ラタが駆け抜ける物語   作:ルスト

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四ヶ月も開いてしまったのか……。
最後どうするのか決まらなかったのもあるかもしれませんね。


ハイマ跡地~石舞台地下遺跡

 side マルタ

 

「何やってるの二人とも! ハイマが跡形も無く消えちゃったじゃない!」

「何を言うんですか! 爆破用のスイッチを仕込んだレザレノが全ての元凶ですよ」

「そうだよマルタ。レザレノの罠がずっと仕込まれてたから、こんなことになったんだよ?」

「ああもうこの二人は……!」

 

 下に目を向けると、崩壊したハイマの山が森をなぎ倒して更に進んでいく光景が目に入った。

 ハイマの町は当然跡形も無く消えてしまい、うろついていた魔物も多分今頃は地面の中に埋まってるだろう。

 もちろんクラトスさんも山崩れに巻き込まれて生きてるとは思えないけど……。

 それにしても、こんな大惨事を引き起こしておいて何でレザレノのせいにできるのこの二人は!?

 

「……何周もしたが、ここまでやるとは思わなかったな」

「どうするのこれ!? 飛竜を探すどころじゃなくなってるよ!?」

 

 というか、飛竜を使わずにあの凶悪な防御陣形突破できるの!?

 あんなの風避けゲームも出来ないよ!?

 

「その事ですが、マルタさま」

「何?」

「最初からバラクラフ王廟のワープを使って突入すればいいと気が付きました」

「そうだな。確かに、あのワープなら……」

「いや、ちょっと待ってよ! 確かあのワープ、地下遺跡の方から動かさないと入れないんじゃ……」

「強引に突入して、邪魔な扉は破壊すればいいんです。我々は別にバラクラフの遺跡や石舞台地下遺跡を破壊してはいけないというルールなど背負っていませんので」

「そう言う問題じゃないでしょ!?」

 

 遺跡を破壊するなんて……。

 もしリフィルさんが知ったら殺されるよ!?

 

「いいですか? 我々がうっかり口を滑らしたり、リフィルさん加入後にアスカードの地下遺跡に突入するような真似をしなければ地下遺跡が破壊されてたとしても誰も知ることは無いんですよ?」

「そうだよマルタ? 私達が皆黙ってさえいれば、リフィル先生は分からないからね?」

「どこまで外道なの……」

 

 貴重(多分)な遺跡を破壊しても何とも思わないなんて……。

 リフィルさんじゃないけど「貴様! それでも人間か!」って叫びたくなるよ……。

 

「私はセンチュリオンです」

「私は天使だよ?」

「俺はラタトスクだ」

「誰もそんな事聞いてないよ!」

 

 というか、そんな意味で言ってないから!

 

「よし、決まりだな。バラクラフ王廟に向かうぞ」

「ええ、急ぎましょう。もしロイドがその事に気づいたら、また襲ってくるかもしれません」

「……どう考えても来ないと思うのは私だけなのかな……?」

 

 というか、あれだけ酷い目に遭わされてまだ懲りずにコアを狙ってきたら別の意味で尊敬するよ……。

 

 

 

 

 

----

 

 

 

 

 

「テネブラエが思った通り……バラクラフ王廟の守りは手抜きだったようだな、ウェントス」

「ワープも起動しています。……なんとまあ、無防備な事で」

 

 飛行系の魔物を使い、強引にバラクラフ王廟に突入した私達。

 二人が言っている通り、石舞台地下遺跡に通じる魔法陣は開通していて無防備なまま。

 辺りに護衛の魔物の影も無いという体たらくだった。

 あの過剰すぎる防衛網は何だったんだろ……。

 

「所詮ウェントスだしな」

「ウェントスですしね」

「ドジっ子なんだね♪」

「コレットが言える立場じゃないよ!?」

 

 少なくともドジっ子はコレットが言って良い言葉じゃないと思う……。

 まあ、こんな面倒な事をしてくれたわけだし、さっさと回収しないとね……。

 

 

 

 

 

 魔法陣に踏み込むと、そこは石舞台地下遺跡の中だった。

 ウェントスの防衛網はどうやら地上の石舞台だけだったらしく、石舞台の中は普段通りの様相だった。

 普段通りの石舞台の様子に安心しながら魔法陣の部屋を出た直後、どこかからウェントスの声が響く。

 

『ば、馬鹿な!! ラタトスク様がどうしてここ(石舞台地下遺跡)に!? 地上の軍団は一体何をしていたんですか! 嫌だ! 私は働きたくないです!』

 

 働きたくないと喚き散らすニートセンチュリオンなのにどうしてあんな軍団を集結させられたのか……。

 これがコアの暴走の力なの?

 

「いい加減諦めろ。仕事だ」

『嫌ですよ! 絶対に! 嫌です! まだ私は春閣下の前に跪いていないのに! あの曲を聞けるまでは死ねるかあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!』

「……ねえ、テネブラエ。ウェントスを殴っていいかな?」

 

 私、本気でウェントスを殴りたくなったんだけど。

 

「叩き壊しても海苔でくっつければいいので、お好きにどうぞ」

「じゃあ粉々になっても大丈夫だね♪」

 

 そしてコレットはどうしてこうなっちゃったんだろう……。

 

「聞いたな、ウェントス。今すぐ降伏しろ、さもなくば……」

『脅すつもりですか? しかし、私は以前の私ではありません! こうなったら……ラタトスク様が来る前に最高の味方を召喚するまでです!』

 

 それ以降ウェントスの声はしなくなった。

 代わりに、遺跡の奥から妙な魔力を感じる。

 まさか……。

 

「異世界召喚でもする気だろうな」

「どこまで腐ってるのあのセンチュリオン!」

 

 石舞台を守る魔物の大群の中に明らかにサレが混ざってたし、滅茶苦茶じゃない!

 

「ウェントスに常識は通用しないのですよ、マルタさま」

「ああ、残念だが、奴に常識は通じない」

「むしろこの世界で常識が通じる人どれだけいるの!?」

 

 エミルとテネブラエも常識が通じる側じゃないでしょ!?

 

「俺達に常識が通じないわけじゃないんだ。マルタの常識が俺達にとっての非常識だったというだけでな……」

「……まあ、そう言うよね。もういいよ、行こう」

 

 一々突っ込むのも馬鹿らしくなってきちゃったよ。

 

「テネブラエ、マルタの反応が変わったんだが……」

「精神疲労の蓄積ですね、残念ですが、これはもう手遅れでしょう」

「……突っ込まないよ?」

 

 突っ込んでてもきりが無いし。

 さっさとウェントスを殴り壊……確保、しないとね。

 

「オーバーリミッツした野生のヴァンガードみたいなオーラがマルタから出てるよ?」

「闇に染まってしまったんですね……」

「誰のせいだと思ってるの!?」

「ウェントスですね、分かりますよ」

「……」

「黙って頭に手を当てて、どうしたのマルタ?」

「……やはりマルタの調子が悪いな。ここは叫ぶところだと思うんだが」

 

 ……ウェントスはどこ?

 早く壊さないと……。

 

「おいおい……テネブラエのせいだぞ?」

「何を言うんですか、ラタトスク様が……」

「違うよ。ロイドのせいだよ!」

「「なるほど!」」

 

 ……さっさと仕掛けを解かないと。

 これ以上頭が痛くなる前に……。

 

「って、おい、マルタ……?」

「一人で先行ったら危ないよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リング変換機をスルーし、石版の引き戸を力ずくでこじ開け、階段を駆け下り、分岐の罠を駆け抜ける。

 正しき道は遠い道、つまり、正解は自分から見て遠い場所だから突破には苦労しない。

 もちろん間違えることは無かったけど……。

 

「「「グルルルル……」」」

「……どうして石舞台地下遺跡にミドガルズオルムが10体も密集してるのかなあ……?」

 

 まあ、大体予想は出来るけど。

 ウェントスの事だから、きっと増援を呼んだんだろう。

 

『フフフ……たかだかマルタ一人相手にこの大軍は過剰戦力かもしれませんが問題ありませんn』

「プリズムソード! プリズムソード! プリズムソード! 邪魔! レイディアント・ロアー!!!」

 

 けど、動きの遅いこんなの(ミドガルズオルム)を群れで呼んだところで、私の前には障害物にもならない。 

 プリズムソードの雨の前に逃げ腰になったミドガルズオルムを纏めてなぎ倒し、奥へと進む。

 

『……え? 一応最強の戦力を連れてきたはずなんですが……』

「次は……矢の仕掛けだったかな?」

 

 まあ答えは分かってる。

 さっさと東南東に撃たせて進むだけ。

 

「おいおい……マルタが見えないぞ?」

「なぎ倒されたミドガルズオルムが居ますね。この先ですか?」

「頑張ってるね~」

『感心してる場合ですか!? あんたらのせいでこの後私がどうなるか分からなくなったじゃないですか!! なんか怒ってるしあの怒りがこれから私に向けられると考えると体の震えが止まらないんですけど!?』

 

 遠くで何か聞こえるけど、今はどうでもいい。

 とにかく、ウェントスをぶちのめす。

 ……こうなったの全部ウェントスのせいだしね。

 

『何言ってるんですか!? 明らかにラタトスク様と犬が……!』

「そうだそうだー。全部ウェントスが悪いんだー」

『ちょっ……ラタトスク様何を……!?』

 

 だよね。

 ウェントスをぶちのめせば……!

 

『ううっ……ここに私の味方は居ないんですか!! 誰かあの化け物を止めてください!』

「「「「死ぬのが怖くなったのかい? 無駄だy」」」」

「邪魔! 消し飛べ!」

 

 ウェントスが召喚したサレ×4が動き出す前にディバインセイバーで強襲、殲滅する。

 ……さて、もう残りのマップは時間制限のある場所だけだよ?

 ……そこを超えるとご対面だね、ウェントス?

 

『あわわわわ……。サレ四人組がこうも簡単に! こ、このままでは……!!』

「さあウェントス。覚悟は出来てる……?」

 

 スピナーを展開し、私は最深部目がけて駆けだした。

 仕掛けが起動し、風の罠も起動するけど、即座に横道に入ってそのまま奥へと突っ走って行けばどうという事は無い。

 もう少しで、最深部……。

 

『ええい! こうなったら……異世界召喚です! 誰か! この哀れなセンチュリオンに救いの手を! 迫りくる悪魔を追い払ってください!』

 

 ウェントスの声はすぐそこから聞こえる。

 落とし穴のトラップがある場所を越えたと判断し、中央の通路に戻る。

 即座にエアブレイド並みの威力の風の塊が私を狙って撃ちだされるけど、少し横に動けば避けられる仕掛けなど足止めにもならない。

 そして――――私は最深部にたどり着いた。

 

 

 

 

 

「……ウェントス、遺書は書いたかな?」

「ぐ……しかし、この方が居れば勝てる! 出でよ異界の英雄!」

 

 最深部にたどり着いた私の目に入ってきたのは、部屋の端に置かれたレザレノのマーク入り段ボールの山と、その山の上に置かれたプレステ3。

 そして、部屋の中央に刻まれた魔法陣と、勝ち誇った顔で私を見下ろすウェントス。

 直後、魔法陣から光が迸り、光の中に人の影が現れる。

 光が収まり、視界が安定する。そこには――――。

 

「天海春香、トップアイドル目指して頑張りま……あれ?」

 

 ……ウェントスはとりあえず壊そうか。




クロスオーバー、ありかも?
ネタが即座に思いつきます。
まあこの話じゃギャグ展開にしかならんでしょうけど。

ちなみに春香さんはなりダンXで実際に出ています。
まあコスチュームなので台詞はありませんけどね。
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