問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ? 作:神流朝海
どうも最近忙しくてなかなか書けませんでした。
他の作品もストップしてる状態です。
・・・申し訳ないです。
そしてこれとあともう一話お付き合いくださればと思います。
では、どうぞ
「へ?それどういうこと?」
「そのまんまの意味。私はOK。海晴はダメ」
「え~いいじゃんべつに~」
という耀と海晴の会話を他所に、俺は白夜叉に話しかけた。
「で、魔王の封印っていうのはどういうことだ?」
「10年ほど前だったかの。アンダーウッドが魔王に襲われたのじゃ。その時封印した五桁の魔王の再封印を任されているのじゃ。“ノーネーム”になる大分前のことじゃがな」
「ああ、なるほど。父さんすごいことやってんだな」
「お主の親はすごいぞ?主催者としてもかなり優秀だ。智史と真夜が一緒にギフトゲームを作ったら、それこそクリアできるものなどそうそういるまい。私も勝てるかどうかわからないしな」
「白夜叉にそこまで言わせるかよ・・・さすが父さんと母さん」
そこでふと思ったのだが、父さんと母さんは箱庭ではどれくらいの有名人なのだろうか?
今度キルガにでも聞いてみるか。
「じゃあ白夜叉。そろそろ行くよ」
「うむ。体に気をつけるのだぞ」
「耀、またお願いできるか?」
「うん。もちろん」
「今までありがとね、白夜叉!」
「お主はいい眼をしていたのだがな。なに、気にすることじゃないさ」
そしてまた、耀に車椅子を押されて、サウザンドアイズ支店を出た。
そのまま3人は“ノーネーム”本拠に向かって進んでいった。
・・・・・・・・
―――――
ジンと黒ウサギ、レティシアに結哉、十六夜に飛鳥と、主なメンバーを集めて、海晴が“ノーネーム”に入りたい、ということを伝える。
もちろんジンと黒ウサギの答えはOKで、今は海晴の自己紹介中だ。
「と、いうことで、新しく“ノーネーム”に入ることになりました。千流海晴です!よろしくね!」
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いしますのですよ!」
「うむ、よろしく頼む」
「おう、よろしくな」
「よろしくね、海晴さん」
「よろしく頼むぜ」
と、一通りよろしくを言ったところで、ジンが尋ねる。
「あの、どうして海晴さんは“ノーネーム”に・・・?」
「そりゃもちろん、史夜君や耀や知り合いがたくさんいるからだよ!」
「そ、そうなんですか」
「あ、あとギフトは“練成の知恵”だから鑑定とかは任せてね。もう一つギフトがあるんだけど、これは戦闘のときにでも紹介するよ」
「「か、鑑定ですか(でございますか)!?」」
「・・・?なんでそんなに驚くの?」
「いや、そ―――」
「そりゃ鑑定士が同じコミュニティにいるのはすごいことですよ!」
・・・・・
とまぁ、話題が逸れてきたので、以下略。
それからの数日間も、とても平和だった。
特に変わったこともなく・・・いや、変わったことが一つあった。
耀が俺と同じ白衣を着るようになった。
ある日散歩をしていると、唐突に研究者になりたい、と耀が言ったんだ。
お母さんが調べていたことについて興味があるって言ってたから、俺はもちろん協力した。
まぁ、そのおかげで、十六夜や飛鳥からは、
「あら、夫婦そろって白衣着ちゃって。一体なんの研究をしているのかしら」
「いや、でも似合ってるぞ。まさに夫婦で研究者やってますって感じだぜ」
とからかわれたが、まぁいいだろう。
しかしその度になんど耀と二人で大声を出したことか・・・
そういえば、父さんは今頃なにをしているんだろう?
今は朝の7時くらいだろうか?
ベッドに寝たまま、天井を見上げてそう思った。
「・・ックション!」
「どうした、智史。風邪でも引いたのか?」
「それは大変やなぁ~。智史君に感染できるウィルスとか、興味そそられるわ」
「風邪なんて引いてない。誰か噂でもしてるんじゃないのか?」
「誰がするん?」
「・・・さぁ?」
「そんなことよりまだか、晴明」
「あぁ、もう終わったで。ほい、これでゲーム作成完了や」
晴明が作り出したゲームは、次の様なものだった。
『ギフトゲーム名 “百鬼夜行の行進”
・プレイヤー一覧 神川智史
・クリア条件 “契約”を変更し、百鬼夜行の行進を阻止する。
・敗北条件 上記のクリア条件を満たせなくなった場合。
街が百鬼夜行により破壊された場合。
・ルール
※このゲームが発動中、晴明が式、百鬼夜行を街へ向けて放つ。
※百鬼夜行、晴明へのあらゆる攻撃は“契約”によって無効化される。
※プレイヤーはこの“契約”を書き換え、百鬼夜行を無力化しなければならない
宣誓 上記を尊重し、ホストマスターの名の下に、我“陰陽と黒式の魔王”はギフトゲームを開催します』
「んじゃ、始めるか」
「始めるで?」
「相変わらずまわりの被害を考えないゲームだな・・・」
「「ゲーム開始!」」
智史の数多あるギフトの中の一つ。
“契約の操作者”(ギアス・キャンセラー)
“契約”の内容を書き換えることができるという、ある意味では最強のギフトだ。
但し、このギフトは、智史より弱い魔王のゲーム相手にしか使えない。
晴明も“陰陽と黒式の魔王”というギフトを持っているが、晴明でさえ智史に勝てない、ということだ。
このゲームはある意味テストなのだ。
その“契約の操作者”がどこまで使えるのかを検証するために、こういうゲームを組んでいる。
史夜のゲームを中断させたのも、このギフトを使ったからだ。
他にもいろいろあるのだが、
「・・・よし、これで書き換え完了」
と智史が呟く。
“契約書類”を見ると、先ほどとは違う文面になっていた。
『ギフトゲーム名“暇つぶしの知恵比べ”
・プレイヤー一覧 安倍 晴明
春日部 孝明
・クリア条件 この“契約書類”に記された謎を解け
・敗北条件 上記のクリア条件をクリアできなくなった場合
私は白。
君は黒。
私は最初に兵士を戦場に出す。
君は騎士を戦場に出す。
私は次に女王を戦場に出す。
君はまた騎士を戦場に出す。
私の軍隊に騎士はいない。
君の軍隊には神官がいない。
私の軍隊はみんながんばった。
でも、私の軍隊は敵を誰一人殺せなかった。
たくさん兵士たちがいたのに、もう私一人だけになってしまった。
周りからクックックと笑い声が聞こえる。
その中に、少なからず叫び声やすすり泣く声が混じっているのが感じられた。
「・・・あぁ、だから、誰も殺せなかったんだ」
私は君に負けた。
光は影に塗りつぶされ、あっさりと消えてしまった。
・・・君は、だれ?
宣誓 上記を尊重し、“契約の操作者”の名の下に、ギフトゲームを再編、再開します』
「「・・・無駄に凝ってる(やないか)な」」
「だろ?内容はものすごく簡単だけどな」
「そうやなぁ。せやけど、なんで将棋にせんかったん?」
「俺はチェスの方が好きだからだ」
「智史、答えは死神だ。違うか?」
「さすが孝明」
「簡単すぎるだろ、これ。耀でも史夜でも簡単に解けるぞ。これわからないのはただの馬鹿だろう」
「騎士=既死・・・叫び声とすすり泣く声。ほんまや。ていうかチェスぜんっぜん関係ないやん。影も黒も死神いうか死とか暗いイメージを連想させることができるいうもんやし」
「即興で作ったものにしては、まぁまぁなできだろう」
「“契約”を再編、か。大分暇をもてあましてるようだな、智史。・・・そろそろ“ノーネーム”に戻ってみるか?」
「いや、どうせアンダーウッドの方から“ノーネーム”の方に祭りの招待状が行くだろうから、その時に、と思ってる」
「そうやねぇ。北側で結構な功績得たそうやないか。しかもジン君の名前で宣伝しとるけんなぁ」
先ほどまであんなゲームをやっていたのだが、そんなことはなかったかのような口調で3人とも喋る。
街が一つ消えるかもしれないゲームだったのだが・・・
そんな他愛も無い会話をしていたから、彼女が空間を捻じ曲げて来たことにみんな驚いた。
「やっほ、みんな。久しぶり、智史君」
「「「・・・真夜(やないか)!?」」」
「もういいのか、真夜」
「もちろん。智史君のおかげだけどね」
「ほんま久しゅうに、真夜。あれ、ちょっと老けたんちゃう?」
「ふふ、ぶっとばすわよ?」
「おいおい、病み上がりなんだからその辺にしとけよ、真夜」
互いに呪符と式を取り出す晴明と真夜の仲裁に智史が入る。
こんなところで喧嘩(戦闘)を始められたらあの街にまで被害が及んでしまう。
智史が止めてくれてよかったと思う。
「で、私の義娘はどこなの?孝明」
「あぁ、耀なら今“ノーネーム”本拠にいると思うが―――」
「ん、わかったわ。じゃ、ちょっと行ってきます」
「あ、おい―――」
私の制止の声も聞かず、真夜は『神寺』を使って空間移動してしまった。
「・・・相変わらず、だな」
「ほんま自分の子供のことになると人格変わるんやなぁ」
「・・カナリアは一緒じゃなかったな。まだかかるのか・・?」
「カナリア・・・正直僕はもう助からへんと思いよったけど、まだちゃんと生きとるんやなぁ」
「・・・カナリアのことだ。すぐによくなるだろう」
乾いた風が吹く中、3人は遠くを見つめるような目で、はるか彼方を見ていた。
・・・余談だが、このときカナリアは病室で三回ほどくしゃみをしていた。
「クシュッ!・・クシュッ!・・・クシュッ!・・風邪かしら?」
真夜のいなくなった病室で、カナリアは一人呟いた。
久しぶりの真夜の登場・・・
彼ら親世代のことはあまり書く予定はないのです。
サポートとか、子世代のブレーキの役目とか、そんな感じです。
こんなぐだぐだ進行ですが、読んでくださっている方ありがとうございます。
問題とかありましたら感想までお願いします。
感想書いてくれたら嬉しいです。