問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ?   作:神流朝海

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こんにちわ。

今回視点がぐっちゃぐちゃでわかりづらいかもしれません。
初登場キャラが2名、出てきます。(1人は原作でもでてます)

では、どうぞ


人間 対 吸血鬼

「クックックッ」

「キッキッキッ」

広場に2人の笑い声が響く。

「あはは、本当に人間はコワイねぇ」

「キキキッ イツマデ ワラッテ イラレルカナ?」

「あはは、いつまでも笑っていられるよ」

「ヌカセッ!」

 

2人が剣で斬り合う。

血の赤と、暗い緑が交じり合う。

「確かに君の剣と僕の剣では、破邪の力を持つ君の剣の方が圧倒的に有利だ。でも、君まで魔になってしまったら、あまり意味はないんじゃないかな?」

「キッキッキッ ムイミナシツモンハスルナ ソレクライワカッテイル ダカラコウシテ チカラヲフウジテイルジャナイカ」

 

分かりにくかった方にもう一度。

キッキッキッ。無意味な質問をするな。それくらいわかっている。だからこうして力を封じているじゃないか。

 

(いや、別に言い直さなくてもわかったけど?)

(いや、ミカエラに向かって言ったんじゃなんだけど?)

(いや、作者が物語に入ってくるなよ)

(ほらほら、そんなこと気にしてると不意打ち喰らうぞ?)

(いや、君が・・・っとと。ねぇ、この禁呪の解除、難しくなってない?)

(え?気のセイ キノセイ)

(なんだよ。その喋り方・・・うわっと、こいつはやばい)

 

『壱ニ死、弐ニ滅、参ニ砕、肆ニ迷、伍に亡 神ノ力ヲ祓イテ 神ノ力ヲ宿ス』

禁忌中の禁忌中の禁忌の術。死を練成し、相手の魂を奪い、自分に上乗せする術式。

つまり、相手のギフトを奪うギフト。

人間・・・いや、史夜自身が作り出した、「術式」という名の最悪のギフト。

相手を殺すためだけに・・・史夜、つまりは“禁忌と呪術の魔王”が作り出した術式。

 

史夜はその術式で顕現させた弓を構え、言う。

「コンドコソ、ヨケキレナイゾ?」

矢を1本、撃つ。しかし、その放たれた矢が、2本、4本、8本、16本とどんどん増えて、空に舞い上がる。

 

「あ、いいねぇ。そのパズル」

神をも殺す毒と、魂(ギフト)を奪うギフトが込められた、滅びと死の矢。

その1本1本をすべてかわすのは、耀でも、十六夜でも、黒ウサギでも無理だろう。

触れたら命と魂を奪われる矢を見つめながら、ミカエラは言った。

「合計2の20乗。矢と矢の間は数センチ。範囲は僕を中心に半径500メートルってところかな?」

 

確かに、あれを2,3本も受ければ、僕は死ぬ。『吸血鬼の始種』の僕を殺せるほどの術式。

人間がこれを使いこなせるようになれば、世界は変わるだろう。

世界から戦争が消え、そしてそれを使った人間たちも消えるだろう。

・・・自ら作った術によって。

そこまでおそろしい、そして“おもしろい”術式だ。

「これは解きがいがある。ま、でも唯のパズルだけど」

 

自分を殺せる術式を、彼はパズルだ、と言った。

彼がなにか、呟く度に、滅びと死の矢が、数百、数千という単位で消えていく。

「あはは、おもしろいパズルだ。でも・・・彼よりも単調で張り合いのないものだ」

「キッキッキッ コレダケデ オワリト オモウナ」

 

~~~~~~

 

私は黒ウサギとジンの話を聞いて飛び出した。

 

「史夜・・・・・」

 

直後、ある一点から空へと向かって、一本の矢が放たれた。

 

「・・・矢?」

 

しかし、その矢は、

 

「え?どんどん増えてる・・・?」

 

2倍、2倍、2倍と徐々に増えていっている・・・気がする。

何・・?あの矢・・?

すごく、禍々しいものを感じる。

それが放たれた場所にいたのは・・・

 

「・・・史夜!?」

 

まちがいない。あの白衣・・・間違いなく史夜だ。

 

史夜は大体いつも白衣を着ている。

前に聞いたことがある。

 

・・・・・・・

「ねぇ、史夜?」

「ん?なんだ?耀」

「えっと、箱庭に呼び出されたときから今まで一緒に生活してきて、ずっと気になってるんだけど、なんで史夜はよく白衣を着ているの?」

「あ、これか?」

 

と史夜が白衣を触りながら言う。

 

「うん。それ。結構気になってたんだけど・・・」

「ん~・・これは父さんと母さんが作ってくれたものだから、かな。それにすべての術に関しての防護もこれが一番最適だし」

「あ、そうなんだ。いいな。親の手作り」

「まぁそれもあるんだけど、なんか、しっくりくるんだよな。これでも術の研究者だから」

「ふふ、そうだね」

・・・・・・・

だから間違いない。そう、あの時の、私が怪我をした時だって・・・

 

~~~~~~~

 

「また、守られちゃったな」

「ううん。だって史夜も私を助けてくれたし」

「ごめん。“次は俺が守る”」

「うん。よろしくね」

 

~~~~~~~

あの時も、白衣を着ていた。

・・・・・・・え?

・・・・次は俺が守る・・・・

・・・・・・・・・

 

つながった。今回の、史夜の行動が・・・。

途端に、私は悔しさと、怒りの感情でいっぱいになった。

 

「・・・私は・・・私は弱いけど、・・・ただ、敵から遠ざけるだけじゃ、守るとはいわないよ!」

 

言ってほしかった。あの化け物に術を撃ち込む前に、相談してほしかった!

・・・けど、私もまだ弱い・・・私が弱いから、闘えないから、1人で闘っているんだ。

わかってる。けど・・・

 

「一言くらい、相談してくれても・・・いいじゃん」

 

私は悔しさの涙で顔をぬらしながら、史夜のもとへ急いだ。

 

 

「い、いったいどうするのでございますか!!?」

「耀、行っちゃったよ!!どうするの!!?」

「ちょ、ま、とりあえず一回落ち着きましょう!」

「友達が危険なところにいるのに、落ち着け、なんて無理だよ!!?」

 

声を荒げて、ジンに海晴が反論する。

 

「僕だって同じです!もう、同士は失いたくないんです!!相手は『吸血鬼の始種』!勝てるかどうかわからない・・・いえ、普通では勝てない相手なんです!!」

 

ジンの説得が届いたのか、海晴が黙る。

 

「で、ではとりあえず白夜叉様に報告を―――」

 

「いや、・・・いいよ黒ウサギ。それにソンナ時間ナイ」

 

黒ウサギの提案を、海晴が蹴る。

突然のことに、ジンも黒ウサギも驚く

 

「「え?海晴さん?」」

「・・・ボクが耀と史夜を助けるけん。君たちはここにおっとき」

 

海晴はそう言って、式を使って、耀の後を追っていった。

 

「あ、あ・・・・・」

「え、え・・・・・ちょ、海晴さん!!?ジ、ジン坊ちゃん!どうしましょう!?それに、あれは・・・」

「あ、あ、・・・・あの式は晴明さん・・・安倍晴明が使っていた・・・式神です・・・それにあの口調・・・」

「・・・そう、でございますよ・・・ね?」

 

安倍晴明という名前を口にして、晴明さんとの記憶が蘇る。

元・“ノーネーム”の遊撃隊長みたいな人だった。

もとの世界では陰陽師をしていて、人間界に「陰陽術」という概念を確立した本人。

彼は、孝明みたいに気分野だった。でも戦力としては、今の十六夜や黒ウサギや海晴や史夜すらも、一体の護法式で対処できる程の力を持っていた。

・・・今の史夜にそれで勝てるかはわからないが・・・。

昔の、“ノーネーム”が、まだ“     ”であったころのことが頭に浮かぶ。

 

 

「なぁジン君。よう見ときぃや。これがギフトゲームっちゅうもんや」

「はい!・・・でも僕は晴明さんのギフトゲームを見て、戦術とか真似できるでしょうか・・・」

「あんなぁジン君。ギフトゲームっちゅうもんは戦術とかそういうもんは必要ないんや。ただ楽しい。ギフトゲームはそれだけでいいんや」

「は、はぁ」

「やけんなぁ。そんな怖い顔したらあかんで。ほら、もっとわろうてぇな」

「こ・・・こうですか?」

「ははは、まぁ、最初はそれからでいいんや」

 

 

彼の、笑っていてとても楽しそうな笑顔が浮かぶ。

 

「さっきの、海晴さんの表情は、晴明さんに似ていました。いつもよく見た、彼の笑顔にそっくりです」

「・・・でも、いったいどうして・・・?」

「わかりません。でも、晴明さんが助けると言ったんです。きっと、助かります。・・・一回、史夜さんのところへ行ってみましょう。なにか、知識だけでも手伝えることがあるかもしれません」

「そうですね・・・え!?ジン坊ちゃん!?」

「大丈夫です。いざというときは、晴明さんにもらったこれがありますから」

「そ・・・そうですね。では、行きますよ!つかまってください!」

 

 

「・・・思ったより魔王化するの早かったな」

「そうだな。私はもう少し後だと思っていたんだが」

「・・・娘を助けにいかないのか?あいつ、相当やばいぞ?」

「それこそ、息子を助けに行かないのか?」

「ははは、俺の息子はどっかの誰かさんと違って頭がいいからな」

「ふっ、それをいうなら私の娘だって強い娘だからな」

「はは、親バカだな」

「お前がいうか?」

 

2人とも、親バカである。

 

「じゃ、俺たちはここで待機、だな」

「そうだな。私の娘が危険になったら、行くか」

「いや、俺の息子も入れろよ」

「そうだったな。だが、あの矢とかその他の呪術、あれは対処しきれるかどうかわからんから、よろしく」

「ははは、孝明でも対処しきれないか」

「術に関してはあまり詳しくないものでね」

「勉強しとけばよかったのにな。先生が2人もいたぞ?」

「ああ、だが、智史はともかく、晴明はパスだな」

「そうか?晴明はおもしろくていいと思うが」

「どうもあの性格についていけん・・・」

「ははは、それなら孝明の行動にも―――」

「智史の頭にもついていけんな」

「「ははははは」」

黄昏の夜に、2人の男は笑いあった。

 

 

「なんか君ばかり攻撃してるのもおもしろくないね。僕からも攻撃しようか?」

ミカエラが、剣を打ち合いながら言う。

「オモシロサナド イラナイ オレハオマエヲ ツブセレバイイ」

黒魔術、白魔術、赤魔術、青魔術、祓魔術、陰陽術、錬金術

普段使う術の、禁忌の術・・・

 

黒魔術のフレアという、最強の破壊術式

白魔術のホーリーフレアという、最高の破邪術式

赤魔術のカルル・リクレアという、無の消滅術式

青魔術のシルル・ルートという、重の粉砕術式

祓魔術の、聖騎士にすら使用が許可されていない邪の存在を消す術式

陰陽術の禁忌、反魂の術の最終章である、魂を消滅させる術式

錬金術の禁忌、人体練成の最終章である、魂を奪う術式

 

「うわ、まじか・・・すべて直言法で唱えやがった」

「チョクゲンホウ?チガウナ トウサンガ ツクッタ シンゴンホウダ!」

 

黒い炎、聖なる白炎、赤の無、青い砕、祓いの光、呪の符、闇の陣。

7つの禁忌の術が、『吸血鬼の始種』を襲う。

 

「クックックッ。確かに君は強いよ。今の君なら、外門でいうと4桁の、四〇〇〇外門くらいの強さだ。だが、僕には到底及ばない。君が魔王だろうが人間だろうが、僕には勝てない」

 

ミカエラは、右手に黒く、赤い、なにか霧みたいなものを発生させる。

右手をはらうと、その霧が史夜の放った術式に飛んでいく。

その術式に触れた瞬間、

 

「・・・ウソ・・・ダロ?」

 

人間が作り出した禁忌の術が、跡形も無く消え去った。

 

「『始源の術式』すべての術の源の術式だ。そうだな、君がいれば・・・・あと600年後くらいにはできるようになるよ」

 

『始源の術式』僕が創った、すべての術の起源にある術式。

いくら禁忌の術や最強の術を創ろうが、起源さえ壊せば、簡単に崩れる。

この魔術は、術、もしくは物体の核に作用し、核を消滅させる。

つまり、魔術なら消えさり、肉体なら作用した部分が消える。

ちゃんと、「契約書類」を守って、術を発動している。

 

「いいのかい?そんなにぼやっとしていたら、呑まれるぞ?」

「クッ・・・」

 

空間転移をして避ける。

 

「あはは、こっちの方がおもしろいかも」

ミカエラが『始源の術式』を連発する。

俺は・・・避ける事しかできない・・・

 

「クックックックッ。ゲームのジャンルが変わったねぇ。パズルゲームからシューティングになった」

「・・・・・・」

 

次々と転移をして避ける。

 

「そこはダメ!!」

 

誰かが大声で叫んだ。

え?と思った時にはもう遅く、転移していた。

転移した先で待っていたのは、

 

「ナニ・・・!!?」

 

こちらに『始源の術式』が迫ってきていた。

読まれたのか!!?俺がここに転移すると!!?

次の転移は・・・・

 

「マニアワ・・・」

「だからダメって言ったでしょ!!」

「ヨ・・・ウ?」

 

俺の手を引いて助けてくれたのは、背中に翼が生えた、耀だった。

 

 




今回ほど、サブタイトルに悩んだ回はありませんでした。
なんかこれも微妙だし・・・・・。
次回はちゃんとしたサブタイトル書きます。

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