ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記 作:KAZ1421
今回でこの過去編は最後となります。
では、また。
おつきみやまでシバとポケモンバトルをしていたサトシ。そのバトルも佳境を迎えようとしたその時、シバは苦悶の表情を浮かべ倒れてしまう。その時、後ろから声が聞こえ振り返るとそこには四天王のカンナとキクコであった。
ーーー おつきみやま ーーー
「カンナさんとキクコさん?」
驚いたようにサトシは後ろにいた人物たちの名前を口にする。
特にカンナはサトシにとって、トレーナーとして、いや人間として成長するきっかけをくれた恩人でもあるからだ。
とはいえ、それはサトシの世界の話。
この世界では会った事などない為、四天王の2人は自分たちの名前をすぐに口にしたサトシに警戒心を抱く。
「ほう、アタシたちの名前を知っていたのかい。一体どこで知ったのかねえ?」
「あ。 ええと、あはは。旅の途中でちょっと。」
サトシはキクコにそう質問され、そう誤魔化す。
「あ、そうだ! カンナさん、キクコさん! シバさんが大変なんです! 急に苦しん…で?」
そこでサトシは気付く、シバに流れている巨石のエネルギーが
「…どうして? どうしてこんな事をしているんですか!? キクコさん!!」
「!? へぇ、アタシが原因だと気付いたのかい。」
サトシのその反応にキクコはただ否定せず、自身の仕業だと認める。
「キクコさん。やめてください!! シバさんを操って何をしようとしているんですか!?」
「……本当に何者だい。まあいいさ、何をするのかって?
「……どういう意味ですか?」
サトシはその言葉の意味について質問する。するとカンナが話かける。
「サトシ、私たちの同志にならないかしら?」
「え?」
その言葉にサトシは驚く。
「そもそもこのバトルの目的はあなたの力を測る事。そしてシバはその役目を見事に果たしたわ。」
「それって、シバさんは俺を誘き寄せる為に…。」
「そこは勘違いしないで。シバはこの事を知らないわ。私たちが勝手にやった事よ。」
シバはあくまでも純粋にバトルを楽しむ為に来ただけと言う。その言葉にサトシは騙されていなかった事に安堵しながらも問いかける。
「…同志って、どういう事ですか?」
「人間とポケモン共存するのは難しい。人間は自身の欲望の為に自然を破壊してポケモン達の住む場所を失わせるだけでなく、ロケット団の様なポケモンを道具の様に扱い、非道な事をする。ポケモンたちは苦しむだけよ。」
“でも“っとカンナは話を続ける。
「一握りの優秀なトレーナーのみを残して、
「な!?」
「ピカ!?」
サトシとピカチュウはかつて、カロス地方で戦ったフラダリと同じような事を言うカンナに驚く。フラダリはフレア団とその組織にいるポケモンたちのみを残してそれ以外すべてを抹殺する事で争いのない理想の世界を築き上げようとした。現在、キクコが持っている
「だ、駄目です!! カンナさん、キクコさん! こんな事をしてもポケモンも人間も誰も幸せにはなりません!!」
サトシはそう2人を説得する。
「…大変なことになった。」
レッドは岩の陰に身を潜めながら、話を聞いていた。
あのカンナとキクコという人物達の言葉の通りなら、彼らは自分たち以外の人間全てを排除しようとしているのだ。当然その過程で多くの人だけでなく、人間に味方をするであろうポケモンたちも犠牲になるだろう。
「…絶対に止めなきゃ。」
レッドは自身のポケモンたちをボールから出して、彼らの隙を伺う。
サトシのその返答に同志になる気はない事を察した2人はサトシの排除に動く。
「そう、残念ね。 なら私たち四天王の邪魔ね。ルージュラ!!」
カンナのルージュラの攻撃を見てかわそうとするが、突如、後ろから両手両足を掴まれ、動けなくなった。
「ぐあ!? カ、カイリキー!?」
そう、シバと同じく操られてしまったシバのカイリキーがサトシを逃さないように拘束したのだ。
「! ピカピ!!」
ピカチュウはそれを見て素早い動きでカイリキーの頭をアイアンテールで攻撃する。結果、拘束が外れるが、れいとうビームがサトシとピカチュウに当たってしまう。
「うわああ!?」
「ピカ!?」
その攻撃を受け、2人は倒れるがすぐに立ち上がり、ベルトのボールを繰り出そうとする。だが、
「!? ボールが全部凍り付いて!?」
そう、ベルトにあった全てのボールが凍っていたのだ。
「サトシ、あなたのピカチュウ以外のボールはすべて無力化したわ。そしてあなたたちもね!」
するとルージュラはそのまま場で氷の人形を作り出す。
「俺の人形?」
そう、その人形はサトシにそっくりに作られていたのだ。
カンナはその人形を手にして自身の口紅で人形の両手両足に×印を入れる。すると、サトシの両手両足に氷の結晶のような物が現れ、体が動き辛くなってしまう。
「! これは、手足が動きにくく!?」
「そのピカチュウも脅威ね、その子にも凍って貰いましょうか。」
「この山全体に迷いの霧を張っておくかねえ。」
今度はピカチュウにも雪の結晶が現れ、キクコはこの場所から逃がさないようにこの山全体に迷いの霧を発生させる。
「さて、これであなたたちが倒れるのも時間の問題。ここから去る前にひとつ聞きたい事があるわ。
「!?」
カンナは驚くサトシに構わず質問をする。
「あなた、一体何者なのかしら?」
レッドは攻撃の機会を探っていた。直前の会話からシバを優秀なトレーナーというならばキクコとカンナの実力はおそらくシバと同等と考えていいだろう。
「(! サトシが!?)」
レッドは今すぐ飛び出したい気持ちを抑える。今の自分の実力では良くても時間稼ぎぐらいだろう。10万ボルトなどの攻撃ではダメージは与えてもそこまでダメージは無い。故にレッドは確実に状態異常に出来るタイミングを狙っていたのだ。その時、カンナがサトシについて尋ねた。サトシが何者なのかっと。
「………。」
その質問に対してサトシは沈黙で返すがカンナは続ける。
「サトシ、あなたの事を調べてさせてもらったけど、あなたに関することは約2ヶ月前から確認されていたわ。でも、
まるで突然、この世界に現れたように。」
「っ!?」
サトシは自身のことはオーキド博士などが情報を隠してくれていたにも関わらず、キクコやカンナたちが独自にここまで調べ上げていた事に驚く。
「そしてその時期にはあの事件、
カンナはこの質問をサトシにする。
「あの裂け目から現れたんじゃない? この鉱石と同じ様に。」
「……。」
サトシは再び沈黙で返す。
「それならすべてに辻褄が合うのさ、あのオーキドやウツギ博士があんたの事を保護しただけでなく、情報を隠そうとした理由にね。お陰でここまで調べるのに苦労したさ、フェフェ。」
「で、どうかしら?」
キクコとカンナの質問にサトシは答える。
「…これから酷い事をする人たちに言うことはないです。」
2人はその言葉を聞くが、その反応を見てどうやら推測は合っていた事を悟る。
「それはそうね。ここで死んでしまうあなたにこんな質問しても意味は無かったわ。じゃ、あとは……。」
その瞬間、後ろから電撃と粉がカンナとキクコを襲う。
電撃はルージュラに粉はキクコのゴースに降りかかる。
「!? これは“でんじは“! 後ろから!?」
「こっちは“ねむりごな“かい!」
カンナはその電撃を受け、まひ状態となったルージュラを見て、キクコはその粉によって眠ってしまったゴースを見て先程の攻撃の正体を察する。
「ピカ、ニョロ!! あの人形を奪うんだ!!」
ニョロがかげぶんしんで翻弄しながら、カンナの腕に攻撃を当て人形を手放させ、その人形をピカが受け止めレッドに届ける。レッドはその人形を手にする。
「レッド!? どうしてここに!!」
サトシはレッドがここにいる事に驚く。同時にカンナの手から離れたおかげか、凍り始めていた右腕の進行が止まり、動かし辛かった体が動きやすくなる。
それを知ったサトシはレッドの方へ向かいながら、ピカチュウに指示する。
「ピカチュウ! 10万ボルト!!」
「ピカ、チュウ!!」
10万ボルトはルージュラに命中する。その攻撃を受けたカンナとキクコは一旦離れ、シバの方へ行く。
「く!? 一発でこの威力!?」
その攻撃を受けたルージュラは相当なダメージを貰う。あと同じ攻撃を1〜2回喰らえば倒れるだろう。
一方サトシもまたレッドの方へ行き、体勢を立て直す。
「レッド、ありがとう。おかげで助かった。」
「良いって。 それにこれからが本番だよ。」
「ああ。今はピカチュウ以外のポケモンは出せない。 レッド、力を貸して欲しい。一度ここから逃げよう。」
「もちろん。みんなでここを脱出しよう。」
2人は不利な状況と判断してここから逃げる選択をする。
「逃がさない! ヤドラン!」
「行きな、アーボック!」
カンナとキクコは既に出していたポケモンたちは不利と考え、もう一匹のポケモンを繰り出す。
「ヤドラン、れいとうビーム。」
「アーボック、ようかいえき!」
カンナはヤドラン、キクコはアーボックに攻撃を指示する。
「ピカチュウ、10万ボルト!!」
「ピカ、10万ボルト、ニョロ、れいとうビーム!!」
ピカチュウとピカの10万ボルトがれいとうビームやようかいえきの勢いを殺し、ようかいえきをれいとうビームで凍らせる。
「フッシー! はっぱカッター!!」
フシギダネのフッシーがはっぱカッターでヤドランを狙う。
「殻で防御しなさい! からにこもる!」
ヤドランは殻を盾にはっぱカッターを防ぐ。
「あの子、レッドと言ったかい。未熟だが、筋はある。今のうちに始末しようかねえ。 アーボック。」
キクコはアーボックに指を向けるとアーボックの胸の模様が変わる。
「! 模様が変わって!?」
「まずはあの子のポケモンを倒すよ。行きな!!」
アーボックは素早い動きでレッドのニョロに向かって行く。
「!? 早い!! ニョロ! かげぶんしん!! ピカ、でんきショックを前全体に打て!!」
レッドはカスミとの戦闘で行った、でんきショックの範囲攻撃をする。そのダメージを喰らうが、やはり威力が分散したことでダメージが少なく、かげぶんしんのニョロを全てを攻撃してしまう。
「ニョロ!?」
ニョロはその攻撃を受けたニョロにアーボックはまきつくとキクコはまた指をアーボックに向ける。するとまた模様が変わり、今度はしめつける力が上がったのか、ニョロは苦しむ。
「模様が変わって、威力が変わった? そうか、その模様で能力が変わったのか!?」
「フェッフェッ、アンタも勘がいいね。そうさ、アーボックは模様によって能力が変わる。アタシは研究でアーボックの模様を変えるが出来る。今は攻撃が上がる模様、さっきのはスピードが上がる模様さ! かみつく!!」
アーボックのかみつくを受けてニョロは倒れてしまう。
「くそ、戻れ! なら、フッシー! つるのムチ!!」
「! なるほど、つるのムチを地面に張り巡らせたかい!」
レッドはツルのムチを地面に張り巡らせることでアーボックの素早い動きに制限を設けさせる。
一方、サトシはカンナのヤドランを押していた。
「ピカチュウ、10万ボルト!!」
ピカチュウの10万ボルトがヤドランを命中する。ダメージはあるが、倒れない。
「! ピカチュウの攻撃を耐えた? いや、何かしたのか!?」
「く、まさかドわすれをしたにも関わらずここまでのダメージを喰らうとは!?」
サトシは効果抜群の攻撃でヤドランを攻撃をして倒れないヤドランに驚いていたが、カンナもまた驚愕していた。
カンナのヤドランはドわすれを使用してダメージを忘れさせようとしたのだが、ピカチュウの攻撃の威力が大きく、すべて忘れる事ができなかった事に驚いていた。
「(これ程の威力、最初にボールを封じていなければもっと厄介だった。でもポケモン達の為にも負ける訳には行かない!!)」
「パルシェン、トゲキャノン! ヤドラン、れいとうビーム!」
新たにパルシェンを繰り出し、サトシとピカチュウに攻撃をする。
サトシたちは動けるようになったとはいえ、手足の氷で動きが鈍く、回避し切れない。
「うああ!?」
「ピカ!?」
れいとうビームはかわせたが、無数のトゲキャノンの一つに命中、傷を負う。すぐに体勢を立て直そうとすると、後ろからサトシたちは殴られてしまう。
「が!? カ、カイリキー…。」
「ピ…カ。」
先ほど、ピカチュウのアイアンテールで倒れていたカイリキーが目覚めて後ろから攻撃したのだ。そして今、後ろから押さえられている。
「ピカチュウ、俺ごと10万ボルト!」
「ピ!? ピカ、チュウ!!」
サトシの指示に一瞬戸惑いを見せるが、すぐに覚悟を決めてカイリキーを攻撃する。そのおかげか、カイリキーの拘束から逃れたのだが。
「自分ごと攻撃するとは、さすが我々の目に叶ったトレーナー。でももう限界でしょう?」
「はあ、はあ、ピカチュウの攻撃じゃ、俺は倒れないぜ。」
普段ならば確かにその通りだが、カンナの攻撃にカイリキーからの攻撃と怪我をしている為、先程の10万ボルトはやはり効いた。
「ピ、ピカピ。」
「はあ、はあ。 (この状況はまずい、せめてレッドだけでも。)」
サトシはそう考え、レッドの方へ向く。するとレッドは今、ルージュラのれいとうビームを喰らっていたのだ。
「レッド!!」
つるのムチで地面を張り巡らせたレッドは動きにくくなっているアーボックにピカで攻撃をする。
「ピカ! でんじは!!」
ピカのでんじはがアーボックに向かっていく。
「フン、アーボックには効かないさ。」
アーボックはその模様を変え、まひが効かない状態だ。するといつの間にか近づいていたつるのムチがアーボックを捕らえ、拘束する。
「!? つるのムチ! いつの間に。」
「ピカ! 10万ボルト!!」
まひが効かないと考えたレッドはピカの10万ボルトをアーボックに放つ瞬間、攻撃が高い模様となっていたアーボックの力が上回り、つるのムチの拘束を力任せに千切る。そして10万ボルトを回避する。
「な!? なんてパワー。」
「いい作戦だったが、パワーが足りないね。それに、もう終わりさ。ゲンガー!!」
するといつの間にかピカの影にいたゲンガーがレッドに向かって攻撃する。
「うわああ!? しまった! 人形が!?」
レッドはその攻撃を受け、持っていた人形をゲンガーに奪われる。そしてレッドが攻撃されたことでピカとフッシーは隙を見せてしまい、アーボックのかみつくを受けてダウンしてしまう。
「みんな!」
レッドがそう叫ぶと同時だった。 キクコの道具でまひから回復したルージュラがレッドに向かってれいとうビームを打つ。
「!? ぐあ!!」
その攻撃に当たってしまい、その場で倒れてしまう。
「レッド!!」
それを見ていたサトシはレッドに声をかける。
その間に既にサトシとピカチュウの人形はカンナへと渡され、さらに新たにレッドの人形が作られていた。
「クソ、しまった!」
レッドは人形が奪われ、サトシが喰らった攻撃を受けてしまった事にそう呟きながら立ち上がるとレッドにもサトシと同じ雪の結晶が現れる。
「危なかったわ。 レッドと言ったかしら? まさかこれを奪われるなんてね。でもこれで終わりよ!!」
するとカンナは人形に自身の口紅で印を付けると2人とピカチュウは全身が凍っていき、完全に固まってしまう。
「………、手強かったわ。」
「ああ、あの子のモンスターボールを無力化したのも関わらずこの強さ。 シバの言う通り強敵だったね。」
「……。」
そう言い、去ろうとすると上から雄叫びが聞こえる。
「!? あのポケモンはまさか!?」
カンナとキクコはそのポケモンに驚く。
「
そのポケモンは最近ジョウトとカントー間で目撃されているポケモンたちの一体だったからだ。
エンテイは上から降りた後、カンナたちに向かって炎を放つ。
「く!?」
「なぜ、エンテイが!?」
「……。」
カンナ、キクコ、そしてあやつられたシバはその攻撃をかわす。するとエンテイは凍っているサトシとレッドの方へ向き、炎を放つ。
すると2人とピカチュウを覆っていた氷がみるみると溶けて行く。
「!? まさか目的はサトシとレッドの救出!? させない、ルージュラ、れいとうビーム。パルシェン、ふぶき!!」
「ゲンガー、シャドーボール!!」
「……」
カンナ、キクコ、そしてシバはポケモンたちでエンテイを攻撃するが回避される。すると、
「ピカチュウ! 10万ボルト!! ルカリオ、はどうだん!!」
氷からエンテイの炎で解放されたサトシがピカチュウと繰り出したルカリオで攻撃してルージュラとカイリキーを攻撃する。
「ちっ! 氷から解放されたのかい!!」
キクコはそれを見て、サトシとレッドの氷が完全に溶けた事を悟る。
「レッド! 無事か!?」
「あ、ああ。 なんとか。 みんな、戻って。」
サトシに無事と答えたレッドは倒れていた自身のポケモンをすべてボールに戻す。
「エンテイ、おまえが助けてくれたのか? ありがとう、また助けられた。」
サトシは焼けた塔、そして今と助けてくれた事に感謝をする。エンテイはそれを見て頷く。
「レッド、俺のポケモンは無事だけど、俺やレッドは傷だらけだ。一度引こう。」
「ああ。」
レッドはサトシの提案に同意する。
「カイリュー! 出て来い!!」
「バウウウウウウ!!」
出て来たカイリューは大好きなサトシを傷付けた事で怒りを露わにしている。
「レッド!! エンテイとピカチュウたちが押さえている内に!!」
「分かった!!」
サトシとレッドはカイリューの背中に乗り、空へと向かう。
「!! 逃がさない! ラプラス! ふぶき!!」
「アーボック、へびにらみ!!」
カンナとキクコは自身のポケモンで攻撃しようとするが、エンテイが吠えるとラプラスとアーボックはボールへと戻る。
「!? ほえるか!!」
エンテイのほえるで二体とも攻撃する暇も無く、ボールへと戻ったのだ。
「よし、ピカチュウ!! こっちだ! ルカリオ! 戻れ!!」
「ピカ!!」
ピカチュウはカイリューの背中に乗り、ルカリオはボールに戻す。
「エンテイ! ありがとう!! ここから離れてくれ!! この霧ごと吹き飛ばす!!」
サトシはある技でカンナとキクコ、シバの3人を攻撃かつ、その威力で霧を吹き飛ばす事をエンテイに告げるとエンテイはすぐに離れる。
そしてカイリューの力が高まり、エネルギーを上に放つ。
「りゅうせいぐん!!」
そのエネルギーは空から複数の隕石を呼び、それが下の四天王たちへ降り注ぐ。
「な!? 隕石ですって!!」
「こんな事が!! ちっ!?」
「…!」
3人はその攻撃から逃れる為、その場から逃れる。
「隕石!? すごい攻撃だ!!」
レッドはその攻撃を見て驚く。
「よし、カイリュー! 頼む!」
サトシはカイリューに逃げるように伝え、
「エンテイ! ありがとう!!」
「助かったぜ!! ありがとうな!!」
サトシとレッドは助けてくれたエンテイに礼を言った後におつきみやまから逃げる。それを見ることしかできなかった四天王たちは悔しがりながら呟く。
「なぜ、エンテイがサトシたちを?」
「分からないが、あの2人を逃したことは事実。それにあのカイリュー。隕石を降らせるほど力があるみたいだ。一度ワタルの所に戻って体勢を立て直した後に探し出して始末するよ。」
カンナとキクコは2人を逃したこととエンテイに邪魔された事に苛立ちながらも、先程の攻撃でこちらも無傷ではない。キクコの提案にカンナは従い、操られたシバと共に撤退する。
ーーー 上空 ーーー
サトシとレッドはカイリューに乗って隠れる場所を探していた。
近くの町やオーキド博士の所ではすぐに見つかるだけで無く、その町の住民達にも迷惑がかかる。よって、遠く離れた場所で隠れやすい場所を探していたのだ。だが、レッドはカンナとキクコのある言葉が頭をよぎる。
「(……
2ヶ月ほど前、自分もニョロと一緒に見ていた為、あの裂け目がどんなものなのか気になっていたが、そこからサトシが出て来たという事実に驚いていたのだ。だが、
「(でも、サトシはオレの仲間で友達だ!! そんなの関係ない!!)」
レッドはそう考えているとサトシが声をかける。
「レッド。 カンナさん達の話、聞いてたんだろう? 驚いたよな?」
「え!? ま、まあね。 でも関係ないよ。サトシはサトシだ。」
サトシはそう答えるレッドに微笑んでこう告げる。
「ありがとう、レッド。 隠れる場所を決めたら話すよ。俺の事、
「…いいのか?」
レッドは話していいのか確認をする。
「ああ、オーキド博士達には話さないようにって言われてたけど、友達だからすべて話すよ。」
「…分かった。」
その後、サトシとレッドは11番道路で隠れられてかつ見つけにくい、密林を見つけ、そこを拠点にして、レッドとポケモン達をきずぐすりなどで治療し安静にしている最中、サトシは話す。この世界に来た経緯、全てを。
「そういう訳なんだ。」
「………。」
レッドは並行世界や、ウルトラホール、そしてキクコが持っていた謎の鉱石とそれによって引き起こった事件すべてを聞き、唖然としていた。
サトシの世界ではフレア団という組織によって引き起こった事件、その手段として使用された鉱石。そしてそれによって世界が滅亡の寸前まで追い込まれた事とその原因ともいえる物がこの世界でばら撒かれている事実に驚いたのだ。
「…あの石が放置されたらどうなるんだ?」
「…あの巨石のエネルギーを取り込んだポケモンとジョウトのワカバタウンやスリバチ山で戦った事があったんだ。
ワカバタウンではそのポケモンと家族として過ごしていたあの子、
このままだと、多くのポケモンや人が大変な事になると思う。俺がロケット団を壊滅させたのはロケット団がその巨石を追っていたからなんだ。」
サトシはワカバタウンやスリバチ山での出来事を思い出しながら語る。ワカバタウンではルカリオの力とゴールドが諦めずに巨石のエネルギーを取り込んでしまったエーたろうに話かけ続けた事で正気を取り戻した。すぐに解決した為、特に問題なく済んだのだ。
その際、ゴールドにはウツギ博士からこの件については黙っておくように注意した。
スリバチ山ではエネルギーを取り込んだポケモンを追いかけているとクリスに会い、彼女の力を借りてそのポケモンを捕獲した。
その後、近くの町でオーキド博士と連絡した際にクリスにこの件は公開しないように伝えた。
「それがカントーやジョウトに多くあって、しかも四天王とロケット団が持っていて、その力ごと破壊出来て、探知ができるのはサトシだけってことか。」
「ああ。」
レッドはサトシが抱えている問題の大きさに頭を抱える。
この事が世間に公表されれば、人々はどこにその巨石があるか分からず、いつポケモン達が暴れるか分かった物では無いし、被害が出た際には同じく裂け目から出てきたサトシに怒りの矛先が向く可能性が高い。おそらくオーキド博士はその事に気付き、サトシに関する事全てを隠したんだろう。
「サトシはそんな大変な事を1人で背負っていたのか。」
「1人じゃないさ。大丈夫だよレッド。ポケモンたちやオーキド博士たちが協力してくれているから、でもこれ以上はレッドを巻き込めない。この治療が終わってオーキド博士たちに連絡したらレッドと別れるよ。」
「…なあ、サトシ。その戦い、オレも手伝っていいか?」
「え!?」
サトシはその言葉に驚く。
「その話を聞いてオレもサトシの力になりたいんだ!! まだオレは弱いけど、じっとなんてしてられない!!」
「…レッド。良いのか? 俺が言うのも変だけど四天王やロケット団と戦う事になるぜ。」
「もちろん。 ここでサトシに全部任せたらきっとオレは一生後悔すると思う。仲間が戦っているのに自分だけ何もしないなんて、絶対にやだ!!」
レッドのその言葉と覚悟にサトシはこう返す。
「…ありがとう、レッド。 ロケット団の居場所やカンナさん達の場所は分からない今、見つかるまではレッドのポケモン図鑑完成の旅について行くよ。 改めて、よろしく。」
「ああ! よろしく。サトシ!!」
サトシとレッドは改めて、共に旅をする事を決め、握手を交わす。
その後、ポケモンたちが回復するのを待って数日間ここで過ごしていたが、
「後少ししか食料がない。それにキズぐすりも無くなってきた。危険だけど近くの町で…! あの人は!!」
サトシはその時、橋の上を歩いていた人物を見て声を掛ける。
「ミナキさん!! 久しぶりです! サトシです!」
「!? この声はサトシ君か!!」
「? 誰だ?」
サトシはミナキさんの事をレッドに説明して自身の状況を理解している数少ない人物だと告げる。
「そうか、よろしくミナキさん。」
「ああ、サトシ君からすべて聞いたみたいだね。よろしくレッド君。そのボロボロの姿はどうしたんだ?2人共。」
「実は、」
サトシはこの状況について説明するとミナキは怒りを露わにする。
「なんという奴らだ!! 四天王め、許さん! サトシ君、レッド君。食料やきずぐすりはオレが買って行こう。 その話からオレが君の知り合いとは知られていないみたいだ。」
「ありがとうございます!」
「ああ、それとレッド君。君のニョロゾにこれを渡すよ。」
ミナキは懐から石を渡す。
「? これは?」
「水の石というものだ。これから四天王やロケット団と戦うならニョロゾを進化させるこの石を使うといい。」
ミナキは渡された石の説明を聞き、喜ぶ。
「! ありがとう!!」
「いや、これくらいは当然さ。さて私はシオンタウンで買い物をするよ。ジムリーダーがいる町は何かと目立つ。四天王が監視している可能性が高いからね。」
その後、ミナキから食料やキズぐすりなどをもらい回復させた後、ミナキと別れる。
「よし、みんな良くなったな!」
「ああ、ニョロも進化して強くなった気がするぜ。」
そう言いながらオーキド博士たちに四天王の事を連絡しようとシオンタウンに向かい始めると道中、寝ている巨大なポケモンに道を阻まれる。
「? このポケモンは?」
「! カビゴンだ!!」
レッドはサトシからカビゴンという名前である事を聞き、まだ図鑑に登録されていないポケモンである為、捕獲しようとする。
「よし、ニョロ!! 進化して始めてのバトルだ!行くぜ!!」
レッドはカビゴンを捕獲する為、バトルを始める。
以上、いかがでしたでしょうか?
次回より、イエロー視点へ戻ります。
カンナの攻撃を受けても後遺症がないのはエンテイの炎のおかげです。
ではまたの機会に。