拳を浴びたシヴァは悲惨だった。武器とも言える腕の内二本は弾け一本が使い物にならない上に左目が潰れていた。対してかなたは片腕の欠損と意識の朦朧で、ココに至っては腹部の軽傷のみだ。
「良い……良い! ここまで俺を追い詰めたやつらは初めてだ!」
「ハハハ! 私と天使が揃えば無敵なんてものじゃあないですよ! それより、貴方にもこんなお友達、いるんじゃないっすかねえ? 丁度、後ろにも」
ココの言葉に反応してシヴァは振り向く。するとシヴァの視界にはかつて戦いを共にした幼馴染み、ルドラと強敵達がそこに立っている光景が写った。
「ルドラ……」
かつて決闘別れして以来会っていなかった友の姿を眺めるなか、シヴァは更に気が付く。ルドラだけでない、インド神話全ての神がシヴァに向けて手を合わせ祈りを捧げていたのだ。
「……確かに、いたわ。そんなお友達がよ。こんなにバカでいい加減な俺を信じてくれたやつらもな! そんなやつらのためにも、俺は負けられねえんだよ……なんつったんて……俺はインド神界の
「……私もよ、こんな暴れ者の変なドラゴンも受け入れて、仲良ししてくれた仲間に礼をしてえんだ。特にこの天使によ! かなた! 突っ走るぞ!」
「うん!」
その瞬間、シヴァは自身の胸に指を差し込む。そしてその差した指は自身の心臓を掴み、直接動かしていた。そうしているうちに体はみるみるうちに赤くなり、太陽にも至るような熱を帯だした。本人にさえ初めてで分からない、世界を破壊し、再創造する姿である。
一方、ココは、身体がみるみるうちに大きく、筋骨隆々となってゆき、背中からは巨大な羽が生え、背には赤の鱗が現れていく。「げぼかわ」などで言い表せぬ、正に西洋におけるドラゴンの姿がそこにはあった。
かなたはというと、自身の頭を握り意識を正常に戻すと、黒い羽に包まれる。そして羽が退く頃には黒と青が交ざるドレス調の衣装になり、普段は白い天使の羽も黒く変色し、力なく萎れていた。人はその姿をこう呼ぶ、「堕天使」と。
「……じゃ、終幕にいこうか!」
最初に動いたのはかなただ。シヴァの周囲に佇む熱を無視してシヴァの背後に回り残った腕を狩りにいく。炭化して行く手。羽で防御させているためマシだが長くは持たないだろう。当然のごとくそれはシヴァ本人に妨害されるが、今度はココがシヴァを掴もうと手を伸ばす。そしてその手を殴り返すシヴァ。炎を吐くドラゴンが炎で焼かれることはないが、シヴァの拳威力は高く、掌に小さな、比率からしてみれば大豆ほどのクレーターが、皮下に存在する高密度の筋肉を貫いて開いた。
掴む、握ったら勝ちのかなたとココ、殴り倒し、自分を守り切れば勝ちのシヴァ。勝負は閉幕に差し迫って行く。
次回決着(予定)!
胸板が薄いメンバーの胸盛りはありかなしか(暫く後に控えた登場者の演出のためのアンケートです。第四回戦ではありません)
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あり
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なし