波旬と名乗った存在は、自身の拳を開閉させながら、静かに口を開いた。
「すまない、不馴れなものでな。一瞬で終わらせてしまうかもしれぬ」
その瞬間、手に出された黒色の刃をベールズへと振り下げた。最初、ベールズは槍で受け止めようとしたが、本能が無意識に空間での防御を選び、実行した。恐怖が自己防衛へと動かした。
「……受けるか。驚いたぞ」
「はは……そっちも、これを引き出すなんてね」
ベールズが持ち得る力で跳ね返すと、もう一度波旬も振る。何度も何度も打ち合う。全く予想だにできない攻撃もキツくなると、それを狙っていたと言わんばかりに、波旬の刃が伸び、ベールズへと向かってくる。しかし、それはベールズも狙っていたことであった。
「……ん?」
途中で刃が止まる。引き戻そうとしても動かない。波旬は様々に腕を動かすが、刃が動かない。
「どう? 秘技、ネズミ捕り」
「ほう……」
刃が腕からとかげの尻尾のように切り離され、再び生える。切り離された刃は粉のようになり消えた。
「わお。便利だねぇ」
「今の、素晴らしい。では、我も最大で闘らせてもらおう」
黒く固い印象を受ける刃は変形し、細くしなるものへと変化すると、高速でドリルのように回転を始めた。
「天誅、魔廻天衝」
再びベールズは空間を多く重ね、盾を創造した。そうして一時の安堵を得たのも束の間、空間とドリルの間に火花が散る。幾重にも重ねられた空間が削られている。ベールズとドリルとの距離が近付く。メートルからセンチメートル、センチメートルからミリメートル、そしてドリルが当たろうとした瞬間、時が止まった。
「あっぶねぇ……間に合ったぁ……!」
相手の四肢という限定的な時間停止ならいざ知らず、世界停止には多少の時間がかかる。
ベールズは急いでドリルの進行方向から退き、指を鳴らす。すると、先程まで停止していたドリルが回転を再開し、ベールズのいた空間を貫いた。
「……素晴らしい。頭を貫く筈だったが、時を止めて避けたか。だが、どうも時間がかかるようだな?」
波旬の右腕が巨大な斧へと変化し、ベールズへと襲いかかる。それも目にも止まらぬ速度で、的確に首を狙って。ベールズは空間を再度重ね、それに加えて今度は強化ガラスを同じ空間に何重にも生成し、防御の底上げを図った。しかしながら、それは速度の減少にしか届かず、咄嗟に避けるも左手首、典獄の手を落とされた。
「チッ……痛いなぁ」
左手首から小さな木の芽が生える。そしてすぐに成長を始めたが、波旬が待つ訳もなく、再び猛攻が始まった。
流石に波旬の強化もしないと互角にならんかな……
胸板が薄いメンバーの胸盛りはありかなしか(暫く後に控えた登場者の演出のためのアンケートです。第四回戦ではありません)
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あり
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なし