ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記   作:KAZ1421

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本編続きです。


今回は少し短いです。


フスベシティ

 

ワカバタウンでキクコの映像からポケモン協会で自分たちと対峙している『シモン』という男が関わっている事件の証拠をフスベシティのイブキが持っていることを知ったレッド達一行はフスベシティへと向かうのだった。

 

 

 

─── りゅうのあな ───

 

時は遡り、まだワタルが四天王を組織していない頃、イブキがワタルに問う。

 

 

『兄者、本当に行くのですか?』

 

『……ああ。』

 

 

久しぶりにりゅうのあなへ来たワタルはイブキに自身の目的を話した。

 

ポケモンの理想郷を作るという目的の為に戦うと。

 

 

『…今までの旅、ポケモンは人間の愚かな欲望によって皆苦しんでいた。 オレはそれを解決したりしていたが、『今回の件』でそんな事ではいつまでも変わらないと理解した。 人間はポケモンの敵となってしまっているとな。』

 

 

そうワタルは『レックウザの件』で人間はポケモンに対して害を及ぼす存在になっていると結論した。

 

 

『…なぜそれを私に? 私はジムリーダーです。 理解はできますがそれを許すつもりは『だからこそだ。』? どういう…。』

 

 

イブキはワタルが話した理由を問う。

 

 

『オレはポケモンのためとはいえ多くの人間を不幸にする。 オレやお前のような優秀なトレーナーなど少ないからな。 オレの目的が達成した時、そこにはそんなトレーナーとポケモンのみが残る。 その時はイブキ、()()()()()()()()。』

 

『!? 兄者…。』

 

 

ワタルの言葉にイブキは理解する。 ワタルは自身が目的を達成した後の世界にはワタル自身は存在していないという事を。

 

 

『…ではな、イブキ。』

 

『!? ま、』

 

 

ワタルはそう言い、カイリューに乗り飛び立つ。

 

イブキはワタルを止める事が出来ず、見ることしかできなかった。

 

 

 

 

─── フスベシティ ───

 

フスベシティ。 

 

岩肌を切り開いた神秘の里。

 

此処はドラゴン使いにとっては出身地および聖地として知られる神聖な里だ。

 

中でも有名なドラゴン使いと云えば当然ジムリーダーのイブキだろう。

 

彼女の通り名は「せいなる ドラゴンポケモン つかい」と呼ばれ、ドラゴン使いとして有名でありながら、ジョウト地方のジムリーダーを務めている。 

 

それ故にジョウト地方のジムリーダーの中でも最も信頼と実力を兼ね備えているヤナギの次の実力者としてポケモン協会から信頼されている。

 

 

 

そんなフスベシティに7人の少年少女が訪れた。

 

 

「…此処がフスベシティか。」

 

 

初めて来る街にレッドはそう言いながら辺りを見渡す。

 

険しい山々に囲まれてはいるが、住むのには全く問題無い。

 

 

「…前に師匠の所で修行していた時に聞いた事がある。 この街はドラゴン使いにはとって聖地だと。」

 

 

グリーンは師匠(シジマ)の所で修行していた際、フスベシティの事を耳にした事を話す。

 

 

「ええ、一度四天王について調査していた時にこの街にある“りゅうのあな”にワタルが通っていたっていう情報があったわ。 特別な力をワタルが持っているって情報はこの街でシルバーが手に入れたの。」

 

 

ブルーはそう昔の事を話す。 四天王のワタルに関する情報はこの街で入手したと。

 

 

「…聖地って事は、ワタルはこの場所で修行して強くなったって事ですか?」

 

 

ワタルと何度も対峙したイエローはワタルがドラゴン使いであるので、此処で修行してあの実力を身につけたと考える。 その言葉にブルーは“多分ね。”と言う。

 

 

「…でもそれって大丈夫なんですか? この街そのものが四天王と繋がってる可能性があるから皆さんにとっては危険な街じゃあ…。」

 

 

クリスはレッド達の話からそう自身の不安を口にする。

 

その話が本当ならば、この街の数人が四天王に協力してもおかしくないと言う。 ましてやレッド達は四天王と対立し、勝利したのだ。この街そのものに煙たがられても可笑しくない。

 

 

「サトシさんは一度ワカバタウンに来る前に寄ったんッスよね? 前と今、どう思いますか?」

 

 

ゴールドは家でサトシと共に食事をした際に聞いた事からサトシに違いがあるか聞く。

 

 

「いや、前は巨石がない事が分かって必要な物を買っただけだから分からないや。あの時はジムには行くことも禁止されてたし。」

 

「ピカチュウ。」

 

 

サトシはフスベシティに寄ったが巨石が無かったのですぐに街から離れたと言う。

 

 

「なら注意して行きましょう。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

ブルーの言葉に全員が頷く。

 

ヒワダタウンでのことでゴールドとクリスが付いてきたが、フスベシティには図鑑所有者達とサトシ全員で向かう予定だった。

 

理由は先程クリスが話した通り、このフスベシティに四天王の協力者がいても不思議ではないからだ。

 

更にポケモン協会の手の者がいないとは限らない。 ここはジムのある街でもあるからだ。

 

 

一行は警戒しながらフスベジムへと向かうのだった。

 

 

 

 

─── フスベジム ───

 

フスベジム。

 

ここは“ドラゴンタイプ”の専門家(エキスパート)のイブキがジムリーダーを勤めているジムだ。

 

 

だが現在、このジムにはイブキはいない。

 

理由は純粋に彼女が“りゅうのあな”にいる野生のドラゴンポケモンを相手にバトルしている最中だからだ。

 

今は1人の男性がジムの掃除を手伝っている状態だ。

 

 

「ふう、ようやく終わった。」

 

 

彼の名はリュウ。

 

このフスベシティにいるドラゴン使いの見習いだ。

 

彼がフスベジムにいるのは修行がてら、ドラゴン使いの一族の長の孫であるイブキの手伝いが目的でもあるが……。

 

 

「(イブキ様は落ち着いたでしょうか。)」

 

 

普段より落ち着かない様子のイブキの為でもあった。

 

その理由は数日前、正確には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「(…やはりあの日に届いた手紙を見てからイブキ様は落ち着かない様子だった……。 無理も無い。 ワタル様が行動する事を手紙を通じて教えてくれていたがそれ以降返事はない。つまり勝ったとしても、負けたとしても連絡がないのでは安否の確認の仕様がない。しかもカントーには特に大きなニュースなどが無いとなれば、おそらく……。)」

 

 

彼もまたワタルの目的を知っている人物の1人だ。

 

ワタル率いる四天王が勝利していればカントーについて何かしら速報ニュースや新聞などで取り上げられても不思議では無いのだがその様な情報は一切ない。 そしてワタルからの手紙はまだ来ない。

 

おそらくワタルは負けたのだ。 しかも連絡が無いという事は最悪の場合……。

 

 

 

そんな状態であった為、イブキは落ち着かない様子だったのだ。

 

イブキは野生のドラゴンポケモン達とのバトルに集中することで心を落ち着かせている状態だ。

 

彼がそんなイブキの変わってジムの整理をして終わらせたその時、

 

 

「失礼します。」

 

「ピカチュウ。」

 

 

サトシ達がフスベジムに来たのだ。

 

 

 

 

 

 

「すみません。 ジムリーダーのイブキさんはいるでしょうか?」

 

 

サトシの質問に男性は答える。

 

 

「挑戦者の方々でしょうか? イブキ様は今ジムを留守にしておりまして……! ピカチュウを連れた少年、赤い服ジャケットを着た少年。 それに麦わら帽子の…! ま、まさか。」

 

「「「?」」」

 

 

男性はサトシ、レッド、イエローの格好を見て驚いていた。

 

そして、

 

 

「……失礼ですが、どの様な用事であろうとも現在は対応出来ません。少し時間が掛かりますが、私の方から今イブキ様にお伝え致しますので皆様のお名前をお教え頂けないでしょうか?」

 

 

その言葉に警戒を強めたグリーンとブルー以外は正直に答え、後で2人も悩みながらも結局自身の名前を言う。

 

 

「…そうですか、ありがとうございます。 私はイブキ様にこちらへ来るよう伝えに行きますので少々お待ちください。」

 

 

そう言い男性は7人にジムで待つ様に伝え、ジムを後にする。

 

 

 

 

「…みんな、気づいた?」

 

「? 何がですか。」

 

 

 

ブルーの言葉にイエローが聞くと、

 

 

「あの人、レッド達を見た瞬間何か驚いていたわ。」

 

 

その言葉にゴールドは言う。

 

 

「驚いてたって事は、サトシさんや先輩達の事を知っていたってことか?」

 

 

その言葉にグリーンは首を振る。

 

 

「いや、正確にはどのような特徴か聞いて、それを確認する為に名前を聞いたって所か。  此処からは注意しろ。 何か仕掛けてくる可能性もある。」

 

 

その言葉に全員が気を引き締める。

 

 

 

 

 

─── りゅうのあな ───

 

 

この“りゅうのあな”には常に戦いに飢えているドラゴンポケモン達がいて、ドラゴン使いにとっても良い修行場となっている。

 

そんなポケモン達を複数相手にしながらも全く引かない…いや、有利な状況でバトルをしている女性がいた。

 

 

「“りゅうのいぶき”!」

 

 

その攻撃を受け、野生のカイリューは倒れる。

 

 

「…終わりか。」

 

 

彼女、イブキはりゅうのあなにいた野生のドラゴンポケモンとの戦いに勝利し、心を落ち着かせるが。

 

 

「(……やはり心に余裕が出来ると兄者の事を考えてしまうな。)」

 

 

その度にイブキはいとこであり、兄弟子であるワタルの事を考えてしまう。

最後に会って以降、手紙でワタルから連絡は来ていたがカントーであった、謎の野生のドラゴンポケモン達がヤマブキシティを襲ったというニュースを聞き、イブキはついにワタルが動いたのだと理解したのだが、それ以降大きな出来事は無かった。

 

 

個人的に調査したのだが、現在分かったのはその前にグレンタウンでそのジムリーダーと3人の少年達がワタルとその仲間が戦った事まで。

 

それに以外はまだ調査中だ。

 

 

「…ジムに戻るか。」

 

 

鍛錬を終えてジムに戻ろうとしたその時、

 

 

「イ、イブキ様!!」

 

 

ジムで手伝いを申し出てくれたリュウが慌ててこちらに来たのだ。

 

 

「どうしたリュウ? 其方から提案されたとはいえジムを放棄するとは…相応な理由があるのだろうな?」

 

 

イブキはリュウにジムの留守を放棄する理由を聞く。

するとリュウの言葉にイブキは驚く。

 

 

 

グレンタウンにてワタル様と戦闘をしたと思われる3人の少年が()()()()()()()()()()()()!!

 

「!?」

 

 

 

 

─── フスベジム ───

 

7人がフスベジムで待っていると、先程の男性が再び現れる。

 

 

「大変お待たせしました。 現在イブキ様はりゅうのあなという場所で鍛錬をしておりましたが、本日中に会うのでしたらりゅうのあなにてお会いするとの事ですがお会いになりますか?」

 

 

 

彼の言葉に全員が考える。

 

 

「どうしますか?」

 

「…行こう。」

 

 

イエローの疑問にレッドは行くことを提案する。

 

 

「…罠かも知れないんだぞ?」

 

 

グリーンはそう可能性を話す。 それに対してサトシは言う。

 

 

「でもジムリーダー試験まであと2日も無いし、時間が惜しい。」

 

 

サトシの言葉を聞いてグリーンは頷く。

確かにまだセンリの居場所も分からず、試験の場所も不明とならば少しでも時間は惜しい。

 

相談後、7人は彼の言葉の通りにりゅうのあなでイブキと会う事にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

7人がりゅうのあなに向かったのを確認し、リュウはあの3人の少年の事を考える。

 

 

「彼らがグレンタウンでワタル様と戦い勝利した3人か…、 ジムリーダーのカツラにどうにか接触しようとしていたが、まさか彼らの方から来るとは。」

 

 

一悶着あるだろうが、彼らと話し少しでもイブキの心が救われる事を願いながらジムの留守番をしようとジムに入る。

 

 

 

 

一方街の入り口にて

 

 

「……ここがフスベシティか」

 

 

ある人物がこのフスベシティに到着する。

 

 

 

 

 

─── りゅうのあな ───

 

 

りゅうのあなに入った一行は指定された場所へと向かう。

 

 

「ここがりゅうのあなって所か。」

 

「ええ、此処はドラゴン使いの聖地って言われてる場所、綺麗な場所。」

 

 

ゴールドとクリスが…いや、全員が洞窟内の光景と雰囲気に圧倒されていると、

 

 

「! あの格好……イブキさんか?」

 

 

サトシはそこにいた人物の姿が知っているイブキと似ている為、そうだと推測し、近づく。

 

 

 

 

すると、   “さばぁ!!

 

と水中から勢いよくドラゴンポケモン達が飛び出し、サトシとイブキの周りを“たつまき”で覆い尽くした。

 

 

「!? サトシ!!」

 

「サトシさん!!」

 

 

 

突然の光景に6人が驚きつつサトシに声をかける。

 

 

「これは、“たつまき”で俺を閉じ込めたのか?」

 

「その通りだ!」

 

 

サトシの言葉にイブキが自身の持っているムチをサトシの腕に絡ませながら言う。

 

 

「さあ、教えてもらうぞ。 兄者のことを!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

─── ウツギ研究所 ───

 

 

 

 

その頃、ウツギ研究所ではキキョウシティからハヤテとミナキ、そしてマサキの3人がクリスの母親を連れて研究所に到着する。

 

 

「すまねぇな、奥さん。 忙しいだろうに巻き込んじまって。」

 

「いや、大丈夫だ…ぴょん。 ──クリスの状況は聞いている。」

 

 

クリスの母親はキキョウシティでマツバとミナキからポケモン協会の事を聞き、合流したマサキから更にロケット団を操り、クリスを誘拐しようとしていた事を聞いたのだ。

 

 

「…ポケモン協会がそこまでするとは、息子と『アイツの弟子』も巻き込まれているって聞いてる。 『アイツ』が聞いたら憤慨する…いや、(もしかしたら自身の教えでここまで強くなった事を誇りに思うかもな)。」

 

 

ハヤテは自身の息子のハヤトとシジマの弟子の事を思う。

そんな話をしながら研究所の中へと入る。

 

 

 

「オーキド博士、只今戻りました。」

 

「2人とも、それにあなたがキキョウジムのジムリーダーのハヤテか。 クリス君の家族の護衛、感謝する。」

 

 

オーキド博士がそう3人に感謝を言う。

 

 

「いや、問題ねえ。 ハヤト、おめぇも大変だったな?」

 

「はい。まさかここまでの事態になるとは思いませんでした。」

 

 

ハヤトは護衛の仕事から四天王、そしてポケモン協会と警察の闇と出来事のスケールが大きくなった現状について正直に言う。

 

 

「すまんのう。 それにクリス君のお母様も今回はクリス君を巻き込んで本当に申し訳ない。」

 

「心配しないでください。 ここまでの事態になっても放棄して保護してもらわないのはクリスの意思。 なら問題ない──あ、ぴょん。」

 

 

クリスの母親はクリスの意思を尊重すると言う。

 

 

「そうか、……マサキ君、頼んでいた調査はどうかね?」

 

 

オーキドの言葉にマサキは答える。

 

 

 

今回行われるジムリーダー試験の場所は確認したで、ただ試験者の場所は全く不明だった。」

 

 

“けど”とマサキはもう一つの情報を話す。

 

 

「今回の試験、どうやらホウエン地方のオダマキ博士が付き添いで来るっていう噂があった。 もしかしたらセンリさんじゃなくてオダマキ博士っていう人物を見つけるのが良いかもしれないで?」

 

 

その言葉にウツギ博士とオーキド博士は頷く。

 

 

「オダマキ博士。 フィールドワークを好み、研究所におらず研究しているホウエン地方で有名なポケモン博士か。」

 

「もしその情報が正確ならホウエン地方からの船はアサギシティに到着する筈じゃ。 急いでダイゴ君に連絡しなくては。」

 

 

 

 

 

 

 

 

─── アサギシティ ───

 

 

アサギシティの港で船に男性と1人の少女がいた。

 

 

「ようやく到着か。 さてと、早くセンリの所へ行かなきゃな。」

 

 

男性、『オダマキ博士』はそう言いながら少女へ話す。

 

 

 

 

降りる準備をするぞ、『()()()()()』。

 

「うん!」

 

 

 

少女、サファイアはオダマキ博士の言葉に従い、降りる準備をする。

 

 




以上、いかがでしたでしょうか?


何か不備等あれば教えて頂ければ幸いです。
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