問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ? 作:神流朝海
なんかかせが外れたように更新してます。
三月までにまだもう少しあがりそうです。
(たかが3000ちょいじゃん)
というのはまぁ、なしにして~。
では、どうぞ
時間は少し遡り、十六夜と飛鳥の方へ。
今、十六夜と飛鳥は妙な生物?と対峙していた。
「・・・精霊・・・だよな?」
「・・・精霊・・・よね?」
「はぐれたのか?こんな小さい精霊はだいたい群れを作ってるだろ」
「どちらにせよ、放っておけないわ。連れて行っていいかしら?もしかしたら途中で仲間が見つかるかもしれないわ」
「それもそうだな。じゃあ、行こうか」
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「うお。このテクタイト結晶すげぇ~・・・は?人造!?これ造ったやつなかなかおもしろそうだな」
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「うわ、読めねぇ。俺で読めないとかどんな代物だよ?」
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どうやら十六夜君は展示されているものに目が無いようだ。
子供のように目をキラキラさせて展示品を見たり、難しそうな顔をして説明文を読んだり。
結構かわいいところあったのね。十六夜君にも。
「こういうのも、たまにはいいかも」
「あすか~~?」
「ん?どうしたの?」
「これ、らってんふぇんが~~!」
この精霊が指差す先に、大きな鉄でできた人形があった。
「ラッテンフェンガー・・・これ、あなたたちが造ったの?」
「うん!らってんふぇんが~!」
「ラッテンフェンガー、ネズミ捕りの道化師。1284年、聖ヨハネとパウロの記念日、6月の26日に起きた事件。思いつくことたくさんあるな」
「聖ヨハネと・・・?」
「ああ、すまん。そこは気にせんでいい。重要なのはその事件に登場する人物だ」
「・・・十六夜君って外見はそこまでないけど、博識よね」
「おいおい、失礼だな。俺は最高に頭いいぜ?」
「うふふ、それもそうね」――カサッ――カサッ
「「ねぇ、十六夜君?(なぁ、飛鳥?)」」
「・・・なんか音するよな?」
「・・・そうよね?カサッカサッっていう」
音のほうを向くと・・・
「ネ、ネズミの大群だぁぁああ!」
誰かが叫ぶ。それを聞いた人たちにもパニックが伝染する。
「ネ、ネズミの大群!?」
「飛鳥!ギフトでどうにかできないか?」
「やってみるわ。『止まりなさい!』・・・え?なんで?『止まりなさい!』『動きを止めなさい!』『巣に帰りなさい!』なんで効かないのよ!!?」
「ネズミに飛鳥のギフトが効かない?誰かに操られているのか?なら邪魔なやつらを・・・飛鳥!」
「わかってるわ!『整列してさっさと逃げなさい!』」
「「「「「はい!わかりました!!」」」」」
飛鳥のギフトにかかった者たちが、整列して走り去る姿は・・・なんというか、おもしろい。
「十六夜君!どうす―――」
「オラオラァ!どうしたネズミ共!それと操ってる奴!」
私はため息をつきながら、史夜君にもらったギフト“闇討つ白き光”を連発し、飛び掛ってくるネズミを消す。
十六夜は足元のネズミを蹴ったり、飛び掛ってきたネズミを殴ったりしていた。
ネズミが体に取り付くと、史夜からもらったギフトを器用に使って転移して噛み付かれるのを防いでいる。しかし、数が数だ。
「しかしこの量・・・ちょっときついな」
「そうよね・・・私たちだけじゃね・・」
「まったく、これだから主殿は・・・」
「「レティシア!?」」
突然の声に驚き、振り返る。
「まったく。展示会場からものすごい勢いできれいに整列して走っていく様を見てな。入ってきたら案の定だ。いったい、何をやったんだ?」
「いや、俺たちはなにもしてないぞ?このはぐれ精霊のコミュニティを探しながら、展示品を見てまわってたとこだ」
「そうよ。私たちは今回は被害者だわ」
「あすか~~?いざよい~~?」
ひょこんと飛鳥の服から顔を出す精霊。
「これは・・・群体精霊か?なぜこんなところに?」
「あすか~~!いざよい~~!まえ~~!」
その精霊が指をさしながら言う。
「うわ!こいつらまた増えてやがる!!」
十六夜の言葉にレティシアが奥を見る。
「鼠風情が、我が同胞に牙を突き立てるとは何事だ!?分際を痴れこの畜生共!!」
さっきから気になってたけどレティシアだよな?すごく大人びて見えるんだが・・・
普段の温厚なレティシアとは思えん・・・。
そのレティシアの足元から影が伸び、無数のネズミを屠った。
「術者はどこにいる!?姿を見せろッ!!このような往来の場で強襲した以上、相応の覚悟あってのものだろう!?ならば我らが御旗の威光、私の牙と爪で刻んでやる!コミュニティの名を晒し、口上を述べよ!!」
激昂したレティシアの一括が響く。
しかし返事もなければ気配も無い。
この様子なら、術者はもう、とっくに逃げているだろう。
それにしても、
「・・・。貴女、こんなにすごかったのね」
「ああ、あの時とは大違いじゃねぇか」
「は?」
小首をかしげるレティシア。それが賛辞だと理解したのか、やや不機嫌な声が返ってきた。
「あ、あのな主殿。褒められるのは嬉しいが、その反応はさすがに失礼だぞっ。それにあのときのゲームはただ単に力比べではないか。私はコレでも元・魔王にして吸血鬼の純血!誇り高き“箱庭の騎士”!いくら神格を失ったといえ、あの程度、いくら相手しても問題ないっ」
拗ねるように口を尖らせるレティシアのその仕草は、間違いなくいつもの彼女だ。
「そろそろ日が暮れる。まだ主殿は帰らぬのか?」
「そうだな。そろそろ帰るか」
「そうね。そろそろ帰らないと」
「かえる~~?」
そうして三人と一匹は朱色のランプが照らす街を進み、“サウザンドアイズ”の店舗へ戻るのだった。
―――境界壁の展望台・サウザンドアイズ旧支店―――
「お風呂へ駆け足ッ!今すぐです!」
店先で主たちにそう言ったのは、いつもの、割烹着を着た女性店員だ。
「その様な薄汚れた格好で“サウザンドアイズ”の暖簾をくぐろうなど言語道断!衣類をこちらへ!洗濯します!解れは修繕してあげますから感謝なさい!さぁ、さっさと身を清めてください!お店が汚れてしまうでしょう!?」
・・・と問答無用で半ば無理やり衣類を取られ、清めのてぬぐいを一枚ずつもらって湯殿に放り出される主たちを見るのは、少しおもしろかった。
そうだな。見てるのはおもしろかった。だが、なぜ、
「なぜ私までこのようなことにならなければならないのだ?」
「あら、レティシアは「ついで」という言葉を知らないの?」
「いや、知ってはいるが・・・」
ちなみに私が今いるのは女湯の湯船だった。(十六夜殿は男湯に放り込まれていた)
私は主たちのように汚れてはいなかったのに。
主たちは2人とも、ネズミの返り血と泥でかなり汚れていた。
だが、体を洗い、今はこうして湯船にゆっくりとつかっている。
「楽しかったか?主殿」
「そうね。十六夜君の意外な一面も見られたことだし」
「主殿は十六夜殿をよく見ているのだな」
「そうね。史夜君もそうだけど、初めての男の子の友達なのよ」
「主殿は・・・十六夜殿のことが好きなのか?」
「ひゃ!?な、なんでそんなこと、言うのよ!?」
「なんとなく、だ」
そう言ってレティシアは笑った。なんか、これまでに見たことがないような笑顔だ・・・。
ち、違うからね!?別に十六夜君のことが好きとかそういうのじゃないからね!
「も、もう!上がるわ!」
「ふふふ、そうか。そうなのかぁ」
「もう!だから違うってば!!」
なんか今のレティシア、いつものレティシアじゃないみたい。・・・性格が。
脱衣所に来ると、いつもの、赤いドレスが置いてあった。
「すごい。こんな短時間で解れも汚れも落ちて、乾いてるわ」
私はそのドレスを着て、外へ出る。空にはたくさんの星々が輝いている。
「きれい・・・」
「ああ、きれいだ」
「きゃあ!?十六夜君!?いつのまに!」
「ヤハハ。まぁ、な。・・・この星空も箱庭を盛り上げるためのものなんだな」
「そうよね。・・ペルセウス座・・・ないわね」
「ああ。だが野郎のことだ。いつかなにかをするだろう」
「いざよい~。あすか~」
「あら、なあに?」
私の服から飛び出した精霊は来てとばかりに先を行く。
「ちょ、どこへ行くの?」
「まぁまぁ、飛鳥。ついていってみようぜ」
十六夜君の提案で、その精霊についていくことになった。
その精霊が招いた先は、先ほどネズミに襲われたあの展示場だった。
「あすか~これ」
「これって・・・?」
「どうみても鉄の人形だよな・・・?」
『私からの贈り物。どうか受け取って欲しい』
と、とんがり帽子の精霊が、言う。
『ギフトゲーム名“奇跡の担い手”
・プレイヤー一覧 久遠 飛鳥
・クリア条件 神珍鉄製 自動人形“ディーン”の服従
・敗北条件 プレイヤー側が上記の条件を満たせなくなった場合
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下“ ”はギフトゲームに参加します
“ラッテンフェンガー”印』
「契約書類?」
『もうすぐ魔王よりも強大な力を持った者がこの火龍誕生祭に現れます。どうか、これを使って身を守ってください』
「魔王よりもってどういうこと?それになぜ?」
『あなたなら、ちゃんとした使い方をしてくれそうだから。でも、偽りの童話―――ラッテンフェンガーに終止符を打ってほしい』
「・・?それはどういうこと?」
「ま、魔王が、魔王がでたぞぉぉおお!!」
「飛鳥!」
十六夜が声をあげる。
『どうか受け取って欲しい。そしてもし願いが叶うなら、偽りの童話に終止符を』
「待って!・・・いいわ。ディーンは私が貰い受ける!」
みなさんは史夜たちと十六夜たちの時間にずれがあるのは気づいたでしょうか?
それはある事が関係してます。
たぶんそいつは次話登場予定?です
何か問題とかありましたら感想までお願いします。
問題とかなくても感想を書いてくれたらうれしいです。