ポケットモンスターSpecial 蒼き少年と冒険記   作:KAZ1421

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本編続きです。


VS イブキ

 

ポケモン協会の副会長、『シモン』の独断専行での巨石の利用を阻止する為に動くレッド達。

 

シモンは自身の考えを阻止しかねない証言者であるゴールドとクリスを逮捕したロケット団を操り襲うがそれはレッド達3人に阻止される。

 

ヒワダタウンでキクコが持っていたデータを持ってグリーン、ブルーの2人が合流。 そこでかつてニビシティでレッドとイエローが戦ったカイトの両親が『シモン』によって殺された事を示す証拠をフスベシティのイブキが持っていることを知り、フスベシティへと向かう。

 

 

イブキはジムではなく、りゅうのあなにいる事が分かり、向かうとイブキは自身とサトシを竜巻の中心に閉じ込め、サトシに襲い掛かる。

 

理由は兄弟子であり、いとこであるワタルに関して聞く為だった。

 

 

 

 

 

─── りゅうのあな ───

 

りゅうのあなの野生のドラゴンポケモン達によって発生させられた竜巻の中心でムチで片腕を掴まれたサトシはイブキの言葉に驚く。

 

 

「兄者? イブキさん、一体誰の事ですか? 俺はあったことがあるんですか。」

 

 

サトシは突然このような事をした事も驚いていたが、それよりもイブキが『兄者』と呼ぶ人物の事が気になった。

 

イブキが自分にここまで敵意を向けているのは間違いなくその『兄者』と自分に関わりがあったと推測できるからだ。

 

そんなサトシにイブキは言う。

 

 

「ああ、私は知っているぞ! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!! “でんじは”!!」

 

「!? ピカチュウ!!」

 

 

サトシは驚きつつイブキが繰り出したハクリューの“でんじは”をピカチュウで受け止める。

 

でんきタイプのピカチュウは“まひ”にはならない。

 

ちなみにイブキはピカチュウを狙ったのではない。

 

 

「(俺を狙って“でんじは”を、)兄者って、もしかして『ワタル』さんの事ですか!?」

 

 

自分が狙われた事に驚きながらもグレンタウンでの出来事と自身の世界ではワタルがフスベジムで修行をしていた(正確にはイブキが教えてもらったが)事からそう推測する。

 

その言葉を聞いたイブキは一層敵対心を見せて言う。

 

 

「そうだ! 兄者とは兄弟弟子であり、いとこだからだ!!」

 

「「!?」」

 

 

その言葉にサトシとピカチュウは驚愕するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、竜巻の外側では。

 

 

「フッシー、“ソーラービーム”!!」

 

 

レッドは他のみんなと同様に竜巻に攻撃するが、複数のドラゴンポケモン達によって発生した“たつまき”はビクともしない。

 

 

「くそ! やっぱりまわりのポケモン達を何とかしないといけないか?」

 

「ああ。 賛成だがたとえ倒しても“たつまき”は一定時間掛からないと解かれない技。この強度なら時間まで待つ必要がある。」

 

 

グリーンは倒した後でも時間経過を待つ必要がある事を言う。

 

 

「ですが、倒せばまたこの“たつまき”が発生することはありません!」

 

「そうね。 ゴールドとクリスも協力お願い出来る?」

 

 

ブルーの言葉に2人は頷く。

 

 

「はい! それに野生のポケモンなら私の得意分野です!」

 

 

クリスがモンスターボールを取り出しながら言う。

 

 

「ああ、ジムリーダーだろうがこんな事をした以上容赦しねえぜ!」

 

 

怒りを露わにしながらゴールドはバクたろうを繰り出す。

 

それぞれが戦闘に入ろうとする……その時。

 

 

 

 

 

 

 

「ふガふがフガふガフ。」

 

「おっわ!? 何だこの爺さん、いつの間に!」

 

 

突然ゴールドの後ろに話す事もままならないおじいちゃんが現れた。

 

その瞬間先程までレッド達に敵意を見せていたドラゴンポケモン達がおとなしくなる。

 

 

 

 

「? ポケモン達がおとなしくなった?」

 

「『君たちに迷惑を掛けてすまない。』と長老はおっしゃっております。」

 

 

ポケモン達がおとなしくなった事にイエローが驚いていると先程の長老の言葉を付き人が代弁して言う。

 

 

「……あなたは?」

 

 

クリスが長老達に質問すると答える。

 

 

「フがフがふ、ふがガフがふがフフが。」

 

「…何て?」

 

 

長老が答えてくれているがレッドは分からず質問する。

 

 

「『ワシはこの里の先々代の長じゃ。』とおっしゃっております。 私はその付き人でございます。」

 

 

「この里の先々代の長? ということはドラゴン使いの一族を束ねている一族って事?」

 

 

ブルーの質問にお爺さんは頷き話す。

 

 

「フガがふがフガガふが。」

 

「…やっぱりわかんね。 教えてくれ!(あの人良く分かるな。)」

 

 

ゴールドの言葉に付き人は通訳する。

 

 

「『孫達がすまなかった』とおっしゃっております。 私からも謝罪をさせて頂きます。 申し訳ありませんでした。」

 

 

その言葉にグリーンは気になり質問する。

 

 

「『孫達』?  1人は状況からこの里のジムリーダーのイブキと思うが、もう一人は?」

 

 

その質問は付き人が答えたのだが、その人物に驚く事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()。」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワタルさんが、イブキさんのいとこ!?」

 

 

サトシとピカチュウはイブキが話した内容に驚愕する。

 

自分の世界でもワタルはイブキと繋がりがあったが、まさか『いとこ』とは思わなかったのだ。

 

 

「我が竜の里(フスベ)、先々代がもうけた二人の跡取り候補。それぞれが我が父と兄者の父だった。」

 

 

イブキは自身の家事情を話す。

 

 

「兄者の父は実力的には我が父を上回っていた。 だが!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワタル様の父上は他の町(トキワ)の女性と恋に落ち、その結果跡目を継ぐ事が出来なかったのです。」

 

「…そうなんですか。」

 

 

イエローはワタルがトキワの力を持つ事になった生い立ちを聞き、何とも言えない感情になる。

 

ワタルがあの様な行為をしたのは『トキワの力』でポケモン達の記憶を見る事が出来ることでポケモンの全てを理解していると勘違いした事で起こった悲劇でもあったからだ。

 

 

「ふがフガフ。」

 

「『懐かしい』とおっしゃっております。 ワタル様が幼い頃、良くイブキ様と共に此処で修行をしていたので。」

 

 

そう言った後、付き人は竜巻を見て話す。

 

 

「故にイブキ様はワタル様の事を無理矢理にでも聞きたいとこの様な事をしているのでしょう。 あの2人はまるで兄妹の様でしたから。」

 

 

 

 

 

 

「さあ、兄者が何処にいるのか答えて貰おうか!!」

 

「わ、分かりません。 あの時ワタルさんは『100万ボルト』で吹き飛ばされてましたから、でもワタルさんの事ですからきっと無事───。」

 

 

サトシが言い切る前にイブキは襲い掛かる。

 

 

「ッ! “りゅうのはどう”!」

 

「!? ピカチュウ、“10万ボルト”!」

 

「ピカ! ピカ、チュウ!!」

 

 

話している途中で襲いかかって来たので驚きながらもどうにかピカチュウの“10万ボルト”を放ち“りゅうのはどう”と激突。

 

しかしサトシのピカチュウの“10万ボルト”の威力が上回り、徐々に“りゅうのはどう”が押されていく。

 

 

「(馬鹿な!? ハクリュー以上の威力だと!?) キングドラ、“りゅうのはどう”!」

 

 

ピカチュウの威力に驚きつつ、キングドラの“りゅうのはどう”も加わりようやくピカチュウの“10万ボルト”を相殺する。

 

 

「なるほど、これほどの実力。 兄者に勝てる訳だ。」

 

 

イブキは目の前のサトシというトレーナーの実力に感心しつつ、戦闘を続ける。

 

 

「イブキさん! 俺は話をしに来たんです!! 一度戦いを──。」

 

「お前にとって兄者は悪人だと認識してるんだろう。 だが、私にとっては…。」

 

 

イブキはそう強く拳を握り締めサトシに言う。

 

 

「これは八つ当たりに等しい行為だと理解はしている。 悪事を行なった兄者の自業自得だとも。だが、この行き場のない怒りをぶつけさせてもらうぞ!!」

 

「……イブキさん。」

 

 

サトシはその言葉を聞き、話をするには一度ポケモンバトルをするしかないと分かり、バトルをする。

 

 

 

 

 

 

 

「フガガフガふガがふふ。」

 

「『どうかイブキ様の事を許して頂けませんでしょうか?』とおっしゃっております。 私からもお願いします。 この問題が終わった後、我らが出来る限りの事はするつもりです。」

 

「……まあ、元々こっちがお願いする為に来たからな。」

 

 

元々イブキにワタルから渡された証拠を貰う事を頼む為に来たのでこの状況が解決すれば先程の言葉から受け取ることが出来るだろう。

 

 

「サトシには悪いけど、このバトルの後は無事に受け取れそうね。」

 

 

ブルーはサトシとイブキのバトルが終われば無事に証拠を受け取れそうだと安心する。

(サトシはとばっちりを受けているがサトシの実力ならば問題はないだろう。)

 

 

そうして“たつまき”が解除されるまで待っていると、

 

 

 

「イブキ様! 何処にいますか!!」

 

 

ジムにいた男性が慌てて来たのだ。

 

 

「! あんたはジムにいた野郎!! さっきは良くも黙っていやがったな!!」

 

 

ゴールドはこの状況になると分かっていながら黙っていた男性に怒りを向ける。

 

 

「あ、あの時はすまなかった。! 長!! ちょうどいいです! こちらを。」

 

 

リョウが持っていた物は一つの手紙だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピカチュウ、“でんこうせっか”!」

 

「ピカ!!」

 

 

ピカチュウの“でんこうせっか”がキングドラに命中。

 

 

「速い! これ程のスピードで迫ってくるとは。」

 

 

イブキはいつの間にかキングドラに攻撃していた様にしか認識出来ない程の“でんこうせっか”を見て考える。

 

あのスピードで動くピカチュウは厄介だ。そしてあの威力に身のこなし、攻撃を当てる事は至難の業だろう。

 

 

「ならば、力以外の方法で無力化すれば良いだけだ。 “えんまく”!!」

 

 

イブキはキングドラの“えんまく”を繰り出し、自身とポケモンの姿を消す。

 

 

「気をつけろ、ピカチュウ。 何か仕掛けて来るぞ。」

 

「ピカチュウ。」

 

 

サトシとピカチュウが警戒し、ピカチュウはサトシを守る様に前で止まる。

 

今現在もサトシの腕にはムチが絡みついており、イブキは常にサトシの居場所が分かる状態だ。

 

最もそれはサトシ側もそうだが。

 

そう考えていると突然、ムチがサトシを高速で上へと引っ張り出す。

 

 

「うわぁ!? これってもしかしてハクリューか!?」

 

「ピカピ!」

 

 

突然サトシが上へと引っ張られたのでピカチュウが驚愕していると同じく素早い動きでピカチュウに迫ったキングドラが“えんまく”から現れ、

 

 

「“あくび”!」

 

 

キングドラの“あくび”がピカチュウに命中する。

 

 

「ピカ! ピカ、チュウ。」

 

 

ハクリューとキングドラは“えんまく”の中で“こうそくいどう”を行い、素早さを上げていたのだ。 とはいえそれだけではピカチュウとサトシに攻撃は当たる可能性は低い。 よってイブキは姑息ではあるが自身のムチをハクリューに持たせ上に引っ張る事で2人を動揺させ、攻撃をしたのだ。

 

しかもピカチュウをすぐに無力化できるよう“あくび”を繰り出した。

 

この状況は慣れて来たとはいえこの世界の無法バトルにまだ疎いサトシには有効的だった。

 

 

「ピカチュウ! く、カイリュー、ムチを引っ張れ!」

 

 

サトシはカイリューを繰り出し、ムチを思いっきり引っ張った。それに引かれてハクリューもカイリューの所へ行き、

 

 

「“ドラゴンクロー”!」

 

 

カイリューの“ドラゴンクロー”でダメージを受けてムチを離す。

 

 

「よし、ムチは外したぜ。 ピカチュウ! “アイアンテール”!」

 

「キングドラ! “ハイドロポンプ”!」

 

 

ピカチュウはキングドラの“ハイドロポンプ”を紙一重に交わしながら“アイアンテール”でキングドラを攻撃。

 

その攻撃を受けてキングドラは倒れるが、

 

 

「ピカ、チュ…ウ。」

 

 

同時にピカチュウも“あくび”の効果で眠ってしまう。

 

 

「カイリュー!」

 

 

カイリューはそのまま地面に着き、サトシはカイリューから降りた後ピカチュウを抱える。

 

 

「…ゆっくり休んでくれ。 イブキさん、まだやるんですか?」

 

 

サトシの質問にイブキは答える。

 

 

「当然だ。 ハクリュー! “げきりん”!!」

 

 

イブキのハクリューが“げきりん”を行いながらカイリューへ迫ってくる。

 

 

「…分かりました。 カイリュー! “ドラゴンクロー”で受け止めろ!!」

 

「リュー!!」

 

 

カイリューはハクリューの“げきりん”を“ドラゴンクロー”で受け止め、

 

 

「そのままハクリューを捕まえろ!!」

 

「な!?」

 

 

そのままカイリューはハクリューを抱え込む。

 

 

「そのまま上昇!!」

 

 

その状態でカイリューは上空へ行く。

 

 

「ハクリュー、“りゅうのはどう”!!」

 

 

対してハクリューは零距離で“りゅうのはどう”を繰り出しカイリューに命中する。そのダメージでカイリューも傷を負うが、

 

 

「“りゅうのまい”をしながらハクリューを“ドラゴンクロー”で地面に叩き付けろ!!」

 

 

 

そのままカイリューは“りゅうのまい”で回転しながら、さながら流星の様に落下していく。 

 

“ドカッ!!”と全力でハクリューを地面に叩き付けた事でハクリューは戦闘不能となり、同時に“たつまき”の効果も無くなるのだった。

 

 

 

 

 

 

「…負けた。 完敗だ。」

 

 

サトシと戦った結果、キングドラはピカチュウの攻撃で、ハクリューは先程のカイリューの攻撃で戦闘不能となった。

 

対してサトシはピカチュウは眠っているとはいえダメージは無く、カイリューは“りゅうのはどう”でダメージを負っているが、行動に支障はない状態だ。

 

先程のイブキの言葉の通り『完敗』だった。

 

 

「…イブキさん、ワタルさんは絶対に大丈夫です。」

 

 

サトシは途中で言えなかった言葉をイブキに言う。

 

 

「…何故そう思う。」

 

 

イブキはそう疑問を投げる。先程の話でワタルが攻撃で吹き飛ばされたと言っていたからだ。 サトシはその疑問に答える。

 

 

 

「ワタルさんは強い人です。 あの時、ポケモンはまだ無事でワタルさんは避けられた筈なのに攻撃を受けたってイエローが言っていました。 なら大丈夫です。 ワタルさんはこれからもポケモンを助ける為に何処かにいますよ。」

 

「……」

 

「確かにワタルさんは道を間違えたと思います。でもワタルさんの力ならポケモンと人が一緒に暮らす世界を築く事が出来ます。ポケモンを助ける事を選んだワタルさんが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

サトシのワタルに対する絶対な信頼にイブキは驚くが、先程のサトシの言葉とワタルの実力を知っているイブキは“その通りだ”と納得する。

 

 

「フ、言い訳のしようもない程完敗だった。 そう言えば、名前を聞いていなかったな。」

 

 

イブキはそうサトシの名前を聞く。

 

 

「俺はサトシです。 今は寝てますが、相棒のピカチュウ。」

 

「Zzzzz。」

 

 

サトシはそう自己紹介をする。

 

 

「サトシか、私はジムリーダーのイブキだ。 先程は私の我儘に付き合ってくれて感謝する。 これをピカチュウに。」

 

 

そうイブキはカゴの実をサトシに渡す。

 

 

「! カゴの実、ありがとうございます。」

 

 

そう言いサトシはカゴの実をピカチュウに食べさせて、ピカチュウは目が覚める。

 

 

「お疲れ、ピカチュウ。」

 

「ピカ? ……ピカチュウ。」

 

 

起きたピカチュウの状況を見てサトシがイブキに勝った事を悟り、返事をする。

 

 

「サトシ!」

 

「サトシさん!」

 

 

するとレッドたちがサトシとイブキの所へ近づいて来る。

 

 

「大丈夫ですか? 何処か怪我とかは?」

 

「大丈夫だよ。」

 

 

 

サトシたちが話していると、

 

 

「フガが、フガガふが。」

 

「『どうやら心は晴れた様だな』とおっしゃっております、イブキ様。」

 

「!? おじい──いや、長! ここに来たのですか?」

 

 

イブキは自身の一族の長でもあり、自身の祖父が来た事に驚愕する。

 

しかしすぐにイブキは祖父にそしてレッドたちに跪く。

 

 

「長、そして君たち、申し訳ありませんでした。 私の未熟さ故自身の不安等の感情をぶつけてしまいました。」

 

「フガフふが。」

 

「『イブキや、これを受け取れ』とおっしゃっております。どうぞ。」

 

 

付き人がある手紙をイブキに渡す。

 

 

「!? これは!」

 

 

イブキはその手紙を見て驚愕する。 なぜなら、

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()!!

 

「え、ワタルさんから!?」

 

「ピカ!?」

 

 

イブキとサトシはその手紙に驚く。 イブキはそのままワタルからの手紙を見始める。

 

 

 

『“イブキ、この手紙が届いているだろうか? 

オレは四天王としてポケモンの理想郷を築く為に動いていたが、その計画は失敗に終わった。”』

 

『“だが、今は結果的にはこれで良かったと思う。 四天王として動いていたオレにはトキワの力があり、ポケモンの記憶にあった人間に対する怒りこそが全てのポケモンの意思だと思い違いをしていた。 そんな愚かなオレにそれを教えてくれたのは別の世界からの来訪者と図鑑所有者達、特にある3人だった。”』

 

『“サトシにはオレの別の可能性を、レッドには言葉が通じずともポケモンと人は分かり合える事を、そしてイエローには自身の視野の狭さを教えてもらった。”』

 

『“オレはポケモンの怒りや憎しみだけを見て今のポケモンと人間の関係を見ようともしなかった。 そんな愚かなオレがポケモンの理想郷を作る等不可能だったのだ。”』

 

『“イブキ、お前にも苦労をかけてしまって本当にすまなかった。 オレはこれから自身のやるべき事をした後、世界を回ってみようと思っている。旅を通して彼らがどんな世界を見ていたのか、それを見てこれからの事を考えようとな。”』

 

『“一つ、頼みがある。 近い将来彼らがお前の所へ来るだろう。 その時は力になって欲しい。 頼んだぞ、イブキ。”』

 

 

手紙を読み終えたイブキはサトシたちを見る。

 

 

「そうか、兄者は無事だったか。 君たち、改めて礼を言おう。 ありがとう。」

 

「いえ、でもワタルさんの手紙はいつ来たんだ?」

 

 

サトシの疑問にレッドが答える。

 

 

()()()()()()。 オレたちがフスベジムから出た後シバさんが渡して来たみたいなんだ。」

 

「!? シバさんが…。」

 

 

サトシたちがりゅうのあなに向かったその後、フスベジムに格闘家の男、『シバ』が来てリョウにワタルからの手紙を渡したのだ。 リョウは手紙がワタルからの物だと理解し、りゅうのあなに来たと言う事だ。

 

 

「…会いたかったなぁ。」

 

「ああ。」

 

 

サトシとレッドがそんな風に話していると、

 

 

「所で君たちは何故このフスベシティに、ジムリーダーの私に会いに来たんだ?」

 

 

イブキの言葉で此処に来た目的を思い出し話す。

 

 

「ああ、実は…、」

 

 

グリーンが代表してここまで来た経緯をすべて話す。

 

自分たちがポケモン協会から敵対されている事、既にポケモン協会が捕らえたロケット団を使ってゴールドとクリスを誘拐しようとした事、そんなポケモン協会の悪事を辞めさせる為にワタルから送られた事件の証拠を貰いに来た事を。

 

 

「……まさか、レックウザの件での奴と一戦交えているとはな。 なるほど、だから兄者は“力になって欲しい”と書いたのか。 分かった、ついて来てくれ。」

 

 

そうイブキの案内でりゅうのあなにある長の家に到着し、中へ入る。

 

 

「確か、此処に──あった。」

 

 

そう言うとイブキはある機械を取り出す。

 

 

「これは何の機械かしら?」

 

 

ブルーはその機械のことを質問する。

 

 

「君たちは最近車等の乗用の機械に付いているカメラを知っているか?」

 

「ドライブレコーダーの事ですか? ! もしかしてその機械!!」

 

 

クリスはその言葉で目の前にある機械の正体を察する。

 

 

「ああ、事件の被害者は科学者で元々この様なカメラでのポケモン調査等を主に研究していた。 これはその試作品、ドライブレコーダーの様な物だ。」

 

「……まさか、その映像にあったのか? 副会長のシモンが殺人をした瞬間が。」

 

 

グリーンの言葉にイブキは答える。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『!?』

 

 

その言葉に全員が驚く。

 

 

「…元々この映像は四天王がロケット団の基地で見つけた物だったそうだ。 それを私に兄者が送ったのだ。 君たちも知っていると思うが、シモンは警察にも手を伸ばしている奴だ。 故に何処にも渡す事は出来なかった。 だが、君たちなら託せると私は思う。 兄者を救った君たちなら。」

 

「…ありがとうございます。 イブキさん。」

 

 

サトシたちはイブキから事件の証拠を入手する事が出来た。その時長がまた何かを言うが相変わらず分からない。

 

 

「『君たち、私たちのせいとはいえ今日はもう遅い。 今日は此処で泊まってはどうだ?』と言っております。いかがでしょうか?」

 

「どう思う、みんな?」

 

 

レッドの質問にサトシは答える。

 

 

「俺は良いと思うぜ。 どの道センリさんの居場所やジムリーダー試験の場所はオーキド博士やダイゴさんの情報待ちなんだ。 この事をハンサムさんたちにこの通信機器で共有すれば良いし、何より此処にはドラゴンポケモンがいっぱいいるんだ!ワクワクするぜ!」

 

 

「……確かにどの道身動きが取れないのなら、ポケモン協会を敵視しているこの里なら安全か、それにここのポケモンたちはいい修行相手になりそうだ。」

 

 

グリーンの言葉に全員も納得し、今日はこのりゅうのあなの家で泊まる事となった。

 

 

 

 

 

─── ??? ───

 

 

 

「…誰だ、一体何の為にオレに近づいた。」

 

 

少年、シルバーは突然現れた謎の女性に警戒しながらそう言う。

 

 

「…私の超能力で進んで見れば、まさかこんな出会いがあったとはな。」

 

 

女性、ナツメは自身の超能力に従い進んだ先に赤毛の少年がいた事に驚く。

 

 

「…お前はシルバーだったか?」

 

「!? 何故オレの名前を!」

 

 

ナツメはその反応に目の前にいる少年がサカキ様の息子だと理解するが、

 

 

「(サカキ様は今、自身を鍛える為に何処かへと行った故、連絡も出来ん。 歯痒いが今は元々の目的を果たすか。)」

 

 

ナツメは元々来た目的の為にシルバーに話す。

 

 

「私はナツメ、ヤマブキシティのジムリーダーだ。」

 

「!? ロケット団か!!」

 

 

シルバーは警戒から戦闘に入る為ボールに手を伸ばすが、

 

 

「待て、私は戦いに来たのではない。 図鑑所有者たち、つまりお前の姉のブルーたちの手助けをしようとしたのだ。」

 

「…どう言う事だ?」

 

 

シルバーがナツメに質問するとナツメはある物を複数地面に置く。

 

 

それは『運命のスプーン』と呼ばれる物だった。

 

 

 

 

 

 

─── ??? ───

 

 

 

「2人とも、そろそろご飯よ。もう休んだら?」

 

 

彼女は自身の夫と息子にそう休む様に言う。

 

 

「そうか、ありがとう。 ()()()、訓練はここまでだ。」

 

「うん。 お父さん、明後日ジムリーダーの試験なのに“アイアンテール”の訓練に付き合ってくれてありがとう!」

 

 

ルビーは自身のポケモン、『coco』をボールに戻してセンリと共に母親のご飯を食べに向かうのだった。

 

 

「そういえば今日だったな、オダマキが来るのは。」

 

「ええ、もうすぐ来ると思うけど─、」

 

 

その時、家のチャイムが鳴る。

 

 

「噂をすれば、ルビーお前にも合わせてやろう。」

 

「?」

 

 

 

そう言い、センリが席を外し、戻って来た時には大人の男性とおしゃれな姿をしてた女の子がいたのだ。

 

 

 

 

 

 

─────ジムリーダー試験まで 後1日。

 

 

 




以上、いかがでしたでしょうか?


運命の時まで刻々と迫って来ています。


ではまた次回。
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