ぐらは少し距離を取っている。ダツを貫く際のトライデント捌きを見たからだ。まるでシャチを目の前にしているときのかつての恐怖。しかし、ぐらは時々ヘイムダルを殺意の目で見つめてはポセイドンを見つめ直す余裕のようなものもあった。
「うーん…………困ったなぁ……」
近づいたら死ぬ。それは分かっている。分かっていて近づく馬鹿ではない。でも近づかなければ勝てない。そんな矛盾がぐらを襲う。しかし、手が無いわけではない。しかし、相手に易々と手の内を見せることは避けたい。
「………………しょうがない」
ぐらは背後の海に飛び込む。ぐらは水中でもがく。しかし、トライデントを両手で握った瞬間、ぐらを包んでいた苦しみは全て取り払われ、その体に似合う見事な泳ぎを見せ始めた。
「ぐ……ぐらが……泳いでる」
「ハッハ! 明日はアポカリプスだ!」
その驚きは同期だけに伝わっていた。流体力学的に泳ぎやすい最適な体と揶揄されるも泳げない。そんな常識が打ち破られたのだ。
ぐらは水中を飛ぶように泳ぐ。その姿はペンギンのように美しく、バショウカジキのように速い。しかし、ポセイドンはそれを目で追おうともしない。
「そんな余裕、続くかな?」
ぐらはポセイドンの背後の海まで泳いできたかに思えた瞬間、巨大な金属音が会場に鳴り響いた。気づけば二つの槍が重なっていた。ぐらは槍でポセイドンを突き放す。そのままぐらは重力に従う…………ことはなくそのまま空中にとどまっていた。
「うー……折角友達が手伝ってくれたのに……」
ぐらの近くに小さな火の玉が現れる。それは青く、一部分が鋭く延びていた。ぐらが手を閉じると、その玉は消えた。
「…………」
ポセイドンは言葉を発さぬまま、ぐらの方に近づく。
「なんてこった…………しんじられねぇ! あの神の中の神、ポセイドンが……自ら動いたぁ!?」
実況の声が会場を走り回る。
ポセイドンはある地点で止まり、小さく息を吸った。その瞬間、雨のような、波のような槍の連撃がぐらを襲う。しかしぐらはその波の中を泳ぎ回る。そして隙をみてはトライデントを刺すがことごとく防がれる。刺しては防がれ刺しては防がれ。どんどんと磨耗していく中で、ポセイドンは一瞬動きを止めたかと思えば、唐突に口笛を吹き始めた。
「口笛? 私もできるよ!」
ぐらは得意気に話すと、風のような口笛を吹き始めた。しかし、その時であった。ポセイドンは突然飛び上がり、ぐら目掛けて槍を打ったのだ。口笛を吹いていたぐらは対応しきれずに、攻撃をずらすことしかできなかった。結果的に、その大きな尾鰭に攻撃が当たった。すると、ぐらは空中での姿勢を崩し、地面に落ちて地面に突っ伏した。しかしそこからでも、近くにポセイドンの気配を感じてそこにトライデントを打ったが手応えはなかった。ぐらは起き上がる。
浮いては落ちて立ち上がり
胸板が薄いメンバーの胸盛りはありかなしか(暫く後に控えた登場者の演出のためのアンケートです。第四回戦ではありません)
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あり
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なし