土埃が落ち始め、最終攻撃の結果が見え始める。薄くなってきたことで、煙幕に二人の影が投影され始める。片方は腕を欠損させ、もう片方からは少し出血していた。その手には細長い得物が握られていた。
「……ふ、見事だ」
目の前に自身の得物、ミョルニムを落としたトールは静かに笑う。ノエルは自身の出血とトールの返り血が混ざりあった匂いに少し優越感を覚え、息を切らしていた。
「お前も……強かった」
メイスに付いた血を飛ばしながら、ノエルは呟いた。それを聞きとげると、トールの体にヒビが入り始める。そのヒビは徐々に広がっていく。
「惜しいな……折角、好敵手を見つけたというのに」
「団長も……もう少しここに居たいなぁ」
原作を忠実に再現されたスタジアムを眺めてノエルは呟く。トールのヒビは、遂に全身までに広がり、やがてガラスが割れるようにして、トールは破壊、緑色の光へとなった。
「……はぁ……かっちまうとわなぁ……」
手にこびり付いた感覚を思い出しながら、ノエルは天を仰いで呟いた。
「こんなことありえるか!?神vs人類、最終闘争ラグナロク、第一回戦は、人類側白銀ノエルの苦心の勝利にて決着!」
観衆の歓声が一気に盛り上がる。予想だにされなかった人類側の一回戦勝利。そんな歓声の道をノエルは歩き始める。
しかし、彼女の体はもう限界であった。突如として足が真っ二つになった。戦いの中折れたほうの足だ。そして手も、手首から連鎖するようにして疲労粉砕骨折していく。その様子を、しら建は見守るだけにとどまるはずがなかった。
「ノエル!」
最初に動いたのはフレアだった。その後もポルカにみこ、すいせいと続々とノエルの元へと駆け寄る。
「あはは……団長、少し無茶しちゃったみたい」
よく見ると、ノエルの体の端々からヒビが入り始めていた。
「ノエたん逝かないで!」
「あんにゃろノエルにこんなことしやがって!」
「勝ったのにこんな仕打ちはあんまりだ!」
フレア以外の三人は各々とトールに対する愚痴のような野次を吐く。しかし、フレアはノエルの手を取り、そっとノエルに言う。
「ノエル、お疲れ様。ゆっくり休んで」
「……うん」
ノエルは目を閉じる。そして、ヒビは全身に広がって、ノエルも割れてしまった。
「お疲れ様でーす!」
機械の中からノエルが出てくる。
「いやぁ……これ凄いね」
ノエルは腰に手を当て、機械をまじまじと見つめる。そして、あることを思い出した。
「そういえばさ、あの四人ってどうやって入ってきたの?」
「それはですねぇ……」
こよりは機械の後側に置いてあった。ベットを前に持ってくる。ベッドの上では、四人がVRヘッドセットのような物を着け、横たわっていた。少し、ノエルが見ていると、四人が目覚め始めた。
「簡易的なこの機械の再現です。」
「へぇ……凄いね」
「まぁ、これはこんぐらいにしておいて……」
こよりはノエルの手を取り、後ろを振り向かせ、皆に顔が見えるようにした。
「一回戦はノエル先輩の勝利!」
メンバーは、しら建も含めて皆、歓声をあげている。
「…………ん?」
ノエルの疑問の声がかき消される。一人、全身が真っ白な、顔が簡素な人型の何かを見つけた、疑問の声が。
その人型は、ノエルが気づいたことに気づくと、すぐに出ていってしまった。
(まぁ良いや)
ノエルは気にしないことにした。
「さて、次の挑戦希望者はいますかー!?」
一方、その人型はとある場所を目指す。自身の本拠地にだ。何故? 面白そうな機械を、ある人に伝えるためにだ。
ある人……誰でしょうね?(とぼけ)
後、今年も私の作品をありがとうございました。来年も、よろしくお願いします。
胸板が薄いメンバーの胸盛りはありかなしか(暫く後に控えた登場者の演出のためのアンケートです。第四回戦ではありません)
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あり
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なし