神VS夢 最終闘争シミュレーション   作:架空柿

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 のーこめ


祖たる威厳

 その開始の狼煙が上げられると共に、そらはいきなり、クレヨンを自信の瞳の上で滑らせる。

「う…………痛い……」

 もちろんそれには激痛を伴う。しかし、彼女はそれを我慢し、器用に描き続ける。ゼウスは興味深そうに眺めているだけだ。彼女にとって、こんな苦痛など、今までの努力に比べれば大したことない。

 そして、描き終わったのか、彼女はクレヨンを瞳から離す。少し目を抑えてから、彼女は目を開く。すると、クレヨンで描いていた右目は、角膜がオレンジ色に、瞳孔の代わりと言わんばかりの赤い十字架と白い罰印がある瞳に変化していた。

「あ……あれは! ルイ姉の!」

 観客席から叫ぶのは、機会少女のロボ子である。機械であるため、他の4人よりかは遥かに視力性能は良いためだ。

「うむ…………成る程。面白いクレヨンじゃのう……ただ、そんな道具で、これを防ぎきれるかのう?」

 そう言うとゼウスは軽快にステップを踏み始める。その顔は期待に満ちているように見える。

「じゃあ……手始めに……」

 突如としてゼウスはステップからそのまま前方へと跳ね、そらに拳を向ける。

「こんなのはどうじゃ?」

 とてつもなく速い拳に、そらは当たる直前に最小の動きで躱した。

「ほう……やるのう……」

「ゼ……ゼウス様の凄まじい亜光速ジャブ! しかし、ときのそらは楽々と躱した!」

 観客の歓声はさらに盛り上がる。ゼウスは肩を回して、そしてもう一度跳躍してそらの元へと駆け寄り、先程よりも速いジャブを繰り出す。しかし、そらはまた避ける。ジャブが出される度にその速度は10倍毎に速くなっていくが、それを鷹の圧倒的な動体視力で躱す。たとえ隕石の如きジャブが出ても。

 そして、ジャブが繰り出され続けている内に、ゼウスの姿勢が突如として変わる。

「からのぉ…………神の斧!」

 それは名の通り斧の如き蹴り。不運にもそらの体勢からの回避は厳しい……ように思われた。少なくとも、アイドルでない人は。

 そらはキレのある動きで体勢を建て直し、ジャンプでその蹴りを避けた。

「そらちゃん……みこ、誇らしいよ! あんな攻撃を全て避けるなんて!」

「すげぇ……そらちゃん楽しそう……私も早くやってみてぇな」

 全て避けきったそらは額の汗を腕で拭き、ゼウスの方向を振り返る。

「いやぁ……凄い気迫! 隕石とか斧とか、本物っぽいの見えたし! ……まぁ、全部覚えちゃったんだけどね」

 そらは軽快にステップを踏み始める。その顔は期待に満ちているように見える。その動きに、ゼウスは困惑と驚きの表情を見せた。

「……じゃあ、こんなのはどうかな? なーんて、返してみたり」

 瞬間、そらのとてつもなく速い拳がゼウスの耳を襲う。ゼウスの耳からは血が流れ、「ピー」という音が鳴り始めた。

「どうかな? コーチ?」

 そらは普段のダンスレッスンで確認をとるような、明るい声色でゼウスに話しかける。そのまま、そらの腕からは先程よりも速いジャブが出される。ジャブが出される度にその速度は10倍毎に速くなっていき、それら全てがゼウスを襲う。

「いくよ」

 そして、そらの動きが一瞬変化する。そらはポケットにいれたクレヨンを取りだし、一瞬で丸く大きな、炎を纏った岩石を描く。その岩石は正確にゼウスの顔面を狙い、ぶち当たる。

「顔面セーフ……は無しかな? からの……」

 もう一度クレヨンを構えて、今度は左足に斧を描く。そして、その斧でそらはゼウスの足に蹴りを入れると、筋骨隆々の足に少し刺さり、すぐに抜き取ると、大量の血液が溢れだした。

 体勢を崩すゼウスから、そらは距離をとる。

「や……や…………やるじゃない……」

「ゼウス様の技を躱しきったときのそら! 今度はその技を鸚鵡返しにして、クリーンヒットだぁ!」

 また更に歓声が沸き上がる。

「……さすがそらちゃん。洞察力が高いねぇ……見習いたい」

 よく一緒にダンスの練習をするAZKiは知っている。彼女、ときのそらは観察力が鋭い。それ故に、ダンスコーチの動きをよく見て、再現することが得意であると。

 一方、ゼウスは数万年ぶりの好敵手に興奮し、思わず首を曲げていた。

「じゃが……これなら?」

 ゼウスは高速でとある狼のステップを思い出すような足踏みを始める。そして、ゼウスはそらの回りを円を描くようにして走り回り、奇襲のようにして前から蹴りを入れるが、それも躱されてそらに高威力で返される。

「いやぁ……こんどルイルイには何かお礼をしなくちゃねぇ……」

 ゼウスはそらの顔に一瞬恐怖を感じる。

「ぐあははは!…………楽しいのぉ! 楽しくて……たまらんぞい!」

 その筋肉がどんどんと隆起し、赤色に変化していく。それは言葉とは裏の感情を示しているようである。「このわしが……こんな小娘にやられるなんてのう」という思いから来ているかどうかは、最早本人にしか分からない。




 筋肉が膨れ上がる光景を観測した貴方はSUN C1/1D6(最近友達と始めた。一緒にやってくれる人いないかなぁ(私情))
 後、若干妄想入れてみましたが…………まぁこの位良いですよね

胸板が薄いメンバーの胸盛りはありかなしか(暫く後に控えた登場者の演出のためのアンケートです。第四回戦ではありません)

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