問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ? 作:神流朝海
最近コードギアス 反逆のルルーシュというアニメにはまりました。
見ていたアニメ魔法科高校とかも終わってしまって若干寂しい気分です。
まったく関係ない作者の近況でした。
今回は黒ウサギから逃げ、そして少し遊ぶ、といったかんじかな?
では、どうぞ
―――東と北の境界壁。
四〇〇〇〇〇〇外門・三九九九九九九外門、サウザンドアイズ旧支店。
俺たちが店から出ると、熱い風が頬をなでた。
何時の間にか高台に移動した“サウザンドアイズ”の支店からは、街の一帯が展望できる。
だが、眼下に広がる街は、俺たちのよく知る街じゃなかった。
「赤壁と炎と・・・ガラスの街・・・!?」
飛鳥が言ったように俺が今見ているのは赤い壁と炎とガラスとその他もろもろの材料で作られた街だった。
さすがにこれだけ離れてると結構生活様式変わるもんなんだな。
それはそれとして、
「・・・白夜叉。さっきの、いったいどうやったんだ?」
「ん?お主はなにも聞いておらんのか?」
「?聞くって誰に?」
「お主の両親にじゃよ。お主の両親は“元・ノーネーム”のメンバーだったのだぞ?」
「へ~~そうなのか・・・は!?母さんと父さんが“元・ノーネーム”のメンバー!!!!?」
あまりの驚きに俺は大きな声を上げた。
「え?あなたの両親って箱庭に来ていたの?」
「史夜の両親ってどんな人なの?」
「いや、まあ、それはまた今度に・・・で、白夜叉。話戻すけど、どうやったんだ?」
「この構造、もとい結界はお主の母が作ったものなのじゃよ。いやはや、これほどの物を人類が作るとは。“生命の目録”並みの、もしくはそれ以上の功績じゃよ」
「神寺・・・か」
「そのとおりじゃ。少しばかり改良してあるがの」
「だいたい理解はできた。俺が知っている「神寺」は使者を一度神寺という空間へ運び、そこからまた別の場所へ運ぶ。だがこれは一度「神寺」に行く必要がないようになっている。つまり、「神寺」という空間はこの店自体なんだろ?」
「正解じゃ。さすが智史と深夜の子じゃの」
と、そこへ―――
「見ィつけたあーーのですよおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ズドォン!とドップラー効果の効いた絶叫と共に爆撃のような着地。
その声と音に俺たちは驚いた。大声の主は我らが同士・黒ウサギ。
「ふ、ふふ、フフフフ・・・!ようぉぉぉやく見つけたのですよ、問題児様方・・・!!!」
淡い緋色の髪を戦慄かせ、怒りのオーラを振りまく黒ウサギ。
怒り狂ったその姿は帝釈天の眷属というよりはむしろ仁王のそれである。
危機を感じ取った問題児の中で(あれ?俺って問題児?)真っ先に動いたのは十六夜と俺だった。
「逃げるぞ!!」
「耀!海晴!俺につかまれ!」
「え、ちょっと」
十六夜は隣にいた飛鳥を抱きかかえ、展望台から飛び降りる。
俺はこういうときのために(非常時の時・・・これって非常時?)常に展開している転移術式を起動する。
ただこの街は初めてきたのだからそう遠くまでは移動できないが。
俺のしようとしていることが分かったのか、黒ウサギが声を上げる。
「あ!史夜さん!待つのですよ!」
「じゃ、また後で黒ウサギ・・・」パチン。
俺は指を鳴らす。転移先はさっき展望台から見えた屋台がたくさん並んでるところの近くだ。
「しかしもう追いついてくるとは・・・」
「私もそう思う」
「え?っていうか何で逃げたの?」
「そういえばなんで俺たちは逃げてるんだっけ?」
「それは―――」
「それはだな。この手紙を残してマスターたちが消えたからだ」
レティシアが手紙を広げながら言う。
俺はレティシアが広げた手紙を見た。
『黒ウサギへ
北側の四〇〇〇〇〇〇外門と三九九九九九九外門で開催される祭典に参加してきます。
貴女も必ず後から来ること。あ、あとレティシアもね。
私たちに意図的に祭りのことを黙っていた罰として、今日中に私たちを捕まえられなかった場合、
「四人ともコミュニティを脱退します」
死ぬ気で捜してね。応援しているわ。
P/S ジン君は道案内に連れて行きます』
「へ~~こんなことがあったのか」
「うん・・・ごめん。史夜にはまだ話してなかった」
「ということだからマスターたちにはすまないがこれもコミュニティのためだ。おとなしく捕まってもらう!」
・・・なんて言おう?なんかこう、ドバア!という感じでレティシアの足元から影?が飛び出してきたのだが。
すっごいあれ気になる。研究者として気になる。
「史夜殿、おとなしく捕まってもらえばこの影のことを教えてあげるが」
「お?それはなかなかいい―――」
「今はそれどころじゃないでしょ。史夜、逃げよう」
「あはは、天才クンはおもしろいね。ま、私も一研究者としてあれの内容は知りたいけど」
千流はしゃべりながら術式を構築し始める。
耀はペガサスのブーツと獅子の爪を装備する。
俺はというと、
「ま、楽しくやろうよ。レティシア。俺、お前の力みたことないんだ」
パチンパチンパチン。
と俺は指を鳴らす。
展開した術式は6つ。
氷、炎、光、闇、土、木属性の6つの“防御術式”。
まずは相手の出方を見る。術式研究の実験だってそんな感じだ。
最初にレティシアのドラゴンのような影が氷の防御術式に当たり―――
「!?さすが、箱庭の騎士。ギフトを失ってもそれだけの力はあるか」
氷の防御術式に当たった瞬間、術式が砕けた。
あれ~?おかしいな。どっかのゲームでは氷タイプの技はドラゴンタイプに効果抜群だった気がするんだが。あの嘘つきめ。
続いて炎の防御術式―――
「すげぇなあ。俺の組んだ術式をこんなにも簡単に―――」
続いて光の防御―――
「え?ちょっ―――」
続いて闇の―――
「ちょっ―――」
続いて土、木の防御術式が・・・砕ける。
「まずっ!」
「天才クン~余裕こきすぎだよ~。『私との契約、今出番だよ。おいで、リュート』」
千流の契約術式、分かりやすく言えば召喚術。
リュートと呼ばれたのはたぶん悪魔の、「寂しがりの悪魔」の名前だったはずだ。確かその召喚、契約難度はSSSSランクで最高ランクだったはずだ。
ということを千流が召喚し、俺の元にものすごいスピードでその「寂しがりの悪魔」が作り出した術式が届く間に考えていた。
そして俺にそのレティシアの影が触れる、瞬間に、
『消えろ』
「寂しがりの悪魔」が放ったその一言で、レティシアが放っていた影は消え去った。
「な!?いったいなにを!?」
突然のことにレティシアが驚く。
その瞬間に俺はポケットから『鈴音師の鈴』と『異界師の地図』を取り出し、まず『鈴音師の鈴』を使う。
「・・・マスターたちの音が・・・聞こえなくなった?」
「よし、これで今回こいつの役目終了。次は」
俺は『異界師の地図』を広げる。
「ちょっとの間レティシアからのすべての干渉を防いでくれ」
「え?それ、どういうこと?」
「・・・了解。分かったよ。天才クン」
耀はなにを言っているのかわからない。という顔だったが、千流が理解してくれればそれでいい。
「『私との契約に則り、私を、私達を守護しなさい。頼んだよ、シュヴァル』」
はは、シュヴァルか。契約難度SSSの守護結界専用の召喚術。
いい術式を持ってるよ。千流は。
さて、俺も始めるか。
「我は異界を旅する者なり。我が願いは道を探すことなり。異界を旅するものに光の道を」
俺が開いた漆黒の地図がどんどん白くなっていき、この街一帯の地図ができた。
この地図を作るときは自分以外のものから干渉を受けたら地図作成に失敗してしまう、という性質がある。
だが、そのかわり、地図作成に成功したら縮小拡大自由の地図になる。という利点を持っている。
「よし、地図ができたぞ!じゃ、逃げる!千流、耀!こっち来い!あ、結界はそのままで!」
「わかった」
「了解だよ。天才クン」
近づいてきた二人は少し息切れをしている。
地図を作っている間、耀は影を引きつけていたのだろう。
千流は結界の維持と防御。
千流と耀いなかったら少しきつかったかも。
「じゃ、レティシア、また。あ、あと今日中には帰るから大丈夫だからな」
「ま、待つ―――」
パチン。
俺は指を鳴らす。
転移したのはここから遠く、反対側の屋台の並んでいる場所だった。
「どうにかレティシアを撒けたな」
「さすが箱庭の騎士・・・久しぶりにつかれた~」
「けど十六夜たちに悪いことしたね」
どうにか黒ウサギたちを撒いた俺らは息を切らせながら言った。
十六夜は飛鳥を連れて逃げたのだがあちらの方が逃げ始めるのが少し遅かったため、黒ウサギに追われたのだ。
俺らのほうはレティシアだったが。
「ま、とりあえず逃げたことだし、見つかるまで祭りを楽しんどくか?」
「そうだね。いつ見つかるかもわからないし」
「最初どこ行くの?天才クン?」
俺は千流の言葉に首を傾げて答える。
「どこって、ここだろ?屋台並んでるからなにか食べたり買ったりしようぜ。クレープとかな」
「「やったぁああ!!!」」
甘いものが大好きな2人は子供のようにとてもよろこんだ。
さて、十六夜は大丈夫かな?
一方そのころ十六夜は・・・
「待つのですよ!!!!?」
「待てと言われて待つバカなんざいないぜ!」
・・・・黒ウサギから走って逃げていた。
くそ。こんなにはやく現れるとは・・・もう少し遅ければ史夜たちと祭りを楽しめたのに。
俺はそんなことを考えるが今考えても仕方ない。それに、
月の兎と鬼ごっこなんてそうそうできねえからな!
だがこれからどうする?このままじゃ逃げ切れないぞ?
そこでふと、俺の頭にある案が浮かぶ。
そういえば前史夜にもらったギフト、使ったことなかったな。
おもしろそうだし使ってみるか。
俺はズボンのポケットから史夜にもらった呪符を取り出す。
「確かこう言うんだよな?」
『使者には見え、視者には見えぬ扉を開け』
『使者には聴こえ、聴者には聴こえぬ音を』
俺がそう唱えると、目の前の空間が歪み始める。
これが使者には見え、視者には見えない扉か?
そして俺の右手の中にいつの間にか一つの鈴が握られていた。
これが使者に聞こえ、聴者には聴こえない音か?
考えても仕方ないのでとりあえず扉をくぐる。
「え!!!?」
と黒ウサギの驚く声が聞こえた。
俺はシャランと鈴を鳴らす。
その音は建物に共鳴し、遠くまで音がとんでいった。
だが、その音に気づいた者はいないようだ。
普通、街中でこんな音を聞いたら辺りを見回したりするものだが、誰もしない。
「使者にだけ聞こえる音。・・・どういう効果があるんだ?」
「ギフトカードをのぞいてみる、というのはどうかしら?」
「ん、それもそうだな」
飛鳥のアドバイスに従い、俺は自分のギフトカードを見た。
逆廻 十六夜 ギフトネーム “正体不明” “怪盗の抜道” “鈴音師の鈴”
俺のギフトカードには3つのギフト名が書かれていた。
それにしてもなんだ?これ。
怪盗の抜道?鈴音師の鈴?
史夜、どんな能力だ?これ?
まあなんとなくわかったが・・・。
“怪盗の抜道”はさっきの様な逃げているときに使う緊急空間移動的なものだろう。(たぶん・・・)
“鈴音師の鈴”はまだわかっていないが。
飛鳥が思い出したかのように言う。
「?黒ウサギの耳はとても遠くまで聞こえるのでしょう?どうして私たちを見つけていないのかしら?」
その飛鳥の言葉で俺は理解した。
「・・・なるほどな。そういうことかよ。やっぱすげえよ、史夜」
俺は笑いながらそう言った。
十六夜が新しいギフトを手に入れているときに俺たちは祭りを楽しんでいた。
・・・・・主に千流と耀が・・・・・
「あ!天才クン!これおしいそうだよ!?」
千流はそう言うと走って店まで行って、品物を買って、走って戻ってきた。
「天才クンも食べる?」
「いや、まだクレープ食べてるから」
「食べるのが遅いぞ!天才クン!」
いやいや、お前らが速いだけだろ?
俺がやっと3分の1食べ終わったころにお前らもうすでに食べ終わってるからな?
それにまだ食べるのか?よく食べるな~ほんと。
ところで、耀は何をしているのかというと、
「・・・!?これ、1箱ください!」
試食コーナーでつまみ食いをしては気に入ったものを買っていた。
その動きは速い。もうすでに5袋目だ。(コミュニティに帰ったときに子供たちへのお土産)
そしてそれをもって一度会計にいった。
・・・え?どこにそんなお金があるのかって?
それはもちろん・・・カシュッカシュ、パチン。
錬金術だ。
千流に「お小遣いほしい!」とか言われて、それに耀も乗ってきて「私も!」ということでしかたなく練成してあげた。
練成したのはサウザンドアイズ発行の金貨。白夜叉、怒らないよね?
ま、そういうことで5枚ずつ練成した。
さきほど食べたクレープは俺の奢りだったので千流と耀の持ち金貨はあと5枚だ。
耀の買い物、たくさん買ってたけど足りるのか?
そこに買い物に行っていた千流が帰ってきた。
「あ、千流・・・」
やっぱり結構前から思ってたんだが呼びづらいな・・・
「ん?なに?天才クン?」
「あのさ、千流って呼びづらいから海晴でいいか?」
「え!!?・・・・・」
千流の顔が喜びの様な困惑した様な、そんな表情を浮かべる。
「・・・いいよ」
なんかいつもの海晴じゃないんだけど?どうかしたのか?
「?どうかしたのか?海晴?」
「い!?い、いや!なんでもないよ!」
「そ、そうか?」
「そ、そうだよ!ちょ、ちょっとあのお店見てくる!!」
そう言って海晴はかなりのスピードで走ってった。
・・・・・俺、なんかしたか?
そこに耀が突然現れる。
「一通り買ってきた」
俺は耀の方を見ながら返事をする。
「おう、・・・なんか多くないか?」
「?金貨5枚ぴったりだけど?」
あ、そうですか・・・
耀、俺には耀が10袋くらい持ってるように見えるんだが・・・
“5枚ぴったり”?
「ってはやいな!?もう全部使ったのか!?」
俺、まだクレープ1個しか買ってないんだけど・・・(2人のクレープ代は練成した)
「あれ?海晴は?」
「ん、海晴なら向こうの店に行ったぞ?そういえば、いつのまに名前で呼び合う仲になったんだ?」
「さっき・・・というか自己紹介のあたりで友達になった」
「ああ、あのときか」
「で、これからどうする?」
耀から質問の声が上がる。
もちろん何も考えていないわけではない。
「とりあえず海晴が戻ってきてから話す」
そのころ海晴は・・・
「・・・―――っっっ!!!?」
今も顔を赤くしていた。
『海晴って呼んでいいか?』
そう天才クンに言われたときからすごく心臓がドクドクしてる。
いや、この祭りに誘われたときからだけど、今はさらに激しい。
「なんだろう?この気持ち?」
そこでふと、子供のことのことが頭に浮かぶ。
母さんと話をしている時のことだ。
「海晴には好きっていえる人がいる?」
「?好きってなあに?」
「好きっていうのはね、ママがパパのことを大好き、みたいなことだよ」
「う~ん・・・ママとパパ!!」
「ありがとね」
ママは笑って答えた。
「どう?小学校にはそういう友達いない?」
「う~~~ん・・・いない!」
「そう?あなたも女の子なんだから好きな男の子くらい作らなきゃだめよ?」
ママは笑っていった。
そういえば、結局好きってなんだったのかな?
もう普通なら高校生くらいの年齢のときもこんな会話したっけ。
もう研究所に入ってたから高校、行ってないんだ。
「海晴、好きな人とかできた?」
「も~またその話する~」
「だって気になるもん」
「え~~~」
「7年前に研究所に入ってきた彼は?同い年だし」
「だって彼、私の話聞いてくれないんだよ?「おはよ」とかあいさつもしてくれないの」
「それでも海晴は彼に話しかけ続ける?」
「うん!絶対彼と話す!話してみたい。だって私のただ一人の同い年の男の子なんだから」
「そう。ところで話を戻すけどその子のこと好きなの?」
「も~だから~」
「好きなんでしょ?」
「違うってば~」
「でも、恋はいいものだよ」
「恋?」
「誰かを好きになるってことだよ。海晴の場合は彼だね」
「へ~・・・だから違うってば!」
そして記憶の再生が終わる。
・・・・え?
私、もしかして天才クンのこと、好きだったの?
この気持ちって恋っていうの?
ドキドキする気持ちがおさまらない。
でも、そろそろもどらないと・・・。
「しょうがない・・・あれ、使うか」
私はこのものすごくドキドキする気持ちを一旦、“封印”することにした。
―――・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
よし!これでいつもの私に戻った!
じゃ、いくか。
私は天才クンのところへと向かった。
こんにちわ
すみません。予定よりも大幅オーバーですね。
自分専用のパソコンほしい・・・。
続きを読んでくれる方はゆっくり待っていただけたらと思います。
何か問題などありましたら感想までお願いします。
問題とかなくても感想お願いします。