ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記 作:KAZ1421
─── トキワシティ ───
突如、トキワシティ上空に現れたロケット団の飛行船。 ゴールド達3人はまさか目的のロケット団がこんなにも早く見つかるとは思っていなかった。
「こんなに早く、しかも向こうから来てくれるとはな、ありがたい。」
そうシルバーはこの出逢いに感謝する。
ワタルのトキワの力でニューラから記憶を読み、トキワジムの銅像が自分の過去と関係ある事が分かり、その銅像がトキワジムのジムリーダー。【サカキ】を模ったもので彼はジムリーダーであると同時にロケット団のボスである。
彼らロケット団はヤマブキシティを本拠地としていたが、サトシやレッド達図鑑所有者、そしてジムリーダー達によって壊滅。 その幹部として所属していた他3人のジムリーダー、そしてボスのサカキを捕らえる事は出来なかったが、それ以降カントーやジョウトでは見なくなり、実質壊滅したと世間では認識されている。
シルバーは最初にカントーにいる元ロケット団の誰かの所へ向かおうとしたがその必要は無くなった。
空にある飛行船から小型の飛行船が出て来て、こちらに向かってくる。
「こっちに来るわ!」
「いきなり戦闘か!」
その様子を見て、クリスとゴールドはボールに手を掛ける。
「おもしろい!
そんな2人より早くシルバーはボールを取り出し、
「あのギャラドスは、いかりのみずうみで捕まえた奴か!!」
「“だいもんじ”!!」
“だいもんじ”を繰り出している赤いギャラドスをシルバーが捕獲する瞬間をレッド達と共に見ていた故にゴールドはシルバーのギャラドスが赤いギャラドスだと知っていた。
そのギャラドスの“だいもんじ”はこちらに接近している小型の飛行船目掛けて放たれるも小型飛行船は難なく回避した後、その小型飛行船からあるポケモンが飛び出してくる。
その見た目は全身が黒く、一目でゴーストタイプとわかる見た目をしており、何処か人形の様な面影があるポケモンだった。 そのポケモンは両手で黒いボールのような物を持っており、それを赤いギャラドスに投げる。
「“シャドーボール”を浴びた!!」
「ギャラドス、一度眠って回復だ!!」
シルバーは受けたダメージを“ねむる”で回復させようと指示し、ギャラドスはねむる。 しかし
「! “ねむる”で回復した体力を“よこどり”で奪われてるわ!!」
その回復した分、“よこどり”で奪われてしまう。
“よこどり”とは使われる技の効果を横取りして、代わりに自分に使う
技だ。 ただし、能力が上がったり体力が回復するなどの変化技しか通用しない。
「こせこせした駆け引きなどせずにさっさと顔を見せたらどうだ!! 用があるから降りてきたんだろう!!」
シルバーは小型飛行船に乗ったままのロケット団にそう挑発する。
「フンフフフフ。」
その飛行船に乗っていた2人組の内の1人、サキは持っている機械で目の前にいる赤毛の少年が本当にサカキの息子なのか調べていた。
「幼少時のデータとの共通点、成長シミュレーションの結果との相似値、共に99%以上。」
その結果、目の前にいる赤毛の少年がサカキの息子のシルバーだと科学的に証明された。
「やはり、なんとすばらしい、デオキシスの力。」
サキはデオキシスのこの能力の素晴らしさに感心する。
「さっそく上へお連れして、サカキさまに喜びのご報告を。」
そうサキとオウカを乗せた飛行船は地面に着陸し、コックピットが開き、そこからシルバー達の前に姿を見せ、サキはシルバーに礼をする様に頭を下げる。
「お迎えにあがりました。」
「お迎えだって? どういうつもりか知らねえがてめえらは誰だ!! 迎えに来たってんなら名乗やがれ!!」
そう警戒しているゴールドが問い詰める。 ロケット団の飛行船から来たので十中八九ロケット団なのはわかるが、どんな目的で誰を迎えようとしているのかを知りたい故の行動だ。
「これは失礼致しました。 私はサカキさま直属の親衛隊、サキ。こちらは同じくオウカです。 以後、お見知りおきを……。」
「ロケット団のボス、サカキの親衛隊!?」
その自己紹介を聞き、クリスは目の前に現れた人物がロケット団内で幹部クラスとも言っていい位の地位だと知り、更にサカキの親衛隊となれば此処に来たのは正に探そうとしていたサカキの命令だと悟る。
「……まさか、サカキはあの飛行船か?」
「ええ。 サカキさまは飛行船にいます。」
シルバーの質問にサキは答える。
「オレ用があるのはサカキだけだ!! サカキを連れてこい!!」
「フフ、あの方に似て鼻っ柱のお強いこと。」
シルバーとギャラドスの迫力にそうサキはいう。
「しかしいけませんよ。
「意味のわからないことを……。 いいからサカキを、出せえ!!!」
そう言葉と共にシルバーはヤミカラスを繰り出し攻撃する。
ヤミカラスに対して先程までギャラドスと戦っていたポケモン【ジュペッタ】は腕を振るい“ぴん”とヤミカラスを払いつつ、近くの木にぶつける。
「な!? あんな簡単に!?」
その光景を見てゴールドは目の前の人物が相当な実力者だと悟る。
「ふう。 おいたがすぎるといけませんよ。 力ずくで連れていってもいいんですから。」
対してサキはやれやれという態度で話す。
「ゲヘゲヘ、 いいのかなぁサキ、
「いいのよ、傷つけるわけじゃないし。」
更にサキは戦う理由を言う。
「むしろこれからのためロケット団がどんなものか、具体的にお見せした方が良いでしょう。」
「了解なんだな。」
サキとオウカは話し合い、此処で戦う事を決めたようだ。 オウカはボールを取り出し、ワタッコを繰り出す。
「そちらの2人も含め、3人で来ますか? それでも構いませんよ。」
「へ、なら遠慮なくいかせて貰うぜ。」
「ええ。」
そうゴールドがエーたろう、クリスがウインぴょんを繰り出す。
「行こうぜダチ公。 アイツらを倒してサカキの野郎を引き摺り出してやろうぜ!!」
「ああ!!」
ゴールドの言葉にシルバーは同意して3対2の戦いが始まった。
同じくトキワシティ上空にて、四つの影がロケット団の飛行船に迫っていた。
「みんな! あの飛行船、ロケット団の物だ!!」
「ピカチュウ!」
サトシはそうレッド。イエロー、ワタルの3人にロケット団がそこにいると伝える。
「ここは……、トキワの森か!!」
「……方向から察してはいたが、よりにもよって追い掛けた先がトキワの森とはな。 これも運命か。」
レッドはロケット団の飛行船───否、戦闘艇が止まっている場所がトキワの森である事を確認し、ワタルは自身の母とイエロー、そしてサカキの故郷であるトキワシティ近くのトキワの森で戦う事になる事に運命を感じる。
そして運命を感じているのはワタルとイエローだけではなかった。
「……オレ達の冒険が始まったこのトキワシティの上で戦うのか。」
「みゅ。」
そう、サトシとレッドが共に冒険をすることを決めた場所。 そしてサトシとミュウが出会った場所だ。
様々な因果が集まるこのトキワシティとトキワの森の上空でサカキと対峙するのだ。
「此処で止まっているって事はシルバーさんが近くにいるんでしょうか?」
そうイエローが疑問に思っていると、そのロケット団の戦闘艇が動き出し、形を変化していく。
「!! ロケット団の戦闘飛空艇が…、空中闘技場に!!」
ロケット団の戦闘飛空艇がバトルフィールドの形となったのだ。 そんな光景を見て驚いていると。
「「!!」」
“ドクン”と全身の血が逆流して、心臓が飛び出しそうな感覚がレッドとサトシの2人を襲う。
「レッド!!」
「ああ! この感覚は間違いない。 デオキシスとサトシに初めて会った時と同じ感覚!!」
2人は空中闘技場を見て確信する。
「デオキシスは此処にいる!!」
「それに巨石の力も感じる。 これが多分、ミュウツーか!!」
この空中闘技場にデオキシスとミュウツーがいる事を察して警戒しつつ近づくと周囲にある機械が動き出し、バリアーの様な物が4人が閉じ込める様にバトルフィールドを中心に展開する。
「これは……、」
「此処で戦えという事か。」
4人はバトルフィールドに降りて、しばらく周囲を見渡していると中央のモンスターボールの模様をした場所。 その中心の円の部分がエレベーターの様に下に動き、しばらくするとまた上がってくる。
そのエレベーターからサカキとデオキシス、そして全身に鎧の様な物を着たミュウツーが現れたのだった。
「サカキ!!」
「ようこそサトシ、レッド、イエロー。 そして四天王のワタル。」
サカキはそう自分達がこの場所へ来た事を歓迎する。
「まずは賞賛しよう。」
サカキはここまで追い掛けて来た事に素直に感服する。
「【r】という意思と頭脳を持つ塔。 サトシ達の戦闘能力を抑え且つ拘束する専用機械。 さらに襲い掛かる無数のデオキシスディバイド。 周囲で包囲していたアポロ達4将軍達の包囲網。 そして四天王達の増援を阻止するためにナナシマに来るギンガ団を
ロケット団のボスとして組織の戦力、技術、戦術。 これら全てを用いたこの計画を乗り越えた。 その事に素直に賞賛する。
「……サカキ。 お前の目的、シルバーを見つけて救い出すっていうのは理解できる。 でも、なら一言俺達に言うとかあったんじゃないのか?」
サトシはそうサカキに言うが、
「残念だが、それは出来ない。」
サカキはそれを否定する。
「私はロケット団の首領。 自らの夢を叶えるためにロケット団を作り、そんな私の力にならんと多くの者たちが力を貸してくれている。 無論、それに絆された訳でない。 だが、ロケット団は
ロケット団はサカキが自身の目的、夢を成し遂げる為に結成した組織。
「そんな組織の敵である君たちに
その敵であるレッドやサトシに自分の事情で勝手に協力するなど、その組織の人間達が、自身の夢が納得する事はない。
この計画は確かにシルバーを救う事が主な目的ではある。 だがそれと並行して敵であるサトシ達を排除しつつデオキシスを手に入れてロケット団を強化するというもう一つの目的もあった。
「……そっか。 なら、絶対に止める。」
サトシはそうサカキに宣言する。
「サカキ!! 多くの人やポケモンを不幸にさせる【その夢】此処で終わらせてやる!!」
「終わらせられるか? おまえたちに!!」
サカキはデオキシス、ミュウツーに続き、ニドキングを繰り出す。
対してサトシはネギガナイト、レッドはブイ、イエローはラッちゃん、ワタルはキングドラを繰り出し、ミュウと共にサカキ達へ迫る。
そしてミュウとミュウツーのぶつかり合いからこの空中闘技場でロケット団のボス、サカキとの戦闘が始まった。
一方、下で始まった3対2の戦い。 先制はサキのジュペッタだった。
「“すてみタックル”!!」
ジュペッタの“すてみタックル”がシルバーの赤いギャラドスに命中する。
「くっ!! もう一度炎を浴びせろギャラドス!! “だいもんじ”!!」
「ウインぴょん、合わせて“だいもんじ”!!」
ギャラドスの反撃の合わせる様にクリスも“だいもんじ”を放つ。
2つの“だいもんじ”をサキは回避するが顔を炎が掠める。
「フッ……、2つの“だいもんじ”を合わせたとはいえかなりの強力なパワー。 それも色違いの美しい真っ赤なギャラドスをお持ちとは、サカキさまに似て趣味のいいこと。」
サキは掠めただけでやけどをした部分を手で触れながら言う。
「エーたろう“こうそくいどう”!!」
ゴールドはエーたろうの“こうそくいどう”でオウカのワタッコに迫る。
「“みだれひっかき”!!」
そしてワタッコに“みだれひっかき”を繰り出す。
「スピードは大したもんだが、パワーが全くないんだな。」
オウカはそうエーたろうの威力を馬鹿にする。 とはいえすばやさは確かに厄介だ。 故に。
「ゲヘッゲヘヘ。そのスピードを止めるためにこうしてやるんだな!!」
そうオウカが言うと同時だった。
ワタッコが大量の綿毛を3人の周りに飛ばす。
「これは……大量の綿毛!」
「クソ、前が見えねえ。 2人とも、さっきの炎でさっさと──」
ゴールドがギャラドスとウインぴょんの炎技で綿毛を排除して欲しいと言ったその時、ギャラドス、ウインぴょん、エーたろうに異変が起こる。
「! どうしたエーたろう!?」
ゴールドのエーたろうは身体が痺れたのか身体が動き辛い様で動きが遅くなり、
「! これってこんらん!?」
ウインぴょんはこんらん状態。
「! ギャラドス!!」
シルバーのギャラドスは眠ってしまったのだ。
「まさか、この綿毛が原因か!!」
「ゲヘゲヘ。 ご名答なんだな。 ワタッコは風に乗って世界一周だってしてしまうポケモンなんだな。 オデのワタッコも世界一周してきてね。 その結果、あらゆる胞子をその身に宿して来たよ、“どく”、“しびれ”、“ねむり”……。 綿毛に触れただけでなってしまう状態異常の宝くじなんだな。」
「クソ! 厄介な綿毛だぜ!!」
「これじゃあ他のポケモンを繰り出したとしてもウインぴょん達の二の舞いだわ!」
「それだけじゃない。 視界を綿毛で遮って視界を奪っている。 このままでは闇討ちの様に攻撃されてしまうぞ。」
3人は現状の状況の不利さを認識する。
「とってもいいわ、オウカ。」
「ゲヘッゲヘヘヘ。」
サキはオウカの戦術を評価する。
「傷付ける訳じゃないっていうさっきの話、きちんと理解してくれていたのですね。 この調子でポケモンだけを戦闘不能にしていけばいずれ、降伏してくださるでしょう。 ねぇ? ご子息。」
サキはオウカにのみ聞こえる声でそう言う。 シルバーとクリスはこの状況をどうするか考えていると
「……仕方ねえか。 出来れば使いたくなかったが、これしか無さそうだ。」
そうゴールドがあるボールを取り出し、地面に置く。
「? ゴールド?」
「2人共。 此処はオレに任せてくれ。 この綿毛を含めて一気にあのワタッコってポケモンを倒す。」
「……そんな事が出来るのか?」
シルバーの問いにゴールドは頷く。 そして地面に置いたボールをキューで狙いを定め、
「行くぜ相棒!!」
その言葉と同時にキューでボールを突く。 ボールは飛ばした方向にあった岩や木にぶつかり軌道を変え、ワタッコ達の後ろでボールが開く!!
「ピチュ、“
そしてピチュは電気の究極技“ボルテッカー”を繰り出し、ワタッコは戦闘不能に周囲の綿毛はその強力な電撃で塵となって消滅する。
「あれだけの物量の綿毛をコントロールしていたワタッコ諸共一瞬、しかもあれはレッド達が使っていた究極技だと!? それほど強く鍛えられたポケモンなのか!?」
「い、今調べてみるんだな!!」
オウカはある機械を取り出す。
「チャクラがポケモン図鑑を元に作った、このブラックポケデックス。本来の図鑑にはない機能が付与されているんだな。
オウカはブラックポケデックスで今出ているポケモン達を見る。
シルバーのギャラドスはレベル40。クリスのウインぴょんはレベル53。
そしてゴールドのエーたろうはレベル42でピチュはレベル15だった。
「ゲヘッゲヘヘヘッ、笑ってしまう程の力! さっきのは偶然、使った技が“究極技”だったからできた事。 今のあのポケモンはさっきの攻撃の反動で弱っているんだな!」
ゴールドのピチュの様子からオウカはそう判断する。
「……なるほど、流石は究極技という事ですか。 しかし、連続で放つ事は難しいでしょう。 ジュペッタ、“シャドーボール”!!」
サキはそのままジュペッタの“シャドーボール”でピチュを攻撃。
「ピチュ、“でんきショック”!!」
対してピチュの“でんきショック”で対抗。 “シャドーボール”と“でんきショック”レベル差も大きいポケモン同士の技のぶつかり合いは
「な!?」
流石にサトシのピカチュウの様に“シャドーボール”ごと迫って来る事はなくぶつかり合って消滅したが、その直前“シャドーボール”がピチュの“でんきショック”に押されていたのだ。
「ば、馬鹿な!! あのポケモンのレベルは15!! そして技の威力は40!! なのにどうしてジュペッタの威力80の“シャドーボール”を上回る威力を繰り出せるんだな!?」
数値上ではジュペッタがピチュに負ける要素は全く無い。 にも拘わらず結果はサキのジュペッタ以上の威力という異常。
その光景にサキとオウカは戦慄するしかなかった。
以上如何でしたでしょうか?
サカキとの戦いがまだ決めかねていたのでこのような形での投稿となりました。
また更新が遅れるかと思われますが、ご理解の程よろしくお願いします。