バトル上空に吊り天井が下げられた。会場内はフラッグを持った腹の出た美女が周回し、神々の事業宣伝を兼ねた懸賞宣伝を行っていた。プログラムの都合上仕方がない一連のイベントだったが、それを次の出場者に少し不満が溜まった。
「さあ時間いっぱいだ! 人類側東の闘士はこの女だ!」
ヘイムダルの言葉のすぐ後に、骨の鳴る音が会場に響く。本来あり得ない筈の現象だったが、彼女とこよりオプション、本家忠実に言うならば神器錬成にかかればどうってことはない。
「天使、それは様々な世界において華奢で、非力と思われることがある種族。しかし、例外となる存在が今ここにいる!」
彼女は歩きながらコンディションを確認し、背中から生える羽を整える。
「そいつの犠牲となったものは多く存在する。マカロン、芳香剤、ジャガイモ、海賊の手、挙げ句の果てにはゲームコントローラーまでもその怪力によって破壊されてしまった! そうして残した言葉とはそう、『この世の物は脆すぎる』。壊して壊して壊して壊し続けてしまった! 堕天しても尚、その怪力を持て余し、その上強力な肺も持ち合わせている彼女を人はこう呼ぶ。『大猩々の歌姫』と!」
彼女は羽を整え終えると、小さく小刻みにジャンプし、精神を統一させる。ただ勝利を一心に目指せるように。
「その名は……東第五回戦人類代表、さi……天界出身、天音かなたぁぁ!」
「がんばれかなたん!」
「天音ちゃ負けるんじゃねえぞお!」
「神なんか握り潰しちまえ!」
自身の名前と共に聞こえてくる同期の声援。それはそれはかなたには最高の応援歌となっていたが、少し物足りなさを感じていた。二人三脚を一人で走って勝利するような、寂しく物足りない感覚を。
選抜時まで遡る。無類力士の枠に収まるようなとある一人に、メンバー全員は目線を向けていた。ホロライブ内でも頭抜けた握力を持つ天使、天音かなたであった。
「え、僕でいいの? 良いなら行くけど……」
「まあ筋肉キャラと聞かれたら天音ちゃしか思い浮かばないのら」
「キャラ言うな……」
ルーナへの苦情を口から垂らしつつ、かなたは装置の前に向かい、そして立っていた。そして他の四期生も同様に観覧席用装置を装備し、横たわる。
「じゃ、頑張っちゃおかな!」
そしてかなたも少しノリノリで装置へと入っていった。
「……んー…………」
「こんこよどうした?」
「いやさ……一つ分の観客席空いちゃうのが気になるんだよねぇ……ノエル先輩の時もそうだったけど……」
シヴァの入場も完了し、双方互いに睨み合う。その間でヘイムダルは軍配団扇を持って立ち、声を張り上げる。
「神vs人類最終闘争ラグナロク第5回戦、シヴァ対かなた! 制限時間いっぱ~い、はっけよーい……のこった!」
というわけでかなた対シヴァ開幕です。ちなみにタイトルは本家の「日の本」を参考にし、かなたの出身である天界(諸説あり)→空という感じです
胸板が薄いメンバーの胸盛りはありかなしか(暫く後に控えた登場者の演出のためのアンケートです。第四回戦ではありません)
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あり
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なし