問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ? 作:神流朝海
なんかあれですね。あれっていってもよくわかんないですけどあれです。
家でパソコンを使う時間が・・・・・
っていうか私立の試験まで後一ヶ月じゃん!!!
では、どうぞ
―――東北の境界壁・自由区画・商業区。赤窓の歩廊。
俺と飛鳥は黒ウサギを史夜からもらったギフトで撒いた後、観光をしていた。
正確にはこれから観光するところだ。
「さ、それじゃ散策を開始しましょう。エスコートはお願いできるのかしら、十六夜君?」
「へぇ?見るからに野蛮で凶暴そうだと思われていたはずだけどな?」
「あら、細かいことを気にしていては紳士にはなれなくてよ?」
クスクスとお互い笑いあった。
飛鳥とは結構息が合うのかもしれない。
俺は肩を竦ませて飛鳥の隣に立つ。
「それでは僭越ながら、エスコートの真似事でもさせてもらいます、飛鳥様。―――そうだなぁ。まずはこの赤、歩廊を散歩かな。商店街のようだし、ご当地品や限定ものをいろいろ物色してまわるのも観光の醍醐味ってやつだし」
「そう。物好きな十六夜君がそういうならきっと、そうなのでしょう」
「そうだとも。飛鳥も女なら、そういうショッピングとかは好きだろう?」
「・・・さぁ?そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないわ」
飛鳥の表情に一瞬、陰が差す。
少し不審に思ったが、飛鳥に手を引かれて質問する機会を逃した。
「さ、行きましょ。あの歩くキャンドルスタンドも店で売ってるかもしれないわ」
「・・・そうだな。・・・飛鳥が欲しいならそこらへんのを一体くらいとってもいいが?」
「あら、そんなのだめよ。ルール違反だわ」
飛鳥は小さく首を左右に振った後、最高に悪戯っぽい笑みで、
「どうしても欲しいものは―――ギフトゲームを挑んで勝つ。それが箱庭のルールでしょう?」
その笑みとその言葉に、つい俺は笑ってしまった。
「ハハ、そりゃそうだ」
にこやかに宣言する飛鳥に、哄笑を向ける十六夜。
2人は嬉々とした表情で朱色に染まったガラスの歩廊を散策するのだった。
・・・・・・
「さて、あの2人のことかな?白夜叉が言ってたのは」
俺は独り呟く。
なぜ俺がここにいるのかというと、少しばかり時を遡る。
なんでも、こういう経緯があって俺を呼んだらしい。
―――――――――――
「白夜叉様!どうしてあの四人を行かせたのですか!?」
「な、なんじゃ?なにかだめだったかの?」
「この手紙を見てください!!」
と黒ウサギは飛鳥からの置き手紙を白夜叉に見せた。
「・・・なるほど。“脱退”とは穏やかではないのう。むぅ・・・どうしたものか・・・」
「白夜叉殿が力を貸していただければすぐに捕まるのではないか?」
「むぅ・・・。すまぬがレティシア、残念ながらわしにはまだ仕事があってのう・・・」
そこでハッと思い出したかのように白夜叉の目が見開く。
「最近人間界で箱庭に来られるほどの世界的な功績をあげたものがおる」
「その方は何をしたのですか?」
「“魔法”の開発じゃ」
「魔法?っていうと史夜さんが使っているようなものですか?」
「ちと違うがの。だいたいそんな感じじゃ」
「ならその人をこちらに呼び寄せればあの四人を捕まえられますか!?」
「少なくともおらんよりはましじゃろう。どれ、これは出世払いということで片付けておいてやろう」
「ありがとございます!では、私とレティシアは様はあの問題児たちを捕まえに参りますので、その人のことはよろしくお願いします!」
「白夜叉殿、よろしく頼む」
「うむ。こっちの方はまぁまかせとけ」
「レティシア様は史夜さん達を、私は十六夜さん達の後を追います!」
「了解した」
黒ウサギは跳ねて、レティシアは影の翼を使って、問題児を追いに行った。
「さて、こっちもやるかの」
パンパンパン。と白夜叉が拍手を打つ。
「この権限を使うのは久しぶりじゃの。いつかの大戦以来か」
白夜叉の前に光の円が浮かんでは消えていく。
向こうの世界では一通の手紙が届けられているはずだ。
その光の円が浮かんでは消える。浮かんでは消える。
浮かんでは消える。浮かんでは消える。
浮かんでは消える。浮かんでは消える。
「・・・長いのう。まだ手紙は届かんのか」
本当は結界によって手紙の侵入が妨げられているのだが、白夜叉は知る由もない。
浮かんでは消える。浮かんでは消える。
そして突然光の円が青色の光に染まり、水色の光を放ち始めた。
「ようやっと来おったか」
辺りが眩い水色の光に包まれた。その明るさに白夜叉は目を瞑る。
目を開けると、そこには呼び出した一人の青年がいた。
――――――――
という経緯があったらしい。
さっきの続きは数ページ前に書いてあると思うから、分からなかったら読み返してくれ。
(おい、登場人物がページとか言うなよ)
(別によくね?説明めんどいよ)
(ま、それもそうだけど)
(というか後でちゃんと神川史夜に会わせろよ?)
(分かってるって。じゃ、裏会話はこの辺にしようか)
(そうだな)
ということで俺、霧下結哉は白夜叉の頼みで(すでにこの世界のことは聞いていて、だいたい理解している)
今、コミュニティ“ノーネーム”の問題児を追っている。
名前は逆廻十六夜と久遠飛鳥。どちらかというと史夜の方を追いたかったが・・・。
まぁ、さくっと片付けて史夜のところへ行くか。
「我、契約文を捧げ、大地を走る風の聖獣を宿す」
俺は身体能力強化の魔法を自分にかける。
人間の脳のリミッターと解除し、通常とは比べ物にならないスピードで体を動かせるようになる。
というのがこの魔法の効果。
これは俺が改造した魔法だ。もともとは
「我、契約文を捧げ、大地に眠る悪意の聖獣を宿す」
という文だった。
しかしこれは反動が大きく、使い終わった後は体力を一気に消耗するという、運動をしていない俺たち研究者・魔法使い達にはきつい代物だった。
だが俺が改造した魔法は反動を少なくすることに成功した。
そうだな、十段の階段を一段飛ばしで歩いて上ったくらいのきつさだ。
まぁ、魔法のことはこれくらいにして。
魔法をかけた理由は、逆廻十六夜は身体能力がものすごく高いと白夜叉が言っていたからだ。
さっきまで月の兎が追いかけていたらしいが、撒かれたらしい。
「今度は俺と鬼ごっこしようぜ」
独り呟き、問題児を捕獲しに向かった。
時間は少し前・・・黒ウサギを撒いたところまで遡る。
「きれい・・・」
「こりゃ結構な代物だな」
今俺と飛鳥はいろいろな展示品が並べられている区画にいた。
飛鳥はさすがに今日中には黒ウサギのところへ帰るようだった。
「十六夜君。クレープというのは食べ物よね?おいしいの?」
「ああ、かなりうまい。おすすめするぜ」
「十六夜君がそういうならきっとおいしいのでしょう。買わない?」
「ああ、さっき史夜からこれが送られてきたからな」
これ、というのはサウザンドアイズ発行の金貨のことだ。
さっき展示品を見ているときなんとなくポケットに手をつっこんでみたら紙と一緒に10枚の金貨が入っていた。
その紙の内容は、
『十六夜と飛鳥へ
今送った金貨は俺が練成したサウザンドアイズ発行の金貨だ。
買い物とかそういうのに使ってくれ
史夜』
とのことだったのでありがたくもらっておいた。
「飛鳥はなににするんだ?」
「私は・・・十六夜君のおすすめでいお願いするわ」
「了解。チョコバナナ2つくれ」
ということで俺はチョコバナナ、飛鳥もチョコバナナを買った。
「・・・これ、どうやって食べるの?」
「ん?あ、そうか。飛鳥はまだクレープを食べたことなかったんだったな」
「私の時代にはこんなものなかったもの」
「まぁそうだな。まずこの紙を破って・・・」
と俺はクレープの食べ方を飛鳥に説明し、実際にそうやって食べて見せた。
飛鳥も小さいけど大きく口をあける。
「・・・!おいしい!こんなにもおいしいものがあったなんて!」
「だろ?クレープの中でもチョコバナナはうまさ一位だぜ」
その後もわいわい騒ぎながら食べていると、
「我が求むるは捕縛>>>縛手」
そんな声が聞こえてきた。そしてその声が聞こえてきたほうから光の縄らしきものが―――
「!?」
「え!?」
俺は飛鳥を抱きかかえ、建物の屋上へとジャンプした。
案の定、その光の縄は俺の動きに反応し、建物の屋上へと昇ってくる。
俺はその光の縄の根源を見つめ・・・
「そこか。行くぞ、飛鳥」
「え?行くってどこ・・・きゃあ!!」
俺は飛鳥を抱きかかえたまま、光の縄の根源へと向かってジャンプした。
「うお、すげぇな。あいつの反応速度。「縛手」で捕縛無理なのか」
つい呟いてしまう。今の魔法は「縛手」と呼ばれる魔法で捕縛系魔法の一つだ。
唱えれば、目の前に魔法陣が現れ、その魔法陣から光の縄がたくさん出てきて対象を捕縛する。という魔法だ。
唱えるだけで魔法が発動する発動方法を「真言法」というのだが、魔法講座はまた別の機会に。
まぁ、その「縛手」を避けるなんて結構すごい。しかも初見で。それとも運がよかっただけ?
この魔法は上下の運動に弱いのだ。あんな風に高くジャンプすれば縄が追いつかない。
そして「縛手」を消去しようとしたとき、
「よぉ。なにやってんだ?お前」
「!!?」
後ろから声をかけられた。足音などまるでなかったのに。
「おいお前、なぜ俺たちを狙っている?」
「・・・まあまあそう怒るなって。あの魔法はただの捕縛用だし」
「・・・お前、誰だ?」
「あ、自己紹介まだだったな。俺は霧下結哉。よろしく」
よろしく、と何気なく手をのばす。
もちろん、それに十六夜は手をのばさない。
「まあ、ごめんって。いきなりしかけたのは謝るから許してよ、十六夜」
「・・・どうして俺の名前を知っている?」
「もちろん知ってるさ。逆廻十六夜に久遠飛鳥」
「・・・私の名前まで」
「そうだな。めんどいけど説明するか。俺をこの箱庭によんだのは白夜叉だ。十六夜と飛鳥も知ってるだろ?」
「ああ、知ってる」
「知ってるわ。で、あなたはどうして私達を捕まえようとしたの?」
「いや、「黒ウサギのために問題児たちを捕まえてきてはくれんかの?」と頼まれたからだ」
「「なるほど」」
「と、いうことで、おとなしく捕まってもらえるかな?」
「嫌だね!」
十六夜はものすごい脚力でジャンプする。
「はは、やっぱりすごいなあ。『起動式ロード完了。対象の想像・実体のリロード完了』さぁて、このくらいの魔法で捕まえられるか?『精神凍結(マインドフロスト)』」
この魔法は、この起動方法は、俺がいなかったら22世紀前半くらいに開発されていた起動方法だったはずだ。(俺の見込みで)
本当は俺が開発した魔法起動補助装置、CADというスマホやハンドガンくらいの大きさの機械が必要なのだが。
世界のすべてを情報化し、その情報を書き換えることで実体に作用させる、という理論。
俺が今使った『精神凍結(マインドフロスト)』は一時的に神経を凍りつかせる魔法だ。
凍らせる、といってもほんとに凍るわけじゃない。気絶くらいのものだ。
使う側がどれだけ魔力をこめるかによって変わるが。
十六夜の周りに水色の魔法円が現れ、その円から霧のようなものが出てくる。
「・・・今度はなんだ?」
「なに、ちょっとした気絶魔法だよ」
「そうか。―――」
俺は何をするのか見ていた。だが次の瞬間、驚きの色が隠せなかった。
「パリィィィィィ!!!」
魔法式と魔法円が音をたてて砕ける。
「・・・は!?十六夜!お前、魔法を砕けるのか!?」
「は!そんなやわなもの、史夜に比べるとまだまだだな!」
「あいつと比べるなよ・・・」
ついぼそっと呟いてしまう。
史夜は天才だ。普通“無から有を生み出す”なんて理論、解明できないだろ・・・
『止まりなさい!』
「ナイス!飛鳥」
「当然よ。十六夜君ばっかりにまかせてられないわ」
飛鳥が笑みを返す。そして十六夜が大きくジャンプする。
「え?あ、おい!待て十六夜!!」
少しの隙で飛鳥に体を止められ、驚いている隙に十六夜が遠くへ自慢の脚力で飛んでいってしまう。
くそ、拘束が解けない・・・・・
「なかなかめんどいな、これ。結界の一種か?なら・・・『一瞬刹那♪刹那の時間♪わずかな時間で時をも越えろ♪一瞬刹那♪・・・・・』」
頭の中で魔法歌を詠う。これにも専用の《脳内魔導機器(ヘッドフォンファズ)》というヘッドフォン型の機械を装着しなければならないのだが、まぁ、それは気にするな。
種類は加速・跳躍魔法。跳ねる、とか飛ぶ、とか速く走る、とかそんな感じの魔法。
俺はこの魔法を使って“時”を越える。今俺を拘束している飛鳥のギフトは飛鳥が拘束を解くまでこのままだろう。
だが、時を越えればほとんどすべての結界がその力をなくす。なぜかは知らないがそういうふうになっている。(今後の研究対象)
ほとんど、だから失わないものもあるのだが、物は試しだ。ちなみに転移系の魔法は跳躍魔法の派生だったりする。
『時渡スイッチ』
と呟く。魔法の名前を言うことが魔法の発動キーだ。
俺の体が光だし、5秒先の未来へと転移する。
今の俺では5秒が限界だ。
だが、それだけあれば十分だ。
「・・・ふぅ。やっぱ拘束とけたかあ。しかしあれはいいな。魔法にすると精神系かぁ。それも最上位の。この魔法で逃げ切れない結界は神が造る結界『神殿』だけだからな。まぁ、逃げれたしよかったか。・・・・・・・十六夜と飛鳥は?」
最後の呟きに答えてくれたのは、何かの始まりを告げる花火だけだった。
読んでくれてありがとうございました。
きっと鏡さんにはこれからもお世話になりそうです。
「伝説の勇者の伝説」「黙示録アリス」「魔法科高校の劣等生」からお借りしました。
さらにこれから遅くなりそうです。
なんてったって私立の入試です。受験です。
そろそろまじめに勉強しないと親にしかられます。笑。
ああ~時間ほしい。
次はいつになるかわかりません。
2月くらいには絶対上げます!!
ですがよろしくお願いします!
なにか問題とか質問とかありましたら感想までお願いします。
なくても感想くれたらありがたいです。