殴る、避ける、殴る、受け流す、殴る、返す。ベールズはとにかく死なないよう、攻撃を無効化していく。対して波旬は、何度拳を振り下ろそうと死なない相手に恐怖し、両手を振るわせていた。
「やーい! ピッチャービビってる!」
ベールズは確信していた。逃げ切れさえできれば勝てるこの試合に。しかし、その確信が、ベールズに傲慢を生むこととなってしまう。
震えていた波旬は突如自身の左腕を掴み、引き抜いた。そして左腕をそのまま脇に挟むと、ひと昔前の脱水機のように力強く抑え、引く。すると腕は剣へと変化した。
「我は……第六天魔王波旬なり!」
波旬はその剣を思い切り振り上げ、ベールズへと狙いを定める。ベールズはランダムに、遠くに動くが、波旬は見逃さない。存分に構え終えると、波旬は突然に跳躍し、ベールズとの距離を一気に詰めた。
「灼」
距離、角度が完璧なタイミングに重ね、波旬は剣を振るった。剣はベールズの右腕を切断されてしまった。
「あぁ、いってぇなあ!」
自然の治癒を失っては回復が不可能だ。ベールズは止血のために左腕の時間を止める。それを視界に入れた波旬は盛大に笑い出し、腹を抱えている。これから起こる、自らの運命を知らず。
「……だが、ボクの勝ちだ!」
突然、波旬の周囲を覆うように幾多もの時計が現れる。それらは本来とは逆に回っており、それに伴い波旬の姿が若干変化していく。波旬はそれらを破壊しようと、何度も何度も腕を振るが当たらない。とうとうそれらの時計が消滅した瞬間、波旬の体に大量の腫瘍が発生し、右腕が溶け落ちた。
「き……貴様ぁ! 我を……あの時に戻しやがったな!」
「正解」
顎が溶け落ちる。そしてどんどんと体が膨らみ始め、やがて耐えきれなくなり、波旬の体は破裂した。その場には匂いを伴う血液や臓物、そして剣のみが残った。
「神VS人類最終闘争ラグナロク! 第六回戦勝者は……ハコスゥ! ベーェルズゥ!」
瞬間、戦場に散らされた血や肉などの波旬の一部が緑色に光り始め、亀裂が入る。やがて亀裂は破壊へと繋がり、全てが粉々に砕かれた。
砕かれた物がベールズの道を装飾する。歓声に包まれたその道はあまりにもベールズには眩しかった。
「……今回、あんまあばれなかったんだけどなぁ……」
若干の罪悪感と、享楽を身に包みながら、ベールズは退場した。
「お疲れ様でした~!」
例の如くこよりが目覚めたベールズを歓迎する。他のメンバー達も続々と目覚め、観客席へと戻って行く。
「なあ、なんか今回お前ら無言多くなった? どうした?」
「いや、議長の戦いに集中してたからさ」
「あぁ、そうなのね。ありがと」
こよりは全体を見渡し、口を開く。
「じゃ、次やりたい人~」
次回、ハデス戦!
胸板が薄いメンバーの胸盛りはありかなしか(暫く後に控えた登場者の演出のためのアンケートです。第四回戦ではありません)
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あり
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なし