遊戯王 存在しないモンスターズ   作:コジマ汚染患者

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すみません、遅くなりました。ディアベルスターの設定の見直しやらディアベルゼってあれどうなるん?やら使うデッキをMDで作るのやらでだいぶサボってました。まだストックが3つしかない...。デッキに至ってはまだあと四つも完成してない...。

重ねてすみません、長くなったのでぶった切りました。2万字は流石にね。
あ、デュエルまでに無駄に時間かかる感じです。
題名はまた思いついたら調整していくのでユルシテ....ユルシテ...


第3話(3)

「さて、んじゃ行くか」

 

「はい!」

 

放課後の童三乃坂駅。待ち合わせ場所となっていた広場の前で高良と合流し、予定通り歩き出す。

アカデミアで話した通り俺と高良、精霊が側にいて精霊が見えている2人で精霊を探すということになっている。

......のは良いんだが。

 

「高良って......」

 

「え、えと、何かおかしかったでしょうか?」

 

横をヒョコヒョコついて歩く高良の方へと視線を向ける。

 

メガネは相変わらず瓶底メガネ、髪の方は纏めて後ろの方でポニーテールにしている。バッグは女子らしく小物が入る程度の小さいもの。こういうバッグ見ると毎回思うが何を入れているんだろうか、スゲー小さいんだが。

服の方は、中に着ているのは白のシンプルなシャツだがその上からオーバーオールという着こなし。足元も女子らしさの薄いスニーカーで、総じて女子らしさよりは動きやすさ重視というような格好をしている。

 

「なんというか、お前思ったより似合ってんのなそういう格好。こう言っちゃアレだが男っぽいな」

 

「あ、あはは......昔は兄について行って、家の持っている山で遊ぶことも多かったですから。オシャレよりは動きやすさを重視しがちなんです。へ、変でしょうか?」

 

「いんや別に?高良結構大人しい感じしてたから、女子といえば、みたいな服装かと思ってただけだ。でもその格好も似合ってて良いと思うぞ」

(家の持ってる......山......?)

 

「にあっ!?あ、ありがとうございます……」

 

不安げな様子だったので自信をつけてやるために感想を正直に伝えると、顔を真っ赤にしながら俯いてしまった。背中から伸びるポニーテールを前に持っていき、いじりながら何かブツブツ言っている。まぁ嫌そうではないから良いか。こういう時、女子のファッションはしっかり褒めろっていってた姉の言は正しかったってことだな。

 

『ずいぶん手馴れてるな。実はそういうたらしだったのか?』

 

「何の話だよ?ただ褒めただけだろ」

 

『......なるほど、素かこれ』

 

「みみみ、皆どうしよう......お洋服褒められちゃった!お友達なら、こっちも相手の服装褒めた方が良いかなぁ?」

 

『キュゥ〜?』

 

『いや、遊笑くんは制服だぞコウ、それよりも手をだな......』

 

『待て、ここは一度ギュッと腕に抱きつくとかどうだ?』

 

『まだ早いんじゃないかしら?それよりもほら、後は若い2人に任せて......』

 

「何言ってんだこいつら」

 

ええい、下世話と言うべきかお節介と言うべきか、どちらにしろ凄いグイグイ距離縮めにかかるな精霊共!俺と高良は出会ってからまだ日が浅いってもんじゃねーぞ、いきなり腕組むほどの仲になるわけないじゃんか。

 

あとディアベルスターは何か変なこと考えているのかずっとニヤニヤしながら脇を肘で小突いてくる様な動きをする。やめろやめろ、実体ないから痛くはないけど鬱陶しいわ。

 

「さて。そんじゃ改めて確認しとくか、今回の目的」

 

「そ、そうですね!」

 

とりあえず空気を変えるためにそう言って一度止まる。駅前からは結構離れた所であり、童三乃坂アリーナからもまだ遠い。ただ人通りは少ない道に入ったので、人影や気配は疎ら。わざわざ話を盗み聞きするような人もいないだろう。

精霊を交えて話をしてても不審がられることは無い。

 

「まず、人が集まるところ......今日は童三乃坂アリーナのイベントってのに行く。そこなら人が沢山集まるし、そうなれば必然的にカードも集まる。精霊にも出会えるかもしれない」

 

「そうですね。今日のイベントはデュエルを行う催しだそうですし、集まっているのはほぼデュエリストの方々でしょう」

 

『精霊的にも、そういった賑わいのある場所はある程度気になって見に行くとかあるかもしれない。あ、でもカードの状態だとうろつくことは出来ないから、運良く近場に居るとかじゃないなら難しいかも?』

 

「そうなのか?ディアベルスターは割と動き回ってるじゃん」

 

『いや、実はそうでも無い。私たち精霊は、カードに宿っている性質上カードから一定距離までしか離れられない。詳しく調べたわけじゃ無いから具体的な数値はハッキリしてないが、離れても問題ない距離は大体1、2mくらいか』

 

「それ初耳なんだが?」

 

『今初めて言ったからな』

 

「うん、情報共有大事な?」

 

「ルビー達もそうなの?」

 

『キュゥ』

 

『オイラ達も当てはまるぞ。それ以上離れようとしても見えない紐に引っ張られたみたいに動けない』

 

『カード自体が移動すると我々も移動する。これは意思に関係なく動くんだ。先ほどコバルトが言っていた例えを繰り返すなら、全身を見えない紐で引っ張られる感覚だな』

 

「そんなもんなのか……そういえば、高良も昨日、ルビー以外の精霊は家で待ってるって言ってたな。あれも家にカードが置いてあるからついてこれなかったってことか」

 

『そういうこったな。オイラ達は皆1、2mくらいしかカードからは離れられねぇ。これは確かだぞ』

 

「......こうして改めて考えると、精霊についてあまり知らなかったな俺」

 

「た、確かに......私もルビー達が離れられないのも、そういうものなんだなぁって思っていました」

 

高良と二人で、ハァとため息をこぼす。そうだ、よくよく考えるとそもそも精霊の......生態って言っていいのか?......とにかく、特徴的なものを何も把握していない。

 

この状況で精霊を探すとか言ってられないな、さてどうしたものか。

 

「ディアベルスター、とりあえず知ってる情報をまとめよう。さっきの、カードから離れられないってのと同じで言ってない事とか無いか?」

 

『ん、そうだな......』

 

「皆も、何か無い?」

 

『うーん......』

 

『キュゥ~?』

 

ディアベルスター達へと改めて精霊とは何なのかを尋ねる......のだが、何やら難しい表情を浮かべて唸っている。

 

「おいおい、どうしたんだよ?」

 

『あー、スマン。私はさっきのこと以上は分からない』

 

「は?」

 

『すまない、コウ。実は私達も、自分が置かれている状況については正直詳しくないんだよ』

 

「え、えぇっ!?」

 

高良が目を見開き驚きの声を上げる。思わず俺も声を上げそうになったが、正面の方を自転車に乗った人が通りがかった為慌てて口を噤む。

特に不審がられる事もなく自転車は通り過ぎて行った、高良も声は出てしまっていたが慌てて自身で口元を抑えていたのでそれ以上の声は無かった。

 

「......すみません」

 

「いや、大丈夫だ。それよりディアベルスター、それ本当か?」

 

自転車が見えなくなった所で、申し訳なさげに謝る高良に軽くフォローしつつ質問を重ねる。

ディアベルスターだけじゃない、高良の精霊である宝玉獣達はコイツよりも長い期間こっちの世界にいたはずなのに、そんな彼らですら知らないってどういう事だ?

 

『一応、これでも魔法を使う身だ。遊笑と出会ってから時間を見て色々調べてはいるんだがどうにも上手くいかない。......というか、おそらく原因が魔法的な物じゃない、もしくは私のモノとは違う魔法なのかもしれない』

 

『オイラ達だって、この世界でのんびりしていただけじゃ無い。皆で調べたりもしたさ。でも、そもそもオイラ達はディアベルスターみたいに魔法を使うって訳でもないしなぁ』

 

『現状の自分達の事、今どんな事なら出来るのか。その程度しかわかっていないというのが正直なところだ』

 

「確かに、皆自分の名前の事しか教えてくれなかったものね......」

 

「教えてないというか、教えられなかったという事か......いや、でもそれでよく今まで普通に過ごしていけたな。不安とか無かったのか?」

 

『『『『『『考えても仕方ないことを考えるよりも、コウを助ける方が大事だったからな(ね)』』』』』』

 

『キュウ』

 

「うーんこのお人好し共」

 

「そ、そんなに私ドジじゃないよ!?」

 

満場一致で言ってくる宝玉獣達に、高良は少し頬をプクッと膨らませながら抗議する。

自分達の事よりも高良の心配とは、肝が座ってるんだか呑気なんだか......。

 

「ちなみにディアベルスターは?」

 

『分からない事は気になるが、今の所異常も不調も無いからな。気にするだけ無駄だ』

 

「ああそう......いや不調も異常もあるだろ、見ろこのカードのステータス」

 

『私自身には基本無いから異常無しだ』

 

「オイ!何を見てヨシなんだよ!?」

 

本当に気にしてくれよ、お前今俺のデッキのエースなんだぞ!?

思わず腰のデッキケースからディアベルスターのカードを抜いて本人へ突きつけるが、知らないとばかりにそっぽを向かれてしまう。

通りがかったフードを被ってランニングしているパーカー姿の人が、傍目には虚空へ向けてカードを掲げている俺に怪訝な表情を浮かべつつ通り過ぎて行った。......くそ、恥かいただけじゃないか。

 

「と、とにかく!精霊がどういうものか、お前ら自身にも分からないって事は分かった。あとはカードから離れられないって事も!今はそれでいいだろ」

 

「そうですね......当初の予定にも何も変更は無いですね。カードから離れられないのでしたら、尚更カードがある場所だけを探せば見つかりそうです!」

 

『って事は......』

 

『やる事は変わらないって事だな。遊笑、アリーナってのは?』

 

「ああ、ここを真っ直ぐ行けばすぐだ。んじゃぁ......行くか!」

 

「はい!」

 

精霊について詳しいことは分からないという不安はあるが、それでも予定に変わりは無い。俺と高良、それと精霊達は改めて童三乃坂アリーナへ向けて歩を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いたな!ここが童三乃坂アリーナだ!」

 

「わぁ......!お、大きい!」

 

道中に特に問題も無く、童三乃坂市で最も大きい施設、童三乃坂アリーナへとたどり着いた。

イベントということもあってか出店の屋台が並んでいたり、幼児用の遊び場や軽いゲームが遊べる出し物が並んでいる。人も大勢来ており家族連れや男女のペア、友人と来たっぽい集団など様々な人々で溢れかえっている。

 

今回のイベントがイベントなので、少し遠くの方では激しい音と光が見聞き出来る。どうやらストリートで使用出来るデュエルスペースもあるようだ。

アリーナの前ですらそんな状況だ、当然アリーナの中からはそんな周囲の喧騒に負けないほどの盛大な歓声が響いている。

 

「あ、あそこたこ焼きやってる......お、焼き鳥も!それにあれはポップコーンか?」

 

「は、初めて来ました......!ひとがこんなに、学校以外では初めてです!」

 

「そうなのか?祭りとか、結構こんな感じのイベントあるだろ」

 

「私のお家はそういうのに出向くには遠かったんです。両親もあまりそういうものに興味があるわけでは無かったですから、今回が初めてです!」

 

『コウは基本、家の敷地から出れないからなぁ。そんな訳で俺達もこういう場所は来たことがないな!』

 

『へぇ、変わった家なんだな。ところで遊笑、たこ焼きってのは何を焼いてるんだ?焼き鳥はわかるんだが......あ、それとポップコーンって言うのも初めてだ。どういう味なんだ?』

 

「いやお前食えねぇだろ。物に干渉できないじゃんか」

 

『......残っている魔力でどうにか』

 

「それは大事にしろ!?力取り戻すの絶対遅れるやつだろソレェ!」

 

なんかとんでもない無駄な事しようとしているディアベルスターを諌めつつ、目をキラキラと輝かせている高良にそっと目を向ける。

 

(......精霊関係なく楽しめているんなら、来た甲斐があったかな)

 

「遊笑さん!あれ、あれなんでしょう!?行ってみませんか?」

 

心の中で呟きながら、嬉しげに屋台を指さしながら駆けていく高良を追いかける。宝玉獣達も見たことの無いこの世界の物に興味津々で、高良の周りが「視えて」いる俺には凄いことになっていた。鳥やペガサスが飛んでいるのはまだわかるが、虎やら象やら亀やらが浮遊しているのは絵面がヤバいな。まぁ俺の横の女なんかもっと変なやつだけど。

 

『おい遊笑。あれはなんて書いているんだ?見たことは無いが、食べ物じゃないかアレ』

 

「んん?ああ、焼きとうもろこしか。......買わないぞ?」

 

『なんだと。焼く音だけで分かる、美味しいものだろうアレは。買え』

 

「いや買っても俺と高良の分だけだろ、お前食えねぇじゃん」

 

『......――――――――――――』

 

「おいそれ詠唱だろ。魔法でどうにかしようとするな、おい、オイって!」

 

「遊笑さーん!アレ、アレやりましょうよ!」

 

「高良は高良で待て!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......良い感じじゃないか?まぁ分かっていたけどデートって感じじゃ無いし」

 

「むむむ」

 

高良と遊笑の背後、電柱の影からはそんな小声の話し声が。そっと顔だけを出して2人の様子を見守っているのは、不審者要素全開のグラサンを装備した遊鮮と遊香。2人とも遊笑とは違い速攻で帰宅し着替えてから来たため私服姿だ。

 

なお、それでもサングラスの不審さは全く緩和されない。彼らはアカデミアで別れてから、遊笑たちに先んじてアリーナ前へと現着し彼らのデート(仮)を監視すべく待機していたのだ。

 

理由は当然、「面白そうだから」......というのは4割しかない。残りの6割は、「遊笑が高良を上手くエスコート出来るかが心配だった」が入る。

 

「そもそも出会ったばかりの高良さんと遊笑がそういう関係になる訳無いからねぇ。ま、遊笑は問題無さそうだし、高良さんも楽しんでる。放っておいて良いんじゃないかな」

 

「むむむむ......あの屋台、串焼きやってるじゃん!美味しそう」

 

「あ、遊香はもうそっちしか見てないのね......」

 

「あのお好み焼きも美味しそう......あれ、コウちゃん達は!?」

 

「いやもうとっくに見失ってるよ。さて、特に何も無さそうだし帰ろうk」

 

「じゃあもういいや、行くよ遊鮮!目指せ屋台、全制覇!」

 

「ぐえっ、ちょっと待って僕今は持ち合わせがーって力強っ!?」

 

肩を落としやれやれとため息をこぼす遊鮮と、既に高良と遊笑よりも屋台の食べ物へと目がいってしまっている遊香。そんな感じで2人は、遊笑達を見失ってしまい仕方なく適当にイベントを楽しむのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、今なんか遊鮮の声が......」

 

『どうしたんだ遊笑?』

 

「うーん、いやなんでもねぇ。気のせいだったっぽい」

 

「ゆ、遊笑さぁん......これダメです、全然当たりません......」

 

『頑張れコウ!狙うならあの人形だ、もう落ちる!』

 

『いや!オイラ的にはあの箱が狙い目だと思うぞ!』

 

一方その頃、遊笑達は屋台の1つ、射的屋にやってきていた。屋台を見つけ、遊笑から説明を受けた高良が目を輝かせながら「私やります!」と突撃して行ったのである。

 

射的屋のルールも特に変なことはなく、なんてことは無いタダの射的屋だ。景品にもカードがあるわけじゃないし、周りを見渡したり宝玉獣達が見回ってみても精霊がいる訳でもなかった。

 

そんな訳でさっさと別の場所へ行こうと思っていたんだが......高良がウッキウキでやると言い出したのだ。最初は止めたのだが、目をキラキラと星が飛び交いそうなくらい輝かせてやりたいやりたいと言う高良に、もう何も言えなくなった。

 

なお、現在3回目。高良の獲得品はゼロである。

 

「ガッハッハッ!ダメダメェお嬢ちゃん!もっと狙いを定めないと当たらないよ?」

 

「うう、ちゃんと狙っているハズなのに」

 

「高良ー、そろそろ諦めるべきじゃねぇか?」

 

射的屋のおじさんが朗らかに笑う中、高良はプルプルと震えながら精一杯銃を突き出し景品を狙う。背後では宝玉獣達がアレコレと声援やら指示やらを飛ばしている。

 

「ま、まだです......!あの子を手に入れるまでは!」

 

「えぇ、いやまぁ高良が良いんなら良いんだけどさぁ、あのぬいぐるみ何が良いの?」

 

セリフは勇ましいがへっぴり腰で銃をプルプルさせている高良。その銃口の狙う先には、この射的屋に来た時から高良が狙っているぬいぐるみがあるのだが......。まぁ、うん。好みって人それぞれだよね。

 

「お嬢ちゃん、お目が高いね!こいつはウチの景品の中でも一番手強い物、その名も『はぐれもけもけ人形』さ!」

 

「もけもけ人形とどこが違うんだろうかこのぬいぐるみ......」

 

「全然違いますよ!」

 

「これだから素人はダメなんだよ兄ちゃん!」

 

「え、これ俺がおかしいの???」

 

高良と射的屋のおじさん、2人にツッコまれたんだけど、いやだってどうみても市販のもけもけと違いが無いじゃん。口空いてるだけじゃん?

 

そんなこんなで、結局その後も10回ほど挑戦していた高良だったが結局景品をゲットすることは出来なかったのだった。

なお、宝玉獣達も本気で残念がっていた。え、お前らも欲しかったのあれ?家にないもけもけシリーズだった?......あれシリーズあるのかよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ、もけもけさぁん......」

 

『惜しかったぞコウ。あと少しだったな』

 

『あの店、実は下の方固定してたんじゃないかい?』

 

『くそぅ、オイラ達が実体化出来ればこっそり落としてやれたのに...!』

 

「やめい」

 

肩を落としながら歩く高良をなだめつつ、射的屋を後にした。どんよりとした空気を纏いながら歩く高良を、宝玉獣達が必死で元気づけている。まぁあの場でぬいぐるみゲットしても歩くのに邪魔だったと思うけど......。

 

「お、ついたぞ高良。カードってんならやっぱここだろ!」

 

「?......うわぁ!」

 

こういうイベントなら絶対開催していると思った!俺が指さした先を見て、落ちこんでいた高良も声を上げ呆然とした。

 

「ねぇ、これ交換しようよ!」

 

「いいね、じゃあそれか......それが欲しいな」

 

「これは中々......」

 

「でしょう?私が初めて当てた秘蔵のハイレアリティです!」

 

「諸君!これこそ、我が至高のデッキ!真似するなら今だぞ!」

 

「えー、なんかかっこ悪い......」

 

「かっ......!?」

 

出店が立ち並ぶエリアと野良デュエル用のデュエルフィールドの間に用意された少しだけ開けた場所、そこでは大量の長机が用意され老若男女様々な人々がカード片手に話に興じていた。

 

【交換会】。そう呼ばれる光景だ。イベントや大会など、大きな催しのある場所では必ずと言って良いほど行われているもので、ここ最近になって大規模になりつつある活動のひとつだ。

 

「人が沢山、あれ?でもデュエルしている人はいませんね......」

 

「ああ、これは交換会だからな。デュエルがしたけりゃ向こう側のデュエルフィールド使うし」

 

「交換会、ですか......?」

 

首を傾げている高良に、ちょうど良いので交換会について説明する。

名前の通り交換を行うのが交換会だ。ただ、その交換というのがカードだけにとどまらないのが特徴でもある。

当然、交換をするのも自由だ。必要なら置いてある長机も使って長時間カード交換に費やす事も全然あり。

その他にもカードのレアリティ自慢、自身のデッキレシピの公開、好きなカードの布教まで。

迷惑行為さえなければ何をやるのもアリとなっている超自由な交流の場、それが交換会だ。

 

「へぇ〜、凄い。そんな集まりもあるなんて、イベントって凄いですね」

 

「まぁ小さい規模の交換会ならカドショとかでもよくあるけど、普段は出会えないカードに出会える場所でもあるからなこういう場所は。俺も何回か交換した事あるぜ、ブレイカーとか魔力掌握とかはそうやって手に入れたし」

 

『うぅむ、まだ精霊の姿は見えないが、確かにこういう場所であれば精霊に出会えるかもしれんな』

 

『お仲間に、ねぇ......なんにせよ確かに興味はあるな』

 

感心した様子でキョロキョロと会場となっているエリアを見渡す高良。精霊達からも納得を得られた、俺の知ってる精霊が居る可能性の有りそうな場所としては、此処が一番だしな。

 

「よっし、そんじゃ行くか!ディアベルスター達も、よく見とくようにしてくれ」

 

『ああ』

 

『高良、遊笑くんからはぐれないようにな』

 

「わ、わかってるよぅ」

 

そんな訳で俺達は、交換会の人混みの中へ突っ込む事に。

精霊に言われたからか、はぐれない様に高良は控えめに俺の服の裾を摘むようにして後ろをひょこひょこ着いてくるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして探し始めて30分後。

 

「......」

 

「......」

 

『......』

 

『『『『『『『......』』』』』』』

 

『...ンフンフ』( ˊ̱˂˃ˋ̱ )

 

「「『......誰この精霊???』」」

 

精霊を見つけた。

ただ、よく分からない見た目だったが。




今回の精霊をこのヒントだけで当てられたらプロ2人のデッキ当てるよりも確実にすごいと思う。
次回、精霊発見。それと謎の勢力。
長くなりすぎる病過ぎて泣けてくる、要点だけまとめる力が足りない...!

【本編内で言わない設定】
・もけもけ人形
全国展開しているめっちゃ人気な人形。そのこの世を悟ったような無我の境地な細い目、脅威の可動域30°という全く活かす手段のない手足、決死の覚悟で動かせばギリギリ3mm浮かぶことの出来る羽、舐めると甘い天使の輪が特徴で、「はぐれもけもけ」以外にも様々なバリエーションが存在する。ご当地もけもけもあり、童三乃坂もけもけは腕にシルバーを巻いた目付きの鋭いもけもけ。髪の毛が生えており、その形状がどことなくヒトデに見える。
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