問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ? 作:神流朝海
精霊流し、すごかったですね~。
お盆休みも終わって今日から部活始まって大変です……
明日から補習もあるし……
一週間に一回のペースで更新できたらいいなと思ってます!
短いですが、どうぞ
『ギフトゲーム名“無限鏡の舞”
・プレイヤー一覧 現在、外門にいる知能を持つすべての生物
・ホストマスター側勝利条件
全プレイヤーの戦闘不能或いは、殺害
・プレイヤー側勝利条件
下記の条件を全てクリアする。
1.写し身を一人以上倒す。
2.次の文を解き、魔王の正体を暴け。
源の頃より神と崇められ、九つの国にもっとも縁ありて
我が祈るとこには勝利と幸福が産まれるであろう
3.ゲームマスターを打倒
・ゲームルール
条件を二つ目までクリアした生物はゲームマスターの前に転移する。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下に、我“鏡神の魔王”はギフトゲームを開催します』
以上が“契約書類”に記されていた内容だ。
輝雪(てるゆき)は頭がいい方ではないが、源の頃と九つの国、鏡という言葉から、ある程度魔王の正体の予想が出来ていた。
「本当に神様っているんだな」
「そりゃね、輝雪。その神様達が遊ぶために造られたところだから」
「それはそうと史夜、結哉。正体の見当はついたか?」
十六夜が苦虫を噛み潰したかのような顔をして聞く。
史夜がさっき俺に使った術で十六夜の性格など、大体のことがわかった輝雪は、心底意外そうな顔をする。
あの十六夜が、そんな顔をしたのだ。
「ん? どうした、十六夜?」
「十六夜がそんな顔をするなんて珍しいなぁ。どうしたよ?」
案の定、二人とも聞き返す。
今までギフトゲームでそんな顔をしたことがなかった十六夜に驚いていた。
「このゲーム―――」
「魔王の正体は、“息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)”だと思う。理由は、まず“鏡”“源の頃より”“九つの国”から、日本の神と仮定する。日本の中で九つの国といえば九州。九州にゆかりのある神ということになる。そしてその神が祈ることは勝利と幸福。そして生まれるではなく産まれるであることから、幸福は生き物だと推測。幸福な生き物が産まれる、つまり赤子のこと。これは安産の意味。日本の九州で、勝利と安産と鏡の神といえば、“息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)”。理由は以上。たぶん、これであってるはず」
そう十六夜の説明を遮って説明したのは、輝雪だった。
場にいる全員が目を丸くしてその説明に聞き入っている。
中でも驚いているのは、十六夜だった。
「それは本当なの? 輝雪君」
「俺の推測があってれば。俺以外にこれ解けた人いないのか?」
「私も輝雪君と同じ意見だよ。九州の佐賀県? かどこかにその神を祭ってる神社があったはずだよ。」
この中で一番元気な千流海晴が声を上げる。
彼女は陰陽師の家系なので、神のことについては多少知識があるのだろう。
しかし、十六夜は尚も顔をしかめたままで。
「いや、俺もその神様の正体には辿りついてんだ。問題は、一つ目の条件。“写し身”を一人以上倒せ。という文だ。まず写し身とは、十中八九俺ら参加者の、だ」
「あぁ、それに顔をしかめてたのか、十六夜。確かに、俺らの写し身なら、それはかなりの問題だ」
「え、ちょっと待って。なにが問題なの? 結哉」
わけがわからなくなってきたのか、耀が結哉に質問する。
俺らの写し身なら、問題がある。
この言葉の意味がわからなかったのだ。
だが、その問いに答えたのは、結哉ではなく史夜だった。
「写し身はたぶん、俺らの影なんだと思う。鏡に写った自分っていったほうがわかりやすいかな?」
「……わかった。で、なにがそんなにまずいの?」
「もしその推測どおりなら、写し身にダメージを与えたら、その写し身の人物も同じダメージを受ける、ということか?」
「お、なかなか鋭いな、輝雪。俺はさっきからそこを悩んでんだ。このゲーム、“誰も傷つかずに終わることができないゲーム”になっていやがる」
もしこの仮説が正しければ、俺らは自分達と戦う破目になる。
それは、十六夜や飛鳥、耀、史夜、海晴、結哉、輝雪と戦うということなのだ。
となると、それに太刀打ちできる相手はおのずと決まってくる。
「じゃあ、俺は結哉の写し身と、か」
「まぁそれが妥当だろうね、十六夜。俺は十六夜の写し身とかな」
「む、十六夜の写し身とは私がやりたかった……。じゃあ私は海晴の写し身と」
「え、ちょ、耀、手加減してよね? 私は史夜君で!」
「は!? 史夜とは俺がやりたかったのに……。じゃあ俺飛鳥」
「ちょ、待ちなさいよ!? 私生身の体なのだけど……。私は、じゃあ輝雪君と」
「俺に決定権なしかよ……。じゃ、俺は残った耀で」
これで戦う相手は決まった。(ほぼ早いもの順だが)
輝雪は初めてギフトを使うため、少し緊張した様子だ。
RPGのように上手くいけばいいけどなぁ。
そう思いながら、腰に差したレイピアの柄を握り締める。
そのレイピアの鞘は、淡く光を放っている。
「さぁて、戦う相手は決まった。ならあとは魔王を叩き潰すだけだ。最初に魔王のもとに辿り着いたやつがこのゲームの勝者だ。俺は負けねぇ」
「いや、勝つのは俺だよ、十六夜」
「むぅ、史夜、勝つのは私」
「何を言ってるの三人とも。勝つのはこの私よ」
「ふふっ、寝言は寝て言ようね、みんな!」
「ははっ、お前らには負けないな」
「何言ってんだよ。勝つのは俺だ。十六夜たちには負けねぇ」
各々が意地を張り合う。輝雪も、その中にいる。
ほんの数十分前まで、普通の、ただただ普通の高校生だった彼は、どこにいったのだろうか?
魔王を倒すため、輝くレイピアを下げた細剣使いは、もう一度強く、柄を握り締めた。
すみません、ここできらないと長くなりそうだったんです。
2000字と短かったですが、どうでしたでしょうか?
おかしなところなどありましたら、感想まで!
読んでくれてありがとうございました!