またすいせいが壁に衝突したのと同時に、ヘラクレスがすいせいへと急接近し、追撃を試みる。しかし、すいせいは壁をすり抜け、それを避ける。ヘラクレスが殴打で壁に穴を開通させると、カウンターと言わんばかりの斧の一閃がヘラクレスの真横を通過した。
「チッ、外した」
「……なんなんだ、その奇妙な力は」
「あの力? 私がさっき歌った歌はとある自由な猫の神様の歌だ。つまりだ、私は今、なんだってできるさ。まあ、つまんなくねえよう、調整はするけどな!」
真面目に話を聞くヘラクレスを見てか、すいせいは言い終わると同時に斧を振り上げた。唐突に迫ってきた斧だったがヘラクレスは咄嗟に回避した。しかしながら、完全回避とはならず、頬に四センチ程度の切り傷を作ってしまっている。
その不意打ちを追従するように、すいせいは上がった斧の刃を無理やりに落とす。その不意打ちの追撃では左肩から左脇横にかけて深く突き刺さった。一瞬すいせいは笑顔を見せたが、その笑顔はすぐに消え去る。刺さった斧が抜けなかったのだ。なんとかして抜こうと全身全霊をかけるが抜けない。
「……例え貴様が自由の神になったところで……俺もお前と同じ神だ。同格となったことに過ぎない!」
ヘラクレスは自身に刺さった斧の柄を掴み無理に引き抜く。そしてそのまま、柄の先を握っているすいせいごと自身の背後の地面へと叩きつける。それから何度も何度も叩きつける。その度に羽衣や白い服が破れていく。十五往復程すると、叩きつけは止められた。すいせいにはカミサマたる羽衣や白の服は破れ消え、元の服装に戻っていた。
「無理やり解除するなんてな……ガハッ!」
すいせいは喉奥から赤い鮮血を吐き出した。すいせいが喉を自分で触れると、痛みが喉を走り、歌声を出してみると、同じように、そして先よりも酷く痛んだ。歌えるとしたら……残り一曲といったところだ。意識は朧げとなり、足取りは不安定。体の至る所から出血し、左腕は使い物にならないほどに折れているのに。
「これこそ絶対絶命か。それにもう少ししか歌えねえし……あぁ、あん時を思い出すなぁ」
すいせいは誰にも聞こえないほど小さく息を吸い、そして口を開いた。
「彗星が僕の頭上を飛んだ……誰もいない夜の空を染めた」
言葉通りに、空には無数の、万は越える数の彗星が空を染め上げた。それはあまりにも美しく、ヘラクレスさえも思わず一瞬見惚れるほどであった。その一瞬だけでも、すいせいには十分だった。
次回(恐らく)決着
胸板が薄いメンバーの胸盛りはありかなしか(暫く後に控えた登場者の演出のためのアンケートです。第四回戦ではありません)
-
あり
-
なし