ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記 作:KAZ1421
※2026/10/28〜2026/11/30 アンケート実施。
いつも見て頂きありがとうございます。今後の活動方針を参考にさせて頂きたく、ご協力をよろしくお願い致します。
① ある一定数確保後、週一投稿。
(1、2ヶ月程空白かも。)
②1話完成する度にその週の金曜日に投稿。
(1ヶ月に1話基準。)
─── トキワジム ───
誰もいない筈のトキワジムに一つの人影があった。
その人物は何を思っているのか、ジムの中をしばらく見つめ、去ろうとしようと入口へ振り向いた瞬間、
「やっぱりここに居たか。」
入口に赤い上着とジーンズ、そして帽子を被っている少年が現れた。
「──驚いたな。 なぜ此処にいるとわかった?
レッドはこのトキワジムに来た理由を話す。
「お前がシルバーの父親だからだよ。
時は少し戻り、飛空艇を無事着陸させた後、レッドは寝ているイエローを抱えて出て来た。
『みんな、ありがとう! おかけで無事着陸できたよ。』
『礼は後だ。 ミュウツーの事もあるが、サカキは何処に行った?』
グリーンはそう上空で戦っているサトシとワタル、そしてミュウツーの戦いを見ながらもサカキがいない状況に疑問を抱き質問する。
『分からない。 サカキはいつの間にか居なくなってて──』
『サカキはシルバーを庇って飛空艇から落ちた。』
レッドが答えようとした時、割り込む様にゴールドが言う。
『落ちた?』
『…ああ。』
シルバーはサカキの動機をレッド達に話す。
『……奴は──サカキは、病気を患っているらしい。 それで後数年しか生きられないと……。』
『──何だって?』
シルバーが複雑そうに話した内容に驚いてると同時、上空で電撃とはかいこうせん、ミュウツーのサイコパワーがぶつかり合った。
『どうやら、話す暇はなさそうだ。 レッド、手持ちの状況を教えろ。』
『え? ゴンとギャラ、そしてブイが戦闘不能な状況だけど──』
それを聞いた瞬間、グリーンとブルーは頷き、ある道具をひとつ渡す。
『? これは…』
『げんきのかたまりだ。 ロケット団の基地に一つだけあった。 これで戦闘不能になっているポケモンを回復させて
『!!』
その言葉でグリーンが言いたい事を全て察する。
『お前だって分かっているだろう? その程度であのサカキがくたばる奴じゃない。 必ず何処かにいる。』
『『『!!』』』
グリーンの言葉にゴールド達は驚くが、レッド達の表情からはサカキが生きていると言うのは確信しているようだ。
『でもミュウツーは…』
『確かにミュウツーはどうにかしないといけないけど、このままサカキを見過ごすなんてできないでしょう?』
『それにオレ達のポケモン達はこの短期間では回復マシンでも完全に回復する事が出来ないくらいダメージが大きい。 ポケモンの状況、そしてサカキの戦い方をサトシ以外で多く見たのはレッドだけだ。』
グリーンとブルーはダメージが大きく、上空のサトシとワタルの援護が関の山、ゴールド達は純粋に実力がまだレッド達ほど及ばず、イエローは寝ている。
現状、サカキと戦い勝利する事ができる可能性があるのはレッドだけだ。
『…分かったけど、シルバーは? 一緒に行くか?』
レッドの提案に一瞬シルバーは考えるも、
『いや、いい。』
『でも会った方が──』
クリスがそう心配そうに言うがシルバーは首を横に振る。
『受け入れたくは無いが、確かにオレの親なのは間違いないんだろう。だからこそ、』
そうシルバーは上空のミュウツーを見る。
『サカキの悪業でああなっているミュウツーを放置して、会いにはいけない。』
シルバーはそう決意した表情をする。
『レッド先輩。 サカキと決着を着けに行ってください。 こっちもミュウツーとの戦いが終わり次第向かう。 それにサカキのいる場所に心当たりがある。』
そして現在、レッドはシルバーの言葉通り、トキワジムに入り、サカキを見つけたのだ。
「シルバーがサカキがいるならこのトキワジムじゃないかって教えてくれた。 このまま行方をくらますならその前に此処に来る可能性が高いってな。」
その言葉を聞き、サカキは納得する。
「なるほど、たしかに此処はシルバーと共に過ごした場所。 何処かへ行く前に一度家を見てからと考えるのは当然か。」
そうサカキはレッドに質問する。
「それでレッド。此処に来た理由はなんだ? おそらくは決着を着けに来たと言った所か。」
「ああ。」
レッドはサカキの推測に頷く。
「お前の状況をゴールド達から聞いた。 病気を患って後数年しか生きられない事も。」
此処に向かう最中、その情報からある疑問が解けた。 シルバーを探すだけにしては何か違和感があったのだ。 何処かサカキは急いでいる様な、そんな違和感があった。
「だから、手段を顧みず行動した。 自分が充分に戦える間にシルバーと会う為だけじゃない。 その未来を閉ざしている仮面の男を倒して、その未来を守ろうとした。 違うか?」
さらに言えば、シルバーがロケット団に対して拒絶する事も考慮していた可能性がある。 そうでなければトレーナータワーでのあの言葉はないだろう。
“未来に生きることができない。”
確かに仮面の男をどうにかしない限り、ブルーもシルバーも本当の意味で前に進むのは難しいだろう。 だが、シルバーに関しては仮面の男と同時にサカキというロケット団のボスの存在もそうなる可能性が高い。
そしてそれをサカキが気付かないなんて事はない。
だが、仮面の男とサカキが戦い、サカキが勝利し、その後サカキが自らが抱えている病気で勝手に居なくなればどうだろうか?
悪業を重ねたサカキには自業自得だと人は認識するだろう。 シルバー自身が決着を着ける事が出来なくなるが、それでも負の過去から解放される事にならないだろうか?
そうレッドが考えているのが分かったのか、サカキは“フ”と笑い、その考えを訂正する。
「ひとつ訂正するが、生きる事を諦めた訳ではない。 この病気を治す目処も見つけている。」
「……目処?」
サカキの病気を治す目処とは何か聞けるとは思わないが質問する。 だが予想に反してサカキは答えてくれた。
「
「何!?」
セレビィがサカキの病気を治す目処とはどういう意味なのか分からなかったが皮肉にもあの仮面の男と同じ目的だとレッドは驚く。
「昔、ある地方のある島で、重い病が流行した。」
突然、サカキは語り始める。
「ひとりの人間とその手持ちのポケモン達が病を治すための「治療法」を授かろうと「幻のポケモン」のもとへ向かった。」
「だが、かれらが「幻のポケモン」にたどり着くまでに10の障害が立ち塞がっていた。」
「それは人間だけでも、ポケモンだけでも越えられない。 互いが力を合わせて始めて乗り越えられる障壁だったがそれを見事に乗り越え治療法を授かった。 そしてその治療法を授けた「幻のポケモン」こそ。」
「…セレビィって事か?」
レッドの言葉にサカキは肯定する。
「何故、セレビィが治療法を知っているのか? 様々な推測をして恐らくだが、セレビィは“時渡りポケモン”故に現在では不治の病と言われている病でも遥か未来ではその治療法があり、それを伝えている可能性が高いと判断した。 だとすれば、例え昔の伝説であったとしても信憑性が高い。」
「…どうしてロケット団として動かなかった? 三獣士や4将軍って奴らに協力でもなんでもすれば……。」
治療法を知ったというのなら、ロケット団として動けば良い。 しかし今、サカキは1人で行動しようとしている。 故に疑問に思い、質問する。
「いや、彼らには話せん。 奴らは優秀ではあるが諸刃の剣でもあるからだ。」
「諸刃の剣?」
サカキはその理由を語る。
「まず4将軍は確かに忠誠心が高い。 信頼に値するだろう。 だが、あまりにも忠誠心が高過ぎる。 組織の幹部として優秀だが、この事を知れば暴走し、部下を使い捨てにしかねない。 その様な組織が必ず瓦解する。」
アポロ達は忠誠心が高すぎる故にこの情報を共有出来ないという。
「そして三獣士だが、これは親衛隊という立場ではあったが、実態は行動を制限する為の『首輪』の様な物だ。 そもそもが信頼などしていない。」
「──首輪だって?」
サカキの言葉にレッドは疑問に思う。 親衛隊という肩書きが首輪とはどういう意味だろうか?
「三獣士のチャクラはロケット団を手に入れようとしていた。仮に自身が後継者の候補ではなかったとしたら、奴は間違いなく反乱を起こそうとしただろう。 故に後継者候補という立場を与える事で反乱ではなく、手柄を手にしようとする。 そうチャクラをコントロールする為に親衛隊にした。」
事実、チャクラによってミュウツーが解放され、現在の状況となっている。
「そしてサキだが、奴はそもそもが別の組織と繋がっている存在。 目的は不明だったが、信頼を勝ち取ろうとしていたのでな。 奴にはシルバーの事を伝え、自分だけが知っているという立場にする事でその能力をロケット団の為に使わせた。」
自分だけがサカキの息子であるシルバーを見つける為にナナシマでの出来事を引き起こしているという事実を知っている。 これはサカキから信頼を勝ち得ていると思わせ、シルバーを見つけ出せば更に信頼を勝ち取れると思い行動するだろう。
それがサカキの思惑通りであるとも知らずにそれを達成しようと動く。 それがサカキの狙いだったのだ。
「オウカに関しては純粋に優秀さで決め、特に怪しいという訳ではない。 あえて言うならサキとチャクラの監視と抑制の為に採用した存在だ。」
そんな2人の中、単純にサカキに忠誠を抱いているオウカも同僚にいる事でチャクラやサキの動きを抑制する狙いだった。
「だから三獣士か。」
優秀だがサカキというボスに牙を向ける可能性が高く扱いが難しい獣。
故に“三獣士”。 正に相応しい肩書きという事だ。
「そういう意味ではロケット団三幹部が最も信頼できる。 マチスとナツメは混乱が起こらない様行動するだろうし、キョウに関してはロケット団を抜け、今回は敵になってはいたがロケット団として悪業を行わないというだけで、病気に関しては協力してくれた。 事実、セレビィの情報はキョウが調べた物だからな。」
元々のナナシマでの計画ではデオキシスディバイド達と4将軍、そして後に外から来る別の組織(ギンガ団)の目的がサトシ達である事に気付き、それを利用した三段構えだった。
しかし、ギンガ団がサトシ達を捕らえれば、アルセウスの事など多くの事が知られてしまい、ギンガ団の計画が前倒しになり、多くの悲劇が起こっていた可能性があった。
当然それはロケット団にとっては良くない。 そんなギンガ団の目的をナツメとマチスは知り、それを阻止する為にギンガ団と戦闘。
キョウはロケット団ではないが、同じ親という立場。そして元とはいえ共に戦った同志ではあった故に病気の治療に関してはサカキに協力した。
皮肉ではあるが、直接指示をされて動いた三獣士や4将軍達より、ロケット団と戦ったキョウ、そして、指示を一切受けていないマチス、ナツメの3人がサカキに最も貢献しているという状況だ。
事実、ナツメとマチスはサトシの世界のロケット団からギンガ団の目的を聞かれるまで、一切ナナシマに関しては手を出すつもりはなかった。
その目的と、サカキがギンガ団の存在を作戦に組み込んでいるであろうと予想した上でギンガ団と戦う事を決めたのだ。
「自分自身の体調。 そしてナナシマでの多くの手札の消費。 これらを考え、しばらくの間潜伏をする予定だった。 丁度ミュウツーの相手で此処には来れない、そう読んでいたんだがな。」
「ミュウツーとは今、サトシ達が戦っている。 シルバーもな。」
レッドの言葉にサカキは“そうか”と呟きレッドを見る。
「抑制が無くなったとはいえ今までのダメージを考えれば間違いなくサトシ達が勝つだろう。 彼らが来る前に此処を離れなければな。」
そうサカキがレッドを無視して去ろうとしたその時、
「いや、サカキ。 おまえはオレを決着を着けるまではここから離れる事はしない。」
そうレッドがサカキに言う。
「……何を言っている? ロケット団としてそんな決断をすると思うのか?」
サカキはレッドの言葉に困惑しながらも無視して去ろうとしたが、
「オレはロケット団のお前と戦いに来たんじゃない。
その言葉にサカキは足を止める。
「確かにロケット団としてのお前なら、ここでオレと戦う事はサトシ達が来ることを考えたら危険って判断して去ろうとするだろうな。 だが、ジムリーダーとしてはどうだ?」
レッドも状況を考えればサカキがここで戦うということがどれほど危険なのかと理解できる。 だからこそ、これは一種の賭けだ。
サカキのジムリーダーという立場という状況を利用してこのトキワジムから去る事を止めようと口を開く。
「サカキ、お前はロケット団でもあるけどこのカントーで最強のジムリーダーって呼ばれてるんだろう。 だったらその挑戦者からのバトルをそんな身勝手な理由で断るのか? そんなジムリーダーだってみんなに、シルバーに思われたいのか!?」
ジムリーダーという肩書き、 そしてシルバーの父親という立場を利用してサカキがこのトキワジムから去る事を食い止める。 そんなレッドの試みは───
「──なるほど。」
効果的面だった。
「痛い所を突くな。 本来なら無視をするのが正解ではある事は間違いないのだが、ジムリーダーか。」
サカキにとってジムリーダーがどんな目的でなったのかは不明だ。 純粋にカモフラージュなのかは不明だが、それでも“最強のジムリーダー”と呼ばれているのだ。 それを穢す、ましてや自分の息子のシルバーにそう思われるという事はサカキにとってもこれ以上ない屈辱だろう。
「それを言われて、戦わない選択はないな。 いいだろう。 このトキワジムのジムリーダー、サカキはレッド、お前というトレーナーの挑戦を受けよう。」
そう言いサカキはバトルフィールドへ向かい、それに着いていく形でレッドも向かう。
それぞれが所定の位置にたどり着き、サカキが言う。
「使用ポケモンは5体での勝負で決し、挑戦者はポケモンの交代は自由。 どうだ?」
「……ああ。 受けてやる。 ただし、サカキお前も交代は自由で互いに対等の立場でだ!!」
「フ…フフフフ! いいだろう。 今のお前はこのサカキが全力で戦う敵として相応しい相手だ! 行くぞ!」
サカキのその言葉に互いに腰のボールに手を掛け、
「「勝負!」」
そして互いにボールからポケモンを繰り出し、ポケモンバトルが始まる。
サカキの故郷の家でもあり、レッドとサトシの冒険が始まったこのトキワジムで。
以上、いかがでしたでしょうか?
ようやくトキワジムでのジムリーダー戦が始まります。
使用ポケモンが5体なのは原作ゲームでのサカキの手持ちの数を参考にしております。
ではまたの機会に。
今後の更新の方針について。
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