問題児たちと無から有を生み出す錬金術師が箱庭にくるそうですよ?   作:神流朝海

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今回は、白夜叉のとこまで書こうと思います

黒ウサギにフォレス・ガロとのギフトゲームを伝えるところから始まります。




では、どうぞ


サウザンドアイズの白夜叉

さっきまで黒ウサギは喜んでいたが、今は・・・

 

「な、なんであの短時間に“フォレス・ガロ”のリーダーと接触して、しかも喧嘩を売る状況になったのですか!!!?」

 

俺たちは黒ウサギの説教を受けていた。

 

べつによくね?あんな雑魚が相手なんだからさ。

 

「しかもゲームの日取りは明日!?それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」

 

それぐらいハンデあげないとつまらないって。

 

俺はそう思うが声には出さない。

 

「準備している時間もお金もありません!!いったいどういう心算があってのことですか!?」

 

「聞いているのですか!!!?3人とも!!!」

 

「「「むしゃくしゃしたからやった。反省はしていない」」」

 

「黙らっしゃい!!!」

 

ハリセンで頭を殴られる。

 

痛くないけど。

 

それをにやにやと笑いながら見ていた十六夜が止めに入る。

 

「べつにいいじゃねぇか。見境なく選んで喧嘩を売ったわけじゃねぇんだから許してやれよ」

 

「で、ですが―――」

 

「さんきゅ。十六夜。別にこのゲームに勝てばいいだけだろ?勝てば俺たちノーネームの評判も上がり、助けたコミュニティと友好関係が生まれるし。一石二鳥だろ?」

 

「そ、それはそうですが・・・まあいいデス。“フォレス・ガロ”相手なら十六夜さん一人でも―――」

 

「なにいってんだ?黒ウサギ。俺は参加しねぇぞ?」

 

「当たり前よ。あなたなんか参加させないわ」

 

十六夜と飛鳥が黒ウサギのセリフに割り込んで言う。

 

フンと鼻をならす2人。黒ウサギはあわててその2人に食ってかかる。

 

「だ、駄目ですヨ!御2人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」

 

「そういうことじゃねぇよ。黒ウサギ」

 

十六夜が真剣な顔で黒ウサギを右手で静止する。

 

「いいか?この喧嘩はこいつらが“売った”。そしてやつらが“買った”。なのに俺が手をだすのは無粋ってもんだ」

 

「あら、分かってるじゃない?」

 

「・・・・・ああ、もう好きにしてください」

 

あんま相手にすると心が削られていくぞ。

 

と心の中で俺は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

椅子から腰を上げた黒ウサギは、横に置いてあった水樹を大事に抱える。

 

コホンと咳払いをした黒ウサギは気を取り直して切り出した。

 

「そろそろ行きましょうか。ほんとは皆さんを歓迎するためにいろいろ準備をしていたのですが・・・全部お流れになってしまったのでまと、後日改めて歓迎を」

 

「いいわよ、無理しなくて。私たちのコミュニティってそれはもう崖っぷちなんでしょう?」

 

驚いた黒ウサギはジンのほうを見る。

 

するとジンはびっくりした様子で首を横に振る。

 

そしたら黒ウサギの目がこちらに向く。

 

「ん?どうした?黒ウサギ?」

 

「はぁ・・・またあなたですか・・・」

 

「いや、俺は何もしてないぞ?ただ、ガルドの中を「見た」時に記憶を共有化したら十六夜の記憶が流れ込んできただけだ」

 

「はぁ・・・・そうですか」

 

「もういいわ。私組織の水準なんてどうでもよかったもの。春日部さんはどう?」

 

「私もどうでもいい。あ、けど」

 

思い出したようにつぶやく耀。

 

「私は毎日3食お風呂付の寝床があればいいな、と思っただけだから」

 

ジンの表情が固まった。

 

まぁ、確かにこの世界で水を得るのには遠く離れた大河までくみに行かないといけないからな。

 

その苦労を察したのか耀は慌てて取り消そうとしたが、先に黒ウサギが嬉々とした声を上げる。

 

「それなら大丈夫です!十六夜さんがこんな大きな水樹の苗を手に入れてくれましたから!これ水をで買う必要もなくなりますし、水路も復活させる事ができます!」

 

一転して明るい表情に変わる。これには飛鳥も安心したような顔をうかべた。

 

そこでジンが声をあげる。

 

「どうします?・・・コミュニティに帰りますか?」

 

「あ、ジン坊っちゃんは先にお帰りください。ギフトゲームが明日なら“サウザンドアイズ”にギフトの鑑定をお願いしないと。それと水樹のこともありますし」

 

それに十六夜が質問する。

 

「“サウザンドアイズ”ってコミュニティの名前か?」

 

「YE―――」

 

「ん、そうらしいよ。なんでも特殊な“瞳”のギフトを持つ者達の群体コミュニティだそうだ。箱庭の東西南北、上層下層のすべてに精通する超巨大商業コミュニティらしい」

 

「へ~そりゃすごいな」

 

「あなたの能力・・・なんども思うけどすばらしいわね」

 

「説明が短いのにわかりやすい」

 

「だから!黒ウサギのセリフをとらないでください!!!」

 

黒ウサギがわめいてるけど気にしない気にしない。

 

「まぁ、いいです・・・この近くに支店があるのでそこへ行こうと思います」

 

耀が質問する。

 

「ギフトの鑑定というのは?」

 

まぁ、これぐらいは黒ウサギに説明させてやってもいいだろう。

 

「もちろん、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定することデス。自分の力の正しい形を把握していたほうが、引き出せる力はより、大きくなります。皆さんも自分の力の出所は気になるでしょう?」

 

同意を求める黒ウサギに俺たちは複雑な表情で返す。

 

 

 

支店に向かっているときに飛鳥が不思議そうにつぶやく。

 

「桜の木・・・よね?花弁の形が違うし、今は真夏だったわよね?」

 

「いや、まだ初夏になったばっかりだぞ?気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ」

 

いや、お前の思考がおかしいだろ。という、つっこみはなしにしよう。

 

「・・・?今は秋だったと思うけど?」

 

「やっぱ俺ら、違う世界から召喚されてるのな~」

 

「俺の推測どおりだな」

 

「やっぱりそうなのね」

 

「・・・頭いい」

 

そんなことを話していると店についたのか、黒ウサギが止まる。

 

そこにはたった今看板をさげようとしている女性店員がいる。

 

ちなみに今は日が暮れる、という時間帯だ。

 

黒ウサギが「まってください」と言おうとしたら、

 

「いぃぃぃやほぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギィィイイイイ!!!」

 

黒ウサギは店内から爆走してきた着物風の服を着た真っ白い髪の少女に抱きつかれ、少女と共にクルクルクルクルと空中4回転半ひねりをして街道のむこうにある浅い水路までぶっと飛んだ。

 

いや、あれは抱きつかれるってレベルじゃないな・・・・・

 

「きゃあーーー・・・・」

 

遠くなる悲鳴。そして「ボチャン」というそこそこ大きな音。

 

 

俺たちは目を丸くし、店員は頭を抱えている。

 

「なぁ?そこの店員さん?この店にはドッキリサービスがあるのか?あるなら俺も是非別バージョンで」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

真剣な表情の十六夜に、真剣な表情できっぱり言い切る女性店員。2人はわりとマジっぽかった。

 

黒ウサギの方でもなにか言い合っていると思ったら、その少女が黒ウサギに投げられてこちらにとんでくる。

 

くるくると縦回転しながら白夜叉様と呼ばれた少女がとんでくる。

 

俺はすかさず錬金術を使い、空間転移させる。というかワープ?

 

俺は空間を捻じ曲げ、白夜叉は俺に向かってとんできていたが俺に触れる寸前で魔法陣の中に入っていき、さらに俺の頭上に現れた魔法陣からでてくる。

ようするに、真上に飛ばしたわけだ。

ん~これは錬金術師の仕事じゃなくて時魔導師の仕事だろ。

 

時魔導師というのは時間と空間を操る人たちのことだ。

 

もちろん俺はすべて習得済みだ。

 

で、とんできた白夜叉は天高く上っていく。それを見て、

 

「十六夜、トスあげたからスパイクよろしく!」

 

「おう!まかせとけ!」

 

そういって十六夜は高くジャンプし、(すげぇジャンプ力・・・)白夜叉のところまでとぶと、すさまじいスパイクをかましてくれた。

 

もちろん俺はそれを受け止めようとしたが・・・

 

「っ!?速すぎだろ!?」

 

俺はそうとうの力をだした。たぶん7割ぐらいの。

 

それでぎりぎり白夜叉を受け止めることが出来た。

 

まぁ、落ちてくるまでにいろいろ魔法やら錬金術やらつかったけどね。

 

受け止める、っていっても落ちる速度を落としただけだから―――

 

「ゴバァ!!!?」

 

ほら、こうなる。

くそ。十六夜にバレーで負けるなんて・・・

 

「お、おぬしらとんできた初対面の美少女を使ってバレーを始めるとは何様だ!」

 

「十六夜様だぜ。よろしく和装ロリ」

 

「史夜様だ。これからよろしく白夜叉」

 

十六夜は楽しそうに言うが俺は笑いながら言う。

 

つまりは冗談だ。(前半分)

 

耀は思い出したかのように聞く

 

「あなたはこの店の人?」

 

なんか少し驚いたような口調だ。

 

なんで?俺と十六夜がバレーをしたからか?

 

「おお、そうだとも。私は“サウザンドアイズ”の幹部、白夜叉だよろしくな黒ウサギの新しい仲間よ。とりあえず店のなかで話そうか」

 

「いいのですか?白夜叉様?」

 

「よいよい。おもしろそうなやつらがきたからの」

 

 

 

それから黒ウサギとどういうつながりがあるか、とか外門の話とかを聞いた。

 

 

いろいろなことを話していたら、十六夜がこんな質問をした。

 

「なぁ?大手コミュニティの幹部を務めてるくらいなんだからお前、強いのか?」

 

「ふふん。当然だ。私は東側の「フロアマスター(階層支配者)」だぞ。この東側4桁以下にあるコミュニティでは並ぶものはいない、最強のホストなのだからの」

 

ほほう。言ってくれるね白夜叉。

 

白夜叉が放った言葉に俺らは目を輝かせた。

 

「そう・・・ふふ。では、つまり、あなたのゲームをクリアすれば、私たちのコミュニティは東側で最強のコミュニティということになるのかしら?」

 

飛鳥が聞く。

 

「無論、そうなるだろうな」

 

「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けたな」

 

俺たち4人は闘争心を視線に込めて白夜叉を見る。

 

白夜叉はそれに気づいたようで高らかに笑った。

 

「抜け目ない童達だ。依頼しておきながら私にギフトゲームを挑むと?」

 

「え?ちょ、ちょっと4人とも!?」

 

「よいよ、黒ウサギ。私も遊び相手には飢えておる」

 

「ノリがいいわね。そういうの好きよ」

 

飛鳥が言う。

 

「ふふ、そうか。だが、ゲームの前に1つ、確認しておきたいことがある」

 

「なんだ?」

 

十六夜が問い返す。

 

俺は白夜叉を左目で「視て」、

 

「すごいな、白夜叉って・・・」

 

とつぶやいてしまう程、すごかった。

 

白夜叉は裾から一枚のカードを取り出した。

 

“サウザアンドアイズ”の旗印である向かい合う双女神の紋が入ったカードを取り出し、壮絶な笑みで一言、

 

「おんしらが望むのは“挑戦”か?・・・それとも対等な“決闘”か?」

 

突如、俺たちの周りには爆発的な変化があった。

 

これは・・・すごすぎる・・・

 

俺たちがとばされたのは、白い雪原と凍る湖畔、そして水平に太陽が回る見たことない土地だった。

 

唖然と立ち尽くす俺たちに白夜叉は言った。

 

「今一度名乗り直し、問おうかの。私は“白き夜の魔王”―――太陽と白夜の星霊・白夜叉。

おんしらが望むのは、試練への“挑戦”か?それとも対等な“決闘”か?」

 

 

 

魔王・白夜叉。俺たちは少女の笑みとは思えぬ凄みに、再度息をのんだ。

 

 

 

 




次回、耀が活躍します(たぶん)

次は白夜叉のゲームからですね。

けっこうまったりと進んでるのでなんか進むスピードが遅いです。



なにか問題などがありましたら感想までお願いします。


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