ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記   作:KAZ1421

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本編続きです。

では、どうぞ。


VS ロケット団⑤

 

 

─── 7の島 ───

 

レッド達がサカキを追ってトキワシティに向かう時より少し時間は遡る。

 

 

 

トレーナータワーの周辺で行われている四天王達とロケット団4将軍達の戦い。 それは現在。

 

 

「サワムラー、“メガトンキック”!」

 

「アーボック、“ポイズンテール”!」

 

 

彼ら四天王が有利な状況である。

 

ロケット団4将軍の実力は確かに高い。 

 

ある世界ではほとんど奇襲や知り合いに変装した事で動揺させた事もあったが、ラムダはワタルに大きなダメージを与え、敗北させた程だ。

 

しかし、真正面からの戦闘となれば別ではある。

事実、その後のラムダはその世界で成長していたシルバーに敗北していた。

 

ロケット団4将軍の中で四天王級の実力者と対等に戦えるのは現在シバと戦っているアテナと

 

 

「マルマイン、“10万ボルト”。」

 

「クロバット、“かげぶんしん”」

 

 

4将軍のリーダー、アポロぐらいだ。

 

 

アポロのマルマインの“10万ボルト”をキョウのクロバットは“かげぶんしん”で攻撃を回避する。

 

 

「……腐ってもサカキ様に認められた実力者という事ですか。 私も強くなっていましたが、これほど実力が上がっているとは。」

 

 

アポロは現在のキョウの実力に驚きを隠せなかった。

 

今のキョウの実力は今戦っている四天王達に引けを取らない所か、匹敵するだろう。

 

 

「正直、オレ自身も驚いている。 シバ殿との修行の成果だろう。」

 

 

気の合う者同士であるシバとの出会い。 そしてヤマブキシティでのグリーンとの戦いを経て、ポケモントレーナーとしてのキョウの実力は以前に比べて遥かに向上した。

 

 

これらの経緯が無ければ今の自分はいないとキョウは断言できる。

 

 

「それに実力が上がったのはオレだけではないだろう? お前も以前とは別人だな? アポロ。」

 

 

同時に現在のアポロの実力もキョウからすれば驚嘆に値するだろう。

 

かつてのアポロと比べれば天と地の差がある。

 

 

互いに警戒しつつも動こうとしたその時、上空が青く光る!!

 

 

「この光は?」

 

 

2人が上空を見るとその正体が分かった。

 

 

「サトシだと!?」

 

 

上空にはカイリューに乗ったサトシとピカチュウ、そしてミュウ。 更に巨大はどうだんを構えていたルカリオだった。

 

 

アポロはその光景を見て、悟る。

 

 

サトシの無力化が失敗し、正に今、トレーナータワー内部にいるデオキシスディバイド達を“巨大はどうだん”で倒そうとしていると。

 

 

「クロバット、“ちょうおんぱ”!」

 

「させぬさ。」

 

 

アポロがサトシに対して攻撃しようとするのをキョウはボール手裏剣でクロバットの前へ投げ、ボールからベトベトンが出てくる。

 

そしてそのベトベトンが身体を大きくし、身体を揺らしながら“ちょうおんぱ”を受け止める。

 

 

「! ベトベトンで“ちょうおんぱ”を遮断してサトシを守ったか!!」

 

 

 

音を遮断する方法には様々な手段があるが、その内の一つが水での遮断。

正確には【水を媒体とした】ことによって音を小さくする事ができる。

 

 

これは水の振動吸収効果によるものだ。

 

 

そしてベトベトンは身体がヘドロで出来ているポケモン。 そしてヘドロは()()()()()()()()()()()()

 

故にクロバットの“ちょうおんぱ”はベトベトンが壁となり、サトシに届く事は無かったのだ。

 

しかし、“ちょうおんぱ”ではある為ベトベトンは混乱状態になるが、これもキョウは考慮に入れていた。

 

 

クロバットの上空で“ちょうおんぱ”を防ぎ、混乱状態になったとしても重力によってベトベトンの身体は落ちる。 

 

そしてその過程で下にいた()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「! 混乱しても確実に攻撃できる様に!?」

 

 

正にベトベトンの“のしかかり”の様な攻撃。 クロバットは大きなダメージを受けたのだ。

 

 

それと同時だった。

 

サトシの巨大はどうだんがトレーナータワーに向けて放たれる。

 

 

 

 

「! トレーナータワーが!」

 

 

サトシが放った巨大はどうだんによってトレーナータワーの上層階が削られた光景にランスは戦慄する。

 

 

「ふふ、相変わらず凄いわね。 まさかこれほどの威力とは」

 

 

ランスと戦闘しているカンナはその光景を見て笑い、戦闘を継続する。

 

上空にいるサトシはワタル、レッド、イエローと合流後、ある方向へと向かう。

 

 

「! あの方向。 サカキ様がいる場所へ向かおうとしていますわね!!」

 

 

アテナは4人がサカキの所へ向かっている事を察するも目の前にいるシバの相手をしている以上、追いかける事も止める事も出来ない。

 

 

「け、サトシには逃げられた以上、これ以上此処にいる理由はねえ。 さっさと逃げさせてもらうぜ。」

 

 

ラムダがそう逃げようとする。 しかし、

 

 

「あんたはそうすると思ったよ。」

 

 

キクコはそれをゲンガーで阻止する。

 

 

「ちっ! 簡単には逃してくれねえか!!」

 

 

四天王と4将軍との戦いも佳境に入るのだった。

 

 

 

 

 

─── トレーナータワー ───

 

トレーナータワーの内部で残ったデオキシスディバイド達を相手に戦っているグリーンは質問する。

 

 

「ブルー、お前も行っても良かったんだぞ? シルバーが心配だろう。」

 

「……ありがとうグリーン。 でもいいの。 このデオキシスの分身達もだけど、これ以上パパやママがいるこのナナシマを危険に出来ない。」

 

 

ブルーが此処に残ったもう一つの理由を話す。

 

 

「それに、オーキド博士の事もあるわ。 グリーンもオーキド博士の無事を確信できるまで安心出来ないでしょう? 周りにはまだロケット団達がいるからね。」

 

「……ふ、うるさい女だ。 なら付き合ってもらうぞ。」

 

「ええ!」

 

 

グリーンとブルーは今も戦っているキワメと共にトレーナータワーに残っているデオキシスディバイド達と戦闘していく。

 

 

 

─── ???? ───

 

 

目の前の戦いを見てツクシは質問する。

 

 

「マツバさん。 本当にあの人に任せて大丈夫なんですか?」

 

「……分からない。 だがこのギンガ団との戦いの一点なら信頼出来ると思う。」

 

 

2人は今回のギンガ団との戦いの本命であるヤナギをギンガ団のボス、アカギと戦闘させるという目的を知っており、周囲には他のジョウト地方のジムリーダー達がナナシマへの侵攻を阻止。 ギンガ団幹部はカントーのジムリーダー達が対処。

 

そして2人は周囲が戦っている間、ボスのアカギの所までヤナギを誘導するのが目的だった。

 

道中ナナシマへ向かおうとしてくる軍団と接触して戦闘したがこの作戦は見事に成功。

 

現在ヤナギはアカギと戦闘している。

 

 

「……あのロケット団の言う通りだった。 あのギンガ団のボスの実力はヤナギにも引けを取らない。 あの実力と正面から戦えるのはヤナギとサトシ君ぐらいだろう。 あの実力、ジョウトの7人のジムリーダー総出で戦っても勝てるかどうか。」

 

「……確かにそうですね。」

 

 

ツクシはギンガ団の目的をロケット団から聞いた時、以前アルフの遺跡であった【あのポケモン】の事を思い出し、確かにギンガ団の目的を果たす事は不可能ではないと確信。 この戦いに参加する事を決めたのだ。

 

 

この作戦で唯一懸念だったのは【時を司るポケモン】の存在をヤナギに知られてしまう事だったが、そのポケモンは今はいない事を思い出し、懸念は払拭した。

 

 

「どちらにせよ、実力から考えてギンガ団のボス相手はヤナギに任せるしかありません。」

 

「ああ、サトシ君達の為にもこの戦いを監視しなくては。」

 

 

2人は警戒しながら氷とそれを破壊する音がしている戦い。 アカギとヤナギの戦いを監視する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、

 

 

「ヤミラミ、“かげうち”。」

 

 

モジャンボの“フラッシュ”で増えた“かげうち”が()()マチスとナツメに襲い掛かろうとして来る。

 

 

「! 何?」

 

 

しかし、その複数の“かげうち”はすべてエレキブルへと集中する。

 

 

「ルージュラ、“ふぶき”!」

 

 

攻撃がエレキブルに集中している隙を狙ってナツメは新たに加えたポケモン“ルージュラ”*1の“ふぶき”が放たれ、モジャンボとヤミラミに攻撃が命中。

 

くさタイプのモジャンボは効果は抜群でその場に倒れる。

 

 

「──“このゆびとまれ”。 その技でエレキブルが“かげうち”の攻撃全てを受け止めたのか。」

 

「ああ。 確かにこの戦法は大したもんだが、種さえ分かれば対処は出来るんだよ。」

 

「これであの戦法は使えないだろう。 我々ロケット団を甘く見た罪、此処で償ってもらうぞ。」

 

 

ジュピターはトリトドンを繰り出し、マチスはエレキブルを戻し、ライチュウを繰り出した後、戦闘を再開させる。

 

 

 

 

「ブーバーン、“かえんほうしゃ”!」

 

「ベトベター、“ヘドロばくだん”!」

 

 

カツラとアンズはサターンのドーミラーとケーシィに攻撃する。

 

 

「“リフレクター”!」

 

 

ケーシィはそれらの攻撃を“リフレクター”で防ぎ、

 

 

「“しっぺがえし”。」

 

 

ドーミラーの攻撃がブーバーンに命中する。

 

 

「ムウ、我々2人を相手にこの立ち回り。 これがギンガ団の幹部か。」

 

 

カツラはサターンを見て素直にその実力を賞賛しつつ、警戒する。

 

 

「わたし達を此処まで追い詰めた実力は認めよう。 だが、勝つのは我々ギンガ団だ。 “じんつうりき”!」

 

 

ドーミラーの攻撃がベトベターに命中。 アンズのベトベターはその攻撃で戦闘不能となる。

 

 

「クロバット!!」

 

 

瞬時にベトベターをボールに戻し、クロバットを繰り出す。

 

 

 

 

 

 

 

「ブニャット、“シャドークロー”!」

 

「カブトプス、“げんしのちから”!」

 

 

ブニャットの接近を“げんしのちから”で対処するもブニャットはすべて回避し、カブトプスに“シャドークロー”を浴びせる。

 

 

「シャワちゃん“ハイドロポンプ”!」

 

 

シャワちゃん事シャワーズの“ハイドロポンプ”がメガヤンマに向かって放たれるも回避する。

 

 

「“ソニックブーム”!」

 

 

そしてメガヤンマは反撃でシャワーズに攻撃する。

 

 

「うっ! 話に聞いていたけど強い!」

 

 

カスミとタケシはギンガ団幹部のマーズの実力に戦慄する。

 

 

「だが、負ける訳にはいかん。まだ行けるか、カスミ?」

 

「当然でしょう?」

 

「アハハハハ、 流石ジムリーダーだね。 此処まで楽しい戦いは久しぶり! メガヤンマ、ブニャット、まだ楽しめるよね?」

 

 

マーズの言葉にブニャットとメガヤンマは頷き戦闘は再び開始する。

 

 

 

「ほらほら! じゃんじゃん撃ちなさい!!」

 

「了解ニャ! ポチッと!」

 

 

ニャース型ロボットに乗っているロケット団達は周囲から来ているギンガ団下っ端達をピンクのとりもち弾で拘束していく。

 

 

「……ヤナギがギンガ団のボスと戦闘を開始したとマツバさんから連絡がきました。」

 

「作戦は順調ってことだな!」

 

 

カントー、そしてジョウトのジムリーダー達を指揮しているのはエリカだ。

 

指揮官としての役目がある為、ギンガ団幹部達との戦闘に参加せずにその場で戦いの戦況を把握していた。

 

 

「(皆さん、ギンガ団は私達が必ず此処で食い止めます。 ロケット団との戦いに何も出来ませんが勝利を願っています。)」

 

 

エリカはそう、レッド達の勝利を願うのだった。

 

 

 

 

 

─── トキワシティ ───

 

ロケット団の飛行船の中、チャクラはサキに詰め寄っていた。

 

 

「このハンカチ…、このハンカチの持ち主は誰じゃん!?」

 

 

そうチャクラはサカキがデオキシスの能力で使用したハンカチを見せながら問い詰める。

 

 

「ボスは、誰をデオキシスに探させてるじゃん!?」

 

「……………。」

 

 

しかし、サキはその問いに答えようとしない。 その態度に苛つき、チャクラは言う。

 

 

「知っているのに黙っているのはよくないですから! 教えないつもりだっていうのならこっちから言うじゃんね!!」

 

 

そうチャクラはある写真を見せる。 その写真にはサカキと幼い赤毛の少年が写っていた。

 

 

「ハンカチの持ち主はこの写真に写っている子ども! ()()()()()()()()!!」

 

「……だとしたらどうだというんだ? チャクラ。」

 

 

サキは何て事もないとチャクラに聞く。

 

 

「デオキシス捕獲の目的はボスの息子を探すためでした。 それで何か問題でもあるのか?」

 

 

チャクラの質問に肯定するサキにチャクラはわなわなと震えて言う。

 

 

「…大ありじゃん! ボスの息子って事は跡取り! ロケット団の次期首領って事ですから…。」

 

 

チャクラは過去サカキが言った台詞を思い出しながら言う。

 

 

「ボスは言ったじゃん? 次期首領はオレたち三獣士、または4将軍の中から選ぶ……って。 だからここまで着いてきたし、危険な作戦も実行してきたじゃん。」

 

 

チャクラは行き場のない怒りをサキにそしてサカキに向ける。

 

 

「それなのに実際は! オレたち…、ただの家族探しに付き合わされていただとォォォォ!! そんな話に納得出来るわけねーじゃんよォォ!!!」

 

 

そうチャクラがフォレトスを繰り出し攻撃を仕掛けようとするも、“びゅう”とデオキシスの触手がチャクラとフォレトスを攻撃。

 

 

「カハッ」

 

 

チャクラとフォレトスはその場に倒れるのだった。

 

 

「見事。 見事な忠誠だ、デオキシス。 完全に我が手持ちとなり得たのだな。」

 

 

サカキはデオキシスをそう褒める。

 

 

「サキ、チャクラを荷室にでも放り込んでおけ。」

 

「ハイ。 オウカ、お前も変な気は起こさん事だ。」

 

「ゲヘッゲヘッ、オデは大丈夫なんだな。 出世なんかにキョーミないし、…それに。 ボスが家族に会えるというなら、それは実に喜ばしい事なんだな。」

 

 

そうチャクラを荷室に閉じ込めた後、トキワシティのトキワジム上空へ到着する。

 

 

「トキワシティのどこにいるか絞り込んでみれば……。 市街でもトキワの森でもなく……ジム近辺にいるというのか? デオキシス。」

 

 

まさかシルバーが自身のジムに帰って来ているとは驚きデオキシスを見る。

 

 

「よかろう。 おまえの念視能力、信頼に足るものだ。 信じて…このサカキ、自ら赴こうでは無いか。」

 

 

そうサカキがトキワジムに向かおうとしたその時!!

 

 

「? アポロか、どうした。 ──何!?」

 

 

アポロから連絡が入り、その内容にサカキは戦慄する。

 

 

「ボス?」

 

 

サキはどんな内容なのか気になりそう問う。

 

 

「……サキ、オウカ。」 

 

「ハイ。」

 

 

その内容は2人を驚かす内容だった。

 

 

「トレーナータワーからサトシ、レッド、イエロー、そして四天王の将ワタルがこのトキワを目指して向かっているという情報が入った。」

 

 

「「!?」」

 

 

 

この報告はすなわち、ロケット団が計画した策の全てを乗り越えて来たという事だ。

 

 

「……フフフ、小手先でどうこう出来る相手では無かったな! それはこの私が、一番分かっていたはずだというのに。」

 

 

そうサカキが話した後、2人に命令する。

 

 

「私はこれから奴等との決着を付ける。 我が息子は下にいる。 必ず連れて戻ってこい。」

 

「分かりました。」

 

 

サカキの命令を2人は頷き、サキとオウカはトキワジムへと向かう。

 

 

「さて、付き合ってくれるな? デオキシス、ミュウツー。」

 

 

その言葉と共に飛行船が左右に開く。

 

 

「息子よ。父はお前と再会する前に清算しておこう。 過去の敗北を。 この因縁深いこのトキワで……!」

 

 

 

サカキとの戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
元ネタはピカブイでのナツメの手持ちより




いかがでしたでしょうか? 

次回は遂にサカキとの戦いとなります。


内容が内容なので時間がかかると思いますが、ご理解の程よろしくお願いします。
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