ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記 作:KAZ1421
サカキ戦を書いている最中、このままいけば後1〜2話で終わる見込みではありますが、周囲の状況が描ききれないと判断し、一度サカキ戦以外の状況を描写することにしました。
では、どうぞ。
─── トキワシティ 上空───
トキワシティ上空にあるロケット団の飛行船の内部。 その船内全てを監視するセキュリティルームにサキとオウカが帰還した。
「おっ!」
オウカは監視しているモニターの一つに映る光景に気付き、サキに言う。
「サキの言ったとおりなんだな。 あの小僧達、艇内に侵入したんだな。」
オウカは艇内の監視カメラに映るゴールドとクリスを見てそう呟く。
「ひとまず放っておけ。 …それよりも…。」
そうサキはジュペッタが運んでいる気絶したシルバーを見て、
「サカキ様の前にお連れする格好としては貧相だな。 ジュペッタ、下ろして。」
サキの指示に従い、ジュペッタはシルバーを下ろす。
「やはり、それなりに相応しい外見というものが必要だろう。」
そうサキはロッカーを開けて服を選んでいく。
「これかな……いや、これがいい。」
選んだ服をサキは丁寧にシルバーに着させていく。
「よく出来た、ンフフ……お似合いですよ、シルバー様。」
「目覚めた時には、ロケット団新生・悪の王子!!」
マントを付け、腰のベルトには『R』の文字が描かれている『悪の王子の衣装』を身につけたシルバーにそうサキは満足そうに言う。
その時……
「──ん? サキ、あの小僧達の動きが変なんだな。」
「どうした?」
突然オウカがそうゴールドとクリスの動きが変と言うのだ。
「あの2人、一目散にある場所に向かっているみたいなんだな?」
「……何?」
オウカの言うとおり、ゴールドとクリスの動きを見るとどうやら何か確信があって移動しているのが分かる。 だが、あの2人はこの飛空艇の内部など一切知らないはず。 ましてや2人が向かっている方向は此処ではないし、サカキ様との戦闘に参加する様にも見えない。
故にオウカは疑問に思い、サキに話したのだ。
そんな中、サキはクリスが所持している“あるポケモン”を見て悟る。
「……まさか。」
時は少し戻り、ゴールドとクリスが飛空挺に侵入した時にクリスは気付く。
「? ネイぴょん、どうしたの。」
ネイティオのネイぴょんが何かに気付いたのか、怯えている様に見えたのだ。
「どうしたクリス?」
「……多分ネイぴょんが何か『不吉な未来』を見たからだと思うけど、怖がっているのよ。」
ネイティオは過去と未来を見ることが出来るポケモンと呼ばれており、その右目は未来をその左目は過去を見ていると伝えられている。
そのネイティオが未来を見た結果なのか、この飛空艇に乗った時から恐れているのがトレーナーであるクリスタルには分かったのだ。
「……シルバーを助けるのが最優先──って思ってたが、此処にはサトシさんやレッド先輩、イエロー先輩もいる。
「ッ! そういう事になるわね。」
ゴールドの言葉にクリスも状況を把握し、ネイぴょんが怯えている未来に戦慄する。 サトシ達3人もいるこの飛空艇で彼らの実力を持ってしても、恐ろしいことが起ころうとしている事が確実だと理解したからだ。
「……クリス。 まずはその未来って奴をどうにかしようぜ。 幸いシルバーはロケット団のボス、サカキの息子って事なら命は問題ないねえだろうからな。」
「……そうね。 ロケット団がシルバーを傷付ける事は無いと私も思う。 ならネイぴょんが見た未来を変えるのが良いと思うわ。 ネイぴょん! あなたが見た未来、どうしたら阻止できるか教えて!!」
クリスの言葉にネイぴょんは頷き、2人を案内するようにある場所へ向かう。
「着いていけば良いのね? 行きましょう、ゴールド!」
「おう!」
ネイぴょんの跡を2人は着いていく。
飛空艇の中のある一室、ある人物がそこに留まっていた。 その人物が懐からモンスターボールを取り出したその時!
「オラァ! ここか!!」
扉を蹴って侵入したゴールドと後からクリスが姿を見せる。
「ガ、ガキ!? どうしてこの飛空艇にいるじゃん!」
その部屋には2人が見たことがない人物。 もし此処にサトシ達がいればその人物の名前をこう言っただろう。
ロケット団三獣士の1人、チャクラと。
「テメェ、その格好はロケット団か!! 此処で何をしてやがるんだ!! バクたろう、“かえんほうしゃ”!」
ゴールドがマグマラシのバクたろうを繰り出し、攻撃。先手を打つ。
「フォレトス!」
チャクラは1体のフォレトスを繰り出し、バクたろうの攻撃を受ける。 その攻撃によってぼろぼろとなったが、
「! 倒れねえ!?」
フォレトスはどうにか耐えた。 フォレトスのタイプは“はがね”、“むし”の2つ。 バクたろうの“かえんほうしゃ”はどちらも弱点で大きなダメージを受ける攻撃。 例えレベル差があろうとも倒れても可笑しくない。
しかし、チャクラのフォレトスはその攻撃に耐えた。 チャクラのフォレトスの特性は『がんじょう』。 体力が満タンの場合、例え戦闘不能になる程のダメージでも耐える特性だ。
「チッ! (此処で“だいばくはつ”は巻き込まれてまずいじゃん。 だったら、)フォレトス、“すてみタックル”!」
チャクラはフォレトスに“すてみタックル”を指示してバクたろうを攻撃しようとする。
「エビぴょん、“マッハパンチ”!!」
だが、フォレトスが攻撃するより前にクリスが繰り出したエビワラーのエビぴょんが“マッハパンチ”でフォレトスを攻撃。 それによってフォレトスは倒れる。
「ッ!」
すぐにチャクラはもう一体のフォレトスを繰り出そうとする。
「おっと! そうはさせねえぜ!!」
「何!?」
だが、その前に事前にチャクラの後ろに繰り出して隠れていたエーたろうがチャクラを捕らえる。
「! いつの間に……。」
「“かえんほうしゃ”を繰り出した時、一緒にこいつでテメェの後ろにボールを移動させた。 あとはタイミングを測って後ろからって訳だ。」
バクたろうの“かえんほうしゃ”はフォレトスを攻撃する為でもあるが、同時にキューでエーたろうのボールがチャクラの後ろに行くのを見えないようにするためでもあった。
「さて、テメェが一体誰かは知らねえが、ロケット団だろ? だったらこの飛空艇の案内してもらおうか、
「(! シルバー、ボスの息子がもうこの飛空艇に。)」
そうゴールドがチャクラに問い詰めている間、チャクラは冷や汗をかきつつ、シルバーがこの飛空艇内に既にいる事を知る。
なぜ、荷室で閉じ込められていたはずのチャクラが此処にいるのか。 それはチャクラがロケット団のコンピューターすべてを管理してきた人物だったからだ。 故に荷室のキーロックを解除することは容易に可能なのだ。
コンピューター全てを管理してきた人物故に監視カメラで自分が映らないように細工をするのも可能で、自身の目的の為にある策の準備をしていた。
チャクラの目的はロケット団を乗っ取る事、その手段として、サカキそしてシルバー、邪魔者達を複数のフォレトスによる“だいばくはつ”で排除することである。
チャクラは11箇所での“だいばくはつ”でこの飛空艇を爆発させる計画で既にこの飛空艇の2箇所にフォレトスを配置。 そして3箇所目の此処にフォレトスを配置している最中にゴールドとクリスがやってきたのだ。
そう、クリスのネイぴょんが予知した未来とは正にこれだった。 正確には、この飛空艇のコントロール室にチャクラが操作して不時着とフォレトスの“だいばくはつ”の2つの手段で中にいる人物達を排除しようと動いた未来を見たのだ。
「ま、待て!! オレはロケット団に裏切られたんじゃん!!」
「なんだと?」
チャクラのそんな言葉に2人は疑問を持ち、その意図を聞く。
「元々サカキからオレたちロケット団三銃士か4将軍の中からロケット団の後継者を選ぶってことを聞いていた。 だから今まで努力してきた! なのにサカキは自分の息子を探していた。 つまり最初からオレたちに後継者として選ぶ事はなかったってことじゃん!!」
「……だから裏切られたって事?」
クリスの言葉にチャクラは頷く。
「もし、サカキやサキ達を倒すって言うならもちろん協力するじゃん。」
もちろん、これはチャクラの本心ではない。 ある狙いがあってこう言っている。
「(既にフォレトスを配置した場所に案内して、こいつらを倒す。)」
そう2人を自身のポケモンがいる場所へ誘導するための出まかせなのだ。
「……どうするゴールド?」
「……。」
ゴールドはしばらく考え、
「いや、やっぱ信用できねえ。 だからシルバーがいる可能性が高い場所を教えてもらう。」
そうゴールドは警戒し、チャクラに要求する。
─── ナナシマ ───
雪が降る中、2人の戦いは激しさを増す。
「ジュゴン、“ハイドロポンプ”」
「ジバコイル、“ロックオン”。」
ヤナギのジュゴンの“ハイドロポンプ”を受けつつ、“チャージビーム”で特攻を上げたアカギのジバコイルはジュゴンをロックオンする。
「ジュゴン、“クイックターン”!」
「“でんじほう”!」
ジバコイルの“でんじほう”がジュゴンに向かって放たれる直前、ジュゴンの“クイックターン”が命中。 その後、素早くヤナギのボールに戻り、あるポケモンが繰り出される。 その繰り出されたポケモンに“でんじほう”が命中する。
「! マンムーか。」
イノムーの進化系のマンムーは“こおり”“じめん”タイプのポケモン。 故にジバコイルの“でんじほう”は効かない。
「(だがあの巨体。 ジバコイルの方が早いはずだ。)ジバコイル、“ミラーショット”。」
アカギは“ミラーショット”でマンムーを攻撃し、強力な攻撃の命中率を下げようとする。 しかし、雪の影響で巨体が見えにくく、“ミラーショット”は外れてしまう。
マンムーの特性、『ゆきがくれ』。 天候が雪の時に、相手の技の命中率が下がる特性。 この特性故に、“ミラーショット”は外れ、マンムーはジバコイルに攻撃する。
「マンムー、“じしん”。」
マンムーの“じしん”がジバコイルに命中。 アカギのジバコイルはそのまま倒れてしまう。
「……やはり強いな。」
アカギは目の前にいるヤナギの実力が相当なものと改めて再認識し、切り札を繰り出す。
「ギャラドス。」
アカギの切り札、ギャラドスが現れたのだ。 しばらくの間2人に沈黙が訪れ、アカギが口を開く。
「こおりタイプのジムリーダー。そしてこの実力。 貴様が報告にあった『仮面の男』か。」
「……『仮面の男』? 一体何の話だ?」
アカギが口にした言葉にヤナギは訳が分からないと口にする。
「──どうやら勘違いだったようだ。 いや、仮におまえが仮面の男ならば、我々ギンガ団に協力してくれれば、ディアルガを手に入れた後、過去に飛ばしても良いかと思ったのでな。」
「……仮に仮面の男が此処にいるならこう言うだろう。 断ると。」
アカギの話にヤナギはそう答える。
「仮に仮面の男の目的は過去へ行く事ならば、そのディアルガの力で世界を破壊しようするならば、万が一その過去も含めて破壊される可能性がある。 それを考えればそのような勧誘に従う事はないでしょう。」
そうヤナギは断言する。
「……そうか。 残念だ。」
その言葉と同時だった。 マンムーとギャラドスがぶつかり合う。
以上如何でしたでしょうか?
次回は7月末にワタルVSサカキのバトルを投稿予定です。
ではまたの機械に。