ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記 作:KAZ1421
おつきみやまでロケット団のキョウと戦い撃退したサトシはレッドとカスミと共におつきみやまを出て、ハナダシティへ向かう。
ーーー ハナダシティ ーーー
「さあ、着いたわ。」
ハナダシティに到着したレッドとサトシはカスミの家へ案内され、現在その家の前にいた。
「うわあっ!! こ、これ全部カスミの家?」
「そうよ。」
レッドの質問にカスミは答える。
「すごい豪邸だ。」
そう、良くドラマなどで出て来るような豪勢な御屋敷だったからだ。
サトシは自身が知っているカスミの家とのギャップで言葉も出なかった。
その時、カスミが帰ってきたのが分かったのか、屋敷の使用人たちがぞろぞろと現れた。
「「「「お帰りなさいませ、カスミ様。」」」」
「カ、カスミ様?」
「ピカ?」
サトシとピカチュウは使用人たちの呼び方に戸惑っていた。
すると使用人たちがカスミの格好を見て驚愕する。
「まあ! なんてお姿に。 おつきみやまでのことは既に存じておりますが大変でしたね。ささ、お風呂の準備は出来ております。」
「ありがとう。 紹介するわ、新しい友達のレッド、サトシよ。」
カスミは後ろにいるレッドとサトシを使用人たちに紹介する。
「どーも。」
「よろしくおねがいします。」
「ピカチュウ!」
レッドたちが挨拶した後、使用人たちに風呂場へ案内され、ポケモンたちは回復マシンに送られた。(ピカチュウはほぼ無傷でボールに入るのを嫌がったのでサトシと共に風呂場へ。)
「ハア〜、気持ち良いぜ。」
「ピ〜カ〜。」
「凄い風呂だなぁ、ほんとに。なあ、サトシ。風呂から出てご飯食べたら一緒にバトルしないか?」
「おう、もちろんだぜ!」
レッドとサトシが風呂でそんな話をしていた頃、カスミはおつきみやまでの出来事を同じジムリーダーのタケシ、エリカに報告していた。
『ジムリーダーのキョウが、ロケット団とか…やはり繋がっていたか。』
『この様子ですと、マチス、ナツメ、カツラの3名もロケット団と繋がっていると考えた方が良いですわね。』
「ええ、私も同じ考えよ。今回はレッドとサトシのおかげで複数のロケット団を拘束出来たけど、もし私だけだったら死んでいたわ。…もっと強くならないと。」
カスミはサトシとレッドからロケット団の中にセキチクシティのジムリーダー“キョウ“がいた事を教えられた。 しかし、警察からは状況証拠しか無く、逮捕は不可能だとのことだ。
『それと、サトシが会ったと言うロケット団と対立していた“シバ“という人物ですが、名前は知りませんが『四天王』という言葉には聞き覚えがあります。私たちジムリーダー以上の実力者だと。』
『…ロケット団と対立しているとのことだが、現在はそれ以外不明、これ以上はわからん。』
そして話はサトシの件に移る。
『しかし、ジョウト地方のロケット団のアジトを壊滅させたのがサトシだったとは、確かに最初に見た時は只者ではないと思っていたが。』
「ええ、レッドの話では私の攻撃が通じなかったキョウ相手にほぼ無傷で圧倒していたそうよ。」
『…信じられませんが、その実力ならば確かにロケット団のアジトを壊滅出来るでしょう。でも…。』
エリカは疑問に思ったことを口にする。
『それ程の実力者、『四天王』みたく何処かで噂ぐらいは聞いても良い筈ですが、
エリカのその言葉に2人は同意する。そうサトシのことは2ヶ月前の情報がまったく無いのだ。
『サトシに関する出来事は2ヶ月前から、2ヶ月前といえば、
『ええ、そうですわね。偶然、と思いたいですが。』
「……やめましょう。怪しい点はあるけど、彼は“ニビシティ“の時や“おつきみやま“で私たちを助けてくれた。それは事実よ。」
『…ああ、そうだな。』
『ええ、それにオーキド博士とジョウト地方のウツギ博士は何か事情を知ってそうですし、悪人では無いでしょう。』
2人はカスミの言葉に同意する。その時、後ろからドアを“コン、コン“と叩く音が聞こえた。
「失礼します。お仕事中すみません。カスミ様、お食事の用意ができましたのでそのご報告に来ました。」
「ええ、ありがとう。この会議が終わり次第すぐに向かうわ。」
「はい。分かりました。では、お仕事中、失礼致しました。」
使用人は部屋を後にする。
『もうそんな時間か、こちらもまだロケット団の実験体にされたポケモンたちの世話で忙しい。ちょうどいい時間だ。』
『ええ、続きは明日にしましょう。カスミもゆっくり休んでください。』
「ええ、ありがとうタケシ、エリカ。」
そう言い3人は通話での会議を終了する。
風呂から出たサトシとレッドは使用人たちから渡された服を着て食堂でカスミを待っていた。
「なんだが落ち着かねえな…。」
「ああ、何度かこういうのは体験したけど、やっぱり慣れないぜ。」
「ピカチュウ。」
レッドとサトシはまさに貴族の食事というマナーを守らなければならない雰囲気に気持ちが落ち着かない。その時、ガチャっとドアが開き、綺麗なドレスを着たカスミが現れた。
「お待たせ、レッド、サトシ。」
「おお。(カスミが着ているのを見るとなんか変な感じ。)」
サトシは自身の知っているカスミを思い出し、似合ってるが似合わないと思った。
「ヒュ〜、馬にも衣装とはこの事だぜ。」
「馬子にも…でしょう。」
ちなみに“馬子にも衣装“とは
『つまらぬ者でも外形を飾るとりっぱに見えること』
の意味であり、簡単にいえば、レッドはカスミに失礼なことを言ったのだ。
「さあ、食事にしましょう。」
スープやステーキなど様々な料理を楽しんでいた。
「レッドの話を聞いたけど、強いのねサトシは。」
「ああ、特にピカチュウのでんこうせっかを利用しての移動で他の技に繋げるやり方なんて、最初すごいと思ったよ。」
「いや、ポケモンたちのおかげだよ。俺はポケモンたちがいたから立ち向かえたんだ。みんながいなきゃ、俺は何もできないよ。」
「それでいて謙遜か、凄いわね本当。」
カスミはサトシのその謙遜な態度に感心する。
「こんなに広い家だけど、兄弟とかいないのか?」
「ええ、私は一人っ子よ。」
サトシの質問にカスミは答える。
「そっか…(もしかして、カスミはお姉さんたちが居なければ、これぐらいあったのかな?)」
サトシは自身の知っているカスミの姉たちが良く、旅行などでお金を使うので、もしかしたらそれが無ければまさにこの豪邸に住んでいてもおかしくないのではないかと考えた。
「どんまい、カスミ。」
「「?」」
サトシは2人に聞こえない声でそう呟いた。
食事も終わりに近付いた頃、カスミはレッドとサトシに話しかける。
「2人は食事が終わってポケモンが回復次第、バトルをするのかしら?」
「ああ、オレは今回のおつきみやまのことでもっと強くなりたいと思ったんだ。それに明後日にはカスミとのジム戦もあるし、その特訓としてね。」
「売られたバトルは買うのが礼儀。もちろん受けるぜ。レッド。」
2人はそう返答するとカスミは意を決したように話す。
「そう、サトシ。その特訓の前に私とバトルしない?」
「え?」
サトシはカスミがバトルをしたいという言葉に驚いた。
「今回の件で私も強くなりたいと思ったの。レッドのポケモンより先に私のポケモンの回復が早いし、あなたの実力を直接見てないから、1対1のポケモンバトルをお願いしてもいいかしら。今後の参考にしたいの。」
「ああ、もちろん。レッドもいいよな?」
「おう。」
こうして、食事後にサトシとカスミのバトルが決まった。
ーーー ハナダジム バトルフィールド ーーー
サトシとカスミは鉄で出来たフィールドに移動し、レッドは観戦席でそのバトルを見学する。審判は使用人が行なっていた。
「よし、行くのよ。 スタちゃん!!」
「いけ! ウオノラゴン!!」
カスミはスターミーこと“スタちゃん“サトシは“ウオノラゴン“を繰り出す。
「ウラ!!」
ウオノラゴンは出てきた際にサトシに近づき、頭を囓る。
「イテテテ。嬉しいのは分かったから。 バトルだぜ、ウオノラゴン。」
「ウラ!」
カスミは見たことないポケモンに驚く。
「ウオノラゴン…聞いたことないわね。何処の地方のポケモンなの?」
「ガラル地方の化石ポケモンだよ。な!」
「ウラ。」
サトシはウオノラゴンについて語る。
「よし、こっちは良いぜ。」
「ええ。」
一方レッドはポケモン図鑑でスタちゃんを見ていた。
「スターミー、謎のポケモンか、宇宙からきたって話もあるみたいだから空も飛べそう。見た目から見るとヒトちゃんの進化系なのかな?」
レッドはスターミーの詳細と見た目がヒトちゃんに似ていることから、その進化の姿と推測していた。
ポケモンバトルはカスミから先手を打つ。
「スタちゃん、バブルこうせん!」
スターミーのバブルこうせんがウオノラゴンに向かっていく。
「凄い威力! こんなに強かったのか、カスミは!?」
レッドはバブルこうせんの威力に驚いていた。しかし、
「ウラ♪」
ウオノラゴンにはそこまで効いていなかった。
「な!? バブルこうせんがまったく効かない!?」
「ウオノラゴンはみずとドラゴンタイプだから水はほとんど効かないぜ。カスミ。」
サトシはウオノラゴンのタイプをカスミに教える。
「よし、ウオノラゴン、こおりのキバ!」
「ウララ。」
サトシがウオノラゴンに指示し、ウオノラゴンは攻撃の準備を行う。
「来るわよ、空へかわして反撃よ。」
カスミはそれを見て空へ飛び、回避を指示したが。
「ウラ!!」
「早い!?」
ウオノラゴンは自慢の脚力で近づき、スターミーは完全に避けることができず、スターミーにダメージを与える。
「スタちゃん、“じこさいせい“」
スターミーは空中で“じこさいせい“を繰り出し体力を回復させる。
「スタちゃん。スピードスター!」
カスミはバブルこうせんが効かないならと、ノーマルタイプのスピードスターを出す。
「ウオノラゴン、ドラゴンダイブ!!」
「ウラ!!」
その時、ウオノラゴンは凄まじい殺気を放ち、道中のスピードスターを弾きながら、強靭な脚力で空中にいたスターミーにたいあたりする。
「スタちゃん!?」
「今だ、エラがみ!!」
そのままウオノラゴンはエラがみを繰り出し、地面に叩きつけ、スターミーをダウンさせる。使用人は驚きながらも試合結果を言う。
「ス、スターミー戦闘不能、サトシさんの勝利でございます。」
「スタちゃん!! 大丈夫?」
カスミは倒れたスターミーことスタちゃんに駆け寄る。様子を見ると大丈夫そうだ。
「頑張ったわね。 ゆっくり休んで。」
カスミはスタちゃんをボールに戻す。
「…さすがね、サトシ。 手も足も出なかったわ。」
「いや、俺も楽しかったよ。なあ? ウオノラゴン。」
「ウラ!」
レッドはこのバトルを見て驚いていた。
「(カスミの“バブルこうせん“や“スピードスター“は弱くはなかった。 純粋にサトシのウオノラゴンが強いんだ。)」
レッドは自分なら、例えフッシーがバブルこうせんを受けたとしても相当のダメージとなると今の攻防で確信していた。それに、あのスターミーの動きはウオノラゴンほどではなかったがとても速かった。自分では捉えるのも苦労すると分かる。しかし、サトシはそのスターミーを簡単に撃破したのだ。
「やっぱ、強いなぁ。 サトシは。」
一方、カスミは今回のバトルで自身の反省点を考えていた。
「(攻撃を避けられると考えていたけど、まったく避けられなかった。もっと素早くなるにはどうすれば。)」
そこでカスミはレッドから聞いたサトシのピカチュウの移動方法を思い出す。
「(確かサトシはピカチュウの“でんこうせっか“を利用して、凄いスピードを出しているって聞いた。 ならスタちゃんやヒトちゃんが使う事ができる
カスミは自身がもっと強くなる道筋が見えた気がした。
「ありがとう、サトシ。おかげで私が強くなるヒントを得られたわ。」
「そっか、良かったよ。」
「ええ、それとレッド。 バトルならここでやって良いわよ。」
「そうか! サンキュー、カスミ。」
「ええ、私はこれからおつきみやまでの事件の報告書を書くから、それに少し鍛えたいしね。じゃあね。」
そう言い、カスミはハナダジムのバトルフィールドから去っていく。
「よし、次はオレだ! サトシ行くぜ。」
「ああ、来い。レッド!!」
サトシとレッドはポケモンバトルを始め、明後日のジムに備えて鍛える。
ーーー トキワのもり ーーー
翌日、サトシとレッドが明日のジムに備えてバトルしている頃。
同じくトキワのもりではある目的のため、ポケモンを捕獲しようとしている人物がいた。
「ハア、ハア、まったくポケモンが捕獲できないよ。どうしようか。“ラッちゃん“、“チュチュ“。」
「ピカチュウ。」
「ラッタ。」
レッドたちと分かれ翌日、ニビシティのポケモンセンターでチュチュとラッちゃんの治療が完了し、叔父のヒデノリの所へ戻ったイエローはそこで旅に出る条件を言われた。
『イエロー、旅に出るなら最低でも1匹ポケモンをバトルで捕まえてみろ。それが出来たら旅に出ても良いぜ。』
現在、イエローはトキワのもりでポケモンを捕獲しようとしているが、キャタピーを含めまったく出来ない。
「でも、やらなきゃね。レッドさんの隣に立てるぐらいにならなきゃ。行こう2人とも。」
「ピカ!」
「ラッタ!」
イエローは目的を達成するため、再びポケモンの捕獲に挑む。
ーーー クチバシティ ーーー
「それは本当か! ケン!」
「はい、どうやらこのクチバシティにある別荘に一度戻り、しばらくこの街に留まるとのこと。」
マチスはロケット団にとって最悪な情報に戦慄する。
「しばらくは、クチバシティでの活動は停止しろ。やつが敵対して来たら
「は。」
マチスはこの事をサカキ様に報告するため、電話に手をかけた。
いかがでしたでしょうか?
次回はカスミ戦です。
ではまたの機会に