ラタが駆け抜ける物語   作:ルスト

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恐ろしく遅れる羽目に。
これも全部仕事が悪いんや……。
正月すら無しですよ無し!
突然死なない限り、必ず完結させるので気長にお待ちいただけると何よりです。


会長との戦い

「フハハハハハハハ! 時間切れだ! さあ死ね! マルタ・ルアルディ! この私の栄光のために!」

 

 リーガルさんがそう叫ぶと、空中に浮いたロケットランチャーやガトリングガンが一斉に私を狙って攻撃を開始する。

 無数の弾幕とロケットランチャー。

 しかも私の魔術は反射されて一切通用しない。

 こんなのどうやって戦えって言うの!?

 

「答えは一つ! 貴様が死ぬことだけだ! ハーハッハッハッ!」

「矛盾しますけど……そんなの! 死んでもお断りします!」

 

 必死に逃げ回る私。幸いエーギルマントでロケットランチャーはどうにかなりそうだけど、そんなのなんの慰めにもならない。

 そして、高笑いしながら私に死刑宣告を告げてくるリーガルさんには、普段の大人としての威厳や風格のような物は一切感じられなかった。

 ここに居るリーガルさんは、ただの殺人鬼と言っても決して外れではないと思う。

 

「お前が死ねば、私が一軍の椅子に座れるのだ! 全てお前が悪いのだ!」

「私何もしてないですってば! そんなのそもそもエミルとテネブラエが勝手に言ってるだけです!」

 

 ……というか、あの二人何処!?

 やっぱり、さっきのジェノサイド砲で消滅しちゃったのかな?

 

「クククククク……マザーシップの砲撃を受けて生きているはずがない! エミル・キャスタニエ・ラタトスク及びテネブラエ! 死亡確認!」

「……」

 

 死体すら見つからない、なんて言葉もあるけど、今のリーガルさんの言葉を聞いたら、どうしてだか普通にピンピンしている気がするよ。

 多分、しばらくしたら帰ってくるかな?

 

「まさか、この期に及んで奴らの帰還を信じているのか? 馬鹿な事を! 奴らは死んだのだ! 私の放ったジェノサイド砲が確実に息の根を止めている! この結果は覆ることは無い!」

「……」

 

 それはそうと、どうやってこの人を止めればいいんだろ?

 魔術は効かないし、近づけないし……。

 

 

 

 

 

「うわあああああああああああああああああああああ!?」

「くそっ! アリスめ! よくも俺たちの計画を!」

「あんたたち……よくもアリスちゃんを砲撃に巻き込んでくれたわね?」

「って、ヴァンガード!?」

 

 突然上から降って来たヴァンガードの集団。

 もちろんホークとアリスの姿もある。

 ……よく考えたら、アスカードで戦ってたんだし、地上が吹き飛んで穴が開いたんだから当たり前だよね……。

 

「げっ!? マルタさま……?」

「どういう事? どうしてマルタちゃんがここに居るわけ?」

「そもそも二人は……というか、ヴァンガード何やってるの!?」

 

 町に着いたと思ったらアリス相手にホークの指揮するヴァンガード軍団が何故か戦ってるし!

 

「決まっている! もう俺はこいつの指揮下には居られん! いや、俺だけじゃない! 俺達皆だ!」

「なんて言い出して命令を聞かない馬鹿共にお仕置きタイム。してたんだけど……」

 

 アリスとヴァンガードの双方の目がリーガルさんに向く。

 リーガルさんはガトリングガンとロケットランチャーがあるからか余裕の表情だけど……。

 

「ふん。貴様らなど所詮端役。この私の活躍を彩る1ページになるがいい!」

「せっかくのお仕置きに水を差してくれちゃったんだから……リーガル会長には痛い目を見てもらわないといけないわね……」

「アリスを葬り去る俺たちの戦いを台無しにしやがって! 貴様のせいで全て台無しだ!」

 

 余裕の表情を崩さないリーガルさんに対し、怒り心頭といった表情を浮かべるアリスとホーク、そして無名のヴァンガード達。

 決闘の邪魔をされたこと、相当怒ってる……。

 まあ、気持ちは分からなくはないけど……。

 

「お仕置きよ。アブソリュート!」

「ふん。無駄だ!」

「……下僕1号!」

「フレアトルネード!」

 

 アリスの魔術が放たれた。

 けど、やっぱり通用しない。

 アリス自身はアルブム・アートルムのフレアトルネードで強引に打ち消したから無傷のまま。

 ……あのバリアさえなんとか出来れば……。

 

「アリスの魔術を反射しただと!? ……そのアイテムさえあれば、アリスなど恐れるに足りん!」

「ふっ、お前も我が下僕にならないか? 今なら、この装置をつけてやるぞ? 死神マルタもアリスも恐れることは無い。物理で殴って始末すればいいのだ!」

「おお……!」

 

 そんな光景を見て、ホークは何故かリーガルさんの側に付こうとしている。

 ……魔法反射装置って、そんなに欲しくなる物なのかな?

 フォトンやプリズムソードで攻撃する私にとっては天敵みたいなものだけど、物理の前には無力な気がするんだよね……。

 ん? 物理?

 

 

 

(……私が直接魔術をぶつけなくても良いんだよね? 例えば……)

 

 ――――天井を攻撃して、リーガルさんの上に岩の塊を落とすとか。

 

「フハハハハ! 私に従え! そうすれば、貴様等にも力をやるぞ!」

「よし! 俺達ヴァンガード革命軍、今この時よりリーガル・ブライアンに助力する!」

「何考えてるのホーク!? リーガルさんはヴァンガードが一番嫌っているテセアラの、しかも大貴族だよ!?」

 

 確かに良い人だけど、それでも反テセアラのヴァンガードが協力するなんてありえないよ!

 

「アリスを倒せれば手段など問わんわ!」

「「「「アリスを殺せ! アリスを殺せ!」」」」

「ククク……それでいい。私に従えばアリスを殺す力をやろう」

 

 何考えてるの本当に……。

 アリスさえ殺せればなんでもいいの!?

 

「……リーガル会長を味方につけたくらいで、調子に乗らないでくれないかしら?」

「黙れぶりっ子女! 会長から支給されたこの反射装置さえあれば! 貴様など恐れるに足らんわ!」

「さあ行け! 貴様らの願いを今こそ果たすのだ!」

「「「アリスを殺せ! アリスを殺せ!」」」

 

 完全に調子に乗ってるリーガルさんとヴァンガード。

 アリスは完全に怒ってるけど、確かにホークの言うとおり魔術が反射されたらどうしようもないような……。

 

「……だったら、魔術じゃなければいいのよね?」

 

 そうなんだろうけど、アリスも私も魔術以外にロクな攻撃ないんだよね。

 

「ククク……無駄だ! 何をしようと、私のロケットランチャーが火を噴くまで!」

「「「ヴァンガード総員! 火炎放射器装備完了しました!」」」

「よし、総員! 撃て!」

「「「ヒャッハー! アリスは焼却だー!」」」

 

 そんな事を考えてる間にリーガルさんが火炎放射器をヴァンガード部隊に渡してしまい、文字通り炎の嵐が襲ってくる。

 ……ここ、ラタトスクの世界で合ってるんだよね?

 ラタトスクの世界って、こんな世紀末な世界だったかなあ?

 

「というか、さっさと逃げたっていいような気がしてきたよ……。私完全に空気だし」

 

 まあ、魔術が反射される以上手が出せないわけだけど。

 放っておいても誰か何とかしてくれるだろうし。

 私もう帰――――

 

 

 

 

 

 ガシッ

 

「え?」

「逃がすと思ってるの? マルタちゃん、手伝いなさい」

「え、あの、ちょ」

「手伝いなさい。いいわね?」

「アッハイ……」

 

 笑顔なのに目が笑ってないアリスに脅されるような形で手伝わされる羽目に。

 ……どうしろって言うの……。

 

「あいつらを下敷きにすればいいだけじゃない」

「それで私にどうしろと……」

「ディバインセイバーで天井を壊しなさい。丁度いい氷柱を沢山用意してあげるから」

「え……」

 

 私の返事は一切聞かず、アリスはアルブム・アートルム共々前に出る。

 ここぞとばかりにヴァンガードが火炎放射器を使って攻撃しているけどお構いなしだ。

 

「……やりなさい!」

「アブソリュート! アブソリュート! アブソリュート!」

「……絶対零度の中に沈めてあげるわ」

 

 火炎放射器を使うヴァンガード相手に明らかに無謀な特攻を仕掛けてるけど、大丈夫なのかな?

 一応狙い通りに天井は氷漬けになってるけど……。

 

「フハハハハ! どこを狙っている! 貴様等の攻撃など私には、いや我々には通用しない!」

「リーガル会長の与えてくださったこの力! この力さえあれば!」

「「ヒャッハー!」」

「完全にヴァンガードがモヒカンに……」

 

 あろうことか髪型まで変化しちゃって……。

 ホークがモヒカンになるとか想定外だよ。

 

「フハハハハ! どうしたどうした! さすがのアリスも、魔法反射装置の前には手も足も出ないかあ!?」

「全部無駄だ! アブソリュートのように、明後日の方向に弾かれるだけなのだ!」

「……頃合いね」

「……」

 

 アリスの呟きを聞き、上を見上げると氷柱がびっしりと生えた巨大な氷の塊が。

 落とせば間違いなくリーガルさんもヴァンガードもぺしゃんこになるだろう。

 ……本当に落とすの、これ……?

 

(……良いからさっさとやりなさい!)

「無駄無駄無駄! 我らを止めるものなどどこにも無い!」

 

 アリスはやれって無言で圧力かけてくるし……。

 しょうがないか。

 

「ディバインセイバー!」

 

 天井に出来た氷の塊を直接狙い、魔術を放つ。

 魔術が直撃した瞬間、無数の氷柱がリーガルさんとヴァンガード目がけて降り注ぎ始めた。

 

「ふん、何処を狙ってぐおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

「ギャアアアアア!? 何だ!? 一体どこから……っ!?」

 

 リーガルさんもヴァンガードも、いきなり降って来た氷柱の雨に襲われて動きが止まる。

 そこに――――

 

「ば、馬鹿な、何が……」

「う、うわあああああ! 逃げろおおおおおおおおお!!」

「こ、氷の塊がアアアアアアアアアアアアア――――!」

「おのれアリス――――!」

 

 ――――岩かと見まがうような巨大な氷が落ちてきて、ヴァンガードを飲み込んだ――――。




ラタ「主人公なのに出番が無いだと!?」

テネ「やはり、我々が空気キャラになってしまう危険があります! すぐに戻らなければ!」

ラタ「一軍の椅子は誰にも渡さん! 俺は空気王じゃない!」

テネ「解説を取り戻さなければ私の立場も怪しくなります! ラタトスク様、急ぎましょう!」
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