトシがそうレックウザを止める。 今のレックウザは巨石での強制メガシンカと戦闘の影響で身体が傷だらけな状態。

 

故にサトシはレックウザのために止める。

 

 

『レックウザのその傷、私達に任せてくれないか。』

 

 

その言葉を発した方向に全員が視線を向けると、ポケモン協会の会長とセンリ、カイトの3人がいた。

 

 

『…会長、もしかしてこの施設にいるポケモン達で回復を?』

 

『さすがはダイゴ君だ。 ポケモンや人々すべてシモン達に支配から解放されている。 まだ動けて回復技が使えるポケモン達を集めてレックウザを回復させよう。 ……それがせめてもの償いだ。』

 

『………』

 

 

ヒガナはその言葉を聞き、少し悩んだ後。

 

 

『……龍神様をお願いします。』

 

 

そう会長からの提案を受け入れるのだった。

 

 

 

その後、まだ動けるポケモン達や、途中合流したイエローの力でレックウザは動ける様になる。

 

 

『……やっぱり行くのか? レックウザ。』

 

 

サトシはレックウザが動こうとしているのを見てそう呟くと、イエローが言う。

 

 

『……レックウザは、このポケモン協会にいる人達に対して……()()()()()()。 今も襲わないのは、シガナさんでしたっけ? ……その人との約束を守っているからです。』

 

 

イエローは眠そうにしながらレックウザの心の内を話す。

 

 

『それと、ヒガナさんに……伝えなきゃいけない、事が。』

 

『……何?』

 

 

イエローの言葉にヒガナは質問をする。

 

 

『……レックウザが、()()()()()って、()()()()()って言ってました。』

 

『!?』

 

 

イエローの言葉にヒガナは驚く、と同時にレックウザはその場から立ち去る。

 

 

『……龍神様、またお会いする時を待っています。』

 

 

ヒガナはそうレックウザが飛び去った方へ言うのだった。

 

 

 

 

 

─── 現在 ───

 

 

 

「確か『伝承者』の条件で上に乗る事が許されたってあったんだよな?」

 

 

サトシの言葉にヒガナは頷く。

 

 

「うん。 みんなのおかげでシガナとの約束も思い出したし、龍神様と絆を結ぶきっかけを得る事ができた。 本当に感謝してるよ。 ──ホウエン地方のチャンプにもね。」

 

 

ヒガナはそうサトシ達と()()()()()()()()()()()()()()に感謝の言葉を言う。

 

 

 

─── 過去 ───

 

 

『みんな、すまないけど僕たちは一度ホウエン地方に戻ろうと思う。』

 

 

ダイゴはそうレッド達に話す。

 

 

『……例の報道か。』

 

 

グリーンはホウエン地方に戻る事になった理由を言う。

 

今回の件でポケモン協会の副会長、『シモン』の悪業が世間に報道され、そんな彼と繋がりがあったとされるデボンコーポレーションも少なくない被害が出ている状態だ。

 

ダイゴはその事件を解決に貢献した参考人として一度デボンコーポレーションに戻る必要が発生したのだ。

 

 

『ああ。 流石にレックウザについての情報はホウエン地方にいる『マグマ団』と『アクア団』を警戒して報道する事はできないけど、カイト君の両親の件やゴールド達を襲った件に関しては証拠もある。 故にそんなシモンと一時的とはいえデボンコーポレーションは協力した疑いがあるからその参考人で僕が呼ばれたんだ。』

 

『……そっか、ダイゴさん。 色々とありがとうございました。』

 

『……ありがとうな。』

 

 

ダイゴにクリスとゴールドが感謝を伝える。

 

 

『いや、助かったのは僕たちだよ。 ──この件が落ち着いたらまた此処に来るよ。 仮面の男の件、僕も協力する。』

 

『……ありがとうございます。』

 

 

ダイゴの言葉にブルーは感謝を伝える。

 

そしてダイゴはホウエン四天王と共にホウエン地方へ帰るのだった。

 

 

 

 

─── 現在 ───

 

「俺たちもダイゴさんには色々と助けられたからホウエン地方に帰って寂しいな。」

 

「ピカチュウ。」

 

 

サトシとピカチュウは寂しそうに言う。

 

 

「でも、今回の騒動が落ち着いたらまた会えますよ。」

 

「そうだな。 オレもダイゴさんとは戦ってみたいし。」

 

 

イエローの言葉にレッドは同意しながら、ポケモンバトルをしたいと言う。

 

その様な会話をしていると約束の場所へ到着する。

 

 

「……ここにセンリさん達がいるのか。」

 

 

サトシは目の前の家を見て言う。 そして覚悟を決めてチャイムを鳴らすと、ルビーの母親が出てくるのだった。

 

 

「いらっしゃい。 あの戦いの後で良く来てくれたわ。 どうぞ。」

 

「ありがとうございます。」

 

 

ルビーの母親の言葉に甘え家の中へと5人は入るとセンリが姿を見せる。

 

 

「……良く来たな、みんな。」

 

 

センリの姿を見ると、ヒガナは目の前の2人に謝罪をする。

 

 

「……この度は私のせいでお子さんに消えないトラウマを与えてしまい申し訳ありませんでした。」

 

 

ヒガナに続く様にサトシ達も頭を下げる。

 

 

「俺たちがもう少し早ければルビーにトラウマを与える事はありませんでした。 ごめんなさい。」

 

 

その姿を見て2人は答える。

 

 

「…頭を上げて。 事情は聞いているわ。 確かにあなたがした事は許せないけど、あなたの力がなければもっと大変な事になっていたもの。」

 

「ああ。 こうして謝罪をしに来ただけでもこちらとしては問題ない。 ───これはルビーの問題だ。」

 

「…あの子の様子はどうなんすか?」

 

 

ゴールドの質問にセンリは答える。

 

 

「外傷は大丈夫だが、問題は心だな。 あの日以来、好きなポケモンバトルをしたいと言った事は一度もない。」

 

 

ルビーにとってポケモンバトルは大好きだったのだが、サファイアの言葉が衝撃だった様で心を閉ざしている状態。

 

このままではポケモンとの付き合いにも支障をきたすのではないかと危惧している。

 

 

「……難しいと思いますけど、会う事はできますか?」

 

 

サトシの言葉に2人は少し考え、

 

 

「……大丈夫。 話す事は出来るから。」

 

 

そう言い、ルビーの母親に案内されてルビーの部屋に到着する。

 

 

「ルビー? あの人達が来たわよ。 入ってもいいかしら?」

 

 

母親の言葉にルビーは小さな声で“いいよ”と返事をする。 そのまま5人はルビーの部屋に入るとそこにはルビーとポチエナのNANA、ラルトスのRURU、エネコのCOCOと共にいた。

 

 

「……皆さん、あの時は助けてくれてありがとうございます。」

 

 

元気のない声でルビーはサトシ達に感謝を言う。

 

 

「……大丈夫なのか?」

 

「ピカ?」

 

「はい。 傷は大丈夫です。」

 

 

心配したサトシにルビーはそう返す。

 

 

「…今回、私のボーマンダが迷惑をかけた。 本当にごめん。」

 

「…あの子も無事だったから気にしてはいないよ。 ──あの子が怖がったのはボーマンダじゃなくて僕だったから。」

 

 

ルビーはそうヒガナに言う。 その様子を見てレッドは質問する。

 

 

「──もしかしてポケモンバトルが嫌になったのか?」

 

 

レッドの質問にルビーは首を横に振る。

 

 

「嫌いになったわけじゃない。 だけど、この強さがあの子を怖がらせたんだ。 この強さのせいであの子を──傷付けた。」

 

 

ルビーはそう、自分を責めている様に見えた。

 

 

「……でも、君がやった事は絶対に間違いじゃないよ。」

 

 

サトシの言葉にイエローも言う。

 

 

「そうです。 君が守ったからあの子は無事だったんです。 正しい事をしたと思います。」

 

「ああ。 お前が戦って守っていたからオレらは間に合ったんだ。 それは胸を張って良いぜ。」

 

「………。」

 

 

イエローとゴールドの言葉に頷いてはいるが、やはり落ち込んでいる様だ。

 

そこでサトシはルビーの為にある事を思い付く。

 

 

「なあ、ルビーだっけ? ちょっと外に来てくれないか? 見せたい物があるんだ。」

 

「……え?」

 

 

 

 

サトシに連れられ、ルビー達は外へ出て行く。

 

 

「……お兄さん、見せたいものってなんなの?」

 

 

ルビーの言葉と同時にサトシとピカチュウは動く準備を始めながらルビーに話す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルビーは『()()()()()()()()()』って知ってるか?」

 

「…ポケモンコンテスト?」

 

 

ルビーは聞いた事がない言葉に疑問を持つ。

 

 

「ああ。 ポケモンの強さや見た目、技でのアピールとかで競うバトルなんだ。 俺はポケモンコーディネーターじゃないから上手くは無いけど、見てて。」

 

 

そう言い、サトシはピカチュウのアピールを始める。

 

 

 

 

 

 

 

ルビーはその光景に目を奪われていた。

 

目の前のサトシという人物の強さは知っている。 だが、今目の前に映る彼の姿はその時の強さや気迫を一切感じないだけでなく『美しさ』、『かっこよさ』そしてピカチュウの見た目と仕草の『かわいさ』がそこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピカチュウ、“10万ボルト”!!」

 

 

最後に“10万ボルト”を放ち迫力を出し、尻尾で地面に立ってパフォーマンスを終わらせる。

 

 

「ふう。 どうかな皆?」

 

 

サトシはそうルビー達に話すとレッド達は拍手する。

 

 

「すげえ! サトシはあんな事も出来るのか?」

 

「綺麗で迫力があってカッコよかったです。」

 

「ああ。 (それにパフォーマンスの時の動きも今のオレには出来ない動きがあった。 やっぱサトシさんはすげーや。)」

 

 

レッド、イエロー、ゴールドの3人は感想を言う。

 

 

 

「ルビーはどうだった───ルビー?」

 

 

サトシは身体震えているルビーを見て疑問に思うが、次の言葉に驚く事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Beautiful!! すごい!! 一体それは何ですか!?」

 

 

サトシはまるで人が変わったかの様に話すルビーに驚きつつ質問に答える。

 

 

「こ、これはポケモンコンテストで行うアピールだよ。 このアピールで評価して相手と競い合うのがポケモンコンテストなんだ。」

 

「──これが、ポケモンコンテスト。」

 

 

ルビーはポケモンコンテストに興味を持つ。

 

 

「ポケモンコンテストでの経験はポケモンバトルでも役にたつよ。 ポケモンバトルが怖いなら、ポケモンコンテストをやってみれば良いんじゃないか? しばらくやった後、またポケモンバトルをやるのもルビー次第だ。」

 

 

そうサトシの言葉にルビーは強く頷く。

 

 

「ポケモンコンテストにそんな興味があるのか?」

 

「うん。」

 

 

レッドの質問にルビーは頷き、理由を話す。

 

 

「次あの子に会った時に戦うだけじゃ無いって、変わった自分を見せたいんだ。」

 

「…そっか。 頑張ってね。」

 

 

イエローはルビーの理由を聞いて応援するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

センリはルビーが家に戻った時、顔付きが変わっている事に驚く。

 

ずっと後悔していた様子ではなく、希望に満ち溢れた表情をしていたからだ。

 

 

「…ルビーはどうしてあんな元気に?」

 

「はい。 実は──。」

 

 

サトシはルビーが元気なった理由をセンリ達に話す。

 

 

「……そうか。」

 

 

センリは少し残念な表情をしながらも少し笑っていた。

 

 

「サトシ君、そして皆。 ルビーの事やオレたちの事、色々と世話になった。」

 

「改めてありがとう。」

 

 

その後、しばらくした後、サトシ達はオダマキ博士の所に向かう為、別れる事になる。

 

 

「……ルビーが元気になって良かったわ。」

 

「……ああ。 だが、───頼みがある。」

 

「何?」

 

 

ルビーの母親はセンリの頼みの内容を聞く。

 

 

「お前はルビーが目指そうとしているポケモンコンテストの夢を支えてくれ。 オレはルビーに引き続きバトルを教えるつもりだ。」

 

「……どうして?」

 

 

ルビーの母親の質問にセンリは答える。

 

 

「今回の件で試験は表向きは延期になったが、実際には落ち着いたらホウエン地方のトウカシティのジムリーダーになるとの事だ。 今回の件でホウエン地方にいる『二つの巨悪』について知ってしまったからな。」

 

 

そしてセンリが一番恐れている事を話す。

 

 

「……サトシ君の世界でオレはトウカシティのジムリーダーだったらしい。 そして、その世界のオレの子供達は『2つの巨悪』と戦ったそうだ。  ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「────。」

 

 

 

その言葉にルビーの母親は察する。 センリはルビーが成長するまでに自衛の術を叩き込むつもりなのだと。

 

 

「例え、嫌われてしまっても?」

 

「ああ。 ルビーがポケモンコーディネーターになるのか、ポケモントレーナーになるのか。 それはわからないが、自分で身を守れる様にするのが親の務めだ。」

 

「……わかったわ。」

 

 

2人はそう会話をした後、家へと帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

次にサトシ達はオダマキ博士が泊まっているホテルへと到着して挨拶をする。

 

 

「御免ください。」

 

「ピカチュウ。」

 

 

 

その言葉に反応したのか、オダマキ博士が姿を見せる。

 

 

「やあ、よく来たね。 お茶でも出すよ。」

 

「お邪魔します。」

 

 

オダマキ博士の言葉に従い部屋に入り椅子に座る。

 

 

「……オダマキ博士。 改めて私とボーマンダが迷惑をかけてしまいました。 本当に申し訳ありませんでした。」

 

「……状況は既に把握している。 こうして謝りに来ただけで私は充分だ。」

 

 

そしてオダマキ博士はヒガナに質問する。

 

 

「寧ろ心配なのは君だ、ヒガナ。 もう君は恨んでいないのか?」

 

「……恨んでいないといえば嘘になります。」

 

 

そうヒガナは元凶のシモンの事を思い出す。

 

 

 

 

─── 過去 ───

 

 

『……シモンには何か言わないのか?』

 

 

ゴールドの質問にヒガナ、カイトは答える。

 

 

『いや、良いよ。 私にはその資格はないし、既にもうシモンには罰が与えられているからね。』

 

『ああ。 ()()()()()()()()()()()()()ってだけで相当な罰のはずだ。 ましてや自分のせいでそうなったんだからな。』

 

 

シモンの娘だったヒルデは“りゅうせいぐん”の攻撃で崩れた瓦礫で重傷を負い、どうにか一命は取り留めたものの意識が戻るのか、一生戻らないのかは彼女次第だという。

 

 

シモンはこの件で完全に廃人のようになり、何も喋らなくなった。

 

その後、回復してやってきた国際警察のハンサムの手によってシモンとその仲間達は全員逮捕される。

 

 

『……多くの人を不幸にした報いといえばそうだが、やるせないな。』

 

『ええ。』

 

 

グリーンとブルーはそう素直な気持ちを言う。

 

 

『……でも、これ以上巨石での被害は起きない筈。 彼女が目覚める事を祈ろうぜ。』

 

『ああ。』

 

 

 

 

 

─── 現在 ───

 

 

「でも、復讐に取り憑かれてあの子達に深い傷を与えた私にはその資格もありません。」

 

「……そうか。」

 

 

ヒガナの言葉にオダマキ博士はそう一言呟くのだった。

 

 

「……あの子は、サファイアは皆さんが来ると聞いて怖がって部屋に立て篭もりました。 ですが謝罪はしたいと言う事で扉越しではありますが話をしたいと。」

 

「……分かりました。 ありがとうございます。」

 

「ピカチュウ。」

 

 

サトシはそうオダマキ博士に感謝を伝え、サファイアの部屋前に到着する。

 

 

「サファイア。 彼らが来たよ。 後、ボーマンダのトレーナーが謝りたいそうだ。」

 

 

オダマキ博士の言葉に扉越しで彼女は“うん”と返事をする。

 

 

「…改めて、わたしはヒガナ。 ボーマンダのトレーナーだよ。 今回は君たちに酷いことをした。 本当にごめん。」

 

「……大丈夫。 あの人が守ってくれたから。 わたしも扉越しでごめんなさい。 でもどうしても姿を見るのが怖くて。」

 

 

「……それは仕方ないよ。 怖い思いをしたんだ。 俺達も間に合わなくてごめん。」

 

 

レッドの謝罪にサファイアは先程と同じ様に“大丈夫”と言う。

 

 

「私がこの部屋にいるのはみんなやポケモンを見るのが怖いから。 だから、あの人に酷いこと言ったのに怖くて謝りに行けないの。」

 

「……サファイア。」

 

 

サトシは怖くて謝ることが出来ないサファイアの心境を察する。

 

自身の言葉がルビーを傷付けたことを自覚しているが、恐怖が勝り外へ行く事が出来ない。 対してルビーは自分を怖がっていると知っているので自分から会いに行く事が出来ないというすれ違いが起こっている状態。

 

オダマキ博士達がホウエン地方に帰るのはこれからすぐだと聞いているし、これはサファイアとルビーの問題。

 

部外者の自分達にはどうする事も出来ない。

 

イエローはルビーの隣に居られないと考えているサファイアに話す。

 

 

 

「…サファイアさん。ポケモンが怖いと思うのは仕方がないと思います。 僕も前に命を狙われた事があります。」

 

 

イエローはかつてのニビシティのポケモンセンターでの経験を。

 

 

「あの時、僕を倒そうとポケモン達が攻撃してきました。 それを助けてくれたのが今ここにいるレッドさん達なんです。」

 

「………。 怖くなかったの?」

 

 

サファイアの言葉にイエローは答える。

 

 

「……もちろん怖かったです。 でもピカやチュチュ、レッドさん達が助けてくれて、でも僕は恐怖よりもレッドさん達の隣に立ちたいって思ったんです。 サファイアさんも怖いけど、隣に立ちたいんじゃありませんか?」

 

「……うん。」

 

 

肯定する言葉を聞き、イエローは考えを言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なら簡単です。 ()()()()()()()()()()()。 隣に立てるくらいに。」

 

「……強く。」

 

 

サファイアはイエローの言葉とあの時の事を思い出す。

 

ボーマンダに襲われて後から来たトレーナー達と少年の戦いに恐怖した。

 

だが、その内の1人も自分と同じだった。 

 

それが強くなった事で隣に立っているのだとサファイアは理解する。

 

 

「でも、強くなったってどうやってあの人に分かるかな?」

 

「うーん。 ジムリーダー8人に認められればその証明になるんじゃないか?」

 

「はい。 ホウエン地方にもジムリーダーがいるそうですし、良いかも知れませんね。」

 

「……ジムリーダーか。 イエローさん、でしたっけ? ありがとうございます。」

 

 

サファイアはイエローに感謝を伝える。

 

 

サファイアの最後の言葉に彼女が元気になったのだと理解し、少し話した後、オダマキ博士に挨拶してその場を後にするのだった。

 

 

 

 

 

─── オーキド研究所 ───

 

一方、オーキド研究所ではある人物達がオーキド博士の家にいた。

 

 

「お主達には感謝しかないわい。 礼を言わせてくれ、『ロケット団』。」

 

「いや、大した事はしてニャいニャ。」

 

「ああ。 オレたちはオレたちの考えがあってジャリボーイ達を助けただけだからな。」

 

「気にしなくていいわよ。」

 

「ソーナンス!!」

 

 

オーキド研究所にはサトシの世界のロケット団がいたのだ。

 

 

その理由は───。

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、本当なのか? この機械で()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

サトシとロケット団がこの世界にやってきた原因である『ウルトラホール発生装置』の修理の為にオーキド博士の助力が必要だったからだ。

 

 

「ああ。 その機械がオレたちがこの世界に来る事になった理由だ。」

 

「3ヶ月前に各地で発見された裂け目を作った機械よ。」

 

「それを修理する事が出来ればニャー達は元の世界に帰る事が出来るニャ。」

 

「ソーナンス!!」

 

 

サトシの世界のロケット団の依頼を聞き、オーキド博士は頷く。

 

 

「……分かった。 君たちとサトシ君が元の世界に帰る為じゃ、わしもこの機械の修理に力を貸そう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

─── ガンテツの家 ───

 

 

「戻ってきたか。」

 

 

ガンテツの家に戻ったレッド達を見て、グリーンはそう言う。

 

 

「ああ。 今戻ったぜ。」

 

 

ブルーは帰ってきた4()()を見て質問する。

 

 

「ヒガナは?」

 

「ヒガナはもう旅に出たよ。」

 

 

あの事件の後、ヒガナはこの世界を今の自分で見たいと考え、1〜2年の間世界を周ると決めていた。 

 

ルビーとサファイアに謝罪した後、ヒガナはその旅に行った。

 

 

「…そう。」

 

 

そう話しているとガンテツが聞く。

 

 

「お前さんらはこれからどうすんじゃ?」

 

 

ガンテツの質問に全員が考える。

 

 

「どうするかな。 ()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

一ヶ月後のポケモンリーグは今回の事件の国際警察のよるシモン派の一斉逮捕によって運営する余裕が無くなり、中止となってしまったのだ。

 

 

「それに、ハンサムさんやブルーとシルバーの予測だと、しばらくは仮面の男も動く事はないって予測しているんだろう?」

 

 

サトシの言葉にブルーは頷く。

 

 

「ええ。 ウバメの森の祠がセレビィが出て来る場所って判明しているし、ツクシさんも常に監視してくれるって。」

 

「もし、仮面の男が動くなら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「……それまでは動かねえって事か。」

 

 

ブルーとシルバーの言葉にゴールドは納得する。

 

 

「でもこれはオレ達が力を蓄える時間が出来たという事。 それまでの間鍛えるつもりだ。」

 

「わたしはキキョウシティに戻ります。 ママが無事なのは分かってるけど、やっぱり直接会いたいから。」

 

「わたしはシルバーと一緒にオーキド博士の手伝いをするつもりよ。 わたしの力を借りたいって言ってたしね。」

 

「オレはその護衛として呼ばれた。(実際は家が無いオレに住む場所として研究所で住むかという事だろうがな。)」

 

 

 

グリーン、クリス、ブルー、シルバーの4人は自身がこれからどうするかを話す。

 

 

「……俺はどうするかな? このジョウトで巨石があるのを知っているのは多分仮面の男だけだろうし、俺を警戒して対策してるしな。」

 

 

サトシがそう考えているとレッドが言う。

 

 

「サトシ! ならこのジョウト地方を旅してみたい!! 初めてきた地方だからさ。 イエローはどうだ? もちろん一緒に来るだろう?」

 

「はい!」

 

 

レッドとイエローの言葉にサトシは頷く。

 

 

「なら、一緒にジョウト地方を周るか!」

 

「ピカチュウ!」

 

 

サトシ達がそう話していると、ゴールドが3人に言う。

 

 

「サトシさん! 先輩達! オレもその旅ついて行っていいッスか?」

 

「「「え?」」」

 

 

ゴールドの言葉に3人は驚く。

 

 

「オレ、ずっとサトシさんと一緒に旅がしたかったんだ! お願いします!!」

 

 

ゴールドの言葉に3人は考えた後、3人はそれを了承したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─── ???? ───

 

今回の事件は国際警察が主体となり、警察内部の内通者などを確保するに至る。

 

シモンの悪業に少なからず加担、また気付かない内に協力してしまった企業なども無傷では無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

故に、この事態が起こってしまったのだ。

 

 

 

「──うっ。」

 

 

 

複数の白衣の人物がその場に倒れていたのだ。

 

 

「ほ、報告。 例の『生命体達』を奪取されました。 至急、対応を──。」

 

 

そう通信で報告後、彼は意識を失う。

 

 

 

 

 

 

ある空域にて飛行船が飛んでいた。 その中のブリッジに3人の人物が入り、リーダー格の男に報告する。

 

 

「今帰ったぜ。」

 

 

その報告を聞いた男性、『アポロ』は報告に来たラムダの方に振り向き、話す。

 

 

()()()()()()()()()()での任務ご苦労、『ラムダ』、『ランス』、『アテナ』。」

 

「今話題のポケモン協会の事件のドタバタで隙が生まれたおかげで目的を達成出来ましたわ。」

 

「その事件を解決したのが例の子供達と言うのだから皮肉ですがね。」

 

 

3人が目的を達成したのは今回のポケモン協会の事件の影響で隙が生まれ、トクサネ宇宙センターがその対応に追われていたという理由もあるが、この4人が優秀な人材であった事が大きな理由だ。

 

彼ら4人はジョウト地方でサトシに敗北し、このホウエン地方に左遷されてしまった。

 

 

 

 

 

故にトクサネ宇宙センターでの目的を達成する事が出来たのだ。

 

 

 

 

「しかし、コイツらは本当にポケモンなのか?」

 

 

ラムダはトクサネ宇宙センターから奪取した2体の生命体を見てそう呟く。

 

 

「…あの少年、『サトシ』が持っていたポケモン図鑑によれば、『()()()()()』という名前だそうですよ?」

 

 

アポロはそう、2体のポケモンの名前を言う。

 

 

「へえ。 宇宙から来たポケモンとはね。」

 

 

ラムダはそう感心する。

 

 

「このホウエン地方で回収した『例の物』とこのデオキシス達と現在ロケット団で所持しているミュウツー。 この3体が今のロケット団の切り札となるのです。」

 

 

アポロはそう言葉にし、全員に行く先を告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目標、ナナシマ! サカキ様がおられる基地へ進路を取りなさい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船員はその掛け声に“はっ!!”と返事をし、ナナシマへと向かって行く。

 

 

 

 

 

 

それは新たな戦いの幕開けを示していた。

 




以上、いかがでしたでしょうか?



お手数ですが、次章の整理の為、この話から2週間程更新を止めさせて頂きます。




ゴールドが仲間となった旅を描くと、話数が圧倒的に長くなってしまうので次の話はこの時期から1ヶ月後を描写する予定です。

(ちなみにその時はゴールドは自分の母親に呼ばれている為、いない状態です。)






これ以下は『次章予告』


ネタバレが嫌な人は引き返してください。











































「お主らを呼んだのは他でもない。 サトシの『スマホロトム』の居場所が分かったからじゃ。」




























「あんた達なら受け継げるかも知れない。 わしの『()()()』を!!」































「きたか、4人のポケモン図鑑所有者達、そしてサトシ。破壊の牙ロケット団、我が本拠地へようこそ。」









































ゴールドとクリスはシルバーがこのトキワシティに来た理由を聞く。



「自分のルーツ探しさ。」












































「降参、するもんか!!」









次回より、『ナナシマ編』
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