遊戯王 存在しないモンスターズ   作:コジマ汚染患者

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活動報告の方へのコメント、ありがとうございます。デッキリストまでご提供くださる方がいてびっくり。出来れば全部出したい......!でも足りない、ジェムが.....!
特に期限など設けて無いのでおすすめや癖なテーマなどあれば気軽に投げつけてください。作者がデッキ作ったり作品内で使ったりして喜びます。


第3話(2)

「えーと、話を整理すると......遊笑の持つカード『ディアベルスター』は、実は精霊っていう謎の存在が宿ったカードで、貰った物じゃなくて道端で拾ったカード。高良さんも同じ精霊という存在が宿ったカードを持っていたことで互いの精霊が見えていたことに気づき、それで高良さんが遊笑とお付き合いしたいと言い出してついさっき話を終えて友人になろうってなった......という感じで合ってる?」

 

「おお、合ってる。良くまとめたな」

 

「え、ちょっ、遊笑さん躊躇い無さすぎじゃないですか!?というか、精霊の事教えちゃっていいんですか!?」

 

高良との話を終え、とりあえず遊鮮と遊香にも精霊と高良についての説明をした。俺より地頭が良い遊鮮は先程かなりざっくりとだが事情を纏めてくれてたし、だいぶ理解しているだろう。

遊香?コイツは、うん、まぁ。多分大丈夫だろ。本能で理解してくれる、はず。多分、きっと、うん。

 

「......頭が痛くなる話だな。カードの精霊、なんて聞いたこともない」

 

「ほぇー、なんかすごいかーどもってるんだねこうちゃん」

 

「だ、大丈夫なんですか?遊鮮さんはともかく、遊香さんの方は幼児退行してるっぽいんですけど……」

 

「大丈夫だ、あれは遊香の低知能モード。許容量以上の情報を与えられたら昔からああなるんだよ」

 

眼鏡を外し目元を抑えている遊鮮は、渋い表情はしているが何とかのみこもうとしている様だ。対する遊香はというと......FXで有り金溶かした人みたいな表情で佇んでいる。実際そんな人を見たことがある訳じゃないけども、多分今のコイツみたいな顔だろう。全ての情報を受け取ったは良いが処理しきれなかった、そんな顔だ。

 

「それで、僕達にその話や精霊の秘密を暴露したのは......まぁ、そういう事か?」

 

「ああ、そういう事だ」

 

「そういうこと?だよね?」

 

「あの、どういう事ですか?私には何も話が見えてこないんですが......それと、遊香さんも分かってないみたいなんですが?」

 

控えめに挙手しながらそう言ってくる高良に、遊鮮が苦笑しながら俺の肩をつつく。やめい、そのニヤケ面腹立つから。

 

「遊笑、昔っから僕ら幼馴染の間で隠し事出来ないんですよ。顔にめちゃくちゃ出るんで」

 

「私のおやつ黙って食べた時とかも隠せてなかったよね。なんというか、目?表情?とりあえず顔さえ見ればなにか隠してるかどうかは丸わかりだもんねー」

 

「ええい、うるさいうるさい。そういうお前らだって隠し事は出来んだろうが」

 

そう、幼馴染のコイツらと俺は、何故か幼少期から何かを隠しておく事が難しいのである。

2人曰く、俺の隠し事は表情に出ているとの事。......ポーカーフェイスを心がけても変わらなかったんだよなぁ、何が見えているんだこいつらには。

 

「まぁ、納得はできないかもしれないがそういう事情があるんだよ。今後2人とも関わっていく中で高良と俺だけの秘密、ってのはほぼ成立しないとみて良い。主な原因は俺にあるんだけどな」

 

「そ、それ別に誇らしげに言うことじゃないような?」

 

「だからこそ、変に隠すよりはこうして初手で暴露しておく事で後々のトラブルを回避する事ができる訳だ」

 

「あ、スルーなんですね......」

 

『要するに駆け引きが苦手なだけだな』

 

気にしててもしょうがないだろうが。こちとら幼児期から一緒に生きてきた馴染みすぎるくらい馴染んだ3人組だぞ。

今更この縁を切れと言われてもそうそう切る事も出来ん、どう知られないようにするかよりどう落ち着いて把握してもらうかを考えた方が遥かに建設的だろう。

あとディアベルスターうるさい。

 

「ところで、その精霊っていうのは僕らでも見えるものなのかい?」

 

「あー、どうだろうな?一応今俺らの周りにいるんだけど......」

 

「え、嘘!?見たい見たい!」

 

遊香が興奮した様子で身を乗り出し、高良や俺の周りをグルグルと回りながら観察する。その目は未知の存在である精霊が見えるかも、という期待で輝いている。......のは、いいんだが。

 

「遊香......俺らの精霊は、今お前の後ろにいる」

 

「うっそぉ!?何処ぉ!?」

 

『見えてないな』

 

『キュゥ』

 

うーん、やはり精霊のカードを持っていない者には見えないようだ。慌てて振り返って至る所に視線を送る遊香だが、眼前数十センチの距離に立っているディアベルスターとその腕に抱えられたルビーの姿を捉えられてはいない様だ。

 

「むおおおお!見えろぉぉぉぉ〜!」

 

「やめなよ遊香、女の子としてどうなのそのポーズ......」

 

「むうう、だってぇ〜!」

 

「はっはっは、あまいあまい!その程度で見えるはずねぇんだよぉ!」

 

『いや、見えてない方が都合悪いんじゃないか』

 

「そ、そのぅ、ごめんね遊香ちゃん。それだと、多分見えないと思うよ?」

 

『キュゥゥ~』

 

「うぇぇぇコウちゃんまで!?」

 

しまいには両手を前方へ突き出し妙に力を入れながらワシワシと指を動かし何かを触ろうとする仕草で唸る遊香。うーん、女子と言うより変なおじさんだなこりゃ。

だが、当然そんなもので触れる訳もなくただ険しい表情で虚空を握りしめる変な女子高生という状態に。ひでぇ絵面だな。

ディアベルスターとルビーに当たりそうになることもあったが、ソリッド・ヴィジョンと同じで遊香の手は2体をすり抜けてしまっている。

 

「にしても、遊笑も高良さんもよく見つけられるなぁ精霊のカードなんて。ひょっとしてそこら辺に結構落ちてるのかな」

 

「いやぁ、それだったらもっと世間で知られていても良いんじゃないか?そういった話は聞いたことねぇが」

 

結局、精霊が見えることは無かったので高良に泣きつきながら慰めてもらっている遊香は放っておいて遊鮮と精霊のカードについて語り合うのだが、全く良いアイデアなど思い浮かばない。

まぁそりゃそうか、精霊のカードに詳しい訳でも無いんだしそんな専門家も見たことも聞いたこともないのだ。ただの高校生程度に答えが見つけられると思う方が無理がある。

 

「遊笑、ディアベルスターは何か知ってたりしないのか?聞いてみる感じ、意思疎通は出来るんだろう?」

 

「ディアベルスターに?」

 

『ん、私か?』

 

思わず呟いた名前に反応し、ディアベルスターがこちらの話に割り込んでくる。そういえば、当時者なのだからこちら以上に何か知っていてもおかしくはない。

 

先程まではルビーと一緒に悔しがる遊香の周りをフヨフヨと浮かんでいたが、今はしっかりと地に足をつけている......いや、足下半透明だコイツ。幽霊みたいじゃないか。

 

「今話してたんだが......」

 

そう言ってディアベルスターに、精霊について何か知っていないか尋ねてみる。

......の、だが。どうやらこれはあてが外れたようだ。

 

『私は確かに精霊だし、元の世界ではこの世界のカードに記されているようなモンスターも見かけた。けど、精霊ってモノが何なのかなんて根本的なことを聞かれても知らない』

 

「そうか......。ダメだ、知らねぇってよ」

 

「うーん、となると全くの理解不能だな......」

 

2人プラス一体でウンウン唸っていると、いつの間にか膝枕状態に移行している遊香が手を挙げた。

......嫌ならちゃんと断ろうな高良?足が痺れているのだろう、渋い表情をしている。

 

「はい!とりあえず、当面は私達も精霊が見えるようにする事を優先に考えるべきだと思います!」

 

「その心は、同志遊香どの?」

 

「ルビーちゃんが見たいです同志遊笑どの!」

 

「だと思ったよど阿呆」

 

「ははは......欲望に忠実すぎるでしょ」

 

「うう、遊香ちゃんそろそろ足が......!」

 

それはもうイイ笑顔で自分本位なこと言いやがる遊香に、思わず遊鮮と二人ため息をこぼす。

横にいるディアベルスターや高良の肩に乗っているルビーからも呆れた様な雰囲気を感じる。

......高良、そいつ地面に置いていいぞ。

 

「と、とにかく。僕と遊香は信じるよ、2人の話」

 

「うんうん、私も異論なーし!こういうのは信じた方がワクワクするしね!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「まぁ、当面は様子見するかぁ」

 

何も分からないことしか分からない状態ではあるが、時間もかなり経ってしまっていた為、とりあえず解散という事になった。

まぁ、一番の目的である高良の紹介と幼馴染との交流は達成出来たので良しとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよーコウちゃん!」

 

「お、おはよう遊香ちゃん」

 

翌朝、登校してすぐの教室内で、遊香のそれなりにデカい挨拶の声が響く。昨日の今日で出来たばかりの友人への距離感が大分バグっているが、まぁ遊香なのでしょうがない。

周囲のクラスメイトも突然の大きな声になんだなんだと視線を送るが、なんてことは無いただの挨拶なのですぐに興味を失い各々の朝の準備に戻っていく。

 

「よう高良、早いんだな。......ァふ、羨ましい」

 

「遊笑は朝弱いもんね。おはよう高良さん」

 

「おはよう遊鮮くん、遊笑くん。私は、家が近いから登校しやすいってだけだよ。普段お休みの日は少し起きれないから......」

 

「あー、分かるわぁ、朝急ぐ必要が無い、って思うと出れないよなぁベッドから」

 

「遊笑はそれで新弾のパック発売日を何回寝過ごしたんだっけ?」

 

「2桁は確実にいってるよね」

 

「う、うるせぇ。俺だって治すつもりは............あるよ」

 

「おっそ!間がなっが!」

 

「やかましい!寝たいのは寝たいんだからしょうがねぇじゃんか!」

 

「あはは」

 

他愛もない雑談をしつつ、さりげなく高良を観察する。表情に若干ぎこちない所はある。まぁ初めての友達って話だし、もっと時間があればほぐれるかね。

 

遊鮮と遊香とも上手く打ち解けたみたいだ、よかったよかった。遊鮮はともかく遊香は幼馴染内で唯一の女子だったこともあってか、新しい女子の高良にかなり好意的だ。まぁ高良の方がテンパってしまうくらいガツガツいってるが大丈夫だろ、高良はともかく遊香は対人関係が下手な奴じゃないし。

 

それよりも、だ。

 

『これで、高良の元に居る精霊は全部か』

 

『キュゥ!』

 

『うむ、話は聞いている。よろしくな』

 

『本当に精霊だぁ』

 

『オイラたち以外にも来てたんだなぁ』

 

『私たちと同じ世界なのかしら?』

 

『うーん、まぁそこはおいおい分かるだろ。これからよろしくな!』

 

『コウとも是非仲良くしてやってくれ。昨日の夜は初めてできた友人について、ずっと俺たちに話して夜更かしするくらい喜んでいたからな』

 

『ああ、よろしく頼む。私はディアベルスター、こっちの寝坊助が私のパートナーの遊笑だ』

 

高良と俺の上、宙に浮きながらディアベルスターと、ルビー含め高良の所にいる精霊が集まっている。フワフワと浮いてはいるがお前絶対空飛ばねぇだろって感じのモンスターもいて違和感がすごいな。

上で勝手にやっている自己紹介を聞く限り、全員「宝玉獣」というテーマに属するカードの精霊らしい。ルビーはもう知っているので除いて発言順に、『サファイア・ペガサス』『コバルト・イーグル』『アンバー・マンモス』『アメジスト・キャット』『エメラルド・タートル』『トパーズ・タイガー』と言うらしい。

変な紹介すんなディアベルスター。あと高良の精霊の方も軽率に持ち主の事ぶっちゃけるな、聞こえてるから。高良の方なんか、耳が真っ赤になるくらい恥ずかしがってんじゃん。

 

「......?コウちゃんどうしたの?顔赤いよ?」

 

「ななな、なんでもないにょ!」

 

「???」

 

慌てて取り繕っているが、残念ながら噛んでしまっている。うーん、緊張すると口が回らないタイプなのかね?

 

「っと、もう時間か。席に着かないと」

 

「コウちゃんまた後でねー!」

 

「う、うん。また後でね」

 

そんなこんなで始業のチャイムが鳴り、下戸先生が教室へと入ってきた。俺も席に着くか。

 

『ほう、そんな食い物があるのか......』

 

『ああ、中に甘いクリームがたっぷり入ってて最高だぞ!お前も食わせてもらったらどうだ?』

 

『ふむ......実体化できるまではまだ魔力が足りてないが、リストに加えておこう。しゅくりむ、というのか』

 

『ああ、コウが本当にたまにしかくれないけど、すっごく美味いぞ!』

 

『アマアマー』

『タベスギダメー!』

 

ディアベルスター達精霊組は周りに見えているわけでも無いので、授業が始まってからはそこそこスペースのある教室の後ろの方へ集まってのんびりと雑談で親交を深めていた。......なんかメモしてるけど何してんだアイツ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、高良さんって精霊が昔から見えているんだよね?」

 

「うん、もう覚えてないけど、初等部ではもうルビーと一緒に過ごしてました」

 

授業がある程度進み、昼の食事休憩の時間となった。アカデミアは非常に広く、昼休憩には何処で食事をしていても余程の場所じゃなければお咎めは無いらしい。

 

まぁ食事の前から、話をする中では精霊についての話題が中心だったのであまり人目に付く場所は宜しくないって事になった。

そんな訳でアカデミアの中でもかなり隅っこの方、「旧部活棟」と呼ばれる場所の近くに来ている。旧とつく通り、新しく建てられたという部活棟が校舎近くにあるのでここに来る人物は滅多にいない。とある人から教えられた情報だ。

 

各々弁当を広げながら談笑していると、不意に遊鮮が高良へと質問を投げかけた。高良の膝上ではルビーがとてもリラックスした様子で微睡んでいる、まるで猫のようだ。来ることは無いと思うが、もし無関係な人が来ても大丈夫なように、ディアベルスターがショップで使っていたという魔法をかけているのでルビーを撫でていても不思議に思われることはないだろう。

 

「どしたよ急に」

 

「いや、ふと思っただけ。精霊が見える条件として、何かしらあるのかなと思って」

 

「時間とか?精霊と長いこといれば見えるようになるとか」

 

「いや、だったら俺がディアベルスター見えてるのおかしいだろ。ごく最近だぞ、俺がアイツ拾ったの」

 

「わ、私もルビーは長い間一緒に過ごしてますけど、一番最近に保護した精霊はエメラルドで、見つかったのはアカデミア入学直前ですよ」

 

遊鮮はそれを聞いてまたウンウン唸り出したため、俺も食事をとりつつ考えをめぐらせる。

精霊を見つけてからの時間は関係無し。宝玉獣達とディアベルスターを見る限り、高良みたいな複数の精霊を従えている事が条件でも無さそうだ。......うーむ、わからん。

 

「うん、ダメだね。今のところ情報が無さすぎる。遊笑はともかく、高良さんも知らないんでしょう?」

 

「は、はい。私も精霊達から伝えられたことしか知りません」

 

「遊笑は......まぁ知らないだろうし」

 

「合ってるんだけど釈然としねぇ」

 

遊鮮が諦めたようにため息をつき、手に持ったサンドイッチを口にする。遊香に至ってはさっきから話は聞いているが食べることに夢中で喋ってない。......コイツの場合、弁当がお重だし黙って食ってくれた方が良いか。どう考えても食いすぎだが、本人曰く適量だそうだ。

ちなみに、肝心の情報源である宝玉獣達だが。

 

『我々も、精霊としての在り方は知っているが何故この世界に来たのかは分からないんだ。皆同じ世界にいた事はわかるんだが......』

 

『......ある日突然、気がついたらこの世界でカードになっていた、か』

 

『そういう訳だな。いやぁ不思議な事もあるもんだ』

 

『何者かに呼ばれたのか、それとも自然発生した現象なのか、それすら分からないわ。残念だけど、帰る手段も分からないままなの』

 

ってな感じで、ディアベルスターとほぼ同じであるという事しか分からなかった。そのディアベルスターは、宝玉獣達に許可を得て、魔法を使い彼らを調べている……のだが、表情的にあまり良い結果は得られなかった様子。

 

「精霊自身にも分からない以上、俺らが考えても仕方ねぇよ。とりあえずは他に精霊が来てたりするかもしれないからそれを探せば良いんじゃないか?」

 

「だね。僕や遊香もひょっとしたら同じ様に精霊を拾う機会もあるかもしれない」

 

「わ、私も探してみますね。ルビー達がいるから、精霊さんも仲間だと思って寄って来てくれるかもしれませんし」

 

「私も探す!精霊さんに会いたいし、見えるようにもなりたいからね」

 

というわけで、当面の目的としては新たな精霊を探す、という事で決定した。高良も言っている通り精霊を既に持っている俺や高良なら、他の精霊も気づいて集まって来るかもしれない。数が増えれば、それだけ知恵も増える。ひょっとすると上手いこと元の世界へ帰れる手段を持った精霊に出会えるかもしれない。

 

......そうと決まれば、だな。

 

「うっし、んじゃ高良、今日放課後時間あるか?」

 

「?あ、ありますけど......」

 

「今んとこ精霊を持ってるのは俺らだけだし、俺たちの精霊が固まって歩いてれば他の精霊からも目立つと思うんだよ」

 

「......なるほど、確かに精霊は精霊か、精霊のカードを持った者にしか見えない状態だしね。集団でいれば精霊にだけ見えるだろうね」

 

「そっ、だからさ。放課後一緒に街に出てみようぜ。折角だし、普段行かねぇ所とか行ってみたら案外精霊に出会えるかもしれないしよ」

 

「な、なるほど......」

 

「ああ、それは良い考え......!!」

 

「ふーん、確かに......!!」

 

俺の提案に、高良と宝玉獣達がなるほどぉと頷く。精霊の集団が練り歩いてりゃ、見えるやつにはそれはもう目立つことだろう。そうすれば精霊自身や精霊を連れた人物にだって出会えるかもしれない。

......のだが、俺のちょっとした提案を聞いて遊鮮と遊香が何故か凄い目を見開いて固まっている。なにかに気づき、そして何かを思いついたと言わんばかりの表情で、何故か俺を凝視している。なんだよ。

 

「そうと決まれば放課後街に繰り出すか。確か今日は童三乃坂アリーナの方でイベントやってたよな?人も集まるだろうし、良い感じだろ。遊鮮と遊香も―――」

 

「あー!僕も行きたかったけど今日は家の手伝いがあるなー!僕は行けないから遊笑と高良さんで行ってきなよー!」

 

「お、おう?じゃあ高良と俺と遊香で―――」

 

「あ、あーごめん!私も今日は道場行かなきゃだから!ホントに!残念ダナーまぁ用事があるからしょーがないね!コウちゃんと遊笑で行ってきなよ!2人で!2人で!!」

 

「お前も?でもお前、今日は道場休みじゃn」

 

「いや急遽!ホント急遽行くことになったの!」

 

「そ、そうか......」

 

何だなんだ?遊鮮も遊香も用事があるのか。うーん、そうなると俺と高良の2人だけで行くしか無いのか。一応精霊を連れてる2人だから問題ないけども、それにしても2人ともなんでこんな急に他所向いて喋り出すんだ? ……まぁいいか。

 

「どうする高良?俺とお前だけっぽいけど、日を改めるか?」

 

「そうですね、遊香ちゃんも遊鮮さんもダメなら皆で予定を合わせて......」

 

「大丈夫大丈夫!イベントあるんだよね?だったら折角だし今日行ってきなよ!私達のことは気にしないで良いから!」

 

「そうそう、僕らのことは気にしないで。2人で楽しんできなよ」

 

「お、おう?そ、そうか......だってさ?どうする高良?」

 

「アレ...コレッテツマリ...フタリッキリ、オデカケ...デート?」

 

「高良ー?」

 

「っ!ななな、なんなんでもない!い、行きましょう遊笑さん!折角、なんですし!」

 

今度は何か高良の方も様子がおかしくなってやがる。頭からプシュ〜と湯気を出しながら、茹でダコみたいに顔を真っ赤にしてワタワタ腕を振っている。訳が分からんが、まぁ行けるって言うなら行くかぁ。

 

「まぁいいや。そんじゃ、今日の放課後に...... 童三乃坂駅に集合で良いか」

 

「そ、そうですね、そうしましょう!」

 

微妙に気合いの入った返事をする高良。まぁ4人で遊びに行くのは今度にするか。丁度いいし下見でもしとけば良いかもしれない。

 

こうして、高良と一緒に放課後街へ出る事となった。

......なんか後ろの方で精霊達がどよめいてたり、ディアベルスターが「やるじゃん」みたいな表情で後方腕組み待機していた。なんで?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......」

 

「......」

 

(分かってる!遊鮮!)

 

(うん、高良さんには悪いけど、僕らに精霊が見えない以上しょうがない......って事にしとこう!)

 

(OK。それじゃあ後は、放課後こっそり後を尾行して見せてもらおうか......)

 

((2人っきりの外出でイチャつく所を!!))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後。

 

「お、おおおお待たせしました、遊笑さん!」

 

「おう、別に待ってないから大丈夫だ」

 

「す、すみません、服選びに手間取っちゃって......」

 

「そうなのか。いやぁ、似合ってると思うぞ?」

 

「ああああばばっばありがとうございます!?」

 

なんか凄い気合い入った感じの服装で来た高良と合流し、目的のイベント会場―――童実野坂アリーナへと向かうのだった。......友達と遊ぶのにそんな気合いいる?




「なぁディアベルスター、これとかどうよ?ちょっと遊びに行くにしては変かな?」
『まだ地味だな。もっと腕にシルバー巻くとか』
「シルバーって何だ?」
「これは見逃せないね遊鮮!サングラスの用意は!?」
「大丈夫だ、問題ない!こんな面白そうな状況、見ない訳にはいかない!高良さんには後で詫び入れよう」
「デデデ、デートって何着ていけば良いんだろう!?どうしようルビー!」
『いや別にデートでは無モガッ』
『キュゥ』

次回、遊戯王存在しないモンスターズ
第3話(3)デュエル・スタンバイ!

『シルバーってのはあれだ、ブレスレットの事』
「えー、いやブレスレットはちょっと」

次回デュエル回、TS野郎の話はあと1、2話先からで。
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