ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記 作:KAZ1421
この物語の主人公は『ゴールド』です。
では、どうぞ。
ワカバタウンで巨石に取り憑かれたエーたろうを助けたサトシに憧れを抱き、ポケモントレーナーとして修行していたゴールドはダイゴという人物に会う。彼は巨石について調べており、ウツギ博士の所へ案内する。ゴールドはどんな話をしていると興味を持ち、聞くとサトシの事、巨石の事、そしてポケモン協会の悪行を知ってしまう。ゴールドはサトシの力になりたくてダイゴに同行をお願いし、最終的に同行を許可される。2人が目指すは自身と同じく巨石の被害にあったクリスタルという人物に会う為、ヒワダタウンのガンテツの所へ向かうのだった。
ーーー ガンテツの家 ーーー
カーン、カーンっと何かを叩く音が鳴っている。
「もう少しや、もう少しでできるで。」
その人物、ガンテツは現在ボールを作成していた。
「ところで、わしにボールを作らせて何をするつもりなんや? 何か狙っている獲物でもおるんか?」
「ああ、手強いがどうしても欲しい奴がいる。」
そのニューラを連れた少年は目的を話す。
「ワハハハ。お前さんは本当にギラついた目をしとるの。」
ガンテツはボールを作る理由を話しながら最終工程に入る。
「まあええ、何に使おうとな。わしはわしの作ったボールを使いこなす実力のあるトレーナーにボールを授ける事が出来ればそれでええんや。」
そう言い、完成したボールを渡す。
「さあ、できたで。お前さんが持って来た”くろぼんぐり“から出来た『ヘビーボール』や。」
「…これがヘビーボールか。」
そう言いながらその少年、『シルバー』はヘビーボールを手に持つ。
ーーー ヒダワタウン ーーー
時はサトシ、レッド、イエローの3人がセキチクシティでニドキングを修行している時に遡る。ダイゴがポケモン協会が行っているレックウザの計画を平和的に阻止する為、承認としてクリスという人物を探していたのだ。彼女は捕獲のプロとなるべく、ガンテツのボールを使いこなす為にガンテツが作ったボールを受け取ろうとヒダワタウンに向かったと分かり、ダイゴに同行しているゴールドもまた、向かっているのだが。
「そのガンテツって奴はどんな事してるんっスか?」
ゴールドはダイゴにこれから向かうガンテツという人物について質問する。
「ガンテツさんは『ぼんぐり』というきのみでモンスターボールを作る職人だよ。彼が作ったボールは一般にある物と違い、特殊な効果があると言われている。他地方でも有名なボール職人さ。」
ダイゴはゴールドにガンテツについて説明する。
「そこにクリスっていうのがいるのか?」
「正確にはガンテツさんの所に向かったそうだ。ボールを受け取りに行くためらしい。彼女はスリバチ山でサトシ君とエンジュシティのジムリーダー、マツバと共に巨石関連の事件を解決した際、自分の力量不足を知ってさらにポケモンの捕獲の知識と技術を身に付けようとヒダワタウンへ向かったそうだ。」
スリバチ山での事件で自身の未熟さを認識したクリスは再度、ポケモン達と共に一からスリバチ山で修行。その修行を終えて現在ボールに関する知識と経験を得る為にガンテツの所へ向かったとの事だった。
「…そっか。」
ゴールドはサトシの名前を聞き、足を止めてワカバタウンでの出来事を思い出す。
「どうしたんだい、ゴールド?」
ダイゴの質問にゴールドは答える。
「いや、サトシさんとの事を思い出してさ。」
ゴールドはそう言い、自身の決意を言う。
「もう、あんなのは起こっちゃいけないんだ。」
「…ああ。そうだね。」
そう話すゴールドに同意して、クリスがいると言う。ガンテツさんの所へと向かう。
「行くぜ、バクたろう!!」
ゴールドは旅に出る際について来たバクたろうと共にその後を追う。
「……」
その際にヘビーボールを持つ赤毛の少年とすれ違いながら。
ーーー ガンテツの家 ーーー
「ごめんください。」
「お邪魔するぜ。」
ダイゴとゴールドがガンテツの家へそう言いながら入る。
「ん? なんだ、お前さんらは?」
「初めまして、僕はダイゴといいます。この子は」
「ゴールドだ。よろしく!」
ガンテツはその名前に聞き覚えがあった。
「ダイゴ? まさか、ホウエン地方のチャンピオンか?」
「はい。よくご存知で。」
ガンテツは2人がきた理由を聞く。
「そんな有名人がこんな小さな小僧を連れて何のようだ? ボールの依頼か?」
「いえ、実はある女の子を探していまして。クリスタルという女の子がこの家に来ませんでしたか?」
その言葉を聞き、ガンテツは
「クリスタル? まさか明日ここに来る予定の子の知り合いか?」
「!? 明日ここに来るんですね?」
ダイゴはクリスがまだ来ていないが、明日ここに来ることを知った。
「ガンテツさん、ありがとうございます。実はあの子に用がありまして失礼を承知でお聞きしました。申し訳ありません。」
「いや、構わないが、お主のような優秀トレーナーならわしのボールを使いこなす事ができるだろう。どうじゃ?ぼんぐりがあれば作るが?」
そう言うガンテツに
「それは良いですね。時間もありますし、ぜひともお願いします。」
ダイゴは良い機会だと、ボールを作って貰う事にするが、
「なあ、じいさん。オレは?」
ゴールドはガンテツに自分の分は作れないのかと聞くが、
「お前のような凡人トレーナーには市販のボールが丁度ええやろ。」
そう言うガンテツに“カチーン”と来る。
「黙って聞いてりゃ、言ってくれるじゃないっすか。オレには使いこなせないとでも?」
ゴールドはサトシに憧れて修行していた為に、凡人トレーナーと言われ、当然対抗心を燃やす。
「おもしれえ! じゃあ、オレがそのボール使いこなして、実力を証明してやるぜ!」
「ほう、意気込みだけは一丁前やないか。」
そんなやり取りを見たダイゴは、
「…(ふぅ、仕方ないな。)ガンテツさん、僕からもお願いします。ゴールドの分も作ってくれませんか?」
「…フン。他地方のチャンピオンからとはな、良いだろう。特別に作ったろう。どのボールにするか選んでぼんぐりを選んでくりゃ。」
その言葉を聞き、ゴールドは。
「ええー! なんだよ、材料はオレが取って来るのかよ!」
「つべこべ言わずさっさと行かんか!」
ゴールドは文句を言いつつ向かう…と思いきや。
「…そう言えば、『ぼんぐり』ってのは何処にあるんだ?」
その言葉に全員ががっくりする。
「すまねえな、お嬢ちゃん。恩にきるぜ。」
「大丈夫だよ。」
ゴールドはガンテツの孫にぼんぐりの場所を案内して貰っていた。ダイゴは先にゴールドから作って貰おうと言い、現在ゴールドが来るまでガンテツの所にいる。
「話を聞いたが、きのみによって色んなのがあんだな。」
「そうよ。作ってくれるなんてお兄さんが羨ましいな。」
その言葉を聞き、ゴールドは疑問に思う。
「羨ましい?」
「うん。私、フレンドボールが欲しいの。あの山で
その言葉を聞き、ゴールドは質問する。
「あの山って、行ったことがあるのか?」
「うん。前に空中に変な
「!?」
その言葉にゴールドは驚く。
「(もしかして、サトシさんが通った裂け目か?確か『ウルトラホール』って言ってたな。)」
ゴールドはウツギ研究所で話していた内容を思い出しながら考える。
「…前にあったって?」
「あの時、山にいたヒメグマって言うポケモンなんだけど、一目見て友達になりたいなって思ったの。でもあの時はヒメグマの進化したリングマって言うポケモンが暴れてて私も襲われたの。」
少女はその時の事を思い出しながら言う。
「よく無事だったな。」
「
その言葉にゴールドは驚く。
「! サトシさんが!? あの山に!?」
「お兄さんを知ってるの?」
ガンテツの孫の質問にゴールドは頷く。
「ああ。 それで、サトシさんはどうしてあの山に?」
「お兄さんは暴れていたリングマを落ち着かせるために来たって落ち着かせた後、弱ったリングマとヒメグマを連れて山に行ってその後おじいちゃんの家に来たよ。お兄さんのおかげで怪我も何も無かったの。おじいちゃんには怒られたけどね。」
その言葉を聞き、ゴールドは考える。
「(もしかしてそのリングマ、エーたろうと同じ
ゴールドはそのリングマってポケモンがかつてのエーたろうと同じ状況だったのでは無いかと考える。
「お兄さん、どんなぼんぐりがいいか決めた方が良いよ?おじいちゃんきっと、遅いって待ってるから。」
「…そうだな。じゃあ。」
「ガンテツさん、あの子の頼みを聞いてありがとうございます。」
「フン。 あの意気込みとお前さんからの頼みでな。それに見た目で判断は早計だと
「あの一件ですか?」
ダイゴはその内容について聞く。
「ああ。わしの孫を助けてくれた小僧がいたんだが、最初見た時は凡人と思ったんだ。何せ、そこら辺の野生のポケモンに追われていたからな。だが、暴れていたリングマをたった一人で簡単に抑えた。あの時何も反撃しなかったのはポケモンを
「…それは良いトレーナーですね。」
ダイゴはその話を聞き、そう答えた。その時、ゴールド達が帰って来る。
ーーー リングマの山 ーーー
「取って来た『みどぼんぐり』から作ってもらったのがこのフレンドボールか。」
ゴールドはみどぼんぐりから作って来たフレンドボールを眺めながら、ガンテツの孫の女の子と共にある場所へ向かっていた。
「ねえ? おじいちゃんやあのお兄さんに内緒で山に行って良いの?それにフレンドボールにしたのはなんで?」
そう言う女の子にゴールドは言う。
「ぼんぐりの事と場所を教えてくれた礼にそのヒメグマってポケモンを捕まえようと思ってさ。」
「本当!? あ、だからおじいちゃん達に秘密って言ったのね。」
「ああ。」
ゴールドはフレンドボールを選んだ理由を言う。そして山に向かう理由はもう一つ。
「(サトシさんが勝ったっていうリングマってポケモンと戦ってみたいなんて言ったら危険だって言いそうだからな、あの2人は。)」
おそらく巨石で暴れていたであろうリングマと戦ってみたいという自身の好奇心からだった。
しばらく歩いていると、足場が悪い道となる。
「すいぶんと険しい山に住んでいるんだな。ヒメグマとリングマは。気を付けな、嬢ちゃん。」
「うん。」
足元を注意しながら歩いていると、
「! お兄ちゃん、ヒメグマがいたよ。」
女の子が指を指す先にはヒメグマがいたのだ。
「よーし、早速。」
ゴールドは気付かれない様にゆっくりと近付く。すると、ゴールドの後ろから“ユラリ”と何かが現れる。
「うわ!? こいつってまさか!」
ゴールドはその見た目がヒメグマと似ていた事からリングマだと察する。
「! まずい、お嬢ちゃん!!」
リングマと戦う前に女の子をまずは離れさせる為に手を引き逃げる。
そんな二人をリングマとヒメグマは追いかける。
「おい! タンマ、タンマ!! 戦いたいけど、今は待てって!」
そう声を出しながら逃げていると、
「どけ、捕獲の邪魔だ。」
突然、赤毛の少年が現れる。
「なんだ? おまえは! そのリングマはオレが先に見つけたんだぜ!邪魔するんじゃねえ!」
「…何も出来ずに逃げていたように見えていたが?」
「なんだと!」
そう話していると
「あ! あなたはおじいちゃんが認めたトレーナー!」
「何?」
ゴールドはその少年、『シルバー』が手に持っているボールを見る。
「…ヘビーボール。 って事はあのじいさんはオレを認めないでこいつは認めたって事か? 気に食わねえな。」
そう言いゴールドは。
「捕獲って言ったな。そのヘビーボールでリングマを捕まえようとしてるって事か、なら! エーたろう!」
ゴールドはシルバーが攻撃をする前にエーたろうの“みだれひっかき”でリングマを攻撃する。
「ム! 横取りする気か!?」
「横取りはそっちだろうが! こっちはヒメグマとリングマを狙って先に会ったんだ!横取りされてたまるか!」
その攻撃を喰らい、リングマは女の子に向かって攻撃する。
「きゃああ!?」
「よっと!」
その女の子を抱えてゴールドは攻撃を回避する。
「(ち、やっぱりデカいだけあって、体力が多いな。)」
そんなゴールドを見て、
「(当てずっぽうな攻撃。素人だと分かるが、ポケモンの力量は高い。)」
シルバーはそう考えていると、ヒメグマはそのゴールドに向かってずつきをして来る。
「にゃにい!?」
ゴールドは女の子を抱えたまま回避するが、足を捻ってしまう。
「(ち! しまった。足を!)ぐう。」
「お兄ちゃん!」
ゴールドの背中に乗っている女の子はゴールドを心配する。その隙を狙い、リングマはゴールド達を攻撃する。
「ニューラ!」
その攻撃をシルバーのニューラが防ぎつつも攻撃する。その結果、リングマの両腕が凍った。
「人の獲物を奪おうとした報いだ。」
「奪おうとしたのはおまえだろうが!」
そう話しているとリングマは凍った両手を溶かしていく。
「…ほのおのパンチで溶かして来たか。」
その時、ヒメグマがエーたろうを襲う。
「こ、こいつもかわいい見た目してるくせに油断ならねえなら、いけ!」
ゴールドはフレンドボールをヒメグマに投げるが、当たってもボールは起動せず、もう一度投げても同じだった。
「あのジジィ! 手抜きしやがったな!!」
「人のせいにするな、バカめ。」
そんなゴールドにシルバーは言う
「なんだと!?」
「ボールを使いこなせないのは、おまえの腕と知識不足の証拠だ。ガンテツ作のボールは
その時、リングマに投げ飛ばされたエーたろうがシルバーにぶつかり、ヘビーボールがシルバーの手元から“コロコロ”と転がり、リングマ達の後ろへ行く。
「……(ギロ!!)」
「今のは事故だ事故!不可抗力だ!」
その間にもリングマとヒメグマの攻撃が襲いかかり、3人は崖へ追い込まれてしまう。
「しまった! 崖に追い詰められた!」
ゴールドは足の痛みを感じつつもそう言いながら後ろにいる女の子を守ろうとしている。
「お兄ちゃん。 ウ、おじいちゃんごめんなさい。もう2度と行かないと約束したのに、ヒメグマと友達になりたいって我儘を言って、みんなを危険に…。」
泣いている女の子にゴールドは頭を乗せて言う。
「大丈夫だ。まだ諦めるな。ヒメグマは捕まえてやるし、絶対に無事に返してやる。」
そう言いながらゴールドは笑って言う。
「
「!」
女の子はその言葉を聞き、あの時の事を思い出す。
ーーー 過去のリングマ山 ーーー
『ウ、おじいちゃんごめんなさい。約束破って。』
そう泣いているとピカチュウを肩に乗せた少年は言う。
『大丈夫だ! 絶対に無事に家に帰れるさ。 俺を信じろ!』
『ピカチュウ!』
『バウ!』
ーーー リングマの山 ーーー
「…グス、うん。」
その言葉を聞いたゴールドはシルバーに問いかける。
「おい、おまえ名前は?」
「…なんで話す必要が「オレはワカバタウンのゴールド。」!」
シルバーはその名前を聞き、驚く。
「(ゴールドだと? 確か、サトシに助けられた…。)」
以前アサギシティでブルーと会った時に情報交換した際に聞いた人物の名前だった事に驚いたのだ。
「ボールにはコツがあるって言ったな。それを教えてくれ。」
「……。」
「頼む。」
そう言うゴールドにシルバーは
「…いいだろう。」
シルバーは説明する。ガンテツ作のボールのコツは2つ。
一つは『投げるタイミング』、二つ目は『当てどころ』だと。
特に『当てどころ』は最も重要で、どんなポケモンにも生体エネルギーが集中したツボがあり、そこに当てる事でボールは真の力を発揮するとのこと。
「リングマは胴に位置する真円の中央! ヒメグマは額の三日月模様そのものだ!」
「…OK。それさえ分かれば充分だ。」
ゴールドはそう言いながらキューの先をフレンドボールに付ける。
「ヘビーボールは今手元に無い。そのフレンドボール一個でヒメグマとリングマどっちを狙う?」
シルバーがそう聞くと
「
そう言いキューでビリヤードの様にフレンドボールがリングマとヒメグマの周りを移動する。そしてヘビーボールと当たり、ヘビーボールはシルバーへ、フレンドボールはゴールドの手元へ戻って来る。
「な!?」
「よし!」
シルバーはその技術に驚きながらもボールを受け取り、
「これで決まりだ!」
ゴールドと同じタイミングでゴールドはヒメグマへ、シルバーはリングマへ先程説明したツボに当てる。すると2匹ともボールの中に入り、ゲットする。
「やった! 同時に2匹!」
「どーだ! これで貸し借りなしだぜ!…えーと。」
そこでゴールドはまだシルバーの名前を知らない事を知る。それを見たシルバーは
「シルバーだ。」
「え?」
「オレの名だ。」
自身の名前を言う。
「シルバーか、シルバー! これで貸し借りなしだぜ!」
「…ゴールドと言ったか、忠告しといておく。これ以上オレに関わるな。
そう言い、シルバーはその場から走り去る。
「…なんでぇ、わからねぇやつ…ん?
その言葉に疑問を持つ。
「(オレがサトシさんに助けられた事は世間じゃ知らない筈、それに“も”って事は。)」
そう考えゴールドは
「お嬢ちゃん。あのシルバーにサトシさんに助けられた事を話したのか?」
「ううん。話してないよ。村の人も知らないんじゃ無いかな?」
その言葉に確信する。
「シルバー、あいつもサトシさんに助けられたってことか?」
ゴールドがそう考えていると、
「お兄ちゃん、本当にヒメグマを私にくれるの?」
「! あ、ああ! もちろん!」
ゴールドはヒメグマを女の子に渡す。
「ありがとう。 これからよろしくね。」
女の子がそう言うとヒメグマは“ニコ”っと笑う。
「…さてと、ダイゴとじいさんにバレて怒られる前に山を降「もう怒っているけどね。」りようぜ…え?」
その言葉にゴールドと女の子は上を見る。すると
「やあ。二人とも。探したよ?」
メタグロスに乗ったダイゴがいたのだ。その後の事は想像に任せるが、結果は
「………。」
ガンテツの家でゴールドは廃人の様にただ黙って地面を見ているだけとなる。
いかがでしたでしょうか?
次回は本編となります。ではまたの機会に。