ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記   作:KAZ1421

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本編続きです。

ワタルの過去に関しては断片的にしか無い為、アレンジと独自の設定が加えてあります。どうかお付き合い頂ければ。 ではどうぞ。


グレンタウンの戦い②

グレンタウンで四天王のワタルとシバと戦うレッド、イエロー、サトシの3人。ジムリーダーのカツラと協力して、レッド、イエロー、カツラはシバとサトシはワタルと戦闘を繰り広げていた。レッドはシバの攻撃で分断され、イエローとカツラでシバと戦う。一方、サトシの問い掛けにワタルは人間を敵視する理由を話す。

 

 

ーーー 過去 ーーー

 

『これは!? ポケモンたちが!!』

 

ある場所で少年はその光景に驚く。以前訪れた際には森、川があったこの場所は枯れ果て、元気に暮らしていたポケモン達は皆弱っている。中には命を落としたポケモンもいるかもしれない。

 

『ミニリュウ達は!?』

 

少年はかつて共に過ごし、友達となったポケモン達の所へ向かう。すると、

 

『!? 皆!!』

 

そこには弱っているポケモンたちがいた。3体のミニリュウとコイキング。彼らは少年が友達になったポケモン達だ。

 

『しっかりして! みんな!』

 

少年が抱き抱えてそう問いかけると、僅かに反応するがとても弱っている事が分かる。

 

『どうして、どうしてこんな事に!』

 

少年が必死にどうにかしようとするが、何も思い付かない。

 

『お願い! 死なないで!!』

 

少年がそう思いながら強く願うと奇跡が起こる。自身の手から何かの力のようなものが出て、抱き抱えたポケモンが徐々に回復していくのだ。

 

『! どうして? でもこれなら!』

 

少年は理屈は分からないが、他のポケモン達も治るかも知れないと考え、実行する。順に治っていくと、ふとある光景が頭に浮かぶ。

 

『何これ?』

 

ある建物から流れた物が湖に来ると苦しくなった。しかし、また此処で会うと少年との約束の為に此処に留まっている。その光景を見て少年は悟る。この光景は今抱えているミニリュウの記憶だと。

 

『あの建物が…原因?』

 

少年、『ワタル』は強い怒りを抱き、言う。

 

『許せない!』

 

 

 

ーーー グレン島 上空 ーーー

 

 

「カイリューの棲家を人間に奪われた?」

 

サトシはワタルから聞かされたその言葉に驚く。

 

「そうだ。 カイリューだけじゃない。ハクリューやギャラドス達の故郷は人間たちが作り出した汚染物質によって自然は枯れ、多くのポケモンたちが命を落とした(・・・・・・)。」

「!? 人間たちが? どうして! 何も対策しなかったのか!?」

 

サトシはワタルの言葉に質問する。

 

「当時、その事態を引き起こすとは思わなかったとの事だ。その責任に工事の閉鎖と多くの賠償金を払ったとあったが、当然そんな事で許せるものではない。そもそもあの場所を開発しようとした理由が、『人とポケモンのより良い未来の為』と言うのだから笑えるものだ。」

「…。」

 

その言葉にサトシは何も言えない。 環境を破壊して建物などを作るという事は良くある話だし、サトシの世界でもそうしようとしてポケモンたちとのトラブルになったというのは何度も見た。

 

例えば、ホテルの建設の為にメノクラゲ達の棲家を破壊しようとした事でメノクラゲ達がその反撃として人間の町を破壊した事件。

 

例えば、ダムの建設によってポケモン達の棲家としている場所が無くなってしまう事を恐れてその建設を邪魔していたディグダ達。

 

もしかしたらサトシがいない場所で他にも工事によってポケモンたちの棲家に振動などが起こり、そのポケモン達がそれを阻止しようとして工事の人たちを攻撃しているかも知れない。(例えばワルビルやワルビアル達とか)

 

 

「…ワタルさんはそれでポケモンと人間の絆を否定しているんですか?」

 

サトシの言葉にワタルは言う。

 

「それも理由の一つだ。あの日からこの計画を考えてはいたが、最も大きな要因はポケモン協会の愚行だな。」

「ポケモン協会の?」

 

サトシはその言葉に疑問を持つが直ぐに思い出す。

 

「イエローが言っていたレックウザの事か?」

「…そうだ。」

 

 

ーーー 過去 りゅうのあな ーーー

 

『? この子は?』

 

ワタルはジョウト地方の『りゅうのあな』に久しぶりに訪れた際、ある女の子が布団で眠っていた。一度も見た事がない人物だった為、質問をしたのだ。

 

『この子はホウエン地方の“流星の民”と呼ばれる者たちの1人だ。名は『ヒガナ』という。』

 

ワタルの質問に、りゅうのあなにいた自身の知り合いが答える。

 

『…長老も今は何処かで話している様だが、何があったんだ?』

 

いつもこの場所にいる長老がいない為、質問するとその質問に答える。

 

 

『…今長老は“流星の民”の代表と話をしている。長老を含む一部の者達は彼らと交流があった。彼ら“流星の民”はある“ドラゴンポケモン”を信仰していてな。その繋がりで交流があったのだ。』

『そんな“流星の民”が何故此処に?』

 

ワタルの質問に相手は険しい顔をする。

 

『…その信仰しているポケモン、『レックウザ』がポケモン協会の手の者に奪われたのだ。』

『何!?』

 

ワタルはその言葉に驚愕する。

 

『ポケモン協会が何故?』

『…それについては昨日、フスベジムのジムリーダーとなった『イブキ』を通じて問い合わせたよ。それで他言無用という事で理由が分かった。』

 

ワタルはその理由を聞く。

 

『ポケモン協会がレックウザを捕獲したのは、『人とポケモンの未来の為』だそうだ。』

『な!? 何故だ!?』

 

 

ワタルはポケモンを奪った理由を聞き、怒りを露わにしながら問いかける。

 

『ポケモン協会はある2体のポケモンを悪用しようとしている組織がいる事を掴んでいた。その組織の名は『アクア団』と『マグマ団』というそうだ。』

 

話を続ける。

 

『この2つの組織は『カイオーガ』『グラードン』という古代ポケモンを狙っているとの事。 そのポケモンたちが目覚めて仕舞えば、

世界規模の天変地異(・・・・・・・・・・)が起こり、世界中のポケモンと人間の多くが犠牲になるとの事だ。そしてその二体のポケモンたちを抑える事が出来るのはレックウザ(・・・・・)だと。過去にもその実例があるそうだ。』

 

その瞬間、寝ていた女の子、『ヒガナ』が目を覚ます。

 

『…ァ。』

『! これは? まさか声が出ないのか(・・・・・・・)!?』

 

ワタルはそんなヒガナの状態を見て悟る。声が出せないのだと。

 

『…ああ。ヒガナは目の前で友人が死ぬのを見てしまってな。そのショックで声が出せないのだ。』

『! 友人が死んだ!? まさかその友人の死因は…』

 

ワタルの言葉に頷く。

 

『ああ。ポケモン協会との戦闘でヒガナの友人は

命を落としたのだ(・・・・・・・・)。目の前でな。』

『!』

 

ワタルは詳細を聞くとポケモン協会は“流星の民”の存在を知らなかった様で、レックウザの捕獲を実行したその時、レックウザと心を通わせていた『シガナ』という人物は彼らがレックウザを無理矢理捕らえようとしている事が分かり、それを阻止するために戦闘したのだ。だがデボンコーポレーションの代表の指示で完成したある兵器を使用した際、空中にいたレックウザが倒れたと同時にシガナはその攻撃でレックウザから落ち、そのまま命を落としたのだそうだ。そしてヒガナはその光景を見てしまった事で声が出せなくなったのだ。

 

『…馬鹿な、何故黙っているのだ!! こんな事をされて!』

『…アクア団、マグマ団、それにジョウトやカントーにいるロケット団に知られて仕舞えば必ずレックウザを利用される。それを阻止する為だそうだ。』

『……オレは認めない。』

 

ワタルはこの状況に怒りを抱く。

 

ーーー グレン島 上空 ーーー

 

「…レックウザを奪った理由が、『人とポケモンの未来』の為?」

 

サトシはワタルの言葉に驚愕する。特にポケモン協会の目的が『カイオーガ』『グラードン』にそしてマグマ団とアクア団に対抗する為と知り、驚愕したのだ。

 

「その事を知ったオレは人間とポケモンは分かりあうのは不可能だと考えた。 無論、イエローやレッド、サトシ、お前たちの様にポケモンと分かり合っている人間も少ないがいるだろう。」

 

ワタルは言う。人間とは何なのか。

 

「人間はポケモンの事も考えているだろう。ポケモンを大切にしたいと考えているだろう。だが、人間はポケモンの為とすればする程、

ポケモンたちを傷付ける生き物だ(・・・・・・・・・・)!!」

「!」

 

そのワタルの考えにサトシは驚愕する。ワタルのポケモンたちもレックウザ関連もすべて、『人とポケモンの為に起こした行動』でポケモンたちが傷ついたのだ。そしてそれはサトシの世界でも言える。

 

争いの無い世界の為に行動した『フレア団』。

 

はるか未来に枯渇するエネルギー問題を解決するために行動した『ローズ社長』。

 

大地を広げて人間の理想郷を作ろうとした『マグマ団』や海を広げてポケモンの理想郷を作ろうとした『アクア団』。

 

新たな宇宙を創造しようとした『ギンガ団』

 

 

彼らは自身の理想の世界を作ろうとして行動し、多くの犠牲が出る、またはその寸前だったのだ。ワタルの考えも一理あるだろう。

 

 

 

 

「だから、人間はポケモンの敵って事ですか?」

「そうだ…本来ならこの計画は、あと2年かかる計画だった。」

 

ワタルは現在実行している計画について話す。

 

「仲間を集め、『あのポケモン』が何処に現れるか突き止め、

そのコントロール方法などを考えていた。だが、3か月前、

あの事件(・・・・)が起こった。」

「…ウルトラホール。」

 

サトシはワタルが言う事件、ウルトラホールの事だと悟る。

 

「あの裂け目の事か。 ああ。そこから出てきた巨石だったか?それを手に入れた事で『あのポケモン』を操る為のエネルギーは解消され、後は数個のジムバッジのみとなった。」

 

ワタルはそう言いながらサトシを指差す。

 

「その時に現れたのがお前だ、『サトシ』!」

「ッ!」

 

ワタルはサトシを見て話す。

 

「シバやカンナもお前がおつきみやまでのポケモンに対する思いは認めていた。だからこそ勧誘もした。そんなお前が平行世界の人間である事、そしてその世界のオレたちがお前の成長を助けていた事!」

 

 

ワタルは自身の思いを全てぶつける。

 

「お前は別の世界のオレたちによって成長した人間だ。それも『ポケモンとの共存が可能な人間』!」

「……。」

 

その言葉にサトシは考える。

 

自身の世界のシバと会い、ポケモンバトルでのポケモンとの絆の大切さを学んだ。 

 

自身の世界のカンナと出会い、トレーナーとしてポケモンとの付き合い方を学んだ。

 

自身の世界のワタルと出会い、自身の命を助けて貰い、ホウエン地方での事件では自然との共存の大切さを学んだ。

 

自身の世界のキクコと出会い、次の目標へ向かうキッカケをくれた。

 

 

他にも様々な出会いがサトシを形成したが、特にカントーの四天王との出会いはサトシにとって大きな事だった。

 

「そんな人間がその世界のオレたちによって生まれたという事実!そんな世界がある事!忌々しいが認めよう。 そのカイリューの記憶を見て認めざるを得ない。」

 

 

 

カイリュー同士の激突の時にサトシのカイリューの記憶を見た。

 

例えば、カイリューの島を見つけてもカイリュー達の為にその情報を隠す事を決めた研究者がいた。

 

例えば、ホウエン地方で温泉が出なくなり、その原因がアブソルのせいと言われてもそれは違うと言い続け、その誤解を解き反省をさせていた。

 

例えば、人形からポケモンとなったジュペッタの元の持ち主を探す為に奮闘し、ジュペッタの希望を叶えた。

 

 

これ程ポケモンの事を考え、行動するトレーナーをワタルは見た事がない。

故に『サトシ』という『世界チャンピオン』の称号を持つトレーナーを認めざる得なかった。

 

 

 

「だが、この世界は違う!この世界の人間はポケモンを傷付ける生き物となってしまっている。ならば、我らのような優秀なトレーナーのみが残り、他の人間たちからポケモンを解放する!それがオレの考えだ!」

「…ワタルさん。」

 

サトシはその言葉に理解する。 自身の存在を認めてもそれは平行世界(・・・・)での話。この世界は違うのだと。

 

「サトシ、この世界とお前の世界は違うのだ。お前の様なトレーナーが少なからずいる。だが、そんなトレーナーは少数でポケモンの害となる人間が多すぎる。故にオレたちは止まらない。相手がお前であろうともオレはポケモンの為に人間から解放する!」

 

ワタルはそう言い、カイリューの切り札を使う事を決める。

 

「カイリュー、“げきりん”!」

 

カイリューがげきりんを使用する。

 

 

ーーー グレン島 ーーー

 

「仕事? それはなんですか!?」

 

イエローはシバが言った『仕事』という言葉について問いかける。

 

「詳細は言わないが、オレたちはロケット団との戦いで『ミュウツー』というポケモンの存在を知った。そのポケモンについて知っている事を全て話してもらうぞ。カツラ。」

「「!」」

 

『ミュウツー』 サトシ曰く、人工的に作られたポケモンでこの世界ではカツラが作ったポケモンだ。そのポケモンの事を知っている事に驚く。

 

「…ミュウツーについて知りたいだと? 弱点などを知りたいのか?」

「ああ。今後戦う時にはその対策を考えなければならないからな。」

 

そう言うシバにカツラは答える。

 

「確かに『ミュウツー』は私が作った。ロケット団が手に入れた『ミュウ』の細胞と巨石のエネルギーを利用して誕生したポケモンだ。」

 

カツラはレッドが穴から此処に来る時間稼ぎの意味でも詳細に語る。

 

「…ミュウツーは戦う為に生み出された“いでんしポケモン”。数多くの敵がいる場合、サイコエネルギーを竜巻に変えて攻撃し、相手が1匹ならば同じエネルギーをスプーン形の武器に集約し攻撃する。正に多数でも単体でも強力なポケモンだ。しかも巨石の力を使っている為、その威力は強大だ。弱点はほとんど無いが攻撃のタイミングがあるとすれば竜巻を引き起こそうとする際、その竜巻が完成する前にミュウツーのいる中心部に突っ込む事だ。以前私はその方法で攻撃した。」

 

カツラはミュウツーについてその強さとその弱点を言う。

 

「…そうか、これでここに来た目的は達成したな。後はワタルの邪魔が出来ないよう少し眠って貰おう。」

 

そう言い、シバはニョロボンをウインディへカポエラーがラッちゃんとチュチュの所へ向かう!

 

「ニョロボン、“じしん”! カポエラー、“でんこうせっか”!」

 

イエローとカツラが構える前にウインディは倒れ、ラッちゃんはでんこうせっかを喰らい、

 

「“トリプルキック”!」

 

カポエラーの“トリプルキック”でチュチュとラッちゃんにまとめてダメージを与える。

 

「! チュチュ! ラッちゃん!」

「く、ギャロップ、“ふみつけ”!」

 

カツラがニョロボンへ攻撃する。だが、

 

「“たきのぼり”」

 

ギャロップは“たきのぼり”を喰らいそのまま倒れる。

 

「ぬ! 強い!」

「ラッちゃん、“ひっさつまえば”!」

「カポエラー、“カウンター”!」

 

ラッちゃんの攻撃に“カウンター”を入れ、ラッちゃんは倒れる。

 

「! ラッちゃん!!」

「ニョロボン、“じしん”!」

 

そのまま追撃にチュチュに攻撃しようとしたその時、別方向から電撃が来る。

 

「何!?」

 

その攻撃がニョロボンへ命中する。

 

「! チュチュ“10万ボルト”!」

 

その隙を逃さず、チュチュの電撃でニョロボンを攻撃してニョロボンは倒れる。

 

「ピカ!」

「! ピカ!? どうしてここに!?」

 

先ほどの電撃の方向からピカが来てイエローとチュチュへ駆けていく。

イエローがその理由をトキワの力で見ると、レッドがイワークの攻撃を喰らう前にせめてピカだけでも戦力となるように咄嗟に繰り出した事が分かった。ピカとイエローはトキワの森での関係で信頼もある。それを考えてのことだった。

 

「…レッドさん、ありがとうございます。 ピカ、チュチュ! レッドさんが来るまでここで戦うよ!」

「…なるほど、レッドの仕業か。 まさかあの時咄嗟にピカチュウを繰り出していたとは、おかげでニョロボンは戦闘不能となってしまった。」

 

シバはそう言いながらレッドがきた際に対応出来るように待機していたイワークとカポエラーをイエローとカツラへ向ける。

 

「! イワーク、また厄介なポケモンだ。キュウコン!」

 

カツラはキュウコンを繰り出し、シバと対峙する。

 

 




以上いかがでしょうか?

例のボーマンダの事件はレッドたちがロケット団との戦いでの年の出来事だと何処かで見ました。という事はこの時期からあの二つの組織は動いていたんですね。

この戦いは思った以上に長引きそうです。

ではまたの機会に。



ワタルの過去のアレンジはいかがでしたでしょうか?
ご理解の程をよろしくお願いします。
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