問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ?   作:神流朝海

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こんにちわ。

ノーゲームノーライフの作者さん、病気?で入院だったらしいです。
さっきネットみて初めて知りました。
今がんばって続きを書いてるそうなので、次巻がもうすぐでるかもです。
はやく読みたいな~

では、どうぞ


同士と心

矢が消えていっている・・?

・・・間違いない・・・すごい速さで消えていっている。

 

「あんな矢を・・・あんな簡単に・・・?」

 

耀はグリフォンの大気を走るギフトと、ペガサスの大気を疾駆するギフトを使って、史夜のもとへ向かっていた。

その速さは、黒ウサギすらも凌駕するだろう。

 

「今度は・・・なに?」

 

史夜の体が一瞬光ったと思うと、7つの術式が放たれた。

黒い・・・炎、白い・・・炎、赤い・・・なにか、青白い・・・光、黄色の・・・槍、暗緑の・・・蛇、闇色の・・・手。

7つの色をもった術が、『吸血鬼の始種』に向かってとんでいく。

その術式に向かって、『吸血鬼の始種』がなにかしたかと思うと、

 

「うそ・・・?史夜の術が・・・?」

 

あっさり消えた。ここまであっさりと史夜の術が消されたのを見たのは、初めてだ。

その史夜の術式を消した・・・なにかが、史夜に迫る。

けど、史夜なら避けれる。

私の思ったとおり、史夜が空間転移で避ける。

だけど、どんどん『吸血鬼の始種』がなにかを放ち続けるから、避けることしかできてない。

突然、急いでる私の前に、一枚の羊皮紙、「契約書類」が現れた。

 

『ギフトゲーム名 “傍観か救済か”

 

 ・プレイヤー一覧 春日部 耀

 

 ・クリア条件 神川史夜を助けること

 

 ・クリア報酬 これから与えるギフトの固着

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと名の下に、“安倍晴明”はギフトゲームを開催します』

 

「これから与えるギフト・・・?それに・・・安倍晴明?」

ギフトカードを見ると、“生命の目録”“ノーフォーマー”の他にもう一個、ギフトがあった。

 

“時間の観察者”

 

「それはな、今の時間を観察して、未来を予知するもんや」

「・・・海晴?」

「ちゃうちゃう。今は体を借りとるだけや。ボクは海晴とちゃうで。ボクん名は安倍晴明っていうんや」

「・・・・・」

「ほんまやで?」

 

海晴の体、海晴の顔でいう。

 

「・・・ごめん。今やることがたくさんあってよくわからない」

「ははは。まぁ、がんばって史夜君を助けてきぃな」

「うん。ありがと」

 

私は再び、史夜のもとへ向かって走り出した。

 

 

「「・・・でたな」」

 

智史と孝明の声がかぶる。

 

「もうこれ、“     ”の主力メンバー揃うな」

「いや、まだカナリアと真夜が時間かかるだろう」

「そうだな・・・しかし7つもの最上級の禁忌の術を、すべて同時に真言法で使うとは」

「お前の息子も成長したな。術のことはよくわからんが・・・」

「ああ。反動に負けなければいいがな」

「?どういう意味だ?」

「・・・これだから術の素人は・・・」

「・・・今度授業でもしてもらおうか」

「いいのか?授業料は高いぞ?」

「・・・しょうがない」

「はははは」

 

と智史が笑い、孝明は少し、しぶい顔をした。

 

 

“時間の観察者”って、

「いったい、どうやって使うの?」

 

史夜は今も空間転移で術を避け続けている。

・・・・!?

史夜が2人・・・見える・・・?

左の目で見える光景と、右の目で見える光景が・・・違う・・・。

左目は普通に見えて、右目は少し、うすく緑がかって見えてる。

あれ・・・?左の方が・・・少し、遅い?

ちょっと頭がくらくらするかも・・・。

それでも目を凝らしてよく見る。

今の私じゃ、行っても逆に足手まといになる。

私にはこのギフトがあるから、未来を―――

 

「!!そこはだめ!!」

 

え?と史夜がこちらを振り向くが、遅かった。

空間転移の術式が発動する。

私は右目で見た、史夜が転移してくる場所に走る。

転移し終え、史夜が現れる。すぐそこには、術を消したなにかが、迫ってきている。

 

「ナニ!?マニアワ―――」

「だからダメって言ったでしょ!!」

 

よかった・・・間に合った・・・

私は転移してきた史夜の手を握って空を駆け、術の起動からそらす。

 

「ヨ・・・ウ?」

「うん。そう・・・」

 

・・・あれ?力が入らな・・・・・

 

 

 

ガクン、と耀が倒れる。

 

「ヨ・・・ウ?ヨウ!?」

「あはは、その娘、術に対しての防護、してないね。毒で死ぬよ?その娘」

「ナニ・・・!?ドウイウコトダ!?」

「そのまんまさ。僕はこの辺一帯に毒をばら撒いている。戦闘が始まったときからずっと、毒の術式を流してる。気づかないのも無理はない。あの2人がやっと気づけたくらいだから」

 

耀の容態がどんどん悪くなっていっている。

ペストのような症状、でも、ペストより体力の消耗ががひどく早い。“生命の目録”でだしたギフトも、もう顕現していない。

 

「僕はその毒を消せるよ。もちろんしないけど」

「フザケンナ!イマスグナオセ!」

 

俺に治せないことはわかっている。もうすでに俺が知る限りの回復術式は全部使ったが、効果はなかった。

 

「そのままにしておいた方が、君がより強くなるだろう?」

「・・・ザケンナ フザケンナ! タトエモウ モドレナクナッテモ オレハ ヨウ ヲマモル!!」

 

もう、いい。術のセーフティを解除する。式もすべて解き放つ。“正体無き指輪”は砕け、銀の十字剣に吸収される。

もう、今までの生活は、できなくなるかもしれない。

でも、それでも、

 

「ヨウヲ マモレレバ ソレデイイ」

「まだ術の力を上げるか。クックックッ。人間は本当に恐ろしい」

「ああ、そうだ。人間は恐ろしい。だから、気を抜くな」

「・・・お前は・・・あの時の錬金術師か。僕が気づかないなんて、腕をあげたな」

「史夜、よく言った。その心は大事だ。誰かを守る、という思いは、どんな術式よりも強い。お前は十分よくやった。もう、休んでいいぞ」

パチン。

 

トウ・・・サ・・ン?

俺の意識は、そこで途絶えた。

 

「っと。智史、やり方が少し雑だ」

「ん?そうだったか?」

「私が2人を受けとめなかったら、地面に激突していたじゃないか」

「ははは、孝明はそれを傍観できないだろ?」

「ははは、相変わらん性格やな」

「・・・晴明まででてきたのか」

「久しぶりの再会、を祝いたいところだが、まずはこいつにお帰り願わねば」

「そうやなぁ。邪魔やし」

「・・・私はお前ら程強くないから何もいいたくない」

「クックックッ。今度はどうやって帰すんだい?」

「いや、前回はマジギレだったから、俺、覚えてないんだ」

「だけん、今回はボクの番や」

「いや、俺も「契約書類」書き換えないと」

 

と言ったとき、下の方から、声が聞こえてきた。

 

「あ・・・え・・・」

「ジン君やないか!下がっとき。こいつはボクらが処理すんで。黒ウサギ、守ってあげてぇな」

「わ、わ、わかりました!!」

 

黒ウサギとジンも来とったんかぁ。黒ウサギおるし、もしものときはあれ使うけん大丈夫やろ。そもそもなにかする時間なんて、あいつにはなかろうし。

 

「ん、これだな」

・・・パチンパチンパチン

 

智史の力で、「契約書類」を書き換わる。

 

「さぁ、『式よ。我らの敵に霧消の旅を』一度箱庭の外にでもいっときぃや。また時間たったら来ればよか」

 

ボクが出した式に向かって、『吸血鬼の始種』が「始源の術式」を式に放つ。

 

「無駄やで。そんなやわい式やない。そんな術“ごとき”でボクの式消せると思うなよ?」

 

式に当たった瞬間「始源の術式」の方が消えた。

 

「・・・「始源の術式」が効かない?クックックッ。おもしろい。素直に外界とばされてにやろう」

「あはは、随分上から目線なんやなぁ。ま、実際に君の方が力強いけど」

 

ボクが放った式はカグヤ丸。相手を異世界へ引きずりこむ式。

 

「お前らとは、本気で殺り合いたい」

「あはは、堪忍してぇな。本気で殺り合ったらボクらが負けてしまうやん」

 

ボクの言葉を最後に、カグヤ丸が発動し、『吸血鬼の始種』は箱庭から、消えた。

 

「じゃあ、ジン君。ボクらまだやることがあるけん、レティシアによろしゅうな」

「そういうことだから、耀と史夜によろしく」

「あと、史夜のギフトと耀の毒はなおしておいたから、大丈夫だ。史夜の反動が心配だがな。史夜と耀によろしく」

「「はい!・・・え!?戻ってこないんですか!?」

「そうやなぁ。もう少し後やな。やることやったら、また戻ってくるけん。そんときは、また遊ぼうな、ジン君。僕はこの娘に体を返さんと。ほな、またな・・・・・えぇ?私、どうなったの?って史夜君!耀!大丈夫!?」

 

晴明がいなくなると同時に、2人も転移をして消えていった。

海晴はその様子じゃ、晴明に体を借りられていたことも知らないのだろう。

 

「・・・戻ってきますよね?」

「晴明さんがそういったんです。絶対に戻ってきます」

 

いまだあたふたしている海晴を他所に、黒ウサギとジンの心は、同士に会えたことで、とても暖かくなっていた。

 




今回で『吸血鬼の始種』の場面は一段落です。

次回からは最近ながらく登場していなかった、
十六夜「十六夜様の出番だな」
飛鳥「私の出番ね」
結哉「俺ぜんぜん出てないからな」
レティシア「私も活躍できるのだろうか?」
サンドラ「ジン君・・・・」
白夜叉「わしにも出番はあるのか?」

・・・・・ということだそうなので、次回はそんな感じになるんじゃないでしょうか。

問題とかありましたら感想までお願いします。
感想くれたらうれしいです。
前回の前書きに書いてあったことは、明日まで待とうと思います。
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