ウルトラマンアース   作:アカイタマ

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赤きキョジン②

 

「バルタン星人! 待つんだ!」

 

 青い惑星、地球近郊の宙空で、二つの巨人が争い合っている。片や赤く、人に近い姿の巨人。そしてもう一方、ハサミのようなものを両腕に備える、海老のような出立の青い宇宙人。

 彼らは戦いながらも、何かを言い争っているような様子だった。バルタン星人と呼ばれた青い巨人は、両腕から青い光線を放つ。それに、赤い巨人が額から光線を放ち、かき消した。

 

「邪魔をしないでくれ、ウルトラマン! 君には感謝しているが、我々にはやはり故郷が必要なんだ。子供達のためにも、我々という種族の、これからのためにも!」

 

 バルタンは、赤い熱線を撃ち放つ。ウルトラマンと呼ばれた巨人はそれを光線で打ち消し、そしてバルタンに組み付く。彼らは一塊となって回転しながら、月の表面に叩きつけられた。

 

「そのために、この星の人間にとって変わろうなどというのは、君たちのエゴではないか! 君たちはどの世界でも、そんなことを……!」

「うるさい! 離せ、離してくれウルトラマン……グァ!」

 

 ウルトラマンはバルタンを投げ飛ばす。バルタンは重力に体を一瞬引っ張られるものの、体を動かして地面に着地。両手から光弾をいくつも放った。ウルトラマンはそれを、光のエネルギーを固めたバリアで受け止めきる。

 それから、右腕につけたブレスレットを念力によって変化させ、巨大なリングを作り出した。そのリングを、バルタンに向けて投げつける。

 

「うあっ⁉︎」

 

 バルタンの体に巻き付いたリングは、四つに分身して彼の体を拘束した。身動きできないバルタンは、ラルバを睨みつける。

 

「大人しく投降するんだ、バルタン星人。君たちの種族のこれからは、星間連合によって決定づけられる。それまでは、待機するんだ」

「良い結果になど、なるものか……この宇宙に、バルタンというだけで恨みを吐く人間がなんと多いことか、君も知ったはずだろう……? ウルトラマン、ラルバ!」

「それは……」

 

 赤いウルトラマン、ラルバはその言葉を聞いて、何も言い返せなくなる。バルタンは続けた。

 

「我らは女神を失った迫害の種族、その失うきっかけは我らの先達の科学実験にあった。その、恒星間ワープ技術の実験の暴走によって、我らは星も、同族も、そして我らを守った女神さえも“殺してしまった”のだ。だが、それを成したのは過去の同族、今の我々がそれを理由に迫害されるなど……」

「あってはならないことだ。それは私もわかっている。星間連合は、君達の処遇を良いものにしようと努力しているんだ」

 

 ラルバはそう告げる。バルタンは以前ラルバを睨んだままだが、巨人はそれをものともせず、話を続けた。

 

「だからこそ待つんだ。私は、君から聞くばかりで何もこの世界のことを知らない。だが、君の周りが少しずつ変わっていることはわかる。地球のためにも、君たちのためにも、あと少し、あと少しだけ我慢を」

「御託はいいんだ!」

 

 ウルトラマンに向けて、バルタンは不意打ちとばかりに攻撃を放った。金色の発光がウルトラマンを怯ませた。ウルトラマンの念力がそこで緩み、リングの拘束力が弱まる。その隙に脱出したバルタンは、体から放った光を一塊にして、地球に向けて投げた。

 

「その光は……!」

「私がただのバルタン一族ではないことは知っていよう……あの星にも、我が父と同じ力を持つ者がいる。その旧友の、“怪獣”を蘇らせる光を私は放ったのだ」

「なんてことを。それでは、地球は大変なことになるぞ!」

「星間連合に認められた防衛隊がいる星でか? だが、確かに……怪獣大国と呼ばれるあの星では、被害を出すことは容易かもしれんな」

 

 そう告げるバルタンに、ラルバはリングを投げつけた。だがバルタンはそれをかわし、地球に向けて飛んでいく。

 

「待つんだ、バルタン!」

 

 バルタンがなにをするのか、ラルバにはわかっていた。怪獣による被害が多いと聞くあの青い星に、さらに怪獣を操る者が現れたらどうなるのかも。

 ウルトラマンは急いだ。だが、バルタンのはなった光は、彼よりも早く地球にやってきていた。

 

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