観客の目に映っているのは、激しい戦いの様子ではなく、両者が武器を下ろして近づいている様子であった。
「そのまま脳天勝ち割れ!」
「……いや、あれは……」
フレアは知っていた。この展開を。ずっと、彼女から熱く語られていたその展開を。
わずか5mまで近づくと、双方停止する。そして、少しの間見つめあっている。
(実際見ると体やっべぇな……)
ノエルはトールの圧倒的な肉体に少々怖じ気づくが、心を落ち着かせ、メイスを手の中で回し、思い切りトールに向けて振り下ろす。トールはそれを少ない動作で止めると、激しい火花が散り、鈍い金属音が鳴り響いた。
「ふぬぬー!」
口から出ている少し可愛らしい音とは反対に、ノエルはメイスにとてつもない力を入れ、トールを退ける。
「こりゃ、本気ださねぇとなぁ……」
そう呟くと、彼女の周囲を覆っていた緩いオーラは消え去り、いつかの運動会での気迫が放たれ始めた。瞬間、ノエルはトールへ飛びかかり、メイスを振るが、その巨大なハンマー、ミョルニルで止められる。
「お゛お゛お゛!」
そのまま、空中でノエルはメイスに力をこめる。すると次第に周囲の地面はクレーターと化していた。
ノエルがそのまま後ろへと飛んで遠退いたときであった。トールの腕に電流が流れ始める。少ししてトールはミョルニルを両手で掴むと、ミョルニルが地面に着くギリギリまで仰け反った。
「……ついにか!」
それはかつて巨人軍を殲滅したといわれる業、ノエルは初めてそれを見たときの興奮を今でも忘れていない。
ハンマーまで電流が流れ始めると、トールはそのハンマーをノエル目掛けて振り下ろす。ノエルに当たる寸前、巨大な雷の柱が作られ、巨大な爆発が発生していた。
「団長ーー!」
「のえたん……」
「…………」
しらけんのメンバーも各々絶望的に思っていたが、ただ一人、フレアだけは諦めていなかった。
トールの周りは砂埃が舞い、ハンマーを覆い隠され、トールしかその姿は見えない。初めに異変に気が付いたのはトールであった。その瞬間、トールは何者かに押し返され、メイスによって殴られ、右肩から左脇腹にかけての肉を少し抉られて血を出す。そして、その血はノエルの顔にかかり、口にも入った。
「うめぇなぁ……神の血ってのも。牛丼の次ぐらい美味しい」
「さっすがノエル~!」
トールは自身の体に付着している血液を手に付け、見つめる。
「貴様、人間なんぞに置いておくには勿体無い」
双方共、大変愉快そうな笑顔を見せた。
これ書く際、ネトフリ版を参考にしているんですけど……原作漫画版の方が良いですかね?
胸板が薄いメンバーの胸盛りはありかなしか(暫く後に控えた登場者の演出のためのアンケートです。第四回戦ではありません)
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あり
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なし