問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ?   作:神流朝海

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こんにちわ。

最近ブラック・ブレットの二次を書き始めました。
暇なかたは読んでもらえたら、と思います。

やっぱり一週間はとばすことにしました。
書いていると、ギフトゲーム終わるまであと数ページくらいかかりそうなので。

では、どうぞ


散歩の結果・集計

伽藍―――・・・と、響くような金属音がした。

無人となった境界壁の展示会場。ペスト達はそこに本陣を置くことにしていた。

交渉から戻る最中、ラッテンは白装束の尾ひれを揺らしながら嬉々としてペストに話しかける。

 

「ねえねえマスター!これからの一週間、どうやって過ごしますー?」

「別に。特に予定はないわ」

「あ、そういえば例の偽者見つかったのか?」

 

ヴェーザーが思い出したかのようにラッテンに聞く。

 

「見つかったもなにも、あの赤いドレスの娘、偽者たちから貰った巨兵使ってたわ!ほんとムカつく!」

「あ、そうだ。ヴェーザー、私があげた魔笛、どうだった?」

「どうだったもなにも、ありゃひでぇもんだよ、マスター。あんな頑丈そうな奴の骨折ったんだぜ」

 

今ヴェーザーが持っている魔笛は自分のものでなく、ペストから貰ったものだった。

自分の魔笛はちゃんと別に持っている。

 

「あら、そう?ちゃんと使えたようでなによりだわ」

「・・・しかし、こいつはちょっと俺に合わん。次は俺のでやるぜ」

「マスタ~私にも魔笛くださいよ~」

「あなたは持ってるでしょ?ラッテン。それに私が造った魔笛は操るんじゃなくて、壊すものなんだけど」

「あはは、・・・私に向いてませんねぇ」

 

若干、しょんぼりとした声でラッテンが言う。

ヴェーザーが持っている魔笛はペストが造ったものだった。どういうギフトが宿っているのかは不明だが。

展示会場の奥までくると、

 

「お、マジだ。あのでけぇ鉄人形がなくなってやがる」

 

展示会場で最も大きかった展示物がなくなっていることに気づき、ヴェーザーが驚きの声で言った。

 

「で?これから一週間どうするよ?」

「そうよね~。ねぇマスター、なにかしましょうよ~」

「そうね・・・鑑賞がしたいわ」

「「・・・え?(は?)」」

「だから、展示品を見たいの。これだけたくさんあれば、一週間もすぐ終わるわ」

「・・・ああ、なるほど」

「・・・それもそうですね。マスター」

2人は主の意外な発言に驚きながら、了解した。

 

 

―――――――

場所は変わって大広間裏の広場。結哉がこれから一週間どうするかを話そうとしているところだ。

 

「で、これから一週間どうす―――」

「ヤホホ!私たちに手伝えることはありますでしょうか?」

「あんたたち、史夜と同じコミュニティなんだろ?」

 

その場にいた全員が驚く。

今ここにいるのは、結哉、ジン、黒ウサギ、レティシア、海晴、サンドラ、マンドラだ。

俺たちが唖然としている中、ジンが驚きながらも声をだす。

 

「え、あの、もしかして“ウィル・オ・ウィスプ”の・・・?」

「そうだぞ!私はアーシャ・イグニファトゥス。こっちは―――」

「ジャック・オー・ランタンだろ?」

 

見ただけでわかる。いや、っていうかわからなかったらおかしい。

 

「ヤホホ!あなたもなにか不思議な感じがしますね。そこの娘も」

「私にとってはあなたの方が不思議なんだけど・・・今度私に研究されてみない?」

「あ、ずるいぞ。俺も研究したい」

「ヤホホ!それはご遠慮しときますよ」

「あの、みなさん・・・話が逸れているのですが・・・」

「そうだぞジャック。で、何か手伝えることは?」

「そうですね・・・じゃあ、怪我人を大広間の一つの場所に集めてください。謎解きは僕達の方でするので、謎が解けたとき、みんなが動けるようにしておいてほしいです」

「ヤホホ!了解しました。その判断力。いいリーダーになりそうですね」

「よし!了解。“ノーネーム”でもあんたたちだけは見下さないからな!」

そういって、アーシャとジャックさんは大広間に走っていった。

「・・・史夜さん、いったい何をしたんですか・・・」

「あー話すと少し長くなるから、後で話すよ、ジン君」

「・・・はぁ、そうですか」

 

よし、話を戻そう。

 

「で、これからどうするよ?謎はもう大体解けたんだけど」

「そうですね。とりあえず謎を解かないと・・・え?えぇ!?解き終わったんですか!?」

「・・・結哉君って思ったより頭いい?」

「思ったよりってなんだよ海晴。これでも十六夜並みだとおもってるんだけど」

「え!?十六夜さん並みなんですか!?」

「主殿並に頭がいいだと!?」

「十六夜君並に頭がいい!?」

「・・・なんだよ?そこまで驚かなくてもいいだろ」

 

上からジン、黒ウサギ、レティシア、海晴、俺だ。

それにこのくだりさっきやったじゃん。

みんなひどくないか?頭いいのは十六夜だけじゃないんだぞ?

 

「え、ええと、それはともかく、謎が解けたって本当ですか!?」

「それはともかくって・・・ああ本当だ。一番目の勝利条件はそのまんまだな。二番目の勝利条件、『偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ』は・・・っとその前に確認し

ないといけないことがあるんだが?マンドラ」

 

黙ってサンドラの後ろに立っているマンドラに向かって言う。

 

「・・・なんだ、小僧」

「・・・あーやっぱいいや。このゲーム終わってから聞く。で、二番目の勝利条件だが、たぶん、ステンドグラスのことだ」

「ステンドグラス・・・でございますか?」

「ああ。あのシュトロムとかいう巨兵を倒してまわっている時にいろんなところで見た。だいたいネズミとか、川とかが描かれていた」

「あ、それなら私も見たよ。ジンと一緒に白夜叉のところに向かっているときに」

「僕もです」

 

あ、なんだ。海晴もジンも見たのか。じゃあ話は早い。

 

「そのステンドグラスをどうするのですか?」

 

サンドラから質問が出る。

 

「ハーメルンの笛吹きの正しい伝承が描かれたステンドグラスを探す。それ以外のステンドグラスを全部壊す」

「・・・なるほど。「偽りの伝承を砕き」と書いてあるからか」

「そ、レティシアの言うとおりだ。ということで、この一週間の間に、本陣営から500m四方の中にあるステンドグラスを全部探す。といっても、数は少ないだろうけどな。ゲーム開始後はそれ以外の場所を探す。他を探す時間は24時間しかないからな」

 

「でも、それではルールに反してしまうのですよ、結哉さん」

「は?なに言ってんだ?黒ウサギ。俺たちはただ、“散歩しながら見てまわる”だけだ。問題あるのか?」

 

ルール、というのは解釈の違いによって、変わる。

今の日本国憲法がそうであるように、人々の解釈によって、変わる。

実際にも、国会などではそういう、解釈の見かたを変えて、法案などを通している。

所詮、ルールなど、行使される側の解釈によって変わるのだ。

実際、散歩しながら展示品を見てまわって、その展示品の場所を覚えるだけなのだから、問題ないだろ。

無論、そんな屁理屈が通用するかどうかはわからないが。

まぁ、屁理屈も立派な理屈だから通るだろう。

 

「へ?あの、それはどういう―――」

「“契約書類”には散歩禁止なんて書いてないんだからいいだろ」

「そ、それはそうかもしれませんが―――」

「いいから、箱庭の中枢に確認しろ」

「わ、わかりました」

 

 

え?なんか雰囲気が少し怖くなった気がするんだけど・・・?

彼の、結哉君の雰囲気が少し変わった気がする。

例えるなら、幾度の戦場を突破してきた軍師のようだ。

でも、そんな雰囲気とは対象に、どこか楽しんでいるようにも思える。

黒ウサギがヒョコン!とウサ耳をたて、目を閉じる。

やがて、ヒョコ、ヒョコとウサ耳が動いた。

 

「箱庭の中枢から問題ないとの回答が届きました!」

「よし、これで審判からのOKもらったから、サンドラ。よろしく頼む。くれぐれも“散歩”だからな?探そうとか思うな、っと言っといてくれ。あ、そうだ。黒ウサギ、もしルールを破ったらどうなるんだ?」

「爆発します」

「・・・・・は?もう一度聞くぞ?ルール破ったらどうなるんだ?」

・・・一瞬、黒ウサギがボケたのかと思った。結哉君もそう思ったのかな。もう一度聞き返した。

「いや、ですから、爆発します。盛大に」

 

・・・どうやら本当のようです。

 

「・・・だそうだから、くれぐれも“探すな”と言っておけ。“散歩”だ、と」

「わ、わかりました」

 

ちょっとびっくりした様子でサンドラが駆けていく。

これだけ参加者がいるのだ。500m四方なんて、すぐに終わるかな。

そして、結哉君が言う。

「じゃ、俺らも“散歩”しますか」

 

―――――

時間は少し過ぎ、場所は変わって“サウザンドアイズ”旧支店。

そこに耀と史夜がいた。

・・・正確には史夜を背負った耀がいた。

そして、耀がふと、こんなことを言う。

 

「あ、白夜叉いないけど、開いてるのかな?」

 

そんなことを呟きながらも、私は扉に手をかける。

そのまま横にスライド。ガラガラという音と共に、扉が開いた。

 

「よかった。鍵はかかってないみたい」

 

適当な部屋を見つけ、布団を探し出し、史夜を寝かせる。

先ほど、黒ウサギがなにかよくわからない権限を発動させて、たぶん今は休戦状態なのかな。あの白い巨兵がもういない。

赤い街は静かになり、先ほどまで祭りをやっていたのが嘘のようだ。

 

「ここなら安全・・・だと思う」

 

私が呟いた瞬間、ガラッ!と窓が勢いよく開く。

 

「ッ!?誰!?」

 

私はグリフォンのギフトを発動し、いつでも史夜を連れて逃げれるような態勢を取る。

その窓から顔を見せたのは、カボチャだった。

 

「・・・え?」

「ヤホホ!ここにおりましたね。アーシャ」

「お、いたいた!・・・って誰だ?なんで史夜と一緒にいるんだ?」

「私は春日部耀。なんでって、史夜が・・・倒れちゃったから、私が守ってる。倒れたのは私のせいでもあるから・・・。あなたは?さっきのギフトゲームで史夜と戦ってた人だよね?」

「ヤホホ!私は六七八九〇〇外門に本拠を構える“ウィル・オ・ウィスプ”のジャック・オー・ランタンという者です」

「私も同じコミュニティのアーシャ・イグニファトゥスだ。耀って呼んでいいか?」

「うん。じゃあ私もアーシャって呼んでいい?」

「もちろんだ!」

「ヤホホ!この娘、あなたの戦いを見て、どうやら燃えているようで」

「そ、そうなの?」

「そうだぞ。今度ギフトゲームで対決して、絶対勝ってやるからな!」

「・・うん。私も絶対かつ」

「ヤホホ!では、その方を連れて、一度本陣営の大広間まで行きましょう。お仲間が揃ってますよ」

「わかった。・・・ん、よし、行こう」

 

史夜を背負って、また空を翔ける。

みんながいる、大広間まで。

 

 

散歩を始めてから数十分、一時間もかからずに散歩は終わった。

まぁ、確かに、これだけ人数がいればすぐ終わる。

そして今、俺は各コミュニティから“散歩中”にどこにどんな展示品があるかを聞き終えたところだ。

 

「さて、じゃあ“散歩中”にステンドグラスがあったのはこの辺だな」

「結哉さん・・・ものすごく際どいラインなのですよ」

黒ウサギが際どいといったのは、たぶんルールのことについてだろう。

「ん?なんのことだ、黒ウサギ。観光しないのか?」

「へ?は?」

「いや、だから観光するために情報を集めてるんじゃないのか?」

「へ?いや、だってステンドグラスがあるところに付箋貼ってるじゃないですか」

「は?黒ウサギ何言ってんの?俺が付箋貼ってるのは観光するところだけだけど」

へ?という顔をした黒ウサギが、俺が付箋を貼っているマップを見る。

その付箋には、

ここには絶対いく!と書いてあり、その下に、

 

テクタイト結晶などを使った製作物が展示されているコーナー。黒ウサギたちと一緒に行きたいな。

古い書物などのコーナー。十六夜とだな。

術の書物などが展示されているコーナー。海晴を連れて行くか。

お菓子などを作っている屋台など。飛鳥やレティシアと周るか。

 

・・・などなど、これからの予定がびっしりと書かれていた。

 

「あ、他にも、ここと、ここと・・・」

 

結哉さん・・・さっきまでの威圧感はどこにいったのですか・・・。

子供のように、修学旅行先を決める中学生のようにはしゃいでいる結哉に、黒ウサギは小さくため息をついた。

 

ゲームはもう、終わる。開始から数時間で終わる。

俺は確信していた。もちろん、ヴェーザーやラッテンやペストが全員神格を得ていれば、2つ同時にクリアはできないかもしれない。

だが、一つでもクリアできれば俺たちの勝ちだ。

一週間後・・・その頃には十六夜も目が覚めているだろう。

あとは―――

 

「ヤホホ!あなた方のお仲間がみつかりましたよ」

「あ、黒ウサギと・・・誰?」

「あ、耀さん!」

「え?誰?っていうかなんで神川背負われてんの!?」

 

思考を遮って現れたのはカボチャ・・・ジャックさんとアーシャと“ノーネーム”のメンバーらしき女の子と、その子に背負われた神川だった。

 




原作とは大幅に変わっております。
そして進行具合も相当遅いです。
それでも読んでくれている方、ありがとうございます。
次話は一週間後、ギフトゲームが再開する時までとばします。

読んでくれてありがとうございました。
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