ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記   作:KAZ1421

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続きです。

楽しんで頂けたら幸いです。


クチバシティ〜シオンタウン

クチバシティで四天王との戦いを乗り越えたイエロー。クチバシティでミナキという人物と出会い、レッドとサトシがシオンタウンへ向かった可能性があることを聞き、シオンタウンへ向かっていた。

 

ーーー シオンタウン ーーー

 

シオンタウンへ着いたイエローは雨の中、その町の人々の雰囲気に戸惑っていた。

 

「あのう? すみません。ちょっと聞きたい事が…。」

 

そうイエローに聞かれた人はその言葉に反応せず、そのまま素通りする。

 

「はあ、これで10人目、全員に無視されたよ。この町の人はどうしてこんなに冷たいんだろう?」

 

11番道路の密林で誰かが過ごした形跡と密林のポケモンの記憶を見て、レッドとサトシがこのシオンタウンに向かった事がわかり、シオンタウンに着くと早速人々にレッドとサトシについて聞こうとしたのだが、すべて無視されていた。唯一、ポケモンセンターやフレンドショップの店員には聞けたが2人は来ていないという。ポケモンセンターでオーキド博士に状況を説明し、連絡が来ていないか聞いたのだが、そんな連絡は来ていないという。連絡はしていないのなら何処に行ったのかと聞き込みをしていたのだが無視されて情報がない。

 

「皆、疑心暗鬼になっとるのじゃよ。」

「うわああ!?」

 

イエローは全く気配がわからない状態で後ろから急に話かけられたことで驚きながら後ろを振り返るとそこには白い顎ひげと白ひげを生やした老人が花束を持って立っていた。

 

「(気付かなかった。)あの? 何をしているんですか?」

「ホッホッホ、供養じゃよ、供養。」

 

そう言いながら老人は近くの墓に花を添え始める。

 

「この墓は可愛がっていたポケモンの墓でのう。寿命で無くなってしまったんじゃ。」

「! ポケモンの墓……亡くなったんですね。」

 

イエローはこの墓が老人のポケモンが眠っている墓と聞き、その墓の前で両手を合わせて祈る。

 

「ありがとう。 君もポケモンが好きなようじゃな。お礼にわしの家に来なさい。雨で濡れているじゃろう?お茶ぐらいは出そう。」

「…はい。」

 

イエローのその言葉に甘え、老人の家に向かう。

 

ーーー フジ老人宅 ーーー

 

「さあ、どうぞ。」

「ありがとうございます。」

 

老人の家に招かれたイエローは老人がいれたお茶をもらい、感謝を述べる。

 

「この町を見て驚いたじゃろう? この町はの…昔から死んだポケモンの霊が集まる場所と言われているんじゃ。」

「ポケモンの霊…ですか?」

 

イエローの言葉に老人は頷き、話を続ける。

 

「そんなポケモンの霊を慰めるために建てたのがあのポケモンタワーじゃ。」

 

イエローは窓から見えるその塔を見て質問する。

 

「つまり、あの塔はポケモン達の墓ですか?」

「そうじゃ、本当ならワシのドードーもあそこに墓を作りたかった(・・・・・・・・・)のじゃがのう。」

「…どうして作らなかったんですか?」

 

イエローはあの塔に墓を作らなかった理由を聞く。

 

「…出るんじゃよ。ポケモンの幽霊が。」

「幽霊ですか?」

「ああ、最近町の人々が互いを信用しておらん理由がまさにその噂じゃ。そのせいで余所者なんか全く相手にせん。信じる信じないかは君次第だがね。」

 

そう言いながら老人は写真を眺めていた。

 

「写真。この写真はもしかして。」

「ああ、亡くなったポケモンの写真じゃよ。出来ればきちんとした墓で眠らせたいのじゃが。」

「…大切にしていたんですね。」

 

イエローがその写真の束を見ながらそう言うと、ある写真を見て驚愕する。

 

「グ、グリーンさん!?」

 

その写真のドードーと共にグリーンが写っていたからだ。

 

「その子を知っているのか?」

「は、はい! ニビシティで一度助けられた事があって、グリーンさんがここに来たんですか?」

 

イエローの質問に老人は答える。

 

「ああ、ドードーが死ぬ直前に来てのう。」

「グリーンさんは何処へ?」

 

その質問に老人は驚きに答えを返す。

 

「あの子は幽霊のことを聞いて笑い飛ばした後、幽霊の噂を確かめに行くと言ってあの塔に行ったきり2週間以上帰ってきておらん(・・・・・・・・・・・・・)。」

「え!?」

 

イエローはレッドとサトシだけでなく、グリーンも行方不明になっていることを聞き驚いていた。しかも二週間ということはニビシティからこの町にきたその時から行方がわからないということだ。

 

「ここ数ヶ月、あの塔に向かった人は全員帰って来てはいないんじゃ。」

「…僕、その塔に行ってみます!!」

「!? 危険じゃ! この話を聞いて行くというのか!!」

「はい! グリーンさんが行方不明になっているなら、一度助けてもらった以上、今度は僕が助けたいんです!!」

 

しかし、イエローのその意思に説得は無駄だと察した老人は“気をつけて″と言い、別れる。

 

ーーー シオンタウン ーーー

 

「レッドさんとサトシさんが行方不明になった時期にグリーンさんも行方不明になっていたなんて。あの塔か。」

 

イエローはその塔を見て、決意する。

 

「グリーンさんには助けてもらった。今度は僕の番だ! それにもしかしたらレッドさんとサトシさんもこの塔にいるかもしれない。みんな、行くよ!!」

 

イエローは自身のボールに入っているポケモン達にそう言い、ポケモンタワーへと向かう。

 

 

 

ーーー ポケモンタワー ーーー

 

イエローがその塔の扉を開くと音が一切しなく、如何にも出て来そうな雰囲気に恐怖しながらゆっくり歩きながら探索して行く。

 

「うう、如何にもって雰囲気、怖いよ。」

 

イエローは四天王やロケット団と戦ってきたが、やはり女の子。こういうのは怖い。

 

「それにしても広いな。しかもこの霧、一体?」

 

イエローは塔の広さと謎の霧に疑問を持っていると目の前にポケモンが現れた。

 

「? ポケモン? それにこんなにたくさん。」

 

すると一体のポケモンがイエローに近づくと“ガパ“と骨だけの状態となって襲い掛かって来た。

 

「きゃあああ!?」

 

思わず女の子の驚き方をしてしまう程、驚愕しながらもそのポケモンの攻撃を避ける。

 

「ゆ、幽霊!?」

 

イエローはまさにポケモンの幽霊とも言えるその姿に恐怖しながらもポケモンを繰り出し、攻撃する。

 

「オムすけ、みずでっぽう!!」

 

オムすけのみずでっぽうがポケモンに命中するが、全く効いていない。

 

「き、効かない!? なら、動きを止めないと、オムすけ、れいとうビーム。ピーすけ、いとをはく!!」

 

イエローはオムすけのれいとうビームとピーすけのいとをはくでポケモンたちを動けなくする。すると、いとをはくで拘束されたポケモンを見るとある事に気付く。

 

「!? このポケモンたち、腐ってる(・・・・)!?」

 

そう、現れたポケモンたちは皆腐っていたのだ。つまり、このポケモンたちは全部死体だったのだ。

 

「…一体誰がこんな酷い事を。」

 

イエローはこの塔が死んだポケモンたちを慰めるために建てた建物だと聞いていたのだが、そんなポケモンたちを動かし、利用している犯人に怒りを覚えていた。ポケモン図鑑で周りを見て、霧をよく見るとその犯人が分かった。

 

「!? あれは確か、ゴース!! あのゴースが原因か!」

 

イエローはポケモンの死体を操っていた犯人のポケモンを見て、止める事を決める。

 

「ゴースには確か、核があったんだっけ? ならその核ごと攻撃すれば! チュチュ、でんき…。」

 

イエローがでんきショックでゴースの核ごと攻撃しようとすると、炎がイエローたちを襲う。

 

「うわ!? 危なかった。 ッ!?あの人は。」

 

イエローは攻撃して来た方向へ向くとその人物に驚く。

 

「グリーンさん!! 無事だったんですね! ッ! うわ!?」

 

イエローはグリーンに話しかけるが、グリーンはリザードで攻撃する。

 

「あの目は? そうか!! ゴースに操られているんだ!!」

 

イエローはグリーンとリザードの様子を見て、この死体と同じくゴースに操られている事に気付く。

 

「早く、ゴースをなんとかしないと、ゴロすけ、オムすけ。グリーンさんを止めて! いわおとし! みずでっぽう!」

 

イエローはゴロすけとオムすけにグリーンの相手をさせて、その間にゴースを倒そうとする。

 

「ドドすけ! ふきとばしで霧とポケモンをふきどばして!!」

 

ドドすけのふきとばしで操られたポケモンの死体とゴースをふき飛ばす。

 

「よし、チュチュ。 でんきショック!!」

 

飛ばされたゴースをでんきショックで体全体を攻撃するとゴースは倒れる。すると死体は止まり、同時に操られていたグリーンの体もカクンと倒れる。

 

「! グリーンさん!! 大丈夫ですか?」

「…ううーん。 ! お前は確か、ニビシティであったイエローだったか? お前が助けてくれたのか。」

 

グリーンは正気に戻った際に目の前に見覚えのある人物がいたことで以前助けたこの女の子に自分が助けられたと悟る。

 

「よかった。 グリーンさんも無事でよかったです。」

 

イエローがそう、グリーンに話しかける。するとイエローが持っているポケモン図鑑に目が行く。

 

「!! ポケモン図鑑! ということは、おじいちゃんから受け取ったのか?」

「はい。オーキド博士から受け取りました。」

 

グリーンはイエローがポケモン図鑑を持っている事に驚く。

 

「…まさか、あの後でおじいちゃんに認められる程のポケモントレーナーになるとはな。一応礼は言っておく。」

 

そう言うとグリーンは立ち上がり、直ぐに上へと向かって行く。

 

「あのヤロウ、オレにおかしな術をかけやがって。」

「あのヤロウ? 1人じゃ危険です。 ここから出るか、向かうなら僕も一緒に…、」

「いや、ここは1人でいい。 おじいちゃんに認められる程だ。力は付けただろうが奴は強い。オレが1人で、」

「でも、いやです!! またレッドさんやサトシさん(・・・・・・・・・・・)みたいに行方不明になって欲しくありません!!」

 

その言葉を聞き、グリーンは質問をする。

 

「…どういうことだ?」

 

イエローはこれまでの旅について説明する。

オーキド研究所でブルーという人物が四天王と戦うためにポケモンと図鑑を盗んだ事、レッドとサトシがその四天王に呼ばれて以降、行方不明になった事。四天王の目的が自分たち以外の人間の排除である事。四天王とロケット団が対立しており、その戦いでクチバシティが壊滅した事などワタルから聞いた、例のポケモン協会の件以外は全て説明した。

 

「…オレが操られていた間にそんな事があったのか。」

「はい、それでレッドさんとサトシさんがこの町に向かったと情報を貰いまして、そしたらグリーンさんまでが行方不明になったと聞いてここまで来たんです。」

 

グリーンはイエローがここまで来た経緯を聞き、自分がまた行方不明になってしまうのではないかと心配で言っている事に気付く。

 

「……心配してくれているのはわかったが、奴には借りを返したい。それにあのドードーの「主人(おや)」のためにも奴は倒したい。すまないが、」

「なら、僕も行きます!僕の力ならグリーンさんの力になると思います!!」

「? 力?」

 

イエローはグリーンのリザードに触れるとリザードにあった傷がみるみると治っていく。

 

「! これは!?」

「これが僕の力です。この力はポケモンの記憶を見ることや傷を治すだけでなく、ポケモンの能力を引き出す事ができます。この力ならグリーンさんの役に立てると思います。」

 

グリーンは今まで見たことの無い力を見せられて、その力の意味を理解する。

 

「(自身の力を与えることでポケモンを治したのか、イエローのこの力は与える力(・・・・)!!)」

 

様々なトレーナーがポケモンの統率や技術などをあらゆるトレーナーが独自の力を持っているしかし、

 

「(イエローはそんなトレーナーたちを上回る力を持っているかも知れない。)」

 

グリーンはイエローの力を見て考えた後、上に向かいながら告げる。

 

「…勝手にしろ。来るなら覚悟を決めて来い。」

「! は、はい!!」

 

イエローはグリーンの後をついて行く。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいなくなったこの空間に2人の人影があった。

彼らは手持ちのポケモンを繰り出し、イエローたちの後を追う様に上へと上がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イエローはグリーンの後に続く様にポケモンタワーを上へと登って行く。

 

「すごいなぁ。 一体何階まであるんだろう?」

「注意しろ。 奴がいつ仕掛けてくるかわからないぞ。」

「はい。そういえば、奴って一体…。」

 

2人がそんな会話をしていると突然、ドロっとした物が襲って来た。

 

「!? これって! ようかいえき!? ドドすけ、ふきとばし!!」

 

イエローは以前、セントアンヌ号でのロケット団の3人と戦った際、アーボのようかいえきで攻撃された事があり、これがその技だと察してドドすけのふきとばしでその液体を吹き飛ばす。

 

「なるほど、ふきとばしか! なかなかの威力だ。」

 

グリーンはその攻撃を回避しようしたが、その前にドドすけのふきとばしで飛ばされたのを見てそう告げる。

 

「今のが奴の攻撃なら、! リザード、 かえんほうしゃ!!」

 

グリーンはすぐに奴がいる方向へかえんほうしゃを繰り出す。

 

「ほう、すぐにオレの居場所を察するか。 以前よりは警戒していたおかげか?」

 

すると忍びの格好をした人物がアーボックに乗って現れたのだ。その人物がイエローを見るとすぐにマチスからの情報の人物だと分かる。

 

「! まさかお前はマチスからの報告にあった、麦わら帽子を被った小僧か!!」

「!? マチスって確か、ロケット団の。ってことは、あなたはロケット団!!」

 

イエローはこの人物がロケット団であることに気付く。

 

「その通り、オレはロケット団三幹部の1人、忍びのキョウ!!」

「三幹部?」

 

そう言われてその言葉を繰り返したイエローとキョウを睨みつけるグリーン。イエローは何故ここに居るのか問いただす。

 

「その幹部がどうしてここに居るんですか!?」

「この塔を我らの前線基地にしようとしたのだが、どうしてこうも邪魔が入るのかねえ。」

「前線基地だって!?」

 

イエローはその理由を聞き、怒りを覚える。

 

「…この町の人たちが、死んだポケモンを慰めるための場所をそんな理由で奪ったんですか!?」

「ああ、仮に悪いことがあってもこの町の人はすべて幽霊のせいにしてくれて都合が良いんだよ。」

「!? 許せない!!」

「…同感だ。 キョウ、お前は許さない。」

 

グリーンとイエローはあのドードーと共に暮らしていた老人を思い出し、キョウに対して敵対心を見せる。

 

「フ、このオレに負け、操り人形になった事を忘れたか?あのまま操り人形になっていれば死なずに済んだものを、ここで2人とも死ぬがいい!!」

 

キョウとの戦いが始まる。

 

 

ーーー ??? ーーー

 

 

イワヤマトンネル方面から2人の少年がシオンタウンへ向かっていた。その少年たちはシオンタウンで出会ったある女の子に頼まれて無くした首飾りを見つけた後、今度はポケモンタワーにいる悪い人を追い出して欲しいと頼まれていたのだ。

 

「お兄ちゃんたち、ほんとにお願い聞いてくれるの?」

「ああ、ハルちゃん。俺たちがあのポケモンタワーにいるその悪い奴を追い出して、ポケモンたちがゆっくり眠れるようにするよ。」

「だから大丈夫、そんな奴はオレたちが倒してやる!」

 

2人の少年はその女の子にタワーにいる悪い人の所為で眠っているポケモンたちがトレーナーに会えないので追い出して欲しいと頼まれ、それを受けていたのだ。彼らはお互いの名前を呼び合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行こうぜ! レッド(・・・)!」

「ああ! 行こう!サトシ(・・・)!」

 

2人はそのまま、シオンタウンのポケモンタワーへ向かう。

 




以上、如何でしょうか?

オリキャラについては元ネタがあります。
元ネタはアニポケの遥かなる青い空です。



もうわかりますかね?
ではまた。
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