問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ?   作:神流朝海

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……えぇ、もう何を言おうとしているかわかっておられると思います。

誠に申し訳ございませんでした。

すみません、最近時間をなかなか作れなくて……。
それにより、あまりにもだらだらと長く期間が続いてしまったので、ここで切らせていただきます。
変な予告すみませんでした。

と、いうことで、どうぞ


ギフトゲームの勝者……? そして、

「おき姫!お主何度同じ事を言われたら気がすむんじゃ!?」

「えっへへ、すみません~!」

「その……白夜叉様……申し訳ありません」

「なぁ史夜、俺ら、ギフトゲームしてたよな?」

「あぁ、さっきまでギフトゲームを輝雪とやってたぞ……」

 

何故白夜叉がここにいるのか、何故“息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)”が白夜叉に怒られているのかというと、時は少し前に遡る。

 

 

『ギフトゲーム名“弐陣の将”

 

 ・参加プレイヤー一覧 神川 史夜

            七瀬 輝雪

 

 ・ゲームマスター “息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)”

 

 ・ゲームルール 本ゲームは古来から存在する日本の遊戯、“将棋”のルールを適用する。

         以下の項目はそのルールの変更事項である。

        ・各番二回まで駒を動かすことができる。

        ・各駒の総数は、通常の将棋の二倍である。(王将は含まない)

        ・駒の数により、盤を横十八マス、縦十二マスとする。

        ・駒の並べ方は従来の将棋通りで行う。動かし方も同様である。

        ・持ち時間は一時間とする。

 

 ・勝利条件 相手側の王将を討つ

       相手側の兵を全て討つ。

 

 ・敗北条件 上記の条件を満たせなくなった場合

       持ち時間がゼロになった場合。

 

 宣誓 上記を尊重し、“鏡神の魔王”の名の下に、ギフトゲームを開催します』

 

“契約書類”が煌き、先ほど出された盤が消え、新しく大きい盤が現れる。

 

「持ち時間は一時間しかないのか……」

 

思わず輝雪は呻く。

普通の将棋でさえも、熟練者同士ならば一時間など裕に越えるのだ。

ましてや、この将棋は普段の将棋の二倍、駒がある。

いかに番に二回動かせるからといって、そう簡単には進まないだろう。

山奥の神社だった背景が崩れ去り、辺りは荒野となる。

その荒野の両端に、まったく同じ隊列で兵達が並んでいる。

 

「さぁさぁ、“戦争(ゲーム)”を始めようよっ!」

「……。ゲームを始めましょう」

 

どこからか現れた砂時計が、くるりと回転する。

砂が落ち始め、ゲームが始まった。

“息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)”(以降“おき姫”とする)が、歩兵を進めると、奥の兵たちの一角が動き始める。

一応それくらいの年頃なので、二人はつい反応してしまう。

 

「お、おいおい、こりゃ俺には作れないぞ……?」

「か、かっけぇ……!」

 

続いて“おき姫”が桂馬を翔けさせる。

奥では、騎馬隊が歩兵を飛び越えて荒野を翔けている。

 

「なぁ、次俺たちの番だろ?俺が動かしてもいいよな?」

「あ、あぁ、輝雪が動かしていいぞ」

 

いくら記憶を流し込まれたといっても、彼は普通の高校生の男子である。

戦国○双やモ○ハンなどといったゲームのような光景に見入ってしまうのは、しょうがない。

そして桂馬を動かそうとしたその瞬間、

 

「こぉの戯けがぁあああああああ!!!」

 

珍しく白夜叉が怒りながら乱入してきたのである。

こうして、開始二十三秒でこのゲームは終わった。

 

「っ、この戯けどもが! この前も忠告したであろう!?」

「うへぇえ、そんなに怒らなくてもぉ」

「申し訳ありません……」

 

かれこれもう十五分。白夜叉と“おき姫”の会話を聞かされている。

なんでも、この前も“おき姫”はこんな風にギフトゲームを開催し、箱庭の住人を困らせているらしい。

確かに、ここに来るまでのあのゲーム、だいぶ難しかったからなぁ。

これでも五桁の魔王なのだから、当然っちゃ当然なのだろうが。

 

「おいおい、史夜、魔王ってこのロリっ娘二人か?」

「あ、うんそうだよ十六夜。てかなんでいるの?」

「よぉ輝雪。耀を倒したんだって? なかなかやるじゃねぇか」

「む、それはシャインのおかげだ」

 

どこからともなく現れた十六夜に驚く史夜。

大方白夜叉についてきたのだろう。

にしても、一向に終わる気配のない説教である。

さすがに十六夜も飽きてきたのか、退屈そうにしている。

輝雪は、というと……

 

「あれ? なんか俺の体薄くなってない?」

「あ、ほんとだ。元の世界に帰るってことかな?」

 

なんとも癪な終わり方である。

もう少し、あと少しだけこの世界にいたい、と思った輝雪だが、友達を元の世界に残してきていることに今さらながら気づいて。

 

「なぁ輝雪。今度もう一回来いよ。俺が手合わせしてやる」

「そうだな、直接戦ったりしたわけじゃないからな。十六夜も俺も、手合わせしたいと思ってるさ」

「ありがとう、史夜、十六夜。他のみんなにもよろしく言っといてくれよ。またいつか、シャインと一緒にやってきますって」

 

史夜と握手すると、視界が真っ白に染まる。

眼をあけると、そこは薄暗い、このレイピアが突き刺さっていたなにもない部屋だった。

 

「夢……じゃないよな」

 

わずかに残る手の感触に、あれは本当にあったことなのだと思わされる。

シャインは、本当に今もこのレイピアのなかにいるのだろうか?

それとも、やはりあれは現実みたいな夢だったのだろうか?

 

「なぁシャイン、お前は、俺の剣になってくれるのか?」

 

小さく呟かれた言葉に、答える者は……

 

「はい。私が選んだ騎士様ですから」

 

聞こえたようなその声は、間違いなくシャインのものだった。

しかし、剣は何も変わらない。

輝くこともなく、形状を変えることもなく、人型になるわけでもない。

ただただ静かに、腰に差さっている。

夢だといえば、夢なのだろう。

ただ、あそこで出会ったまた新たな友との出会いを、否定したくはない。

きっとあれは、なにか意味のあるナニカだったのだろう。

シャランと静かな音をたてて引き抜かれたそのレイピアは、ただ静かにその刀身で光を淡く反射している。

レイピアを鞘に戻し、部屋のドアノブに手をかける。

開ける前にふと部屋を、レイピアが刺さっていた場所を振り返って、

 

「あぁ、またいつか、手合わせしような」

 

そう言って輝雪はドアを開いた。

ちょっと前の彼とは、その瞳の輝きが少し、違っていた。

 




この話で来翔さんとのコラボ、光喰う細剣使いを終了いたします。
あんまりタイトルの如く活躍させれませんでしたね、すみません。
少しでも楽しんでいただけたらうれしいです。

ではでは、読んでくれてありがとうございました。
誤字等ありましたら感想までお願いします。
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